鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

平成26・27年度医療関係者検討員会報告書

2016-04-30 16:02:03 | 日記
日本医師会の石川常任理事は、4月13日の定例記者会見で、医療関係者検討委員会(委員長:月岡鬨夫群馬県医師会長)が、会長諮問「地域包括ケアシステムにおける多職種連携の推進について―多職種の役割をいかに引き出すか―」に対する報告書を取りまとめたとして、その概要を説明しました。

https://www.med.or.jp/nichiionline/article/004356.html



内容は、(1)はじめに、(2)地域包括ケアシステムにおける多職種連携の推進について、(3)2025年に向けた看護職員の確保について、(4)おわりに―で構成されています。

(2)の地域包括ケアシステムにおける多職種連携の推進についての項では、医療と介護の連携が進んでいる地域の事例として、山形県鶴岡地区医師会、東京都板橋区医師会、山口県 防府医師会が取り上げられ、とくに鶴岡地区医師会の事例は、かなりのスペースを割いて紹介されています。


委員会の報告者(答申)は、以下をご覧下さい。


医療関係者検討委員会報告書


以下、鶴岡地区医師会の事例報告の部分を抜粋します。

(1)顔の見える関係構築と医師会の役割

地域における多職種連携の第一歩は、「顔の見える関係」を築くことであると言われる。関係者間でコミュニケーションが十分に取れないと、様々な問題が生じるおそれがあることから、まずは顔の見える関係を構築していくことが必要である。特に、医療関係者と介護関係者との間には職種間の壁も指摘されることから、それぞれの専門性と地域包括ケアシステムの中で果たしている役割について、相互理解を進めていくことが必要である。

そのため、各地域では医師会を中心とした在宅医療・介護連携推進事業や、地域包括支援センターによる地域ケア会議等の取り組みが進められている。

<事例1> 山形県 鶴岡地区医師会

山形県鶴岡地区医師会における多職種連携の取り組みについて述べてみる。

まず第一に、地域的背景が問題となる。診療圏は人口約 14 万人で、面積 は東北一広い面積(全国では 7 番目)であり、病院 5、診療所 30、その他介 護施設・薬局等を含め計 104 の関係機関がカバーしている。基幹病院である 鶴岡市立荘内病院(520 床)は、救急搬送の約 85%を受け入れている。すな わち、1)高齢化率が高く(30.8%)、2)医療資源が限られていて、在宅医療 が必要とされ、3)中核病院の負担が大きいことから、医療連携・多職種連携 を推進していかなければ今後の医療提供が困難になる、という現状があるこ とが前提となっている。

第二として、以前から顔の見える関係を築いている、という土台がある。先進的と言われる鶴岡地区の医療連携であるが、一朝一夕にでき上がったわ けではない。元々、鶴岡地区医師会では 1997 年から会員相互のイントラネッ ト運用をはじめとして、積極的に IT 化を進めてきた。2001 年には経済産業 省モデル事業を受託し、地域電子カルテ「Net4U」を開発・運用開始し、地 域連携パスを IT で運用するなど、様々な事業を IT 化してきた。その実施に 際して、当初からうまく運用できたわけではなく、IT 化を主導してきたリー ダー的な現医師会長とそれを成功させようとした仲間たちの存在、さらに、 運用資金を含め IT化を支援し続けた医師会執行部の協力なくしては実現でき なかったと思われる。しかしながら、IT 化を推し進めるに当たっては、常々、 「IT は一つの手段であり、一番重要なことは、直接顔と顔を合わせての関係 作り」を大事にしてきた。そのような考え方が、その後の医療連携・多職種 連携の基礎になっているものと思われる。

医療関係者間での連携はある程度できてはいたが、その後、2007 年厚生労 働省の研究事業である緩和ケア普及のための地域プロジェクト「OPTIM」に より、全国 4 か所のモデル地域の中、緩和ケアの提供体制が未整備な地域と して採択され、 「庄内プロジェクト」と命名されスタートする。多職種連携は、この「庄内プロジェクト」と地域連携パス(大腿骨近位部骨折連携パス、脳 卒中地域連携パス、糖尿病地域連携パス、急性心筋梗塞地域連携パス)を IT 化して運用することで、驚異的に発展することになる。

庄内プロジェクトの 活動の一環として、地域連携 WG が設置され、職種ごとに多くの会が設立さ れ、活発な活動が展開されることとなった。それまで、医師同士の病診・診 診連携ツールとして活用されていた Net4U は、看護師や PT・OT 等のリハス タッフ、ケアマネなどの介護系職種までもが利用するようになり、多職種連 携に大いに役立つことになる。

このように、多職種連携は主に医師以外の職種を中心に広がっていくが、各職種での小規模な連携がたくさんでき、それぞれの連携ごとの係わり合いや情報共有などはなかなかできづらい状況にあった。そのような中、鶴岡地 区医師会では 2011 年に在宅医療連携拠点事業を受託、鶴岡地区医師会内に地 域医療連携室「ほたる」を設置し、「ほたる」が数多くの雑多な連携を整理・支援していった。各種研修会の情報を整理し、ホームページ上に集約したり、ショートステイの空き情報を提供することなど、情報を一本化し、多職種が一つにまとまりやすい環境を整備していった。

また「ほたる」では、総合相談窓口業務として、医療・介護の専門職向けの相談から始まり、現在では地域住民の相談にも応じている。そこでは、どのような相談でも受け付け、「ほたる」で対応できないものは適切な機関等へつないでいる。そのような状況から、新たに歯科医師会・薬剤師会との連携も生まれ、在宅医療の充実に一 役買っている。

また長年、行政と良好な関係を築いていることも大変重要な要因となっている。鶴岡地区医師会では、健診センター、リハビリテーション病院、介護老人保健施設、准看護学院などの事業を手掛けており、経済的な基盤がしっかりしていて、補助金収入が見込めなくなっても事業を継続していくことが可能であり、行政に経済的な負担をかけずに、お互いの役割を明確化しながら、車の両輪のごとく一緒に種々の事業に関与している。さらに、ここでも定期的なミーティングを行うなど、顔の見える関係が上手く構築されている。

以上まとめると、鶴岡地区での医療連携・多職種連携が成功している要因 として、1)リーダーになり得る人材がいたことと、その人材を支え協力する 周囲の人間がいたこと、2)何があっても人材を活用していこうとする医師会 執行部の姿勢、3)事業を継続していくための安定した財政基盤、4)行政と の良好な関係が築けていたこと、が挙げられる。

また、今後の課題としては、1)多職種連携が必要であるという、医師側の 意識改革、2)在宅医療に関与する医療機関が少なく、限られた医師に頼って いる状態の改善、3)特に介護系職種における医療知識の充実の必要性などが 考えられる。



https://www.med.or.jp/nichiionline/article/004356.html


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ドローン

2016-04-23 09:50:12 | 日記
今回は、医師会活動とは全く関係ない、個人的な趣味の話題。

昨年の今頃買ったドローン(parrott社のbebop drone)、子供の頃からラジコン飛行機に憧れていた私にとっては、わくわくのおもちゃでした。
しかし、3機を相次いで失い、もう買うのはやめようと思っていました。

ところが、今年に入り、飛行時間が25分と大幅に延びた新型機 bebop drone2が発売され、
さらには自動飛行ルート作成機能が追加されこともあり、4機目のドローンを買ってしまいました!




テストフライトをしましたが、自動飛行ルート作成機能は、優れものです。
マップ上をクリックして出発地点を選択し、次に別のポイントを複数指定すると、自動飛行ルートが作成できます。
進行方向や速度、高度は各ポイント間で変更が可能で、まだ、動画/写真撮影や、離陸、着陸、旋回、カメラの角度変更などの各パラメータも調整できます。

http://blog.parrot.com/2015/10/20/flight-plan-tutorial/


自動飛行ルートを利用することで、操縦ミスによる不時着などの事故が減り、空撮に集中できそうです。

いい画像が撮れたら、紹介したいと思います。

以下は、赤川でのテストフライト中に、ハングライダー?に遭遇したときの動画です。

https://youtu.be/HoCTZX20w7g



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結婚式

2016-04-18 15:17:34 | 日記


昨日は、鶴岡地区医師会地域医療連携室「ほたる」で、活躍頂いた亜衣ちゃんの結婚式でした。
すごく幸せそうなお二人から、幸せオーラを頂戴してきました。



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医師会勉強会:知って得する炎症性腸疾患(IBD)最新診療 のコツとポイント

2016-04-16 09:56:35 | 日記


本年度第1回目の医師会勉強会は、札幌厚生病院の本谷 聡先生をお呼びして、炎症性腸疾患の実践的な講演を拝聴しました。

膨大な臨床経験に基づくIBDの最新の治療法は、IBD治療に携わる先生方には大いに役にたったのではないかと思います。

近年、生物学的製剤などの普及により、IBDに限らず多くの疾患でその治療ストラテジーも大きく変わってきていることを実感しました。

医師たるもの、継続的な学習は必須ですね(自戒を込めて)。


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鶴岡地区医師会勉強会
日時:4月15日
場所:医師会講堂
演題:知って得する炎症性腸疾患(IBD)最新診療 のコツとポイント
講師:札幌厚生病院 IBDセンター 本谷 聡 氏
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●潰瘍性大腸炎

 診断
  矛盾しない、除外診断
  内視鏡:炎症症状、潰瘍は条件ではない、浮腫、潰瘍、出血
  病理:陰窩膿瘍、感染性腸炎などにもみられ必ずしも診断的所見ではない
     胚細胞の減少、腺の配列異常
  DD:アメーベ性大腸炎(性癖など)、キャンピロバクタ腸炎(生の鶏肉)、
 
 重症度分類
  Matts内視鏡分類 1-4
  MES(Mayo endoscoopic sub score) 0-3  粘膜治癒率
    インフリキシマブなどの効臨床試験効果指標で用いられ普及

 治療ストラテジー:順序が重要
  十分量の経口・5-ASA(メサラジン)製剤(高用量を躊躇しない)
  ステロイド (漫然と継続しない)
  免疫調節剤(シクロスポリン、タクロリムス・・)、白血球除去
  生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ)

 メサラジン製剤
  部位による分類:全大腸炎型、左側大腸炎型、直腸炎型
  直腸炎型:注腸製剤、座薬を積極的に使用、
 
   その他、サラゾピリン、ペンタサ坐剤、
  100%最初に使う薬剤だが、不耐が2%存在する
  長期投与による腎機能障害にも注意

 ステロイド
  ステロイド抵抗性:プレドニン1-1.5mg(40mg-60mg)で効果がなければ、早期に他治療に変更
  ベタメサゾン:強力な副腎萎縮作用あり、離脱困難になるので要注意

 重症例:スピード感をもって
  少なくとも7日以内に、外科治療の必要性を判断

 免疫調節薬(AZA):低用量から開始すべき
  イムラン、アザリン アザチオプリン
  消化器症状、膵炎、骨髄抑制による全脱毛などの副作用がある

 白血球除去

 レミケード(インフリキシマブ) IFX
  寛解導入率:50%程度、免疫調節剤の併用で寛解率上がる

 ヒュミラ(アダリムマブ)
  レミケイドより寛解導入効果は低い
  長期的には、同等

 カルシュニュリン阻害薬 プログラフ

 
 以上の治療も、1-2年程度で止めるのが原則だが、いつ止めるかの判断は難しい、
 これら治療は、妊娠中でも継続ける方向にある、
  *胎児には24Wで中止しても移行する、ワクチンは生後6か月以降に

●クローン病
 診断
  主要所見
   内視鏡:縦走潰瘍、敷石像、病理:非乾酪性類上皮肉芽腫
  副所見
   不整形、類円形潰瘍、あふた
   特徴的な肛門病院
   特徴的な胃十二指腸病変

 治療
  中等度以上では、腸合併症をきたす前に、 抗TNFα抗体を早期に導入!
  
 レミケード:キメラ型 抗原性あり抗体ができる、二次無効率(徐々に効かなくなる)、免疫調節薬と併用
 ヒュミラ:免疫調節薬の併用は必要ない

札幌厚生病院での年間患者数
 潰瘍性大腸炎1400例
 クローン病:800例

質問
 ・粘膜治癒の判断
 ・外科への依頼へのタイミング、
 ・自然治癒例がある(英国人) 人種による疾患感受性遺伝子の違い
 ・潰瘍性大腸炎と癌との関連 癌は治療がうまくいかない、治療していない例に多い、癌化を防ぐにはしっかりとした治療が必要
 ・潰瘍性大腸炎の逆紹介:30%は入れ替わる、積極的に逆紹介している、一方、クローン病は病院で診続けることが多い、
 ・再生医療の展望:まだその段階にはない



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地域づくり:電子カルテで医療情報を共有・交換

2016-04-15 15:05:21 | 日記


一般社団法人 地域活性化センターが発行している「地域づくり」という冊子への投稿文です。

【 電子カルテで医療情報を共有・交換 】

・Net4Uとは
Net4U(New e-Teamwork for 4 Units)は、山形県鶴岡地区医師会で運用している地域電子カルテの名称です。地域電子カルテとは、病院などで運用されている電子カルテを地域に広げたとイメージすると分かりやすいかもしれません。地域をひとつの病院とみなし、病院、診療所、訪問看護ステーション、薬局、介護サービス事業者などが患者さんの情報(所見、処方、検査値、病名など)をリアルタイムに共有したり、情報提供書などを電子的に交換したり、相互のコミュニケーションを可能とする仕組みです。

・Net4U導入の経緯
Net4Uは、2000年度の経産省の「先進的情報技術活用型医療機関等ネットワーク化推進事業」を受託し開発したシステムです。当時は、インターネットの黎明期であり、まだ電子カルテも普及していない時代でしたが、インターネットを利用した医療情報ネットワークを地域に構築することで、医療連携が進むことが期待されていました。当地区では、この事業を受託する数年前から、今後の地域医療にはインターネットを利用した医療者間での医療情報の共有は不可欠との認識でさまざまなシステムを開発していましたので、国の事業の受託はわれわれの活動に大きな追い風となりました。なお、Net4Uは2007年に「医療と介護繋ぐヘルスケア・ソーシャルネットワーク」として全面改訂し、現在も進化を続けています。

・運用状況
2016年3月3日現在、Net4Uには、病院(5)、診療所(35)、歯科診療所(10)、調剤薬局(23)、訪問看護ステーション(4)、訪問入浴(2)、居宅介護支援事業所(20)、介護予防支援事業所(4)、介護老人保健施設(1)、特別養護老人施設(2)、荘内地区健康管理センターおよび民間検査会社(3)が参加しています。2001年1月の運用開始以来、15年間の運用で、延べ登録患者数は45,616名、そのうち約20%に当たる8,899名の患者情報が複数の医療機関で共有されています。

・地域包括ケアシステムとNet4U
超高齢社会が進展するなか、地域包括ケアシステムの構築が求められています。地域包括ケアシステムとは、住民が住み慣れた地域で暮らし続けるために必要なサービス(保健、医療、福祉や介護、くらし支援)を地域でまとめて(包括的に)提供していきましょうというシステムです。在宅医療は、地域包括ケアシステムのなかで、医療を中心とした重要なサービスのひとつです。

在宅医療においては、ひとりの患者さんに医師、訪問看護師、薬剤師、歯科医師、ケアマネジャー、ヘルパーなど多くの職種が関わります。それら職種がチームとして機能するには、患者さんの必要な情報を職種間で共有するとともに、相互のコミュニケーションツールが必要です。このような状況において、Net4Uは多職種協働を支えるツールとして活用されています。究極の在宅医療とも言われるがん末期における在宅緩和ケアにおいては、多職種チームが頻繁に患者宅を訪れ治療やケアを行うことになります。刻々と変化する患者の状態に対応するには、Net4Uのような情報共有~コミュニケーションツールは不可欠です。とくに、病院に勤務する緩和ケアの専門チームがNet4Uに参加することで、病院に居ながらにして、地域の在宅チームへ適切な治療法などをアドバイスすることが可能となり、在宅チームの大きな安心感に繋がっています。

・医療・介護連携とNet4U
在宅医療においては、生活を支えるという視点がとても大切であり、介護職の役割は医療職に増して重要になります。医療と介護との連携が強く求められている所以ですが、全国的にみてもお互いの連携がなかなか進まないという現状があります。そのような背景もあり、近年、われわれは、Ne4Uへの介護系職種、とくにケアマネジャーの参加を積極的に促しました。その結果、現在では、ほとんどのケアマネジャーがNet4Uに登録されています。「Net4Uを利用して変わったことは何ですか?」というケアマネジャーへの質問では、「医療情報が正確かつ迅速に知ることができるようになった」、「在宅かかりつけ医との身近なやり取りができるようになり、連携が取りやすくなった」などの肯定的な意見が多く聞かれています。一方で、在宅かかりつけ医からは、「ケアマネジャーからは今まで知ることができなかった、例えば、介護する家族の情報なども知ることができるようになり、まさに在宅医療の新しいパートナーを得た思いです」との声も聞かれています。

・Net4Uを支えるさまざまな活動
Net4Uはあくまでツールであり、それが機能するには、理念を共有した顔の見える関係を構築することが前提です。当地区では、2006年に地域連携パス研究会(後に庄内南部地域連携パス推進協会)を立ち上げ、現在、大腿骨近位部骨折、脳卒中、糖尿病、5大がん、心筋梗塞の連携パスを開発・運用しています。地域連携パスは、疾病管理を目指した活動で、例えば、脳卒中では、パスを導入することで、脳卒中の再発が減ったとのデータも示されています。また、2007年には厚生労働省の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」を受託し、がん患者が在宅でも十分な緩和ケアを受けながら看取ることができる体制づくりを目指した活動を行ってきました。活動は、医療者教育、地域連携、市民啓発など多岐に渡り、多くの研修会、症例検討会が職種毎あるいは職種横断的に行われています。さらに、2011年には、在宅医療連携拠点事業を受託し、鶴岡地区医師会内に地域医療連携室「ほたる」を設置し、多職種連携を支援する数多くの活動も行っています。これらの活動があってこそのNet4Uであり、一方でNet4Uがあったからこその地域連携でもあるのです。

・今後の展望
Net4Uは、鶴岡地区以外にも、新潟県、宮崎県、長野県など全国各地での導入が進んでいます。Net4Uのようなシステムは、地域包括ケアシステムを支える有効なツールです。今後とも、全国に普及することを期待したいと思います。

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Net4U座談会 第2回

2016-04-12 15:09:22 | 日記


2回目となるストローハット社主催のNet4Uユーザ座談会に参加してきました。

前回(第1回)は、診療所医師、リハ病院医師、訪問看護・リハ師、ケアマネが参加し、おもに在宅医療やサービス事業所における多職種間でのNet4Uの利活用について意見交換を行ったようですが、今回は、診療所と調剤薬局との連携をテーマに議論しました。

参加者
 S調剤薬局薬剤師
 N調剤薬局薬剤師
 皮膚科診療所医師
 医師会事務局
 ストローハット事務局
 ストローハット開発担当


以下、私なりのまとめです。

診療所との調剤薬局とのNet4Uによる連携がメインテーマとなった。
今回の座談会には、診療所との連携にNet4Uを利用している2つの調剤薬局が参加。
S調剤薬局は、おもにN診療所の在宅患者についてNet4Uで情報共有している。連携患者数:153。
N調剤薬局は、M診療所とおもに外来通院患者についてNet4Uで情報共有している。連携患者数:209。

・薬局からみて、Net4Uのメリット
 往診の状況が分かる
 検査データは参考になる
 正確な診断名を知ることができる
 Net4Uで、他の医療機関の処方内容を診療所へ伝えることができる

 一方で、所見はあまりみていない、
 患者の全体像が分かるサマリが欲しい

・診療所から薬局への期待
 Net4Uの所見の記載、診断名、検査データを服薬指導に生かして欲しい
 医師には伝えていない、患者から得られる情報をNet4Uで共有して欲しい
 薬局からも薬の効果や副作用の情報を積極的にNet4Uに記載して欲しい

・Net4Uの今後の課題
 診療所の参加促進、利用促進
 病院と診療所の連携での活用促進
 今回の診療報酬上の加算を普及利用促進の契機としたい

 現在、Net4Uはコミュニケーションツールとしての利用価値は評価され、在宅医療の分野での多職種連携には有用性が高い
 一方で、救急、病診連携などにおける、診断、処方、検査などの患者カルテ情報は十分に活用されていない。
 
 患者、介護者向けの情報共有ツールである、Note4Uは、対象が高齢者ということもあり、利用例が進んでいない。
 対象を若年者に拡大し、生活習慣病などの患者を対象に、健康管理ツールとして利用できないか。

・まとめ
 診療所と調剤薬局のNet4Uでの連携は、まだ一部で行われて過ぎず、これからの分野である。
 Net4Uを多職種間のコミュニケーションツールだけではなく、いわゆる「地域」電子カルテとして活用していくためには、まだまだ課題も多い。




 

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検査・画像情報提供加算および電子的診療情報評価料

2016-04-04 16:36:44 | 日記

この度の診療報酬改定では、Net4Uやちょうかいネットなどの医療情報ネットワークで情報提供したり、それを閲覧し診療に活用した場合、診療報酬で評価されることになりました。

以前から、医療情報ネットワークの普及には「加算」が必要と思ってきましたので、画期的なことだと思います。

具体的な運用ですが、他医療機関を紹介する時に、検査結果、画像、投薬内容、退院時要約などをNet4Uあるいはちょうかいネットで提供した場合に「検査・画像情報提供加算」が算定可能と考えています(確定ではありませんが・・)。

・Net4Uで、診療所から紹介する場合

Net4Uを例にとれば、Net4Uに検査・画像・投薬内容などが記録された患者であれば、紹介時に、紹介先医療機関でそれらを参照してもらえば「検査・画像情報提供加算30点」を算定できることになります。この際、紹介状は従来通り紙で構いません。(将来的には、この部分も電子化したいと思いますが、そのためには医師資格証による電子署名が必要です)

さらに、紹介先では、Net4Uの情報を参照し、活用した場合「電子的診療情報評価料30点」を算定できます。この際、カルテに何らかの記載は必要。

・ちょうかいネットで、病院から逆紹介する場合

また、退院時に、病院から診療所を逆紹介する場合には、従来の紹介状に加えて、ちょうかいネットで、該当患者のカルテの開示で情報提供すれば、200点を算定できると考えています。さらに、紹介先診療所では、ちょうかいネットでカルテを参照し、活用したことを記載すれば「電子的診療情報評価料30点」を算定できると思います。

すでにNet4U、ちょうかいネットを活用している医療機関であれば、従来の運用方法で、加算が算定可能ということです。

・施設基準の届け出

一方で、これら加算を算定するためには、施設基準届けが必要になります。

届け出の具体的な書き方については、事務局から情報提供させていただきますので、Net4U、ちょうかいネット参加医療機関は漏れなく届け出をして頂きたいと思います。

また、この機会に、Net4Uやちょうかいネットへの参加を希望される方は、医師会事務局(ほたる)までお願いします。

(なお、以上の件は確定したわけではありません。詳細は、今後の疑義解釈、Q&Aを待ちたいと思います。)

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15 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、患者の紹介を行う際に、検査結果、画像情報、画像診断の所見、投薬内容、注射内容、退院時要約等の診療記録のうち主要なものについて、他の保険医療機関に対し、電子的方法により閲覧可能な形式で提供した場合又は電子的に送受される診療情報提供書に添付した場合に、検査・画像情報提供加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。ただし、イについては、注7に規定する加算を算定する場合は算定しない。

イ退院する患者について、当該患者の退院日の属する月又はその翌月に、必要な情報を提供した場合200点

ロ入院中の患者以外の患者について、必要な情報を提供した場合30点

B009-2 電子的診療情報評価料30点

注別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、別の保険医療機関から診療情報提供書の提供を受けた患者に係る検査結果、画像情報、画像診断の所見、投薬内容、注射内容、退院時要約等の診療記録のうち主要なものについて、電子的方法により閲覧又は受信し、当該患者の診療に活用した場合に算定する。
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医師資格証

2016-04-01 11:52:57 | 日記
この度の診療報酬改定で、電子紹介状やネットを介しての情報提供などに加算が算定できることになりました。
一方で、算定のためには、「電子署名」という仕組みが必要になります。

●電子署名

電子署名の仕組み、役割などについては、サイトを参照下さい。


●医師資格証

電子署名に必要になるのが、本人が医師であることを証明するICカード=医師資格証です。

医師資格証は、日本医師会電子認証センターが発行するものですが、この度、医師資格証の費用などの見直しが行われ、安価に入手が可能となりました。

 ・日医会員の場合、初年度は無料、5年毎の更新時に5000円
 ・非会員は、初回5000円、年間利用料6000円

●医師資格証の利用場面

医師資格証は、電子署名のほかに、医療情報ネットワークへのログイン、医師としての身分証明書、研修会などの単位管理などにも利用できます。利用場面は、以下のサイトで、動画で分かりやすく紹介されていますのでご覧下さい。

http://www.jmaca.med.or.jp/guide/qualification.html

●医師資格証の申請

医師資格証の申請方法は、以下のサイトに載っていますが、郵送も可能となったとのことで、地区医師会でまとめて申請するなどの方法も検討したいと思っています。

http://www.jmaca.med.or.jp/application/index.html

医師資格証は、今後のネットでの紹介状のやりとりや、今後普及するであろう電子処方せんなどに不可欠です。また、医師としての身分証明書としての価値もあります。医師会員は、全員もっておくべきカードと考えています。

●今後の展望

電子署名付の紹介状のやりとりについては、医師資格証のほかにも、ソフト、ICカードリーダなどが必要になります。Net4Uから簡単な操作で、病院等へ送信できる仕組みを構築したいと考えていますので、時間を頂きたいと思います。近い将来、すべての医療機関同士で、電子紹介状のやり取りや、ネット上で情報の提供、共有ができることを目指したいと思いますので、ご協力をお願いします。


●日本医師会からのアナウンス

医師資格証の利用料の変更について

日本医師会は、厚生労働省の保健医療福祉分野公開鍵基盤(HPKI:Healthcare Public Key
Infrastructure)に準拠する医師資格を証明する医師資格証(IC チップ内蔵)の発行と運
用を行なっています。医師資格証は日医会員・非会員を問わず、全ての医師に発行していま
す。

本年4月から医師資格証を用いて電子署名を付与すれば、電子紹介状の算定要件を満たし、
加算も算定できるようになります。また、生涯教育講習会などの出欠・単位管理での活用、
飛行機内での緊急対応時に、身分証として活用するための取り組みなどを進めています。
また、4月から実施が認められる電子処方せんに対しての電子署名も医師資格証を用いた
ものでなくてはならないと、電子処方せんのガイドラインに規定されました。

このように、これまでとは環境が大きく変わり、一層の普及が進むと想定されます。
つきましては、平成28年4月から厚生労働省の規定が変更されたことを受け、日本医師
会としても、その普及を更に進めるため、医師資格証について下記の変更を実施いたします。

1.医師資格証の費用の見直しを行ないます。

2.医師資格証の有効期限をこれまでの6年から5年に変更します。

3.内蔵 IC チップ内の電子証明書の有効期限をこれまでの2年から5年に変更します。
これに伴い2年毎の IC チップ内電子証明書の更新が不要となります。

4.申請方法を郵送にて行なえることと変更しました。

日本医師会は、医師資格証の費用を、日医会員の場合、初回の取得時に無料とし、これま
で年会費と言っていた利用費用も廃止して無料と決定させていただきました。医師資格証の
5年毎の更新時費用は発行手数料として5,000円(税別)とさせていただきます。
また、非会員の費用ですが、こちらも同時に見直しを実施し、発行手数料を同じく5,0
00円(税別)、年間の利用料を6,000円(税別)とさせていただきました。そのため、
非会員は、発行時および更新時に11,000円(税別)、更新までの2年目から5年目ま
での利用料が6,000円(税別)となります。

合わせて医師資格証の申請方法も、見直しいたしました。
従来は対面にて申請受付を行ない本人確認と医師免許証原本確認を実施してきましたが、
平成28年4月から郵送にて申請を行なうことも可能としました。郵送にて申請された場合
は、医師資格証を医師会等で受け取る時に本人確認と医師免許証原本確認を行い、医師資格
証を交付することといたしました。

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