鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.396 (天腎祭)

2014-09-29 15:56:38 | 日記


9月28日(日曜日)14:00~、鶴岡メタボロームキャンパスレクチャーホールで、
市民公開セミナー「天腎祭」が行われました。今回で6回目を迎えるこの市民公
開セミナーは「慢性腎臓病(CKD)」の普及・啓発を目指したものですが、医師
会長が最後のあいさつをすることが慣例になっているようす。ところが、ここ2
年都合が合わず、今回初めての参加となりました。

参加して驚いたのは、講演内容をまとめた配布資料のすばらしさ!その他のパン
フレットや小冊子なども充実しており、これをもらうだけでも参加した甲斐があ
ると思わせます。

講演の内容も、荘内病院の医師やコメディカルがそれぞれの専門分野で役割分担
し、腎臓の基礎から始まり、食事、運動、CKDと脳血管障害や認知症との関連な
ど、分かりやすく、とてもためになる内容でした。また、途中にラジオ体操や講
演内容の復習を兼ねた寸劇もあり、飽きさせない気配りにも感動しました。

自分の健康は自分で守る。生活習慣病では基本中の基本です。このような市民向
けのセミナーはとても重要な活動と再認識しました。


転ばぬ先の「知恵」知って得する腎臓と神経のお話

◆開会の挨拶
新潟大学大学院 医歯学総合研究科腎医学医療センター 教授 丸山氏

◆「かんたん! やさしい! 腎臓のはたらき」
 荘内病院 内科医師 安宅氏

◆「腎臓にやさしい食事」
 荘内病院 管理栄養士 斎藤氏

◆「慢性腎臓病と脳血管障害」
 荘内病院 神経内科医師 丸谷氏

◆「認知症と運動療法」
 荘内病院 リハビリテーションセンター 理学療法士 佐々木氏

◆ 「寸劇 CKD28 ー自分でプロデュースする方法ー」
 荘内病院6F西入院棟 看護師3名

◆透析療法のあゆみ
 荘内病院 血液浄化療法センター 臨床工学技士 石塚氏

◆閉会の挨拶
 鶴岡地区医師会 会長 三原

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No.395 (本間清和先生日本対がん協会賞受賞記念祝賀会)

2014-09-29 09:38:36 | 日記


本間清和先生の日本対がん協会賞受賞記念祝賀会が、9月27日、酒田の「ガーデンパレスみずほ」で行われ、鶴岡地区医師会を代表し出席してきました。

以下、日本対がん協会のホームページから

日本対がん協会賞は、対がん運動に功績のあった個人および団体を顕彰する賞で、検診の指導やシステム開発、第一線の検診・診断活動、がん予防知識の普及や啓発活動などに、多年にわたって地道な努力を重ねた個人や団体が対象です。受賞者は毎年9月に開催するがん征圧全国大会で表彰し、盾と記念品をお贈りします。

本間先生の業績

山形県酒田市立酒田病院などを経て1985年に開業した後も、やまがた健康推進機構庄内検診センター長を歴任し、がん検診に尽力した。低い受診率の向上を 目指し、検診の申し込みを電話から全戸配布の郵送回収方式に変更するよう提案し、受診率の20%から35%へのアップに貢献した。国の政策に先駆けて胃が ん・大腸がん検診無料クーポン券の導入実現につなげた。

以下は、山形県の過去の受賞者です。鶴岡では、平成12年に斎藤清子先生が受賞しています。また、松田先生も山形県立成人センター在籍中に受賞しています。

年度:昭和47年 山形県 
氏名:高内トミ 所属:旅館業
業績:各界に呼びかけて検診車をつくり、子宮がん予防に貢献

年度:昭和51年 山形県 
氏名:熱海明 所属:支部常任理事、県立中央病院副院長
業績:研究、技術開発で胃集検の精度向上に大きく貢献した

年度:昭和56年 山形県
氏名:岸陽一 所属:病院副院長
業績:成人病対策、がん検診に貢献

年度:平成11年 山形県 
氏名:水戸省吾 所属:山形県赤十字センター所長
業績:胃集検の指導と追跡調査に努め、検診システムの基盤づくりに貢献

年度:平成12年 山形県
氏名:斎藤清子 所属:医師
業績:病理医として細胞診断技術・検診技術の向上、地域医療に貢献

年度:平成14年 山形県
氏名:松田徹 所属:山形県立成人センター企画調査部長
業績:がん登録、疫学研究や、内視鏡併用の胃検診モデル事業に功績

年度:平成16年 山形県
氏名:塚本長 所属:山形大学名誉教授
業績:老健法対象前から乳がん住民検診を陣頭指揮、医師・技師らを指導要請

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祝賀会には、県医師会長、酒田市副市長、三川市長、酒田地区医師会長および役員、やまがた健康推進機構職員などから多く方々が参会され、本間先生の受賞をお祝いしました。


今の日本の30%程度というがん検診率では、胃がんの死亡率を下げるには至っていない現状があります。

一方で、近年、胃がんに関しては、ピロリ除菌が胃癌の発症予防に効果があることが実証され、とくに、若い人の除菌に効果が高いことが分かってきました。若い人を対象としたピロリ検診と積極的な除菌が将来の胃がん発症低減につながることが期待されています。酒田では、来年度にも、中学生を対象にピロリ検診を開始するとも聞いております。鶴岡でも検討しても良いのではと思いました。



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No.394 (市立荘内病院 地域医療連携推進協議会)

2014-09-24 08:40:53 | 日記
9月16日 19:15~、荘内病院講堂で行われた。市立荘内病院 地域医療連携推進協議会を報告しておきます。

1、開会
2、会長挨拶
地域包括ケアへ向けて、ますます連携が求められる

3、報告と協議

1) 医科歯科連携の推進状況

 8月4日からスタート
 連携歯科施設 44施設
 化学療法前 患者 5名について歯科との連携を開始した
 医科歯科連携講演会
 9月25日 荘内病院3F 講堂
 「がん治療における航空管理・ケアの基本 ~医科歯科連携の重要性を考える~」
  サンスター(株) 歯科衛生士 辻本 好恵氏


2)荘内病院NICU/GCU 増床本格稼働後の状況

 NICU 3から6床へ増床となった
 NICU 稼働率: ほぼ満床状態が続いている

県内の周産期医療の経緯
 H22年 荘内病院に地域周産期母子医療センター3床設置( 県内に3か所)
(総合周産期母子医療センターは県中)
 当時、県内に26床あり、基準を満たしていたが山形市に集中し、
 庄内には不測の状況が続いていた
 なお、荘内病院小児科は10月から9名体制となる。(産休のため現在8名)

3)荘内病院の医師確保に向けた取り組み

・オープンホスピタル
 医学、薬学部を目指す高校生を対象、 本年度は11名参加
・SD (Student Doctor)
26年11名を受け入れ、4週間、希望する診療科で診療実習
・医師就学資金貸与制度
 25年度3名、26年度4名、貸与
・研修医の確保
 合同説明会への参加、 26年度は、定員枠5名中5名確保

4、その他

 庄内地区医療情報ネットワーク研究大会プログラム
 「知っていますか、つながる医療」
  12月7日、13:30~ グランド・エルサン
 内容
 ・特別講演
  秋山美紀氏
 ・事例発表
 鶴岡と酒田から1題づつ
 ・パネルディスカッション

 救急室へのFAX設置、クレームがない状況であり、見送る

 次回は、東京第一ホテル鶴岡で、病院と医師会との懇談会を予定


5、閉会

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No.393 (庄内の初秋)

2014-09-22 08:23:17 | 日記



昨日は素晴らしい天気でしたね。久しぶりにカメラ片手に、オープンにした愛車Zで宝谷、映画村、月山牧場、松山と回ってみました。真っ青な空に白い雲、黄金色に染まった田んぼ、すすきにコスモスと、今しか味わえない、最高のシチュエーションでのドライブでしが。写真で、庄内の美しさが多少でも伝わればと思います。


写真

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No.392 (庄内プロジェクト運営委員会~コアメンバー会議)

2014-09-20 10:38:14 | 日記
9月17日、荘内病院3F講堂で庄内プロジェクト運営委員会~コアメンバー会議
が行われましたので、報告します。庄内プロジェクトでは多くの活動を行ってい
ますが、その進捗状況および今後の予定の確認がおもな内容でした。

2、報告

1)在宅訪問対応マップ作成
 在宅訪問(服薬指導を含む)可能な30の調剤薬局のマップが公開された。
 (添付資料参照下さい。)

2)平成27年1月12日の会議中止の件
 とくに討議が必要な議題もないことから中止とする。

3、各WGでの話し合い
〇緩和ケアサポートセンター
・ぷちたみ
  ストーマの方の制度利用についてのレクチャーなど
・ほっと広場
  フラダンス講師による講和、ミニコンサート
・健康塾
  協立の田中先生による漢方の講話、 荘内病院NSによる救命救急の実践
・緩和ケアを学ぼう会
  薬剤によるADLへの影響のレクチャーなど
・緩和ケアコンサート
  荘内病院6F
・敬天愛人に鈴木先生の記事掲載予定

〇地域連携WG
・在宅医療を考える会
未定、
・つるやくネットワーク学習会
 12月4日、ケアマネとの意見交換会
・医療と介護の連携研修会
8月7日 218名 35グループ 鶴岡病院からの認知症2事例でGW
   (医療職が20名増えたが医師の参加は6名に留まる)
2回目は、明日の企画会議で
・医科歯科連携を考える会
9月19日 緩和ケア医科歯科連携検討会
11月15日 6:30- 新潟大学小林教授 「医師歯科連携により有病者の治療について」 (ニコフル)
2月18日 スキルアップ研修会 湯田川温泉リハ病院における口腔ケアの取り組み
・南庄内栄養と食の連携を考える会
7月18日 30名の参加で、ソフト食、調理実習、調理士も参加
食形態の冊子化
・ふらっと会
「一皮むいて多職種連携 ~ありのままの姿見えるのよ~」
10月17日 18:30- 第一ホテル鶴岡

*鶴岡・三河地区のケアマネ(158名+α)を対象とした、連携に関するアンケート調査
 を予定
*WG間の意見交換会を企画してはどうか

〇医療者教育WG
・スキルアップ研修会
 10月15日 訪問看護師
  11月19日 18:45~ 薬剤師会担当、
 2月18日 歯科医師会担当:湯田川温泉リハ病院
 キャンサーボード 内容をMLで知らせる
 看看研修会 申し送り
 地域緩和ケア症例検討会 参加者減? 1例のみとしている
 出張緩和ケア研修 和泉先生 ハローナース ELNEC 工藤さん

〇市民啓発
・10月5日(日) 14:10~ 菜の花ホール
 市民公開講座 「命はそんなにやわじゃない2」
  参加申し込み現在:79名

○今後の講演会
・9月19日(金)
  庄内在宅緩和ケア医科歯科連携講演会 第一ホテル鶴岡 19:00~
  「緩和ケアおける疼痛管理」 山大 奥山氏
  医科歯科連携で「食べる」を支える
   きらり健康生活協同組合 歯科口腔外科 原氏
・9月25日(木)
  がん患者の口腔機能管理を目的とした医科歯科連携推進委員会
  荘内病院3F講堂 18:30~
  特別講演 「がん治療における口腔管理・ケアの基本」
   サンスター(株) 歯科衛生士 辻本氏
・9月27日(土)
  山形県緩和医療研究会 山形市保健センター 13:00~
  テーマ「アドバンス・ケア・プラニングに関して」
  特別講演:旭川医科大学病院 緩和ケア診療部 副部長 阿部氏
  一般演題:8題
・10月2日(木)
  緩和ケア特別講演会 鶴岡地区医師会講堂 18:30~
  講演:「地域包括ケアシステムと緩和ケア」
  講師:青森県立中央病院医療管理監 蘆野氏

コアメンバー会議

1、平成26年度収支報告
2、コアメンバーからの報告
・相葉さんがこの度辞職するとのことで、あいさつがあった。

資料


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No.391 (文科省委託事業実地調査)

2014-09-19 11:31:12 | 日記
日本医師会は、文部科学省の「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進事業」のひとつとしての「診療所・中小病院で働く医療者の”多職種連携力”を高めるプログラム開発」事業を受託したそうです。

ついては、日本医師会から鶴岡地区医師会地域連携室「ほたる」へ、調査協力依頼があり、9月17日(水)13:30~、日本医師会および調査委託先の㈱ノトコードから3名がお見えになり、私とほたる3名で対応しました。

地域医療体制の機能分化・連携・地域包括ケアシステムの構築を進める上で、医療と介護を含む多職種連携は不可欠であり、そのコーディネート力が求められています。しかし、そのための教育・研修の機会がほとんどないという現状もあり、診療所や中小病院の医療人材の「多職種連携、他施設・事業者との連携」の力を高める取り組みを推進するというのが本事業の趣旨のようです。

ヒアリングでは、「ほたる」の設立趣旨・経緯、連携を円滑に進めるための工夫、行政・地域のさまざまな機関・施設との連携・コミュニケーション、連携の課題、研修や研修支援活動、Net4U、Note4Uなど、われわれがここ10数年実践してきたことについて、3時間近く話をしました。

鶴岡がどうして全国的にも注目される地域に成長できたのか?
地域性、医師会主導、人材、地域外からの助言・介入、Net4UやOPTIMなど国の事業の受託など多々挙げられますが、偶然も含めてさまざまな要因が良い方向に作用したのでしょう。

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No.389 (日本医療・病院管理学会その2)

2014-09-15 21:12:51 | 日記
日本医療・病院管理学会報告その2です。

二日目に以下の講演がありましたので、レポートしておきます。

教育講演
「地域医療ビジョンについて」
産業医科大学医学部 公衆衛生学教室 松田晋哉氏

松田先生はDPCで著明な先生で、データを分析することで医療の適正化に取り組んでいるようです。DPC(診断群分類包括評価)については、皆さんもある程度はご存知だと思いますが(私は多くの情報が含まれる定額払い制度、程度の知識しかありませんが)、National Databaseについては、ご存知でしょうか。10年程前から義務化されたレセプトの電子化ですが、その膨大なレセプトデータと特定健診のデータが蓄積され、すでにさまざまな解析が行われています。松田先生の話は、この膨大なデータ(一種のビックデータ)を元に、地域毎の医療資源を適正に配分し、より効率的な医療提供体制を再構築していこうというもののようです。

一方で、「適正な配分」とはいうが、最たる医療資源である医師や看護師を簡単に再配分できるのだろうかという疑問があります。医療の需要・供給における最大のミスマッチは、医師の地域的(都市部に集中)、診療科的偏在(専門医過多、総合医不足)と思っています。医師に自由な選択権を許している限り、その再配分は難しいのでないかと私は思います。病床や病院の再編、統廃合は、そこで働く人材があってこそであり、根本にある人を動かせないのでは机上の空論に過ぎないのではと危惧します。だからこそ、国は「医療者の自らの努力」とか「医師の意識改革が必要」と言ってはいるのでしょうが・・・。


以下、講義メモ

DPCとNationa Database(医療機関からのレセプトデータ、特定健診・保健指導のデータ)を統合することで、日本の医療の実情がかなり詳しく分析することができる時代となった。データ活用の最大の目的は、地域ごとの医療資源の適正な配分である。

病院にとっては、やりたい医療をやるのでなく、地域から何を求められているのかを分析し、求められている医療を提供することが重要であり、そのためにも、医師の意識改革が必要である。

これからの超高齢社会とは
・急性期医療を必要とする患者が増える
 しかも、多くは助かるので、同じ患者が急性期を繰り返す
 3大疾患は、癌、脳血管障害、骨折
・継続的な医療が必要とする患者が増える
 生活習慣病
・消費者主義的思考の強い患者が増える
 国民への情報提供が重要
・死亡が増える(年間170万人)
・加えて認知症対策も増える
 計画に書くことが重要。
・診療報酬改定より、医療提供体制改革がより重要な時代。
・在宅医療においては、訪問看護が必須であるが、今のような慢性期を診るだけ でけはなく、急性期も診る訪問看護が必要となる(病院看護師の活用)。
・24時間拘束の在宅療養支援診療所は、いずれ立ちいかなくなるのではないか。 誰でも参入できる在宅医療を考える必要がある。そのためにはグループ化が必 要だし、在宅療養支援病院の訪問看護が肝。
・ ヘルパーをより活用する必要がある。そのためには、治療知識が必要であり、病院が教育や研修の場を設置する必要があり、これも(実現可能なかたちで)医療計画に書く必要がある。

病床機能の報告制度
病院が自主的に報告するのではなく、レセプトデータを使うことなる。報告しなくとも、どこの病院のどこの病棟でどんな医療行為が行われたのか分かるようになる。これに基づいて機能別(高度急性期、一般急性期、回復期、慢性期)の適切な病床数が示されるが、その調整については、医療者自らの努力によって医療提供体制の適正化が進むことが期待されている。

データに基づいて、多様性を計画する時代だが、一方で、適切な医療を行っているのか、地域のニーズに合っているのか、医療の質を担保することも必要である。

これからは情報を活用する力が問われている。
また、競争から協調の時代でもある。

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No.388 (日本医療・病院管理学会)

2014-09-15 09:10:07 | 日記


9月13日(土)・14日(日)、東京有明で行われた日本医療・病院管理学会に出席してきました。

第52回日本医療・病院管理学会学術総会
http://www.procomu.jp/jsha2014/

日本医療・病院管理学会には、初めての参加ですが、52年の歴史をもち、「本学会は、根拠に基づいた実証的で論理的かつ合理的な研究を推進し、保健・医療・福祉サービスの利用者の視点を重視する。」という理念を掲げ、おもに大学病院が中心となって活動している会のようです。どちらかというと現場目線というよりは、研究を中心とした会と感じました。
 
さて、今回は、国際医療福祉大学の武藤先生~下村さんからパネルディスカッション「医療と介護の連携」のパネリストを依頼されたことでの参加です。私以外のパネリストは、話が上手で高名な方ばかり、でも、鶴岡の「ほたる」の活動は、全国でもトップクラスと改めて感じました。

○パネルディスカッション 3:
 9月 13 日(土) 16 :00 ~17 :50
「医療と介護の連携」
オーガナイザー&座長:武藤 正樹
    (国際医療福祉大学院 医療経営管理分野)
座 長: 下村 裕見子 (北里大学大学院 精神科学)

演 者:
・医療と介護の対等な連携協議を目指して
  逢坂 悟郎(厚生労働省老健局老人保健課)
・在宅医療連携拠点事業室(地域連携室)「ほたる」活動報告
 ~在宅療養に係る多職種連携を支援する~
  三原 一郎( 山形県鶴岡地区医師会、三原皮膚科)
・食べること生きること~最期まで口から食べられる街づくり~
  五島 朋幸(ふれあい歯科ごとう)
・介護情報サイト「親ケア.com」運営者が考える、医師と介護家族のあるべき関係
  横井 孝治(株式会社コミュニケータ)

逢坂氏は、現在厚生労働省老健局保健課にいますが、元々は整形外科医~リハビリテーション医で1年半前に、才能を買われて厚労省にスカウトされたとのことです。これからの時代は少ない人数で増え続ける高齢者をどう支えるかが大きな課題であり、そのためには、医療と介護との垣根を越えた話し合いの場が必要ですが、うまくいっているところが少ないという現状があります。そもそも協議とは、相手側への要望を出し合い、ルールを決めていくことですが、対等でなければ成り立ちません。例えばある会議で医師側から「今日は無礼講だ、好きに話して良い」と言ったとか。まさに上から目線の象徴的な言い回しですね。逢坂氏は、兵庫県で医療と介護での対等な話し合いの場を保健所を連携調整役として設置し、病院とケアマネとの退院時のルール作りに成功したという話でした。地域には、連携調整役(連携コーディネーター)が必要というのが彼の持論のようです。

私からは、当地域における医療と介護の連携に関する課題を挙げ、それを解決するためさまざまな取り組みについて話をしました。
私の講演スライド

五島氏は、私は知りませんでしたが、食支援を中心とした訪問歯科診療に熱心に取り組む一方、執筆活動やラジオのパーソナリティーなども精力的にやられている歯科医師です。新宿食支援研究所を立ち上げ多職種での食支援を精力的に行っています。食支援が必要な人をみつけ、つなぎ、結果を出す。このことを地域で無限に繰り返す。地域食支援は、システムづくりではなく、「街づくり」に他ならないと熱く語っていました。
you tube に五島氏のプレゼンがありましたので紹介します。
今回の講演は、これとほぼ同じ内容でしたので、どうぞご覧ください
五島氏のプレゼン you tube
https://www.youtube.com/watch?v=P3riLSn0OxM

横井氏は、精神障害をもつ母親を抱え、さまざまな困難に直面している患者の家族の立場から、介護家族のために必要な情報や横井氏自身の介護体験をまとめた「親ケア.com」を立ち上げ、活動しています。
http://www.oyacare.com/

横井氏自身、医師に振り回され辛い思いをした経験が少なくないとのこと。家族や介護関係者にとって、医師の判断はとても大きな意味を持つもの。自らのひと言が、多くの人の人生を左右するものであると自覚して欲しい。そして、患者だけでなく家族全員が幸せになれるような道を一緒に模索してくれる医師が、一人でも多くなって欲しいと願うことのこでした。われわれ医師にとって身につまされる話を頂きました。

---------------------------------------
翌日は快晴。午前中は勉強し、午後からゆりかもめで豊洲へ、そこで昼食とベルギービールを楽しみ、水上バスで浅草へ移動。浅草では駒形どぜうと日本酒で江戸の雰囲気を味わいました。

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No.387 (パス教育セミナー in 大阪)

2014-09-12 11:10:52 | 日記
元東京女子医大で、現在北里大学院医療系臨床医学群精神科学に在籍しておられ
る 下村さんから、先日行われた「パスセミナー in 大阪」において鶴岡の脳卒中
地域連携パスを紹介して頂きました。

下村さんについては、庄内南部地域連携パス推進協議会のパスセミナーなどにお
呼びして、何度か来鶴されていますので、ご存知の方も多いと思います。日本ク
リニカルパス学会の重鎮でもあります。

以下、セミナー報告を送って頂きましたので、紹介します。
3ページに鶴岡の脳卒中地域連携パスの紹介があります。
「当地区は医師会の強いリーダーシップ、人的ネットワーク構築の不断の努力、
ICTの有効活用、事務局機能の充実等が成功の秘訣である」と紹介を結んで頂き
ました。

地域連携パスの概念や意義、これからの地域医療の進むべき方向を知る上でも貴
重な論文と思います。是非、ご一読下さい。

「地域包括ケア時代における地域連携クリニカルパスの明日」


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医師会長だより No.387 (大腿骨近位部骨折地域連携パス集計表第1号)

2014-09-11 11:00:47 | 日記
お待たせしました。
大腿骨近位部骨折地域連携パスの集計表第1号が発刊されました。
2009年4月1日から2013年3月31日までにパス登録した945例を集計したものです。
さまざな視点からの分析が行われています。
どうぞご覧下さい。


大腿骨近位部骨折地域連携パス集計表第1号


以下、会長あいさつから引用

当地区の地域連携パスは、2006 年の第1 回鶴岡地域連携パス研究会において大腿骨近位部骨折地域連携パス(大腿骨パス)の運用について協議を開始したことに緒を発します。当時、当地区の中核
病院である市立荘内病院の整形外科には、年間240 名を超える大腿骨近位部骨折の患者が搬送されており、回復期リハビリテーション病院とのより円滑な連携なくしては、整形外科自体がパンクしてしまうという危機感から、リハビリテーション病院へお願いしてパスの検討が始まったと聞いています。当時、地域連携パスが診療報酬で評価されたことも追い風になりました。

私は、当時パスに関しては門外漢でしたが、最初の研究会に出席し地域連携パスにIT 化は不可欠ではないかと発言しました。それを受けて研究会でもIT 化に是非もなし、問題は資金だけということでしたので、初期投資は医師会で負担するということで、パスIT 化へ向けての開発が始まりました。その半年後にはIT パスの運用が始まりましたが、比較的短期間にIT化が実現できたのは、医師会の資金を含む全面的な支援、Net4U で培ったセキュアなネットワーク、そして地元ベンダーの存在が大きかったと思っています。

このように、大腿骨パスは急性期病院に受診した全患者を登録し、疾患データベースを構築することで疾病管理に役立てようという、当地区の地域連携パスの理念の発端となった歴史的なパスなのです。一方、06 年の運用開始以来、約8 年間にわたりデータが蓄積されてきましたが、その分析は脳卒中地域連携パスに遅れをとっていました。この度は、満を持して4年分のデータを分析し、集計表第1 号を発刊するに至りました。これも、茂木委員長をはじめ、データマイニング委員会の皆さん、急性期病院、回復期病院など多くの関係者の多大な貢献によるものです。その尽力に対し敬意を表するとともに、感謝申し上げたいと思います。

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