本年度2回目となる「鶴岡まるっと地域医療」の報告です。
今回は、荘内病院外科の坂本先生、岡部先生から興味深い話を伺いました。
日時:12月9日、18:30~20:00、
場所:にこふる
参加者:市民を含む80名
講演1、
南庄内の救急医療の現状と今後の展望
荘内病院外科・診療主管兼主任医長 坂本 薫 先生
厳しい荘内病院救急医療の現状(最大の要因は医師不足)
コロナ感染蔓延で医療崩壊寸前となった南庄内の地域医療を救った「荘内システム」
コロナ対策で学んだ課題解決のステップ
問題点の見える化→評価・整理→解決策の検討→調整
救急医療の課題
入口問題:可能な限り荘内病院での治療が必要な患者へ限定する
→休日診療所の機能充実、病病、病介連携の強化、
院内問題:マンパワー不足な中でのより効率的な医療提供体制の構築
→荘内病院の全職員が当事者意識をもって同じ目標に向かって団結できるか?
出口問題:介護施設、リハ病院、クリニックなどへの早期かつスムーズな転院
→介護との連携体制の強化
講演2、
知ってみよう!日本のドクヘリ
鶴岡市荘内病院 外科 岡部 康之 先生
ドクヘリQ&A
速度
200~300km/h
県立中央病院から荘内病院まで20分
安全性
双発エンジン(一方が故障してもダイジョウブ)
パイロットが気を失っても、アートパイロットで着陸可能
誰が乗る
パイロット1名、整備士1名、医師1名、看護師1名が基本
機種
EC135(仏エアバス)、MD902(米ベル)、BK117(川崎重工とエアバス)、AQ109(伊レオナルド)
装備されている医療機器
酸素、酸素モニター、心電図、呼吸循環モニター、薬剤パック、人工呼吸器、除細動器、ドクターバッグ、ポータブルエコー
救急車との最大の違いは
医師が現場に赴くため、直ぐ診断、治療を始められる。
救命率3割、社会復帰率45%、アップするといわれている。
ドクターヘリは消防からの要請で出動する
搬送での患者負担は1万円以下(往診料、処置料、薬剤費など)
ドクヘリの歴史
1952年 スイス
1970年 ドイツ
1972年 アメリカ
1983年 フランス
2001年 日本
本邦でのドクターヘリ実現には、行政の壁による長い暗黒時代があった。
現在、47都道府県、57機が活躍している。