鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.563 (ほたる多職種研修会)

2015-09-29 15:38:44 | 日記


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ほたる多職種研修会
日時:平成27年9月29日 18:45~
場所:生命先端研 レクチャーホール
参加者:医療、介護系職種150名程
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本年度1回目のほたる多職種研修会は、「透析」をテーマに行なわれました。

今回の研修会では、荘内病院のNSから、血液透析、腹膜透析に関する基礎知識の解説があり、地域連携室からは、透析患者の高齢化に伴い、透析患者の在宅あるいは施設での療養を支援するサービスが不足しているという現状が示されました。その要因として、透析患者における食事、シャント、血圧の管理などに対する施設スタッフの知識、スキル不足や送迎の人員確保困難などがあげられていました。

透析患者が高齢化しても安心して生活が続けられる環境づくりが地域に求められいることを改めて感じた研修会でした。

配布資料

以下、講義メモ

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血液透析について、
 鶴岡市立荘内病院 血液浄化療法センター 看護主任 門脇 鈴子 氏
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荘内病院透析患者
 血液透析:140名、腹膜透析:14名
 平均連携:64歳、
 施設入所:3名
 導入患者と平均年齢(平成26年度)
  血液透析:31名、腹膜透析:3名

腎臓のはたらき
 1、尿の生成、2、ホルモンの産生

腎臓機能が失われた場合
 血液透析、腹膜透析、腎移植

シャント
血液透析
 週3回、1回4時間程度、
血液透析の手順
日常生活の注意点
食事管理
 ・適切なエネルギー
 ・良質なたんぱく質
 ・水分を控える
 ・塩分を控える
 ・カリウムを控える
血液透析の合併症
 ・骨、関節の障害
 ・循環器の合併症
 ・かゆみ
 ・免疫低下(易感染性:肺炎、髄膜炎、尿路感染症・・)
 ・貧血

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腹膜透析について
 鶴岡市立荘内病院 血液浄化療法センター 看護師 難波 隆 氏
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腹膜透析とは
腹膜透析の仕組み
CAPD:1回 30-60分 1日3-4回
APD:10-12時間/夜間就寝時
本人、家族が行う
最大の合併症:腹膜炎

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高齢透析患者の療養場所
 荘内病院 地域医療連携室 富樫 清 氏
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透析患者の高齢化
退院困難 (行き場がない)
 医療的理由:さまざまな合併症 リハビリ病院へ転院できない
 社会的理由:

有料老人ホームに入所して、病院へ通院 (入院より高い)
施設が受け入れ困難な理由
・食事水分管理
・シャント管理
・血圧管理
・送迎の人員不足
・スタッフの知識不足
・介護報酬

腹膜透析患者の在宅療養を支援するサービスが不足している

Q
特養で血液透析患者を受け入れたい
 搬送の人員などどの程度の支援が必要か



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No.562 (庄内足とキズを考える会)

2015-09-28 15:51:38 | 日記


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「庄内足とキズを考える会:第1回勉強会」
日時:平成27年9月25日(金)18:30~
場所:荘内病院 201会議室
参加者:日本海総合病院・庄内余目病院・荘内病院の皮膚排泄ケア認定看護師、
糖尿病療養指導士、フットケアに従事する看護師さん達と医師など10数名
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「庄内足とキズを考える会」は、以下の趣旨で発足した会です(案内文から引用)。

超高齢社会においては、動脈硬化や閉塞、糖尿病に伴う下肢の難治性潰瘍、ADL低下に起因する褥創発生増加が予測されます。この会は、一人でも多くの患者の下肢潰瘍、褥創発生のリスクを回避し救うため、予防・診断・治療・ケアの一連について、病院の枠を超え地域でチームマネジメントを行なうこと、難治性潰瘍に対する地域連携システムの構築を図り、地域全体の医療・看護・介護の質の底上げを行い、庄内地区の難治性潰瘍に対するサポートシステムを構築することを目的とします。

今回、光栄にも記念すべき立ち上げの会で講演をする機会を頂きました。お題は地域連携でしたが、皆さんからとても熱心に聴いて頂き、つい熱が入り1時間半ほどの講演となりました。

皮膚科においても、嵌入爪、爪白癬、胼胝腫~鶏眼などの足のトラブルや褥創、下腿潰瘍などは、日常的に経験する疾患ですが、ときに治療に難渋しています。そんなとき、自信をもって紹介できる施設があるとほんとに助かります(患者さんも)。また、それぞれのエキスパート間の情報情報共有~交換で、地域のレベルが上がることも期待できます。この会の今後の発展を期待したいと思います。




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No.558 (日本海総合病院の自治体立優良病院会長表彰)

2015-09-25 17:09:09 | 日記



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日本海総合病院の自治体立優良病院会長表彰 
並びに 「日本海総合病院の挑戦」出版記念祝賀会
期日:平成27年9月19日(土)
会場:ベルナール酒田
出席者:酒田市長始め庄内町、遊佐町、三川町町長など行政の皆様、
酒田地区医師会の会員、卸さん、訪問看護ステーションの皆さんなど60名ほど
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栗谷先生の自治体立優良病院会長表彰および「日本海総合病院の挑戦」出版記念の祝賀会に招待頂き、祝辞を述べてきました。

祝辞を述べるに当たり、早速アマゾンで「日本海総合病院の挑戦」を購入し読んでみました。
なかなかドラマチックで興味深い内容でしたので、少し紹介します。

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平成5年頃から、酒田市立病院は近くに県立病院がオープンしたという影響もあり、経営状態が悪化していた。その立て直として院長に抜擢されたのが当時外科科長だった栗谷氏である。栗谷氏は、院長就任後さまざまな改革を断行し、平成12年には黒字転換させ、内部留保が50億近くになるまで経営を改善させた。

一方で、酒田市立病院の老朽化は深刻で、建て替えは待ったなしの状況であったが、改築のための資金の調達はままならず、八方塞がりの状態に追い詰められていた。万策尽きた栗谷氏は資金繰りの相談のために自らが総務省に乗り込むという大胆な行動に打ってでた。対応に当たった担当官は、「まずは改築のために利害関係のない外部委員会つくって、そこで報告書を出してもらって下さい」とのアドバイスを行なった。そこで、栗谷氏は当時地方公営企業経営アドバイザーだった長氏を委員長とした酒田市立病院改築ための外部委員会を立ち上げた。検討開始後わずか4ヶ月で市に提出された答申は「市立酒田病院と県立日本海病院と経営統合するのが望ましい」という驚くべきものであった。

そこから市立病院と県立病院の統合という、全国のどの自治体病院も経験したことがない大事業が始まることになるが、酒田市や山形県など関係団体との利害調整、基本構想の策定、独立行政法人化への移行、住民への丁寧な周知、医師や看護師などの離散、労組との関係、など多くの課題を克服する必要があった。

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市立病院と県立病院との統合には、多くの困難があったことを改めて思いしり、栗谷先生の経営能力、情熱、リーダシップには改めて感服した次第です。本のタイトルは、「日本海総合病院の挑戦」ですが、もちろん多くの関係者の皆さん尽力があったのでしょうが、栗谷先生なくしては実現できなかった、まさに「栗谷義樹の挑戦」であったと思いました。栗谷先生には、庄内医療圏のリーダーとして、益々のご活躍とご貢献を期待します。

雑誌「財界」の表紙を飾った関連記事をアップしておきます。

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No.557 (天童市東村山郡医師会で講演)

2015-09-19 15:21:34 | 日記

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天童市東村山郡医師会 主治医研修会
演題:地域包括ケアシステムを目指して
    ~鶴岡地区医師会の取り組み~
日時:平成27年9月16日 18:30~
場所:アンジェリーナ(天童市)
出席:天童市東村山郡医師会、行政、介護関係者など37名
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天童市東村山郡医師会会長の神村先生にお呼ばれして、天童市東村山郡医師会で「地域包括ケアシステムを目指して~鶴岡地区医師会の取り組み~」と題した講演を行なって来ました。

講演では、JMAPによる天童市の人口動態や医療資源の現状、社会保障制度国民会議報告書、地域包括ケアシステム、、鶴岡地区医師会の紹介、Net4Uの在宅医療における活用、庄内プロジェクト、ほたるの活動などを動画を交えながら解説しましました。

フロアーからは、通常の診療のほか、学校医、産業医、警察医など多くの仕事をしている。これ以上、重症の在宅患者を診るのは大変だ。老健の嘱託医だが、地域包括ケアシステムというが在宅医療はむしろ金がかかるのではないか。多くの家族は施設での看取りを期待している、などの意見・コメントを頂きました。


その後、天童市東村山郡医師会の皆さんと懇親会で親睦を深めました。

謝辞として、神村会長から、鶴岡のマネはできないが、医療と介護の連携を含め、地域包括ケアを目指した活動を行なっていきたとの言葉を頂きました。一方で、天童は山形市が近いこともあり、実は、医療提供体制で困ってはいないとのこと。医療は、地域によって大きな差があることを再認識しました。

その後、天童市東村山郡医師会の皆さんと懇親会で親睦を深めました。天童市東村山郡医師会では、基本的に毎月勉強会~懇親会を行なっているとのことで、出席率は50%程度とのことでした。毎回、その月の誕生日の先生に、花束を贈呈しており、そのことも出席率が高いことに寄与しているのではと話していました。ついでに(?)、私も花束を頂きました。



K先生、ホールに置いてあったピアノにいきなり向かい、bridge over troubled waterを弾いて下さいました。まるでプロのピアニストのようでした。すばらしい才能!に感嘆しました。


その後は、2次会にも誘って頂き、それぞれ医療の現状など意見交換を行ない、有意義な時間を過ごさせて頂きました。

翌日は、朝帰りで診察。ややハードに1日になりました。


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No.556 (山形県5大がん地域連携パスアンケート調査)

2015-09-10 17:48:59 | 日記

9月8日に行なわれた連携パス推進協議会全体会で、山形県5大がん地域連携パスアンケート調査結果が報告されました。

5大がん(胃がん、大腸癌、肺がん、乳がん、肝がん)の地域連携パス(がんパス)は、県内統一パスとして5年前からがん拠点病院を中心に運用されています。当地区でも平成23年から荘内病院を中核病院として粛々と運用されてきました。平成26年末までの4年間の登録数は109例(胃がん:31、大腸癌:34、肺がん:16、乳がん:4、肝がん:0)です。

がんパスの効用として、

 病院の主治医と身近なかかりつけ医の二人主治医制となることで、患者さんをよりトータルにフォローすることができる、

 計画表を共有することで今後の治療や検査の予定、注意点などが分かり、患者さんの安心感につながる

 病院への通院時間や待ち時間が短縮され、患者さんの負担が軽減する

 多忙な病院医師の負担軽減になる

などが想定されていますが、実際に患者さんの役に立っているのか懐疑的な医療者が多いのが現状かと思います。そこで、がんパス(私のカルテ)を利用した患者さんやかかりつけ医の声を聞こうと企画されたのが今回のアンケート調査です。

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患者向けのアンケートでは、私のカルテ(患者用パス)が役立っているとの回答は83%、今後も「私のカルテ」を使用して、病院主治医とかかりつけ医の両方で診てもらいたいとの回答は88%にのぼりました。この結果は、われわれ医療者の予想をはるかに上回るもので、患者さんはがんパスに好意的であり、期待感が大きいことが示されました。

一方、医療者側のがんパスに対する意識は概して低く、患者さんの期待~思いに十分応えていない現状が示されました。かかりつけ医がより積極的に活用することで、患者さんにとってより安心で守られ感のあるツールに成り得ると思いました。

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患者向けアンケート

 依頼数:69
 回答数:48
 回収率:70%
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Q、かかりつけ医を受診しているか
 受診している:98%

Q、「私のカルテ」をもっているか?
 はい:100%

Q、「私のカルテ」に記入しているか?
 いつも~時々記入:59%

Q、「私のカルテ」をかかりつけ医に見せているか?
 見せている:79%

Q、かかりつけ医は、「私のカルテ」に記入してくれるか?
 記入してくれる~結果を渡してくれる:75%

Q、「私のカルテ」は役立っているか?
 役に立っている:83%

Q、役に立っている理由
 診察・検査の予定がわかる>把握できる>相談しやすい

Q、今後も「私のカルテ」を使用して、病院主治医とかかりつけ医の両方で診てもらいたいか?
 はい:88%

Q、「はい」と答えた理由
 安心できる>予定がわかりやすい>異常を見つけてもらえる

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医療機関向けアンケート

 依頼数:55
 回答数:33
 回収率:60%
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Q、連携医療機関登録はしているか?
 はい:48%

Q、登録しない理由
 専門外>手続きが面倒>手続きの仕方がわからない

Q、算定できることをしっているか
 知っている:70%

Q、報告書を送付しているか?
 送付している:46%

Q、送付していない理由
 知らなかった>面倒

Q、患者さんは「私のカルテ」を持参するか
 持参する:55%

Q、持参時に記入しているか?
 記入している:49%

Q、「私のカルテ」の問題点は
 記入欄が小さい>計画表のはさみ場所が分かりにくい>手書きが面倒





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No.555 (緩和ケアを学ぼう会)

2015-09-08 12:05:21 | 日記

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第1回 庄内プロジェクト 緩和ケアを学ぼう会
日時:平成27年9月4日 18:30~20:00
場所:荘内病院 講堂
演題:在宅医療での多職種連携の経験
講師:石橋内科胃腸科医院 石橋 学先生
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緩和ケアを学ぼう会は、庄内プロジェクトの活動の一環として、荘内病院の和泉
先生が中心となって行なっている、おもに介護職を対象とした緩和ケア普及のた
めの研修会です。

今回は、在宅医療での介護職を含めた多職種連携というテーマで、石橋先生を講
師にお招きし、在宅および施設で看取ったがん患者2事例、精神的な問題を抱え
ながらも様々な職種の協力のもと、徐々に立ち直っていった1事例を詳しく紹介
頂きました。

個人的には、

医師のリーダシップこそが、在宅の多職種チームを牽引する、
緩和ケア専門医のアドバイスが多職種チームに安心感を与えている、
多職種チームに不可欠な情報のやりとりにNet4Uが有用である、
施設でも、医師の積極的なサポートで、質の高い看取りができる、

などを学びました。

それにしても、藤島地域における石橋先生への信頼は絶大なものがあり、
感服しました。








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No.554 (Net4UがNEOSYSで紹介されました)

2015-09-03 16:27:41 | 日記


㈱アステラス製薬が提供しているNEOSYSという雑誌の「シリーズ連携」の第14回目として、「Net4U」が紹介されました。三原と中村先生、遠藤さん(地域連携室「ほたる」)、篠田さん(あかね薬局)、工藤さん(訪問看護ステーション ハローナース)で、座談会形式で語り合ったものをまとめたものです。また、荘内病院の緩和ケアチームによる在宅との医療福祉連携についての記事もあります。ご覧頂ければ幸いです。

山形県鶴岡地区医師会医療情報ネットワーク「Net4U」
NEOSYS 2015 No.14 P:10-15


私は、この座談会の前日に顔を蜂に刺され、顔が無残にも晴れあがっており、とても写真を撮れる状態でなかったため、いつものお気に入りの写真を使わせてもらいました。

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