昨晩(27日)は、山形県医師会産業医研修会でした。
講師は庄内保健所長の松田徹先生で、がん検診、入浴死亡事故、自殺に3つの話
題についての講演を聴講しました。
がん検診については、受診率、精検率を上げるために、多様なメディアを利用し
た広報、無料化、クーポンの配布、待ち時間の短縮、土日検診、レディース専用
検診、事業所訪問などさまざまな活動が各地で行われているとのことでしたが、
それでも日本のがん検診受診率は先進国に比べると格段に低いとのこと。根本的
に制度が異なるためなのでしょう。
入浴死亡事故については、北海道で圧倒的に少ないとのことで、住宅環境による
風呂場との温度差が大きな因子のひとつとのことでした。また、早期発見が重要
とのことで、入浴時の声かえが重要だし、飲酒後の入浴は控えるべきとのことで
した。
自殺に関しては、飲酒との関連性が高いとのことは意外でした。松田先生の話で
は、気が大きくなるからではとのこと。 自殺の基本認識、・自殺は追い込まれ
た末の死、 ・自殺は防ぐことができる、 ・自殺を考えている人はサインを発し
ているは、とても重要なコンセプトです。自殺予防には、医師のゲートキーパー
としての役割が重要で、それは・気づき、・声かけ、・傾聴、・つなぎ、・見守
りだそうです。
また、こころの支援「りはあさる」
り:リスク評価
は:はんだん・批評せず聴く
あ:あんしん・情報を与える
さ:サポートを得るようすすめる
る:セルフヘルプ
も、覚えておきたいものです。
以下、講演のメモ書き。
◇働く世代のがん検診
検診へ向かわせる行動変容
関心 → 関心→ 準備→ 行動→ 維持期(定期的)
山形県各地域でのがん検診受診率向上へ向けての取り組み
・酒田
胃がん検診の無料クーポン配布
リピーター化には効果ない
・遊佐
大腸がん検診、 無条件に検査キット(大腸がん)送付
受診率が15%あがった、
また、精密検査受診率も下がらなかった
・鶴岡市、地域から職域への受診勧奨
保健師が職場訪問し、事業所でのがん検診を勧める、
一方で、無理であるなら、市の検診を勧奨した
コールアンドリコール
検診は、放置すると28%程度
人的勧奨で44%、電話勧奨で:37%へ
・庄内町 (がん検診向上モデル事業)
職場のがん検診の機会がない方へ、がん検診の無料化、
クイック検診(待ち時間を少なく、土日受診可など)、
レディース検診(女性だけの検診)、
子どもから家族への受診勧奨
増加率、5-18% とくに大腸がん、胃がんで 成果
リーフレットなど広報活動を充実を
受診のきっかけ、
クイック、:土日だから、
レディース:無料だから、 女性には無料化は重要なファクター
それでも、日本がん検診の受診率、諸外国から比較するとかなり低い
職域のがん検診における産業医の役割
組長教育、体制のチェック、成績のチェック、精検準備、衛生委員会での役割、
講演、 産業保健センターの場での活動
衛生委員会の活動に積極関与
・庄内の地域・職域検診の動き
胃がん検診:職域検診は増加、地域検診は足踏み
職域は2年前に比し、10%の増加
胃がん検診:山形県では90%程度を把握している
・鶴岡の大腸がん検診成績
地域
鶴岡市 68.8% (県内3位、全県平均50%) 精検受診率:70%(12位/13)
受診率が高いのに、精検率が低いのが課題
職域
鶴岡:59.4%(3位/6検診機関)
全県平均:57.8%
大腸がん精検受診率向上のための取り組みを開始
医師の心得
便潜血反応の再検はダメ →内視鏡検査へ誘導
紹介先は診診連携で(急性期病院ではなく)
精検の方法(大腸内視鏡)をきちんと説明
がん検診受診勧奨に尽力する
◇健康課題としての入浴事故対策
血圧の変化と入浴事故
発汗、粘度上昇、脳血流低下、冠血流低下、起立性低血圧が要因か
一方、熱中症との意見もある
入浴事故: 死因、3/4は病死、1/4:溺死
東京都観察医務院:56%病死、34%溺死
入浴事故:日本海側に多い
年間:18000人、 交通事故:4000人、
世界レベルでも、日本の溺死は多い
山形県入浴事故死:年間:40-70、4年間で220人程度
交通事故の4.7倍、お年寄りに多い、寒い日に多い、病気とは関連ない、死亡率が高い(1/4)
12月に多い、
入浴事故抑制活動の経緯
浴槽温度、 42度:35%、41度:24%、40度:10%
行動変容
早期発見により重症化を免れた事例:147人、33%
北海道では極めて少ない
エコハウス、1月2-3日の実験(山形市)で、暖房をすべて切っても、15度以下に
は下がらない
◇自殺対策と職場でのメンタル管理の共通性
アルコールは自殺に関連性が高い
飲む機会が少ないと、自殺が減る
酒の販売を日本ほど大ぴらにやっている国はない
○自殺の基本認識
・自殺は追い込まれた末の死
・自殺は防ぐことができる
・自殺を考えている人はサインを発している
庄内での自殺
多い、秋田と同程度、最上はさらに多い
庄内人の酒は長い、最上は(量が)多い、
酒の文化と自殺は関連ある?
男性は女性の3倍
自殺の原因
健康問題、経済的問題、精神疾患、などが複雑に連鎖
自殺予防に関する科学的根拠
かかりつけ医への教育>ゲートキーパーの育成、適切な認知行動療法、地域のス
クリーニング検査
自殺対策支援センター ライフリンク
4つのメンタルケア:ゲートキーパーの役割:
・気づき、・声かけ、・傾聴、・つなぎ、・見守り
こころの支援「りはあさる」
り:リスク評価
は:はんだん・批評せず聴く
あ:あんしん・情報を与える
さ:サポートを得るようすすめる
る:セルフヘルプ
生命先端研究所のエタノールアミンリン酸、
エビデンスがあるのであれば、地域で活用したい
NPO法人:ぼらんたす
一般医から精神科医への紹介状(庄内統一) を作成した。加算もある。利用して
欲しい。
講師は庄内保健所長の松田徹先生で、がん検診、入浴死亡事故、自殺に3つの話
題についての講演を聴講しました。
がん検診については、受診率、精検率を上げるために、多様なメディアを利用し
た広報、無料化、クーポンの配布、待ち時間の短縮、土日検診、レディース専用
検診、事業所訪問などさまざまな活動が各地で行われているとのことでしたが、
それでも日本のがん検診受診率は先進国に比べると格段に低いとのこと。根本的
に制度が異なるためなのでしょう。
入浴死亡事故については、北海道で圧倒的に少ないとのことで、住宅環境による
風呂場との温度差が大きな因子のひとつとのことでした。また、早期発見が重要
とのことで、入浴時の声かえが重要だし、飲酒後の入浴は控えるべきとのことで
した。
自殺に関しては、飲酒との関連性が高いとのことは意外でした。松田先生の話で
は、気が大きくなるからではとのこと。 自殺の基本認識、・自殺は追い込まれ
た末の死、 ・自殺は防ぐことができる、 ・自殺を考えている人はサインを発し
ているは、とても重要なコンセプトです。自殺予防には、医師のゲートキーパー
としての役割が重要で、それは・気づき、・声かけ、・傾聴、・つなぎ、・見守
りだそうです。
また、こころの支援「りはあさる」
り:リスク評価
は:はんだん・批評せず聴く
あ:あんしん・情報を与える
さ:サポートを得るようすすめる
る:セルフヘルプ
も、覚えておきたいものです。
以下、講演のメモ書き。
◇働く世代のがん検診
検診へ向かわせる行動変容
関心 → 関心→ 準備→ 行動→ 維持期(定期的)
山形県各地域でのがん検診受診率向上へ向けての取り組み
・酒田
胃がん検診の無料クーポン配布
リピーター化には効果ない
・遊佐
大腸がん検診、 無条件に検査キット(大腸がん)送付
受診率が15%あがった、
また、精密検査受診率も下がらなかった
・鶴岡市、地域から職域への受診勧奨
保健師が職場訪問し、事業所でのがん検診を勧める、
一方で、無理であるなら、市の検診を勧奨した
コールアンドリコール
検診は、放置すると28%程度
人的勧奨で44%、電話勧奨で:37%へ
・庄内町 (がん検診向上モデル事業)
職場のがん検診の機会がない方へ、がん検診の無料化、
クイック検診(待ち時間を少なく、土日受診可など)、
レディース検診(女性だけの検診)、
子どもから家族への受診勧奨
増加率、5-18% とくに大腸がん、胃がんで 成果
リーフレットなど広報活動を充実を
受診のきっかけ、
クイック、:土日だから、
レディース:無料だから、 女性には無料化は重要なファクター
それでも、日本がん検診の受診率、諸外国から比較するとかなり低い
職域のがん検診における産業医の役割
組長教育、体制のチェック、成績のチェック、精検準備、衛生委員会での役割、
講演、 産業保健センターの場での活動
衛生委員会の活動に積極関与
・庄内の地域・職域検診の動き
胃がん検診:職域検診は増加、地域検診は足踏み
職域は2年前に比し、10%の増加
胃がん検診:山形県では90%程度を把握している
・鶴岡の大腸がん検診成績
地域
鶴岡市 68.8% (県内3位、全県平均50%) 精検受診率:70%(12位/13)
受診率が高いのに、精検率が低いのが課題
職域
鶴岡:59.4%(3位/6検診機関)
全県平均:57.8%
大腸がん精検受診率向上のための取り組みを開始
医師の心得
便潜血反応の再検はダメ →内視鏡検査へ誘導
紹介先は診診連携で(急性期病院ではなく)
精検の方法(大腸内視鏡)をきちんと説明
がん検診受診勧奨に尽力する
◇健康課題としての入浴事故対策
血圧の変化と入浴事故
発汗、粘度上昇、脳血流低下、冠血流低下、起立性低血圧が要因か
一方、熱中症との意見もある
入浴事故: 死因、3/4は病死、1/4:溺死
東京都観察医務院:56%病死、34%溺死
入浴事故:日本海側に多い
年間:18000人、 交通事故:4000人、
世界レベルでも、日本の溺死は多い
山形県入浴事故死:年間:40-70、4年間で220人程度
交通事故の4.7倍、お年寄りに多い、寒い日に多い、病気とは関連ない、死亡率が高い(1/4)
12月に多い、
入浴事故抑制活動の経緯
浴槽温度、 42度:35%、41度:24%、40度:10%
行動変容
早期発見により重症化を免れた事例:147人、33%
北海道では極めて少ない
エコハウス、1月2-3日の実験(山形市)で、暖房をすべて切っても、15度以下に
は下がらない
◇自殺対策と職場でのメンタル管理の共通性
アルコールは自殺に関連性が高い
飲む機会が少ないと、自殺が減る
酒の販売を日本ほど大ぴらにやっている国はない
○自殺の基本認識
・自殺は追い込まれた末の死
・自殺は防ぐことができる
・自殺を考えている人はサインを発している
庄内での自殺
多い、秋田と同程度、最上はさらに多い
庄内人の酒は長い、最上は(量が)多い、
酒の文化と自殺は関連ある?
男性は女性の3倍
自殺の原因
健康問題、経済的問題、精神疾患、などが複雑に連鎖
自殺予防に関する科学的根拠
かかりつけ医への教育>ゲートキーパーの育成、適切な認知行動療法、地域のス
クリーニング検査
自殺対策支援センター ライフリンク
4つのメンタルケア:ゲートキーパーの役割:
・気づき、・声かけ、・傾聴、・つなぎ、・見守り
こころの支援「りはあさる」
り:リスク評価
は:はんだん・批評せず聴く
あ:あんしん・情報を与える
さ:サポートを得るようすすめる
る:セルフヘルプ
生命先端研究所のエタノールアミンリン酸、
エビデンスがあるのであれば、地域で活用したい
NPO法人:ぼらんたす
一般医から精神科医への紹介状(庄内統一) を作成した。加算もある。利用して
欲しい。