鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

医師会長だより No.253 (今年の終わりに)

2013-12-28 11:46:01 | 日記
今年最後の配信になると思います。
1年間、医師会長だよりにお付き合い頂きありがとうございました。

医師会長だよりは、医師会の多岐にわたる活動を会員、職員に知ってもらいたい、
会員と役員との距離を縮めたいという思いで始めたものですが、私自身の勉強の
場にもなっています。インターネット上にブログとしても公開していますが、毎
日100人以上の訪問があり、行政の方々にも読んでもらっているようで、医師会
以外の方々に医師会の活動を知ってもらうという役割も果たしています。

今年は、これで253通目になります。土日を除けばほぼ毎日書いてきたことにな
ります。来年も継続したいと思っていますので、是非、目を通していだき、情報
を共有するとともに、医師会のあるべき姿を皆で考えていければと思っています。
どうぞ、よろしくお願いします。

それでは、皆さん、良い年をお迎え下さい。

以下、私の今年の業績(?)をまとめてみました。

依頼原稿

地域の連携体制づくりとその経験から学んだノウハウ
 看護展望 Vol.39, No.2 110-117

医療と介護を繋ぐヘルスケア・ソーシャルネットワーク「Net4U」
 日本皮膚科学会誌 Vol.123, No.13 3046-3048


講演

東北在宅医療推進フォーラム報告
 全国在宅医療推進フォーラム(東京) 11月23日

鶴岡地区における在宅医療への取り組み
 東北在宅医療推進フォーラム(鶴岡) 11月9日

医療と介護を繋ぐヘルスケア・ソーシャル・ネットワーク「Net4U」
 地域ICT利活用シンポジウム(大津) 10月26日

鶴岡地区医師会における在宅医療連携拠点事業の取り組み
 医療福祉介護の地域連携の実践と展開
  ~地域連携コーディネータ養成コース~ 9月28日

鶴岡地区医師 会の在宅医療への取り組み
 在宅ケアを支える診療所市民全国ネットワーク(新潟) 9月23日

家族みんなが安心できる在宅医療の取り組み
 鶴岡 福寿大学(コミセン) 6月20日

医療と介護を繋ぐヘルスケア・ソーシャルネットワーク「Net4U」
 日本皮膚科学会コンピュータ研究会(横浜) 6月16日

地域医療・介護連携プラットフォーム「Net4U」
 seagaia meeting 2013(京都) 5月18日

医師会主導による地域医療連携~鶴岡地区医師会の取り組み~
 新社会システム総合研究所「シルバー&ヘルスケア戦略特別セミナー」(東京)4月17日

ITを活用した在宅医療モデルを目指して~鶴岡地区医師会の取り組み~
 NPO法人備後脳卒中ネットワーク(福山) 3月19日

鶴岡発!家族みんなが安心できる在宅医療の取り組み
 徳島市医師会在宅医療市民公開講座(徳島あわぎんホール)3月2日




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No.252 (鶴岡市総合計画審議会)

2013-12-28 09:34:03 | 日記
三原です。

昨日(25日)は、本年度2回目となる鶴岡市総合計画審議会でした。
26年度からの5年間を後期計画として見直すものです。

審議会には、市議会議員、知識経験者、行政機関の職員および団体、市民の代表
など35名が委員として選出されており、鶴岡市の総合計画についての意見を伺う
という趣旨の会のようです。

会では、基本計画の概要説明のあと、分野別に各委員会の意見聴取がありました。

私からは、計画は立派に書かれている。要は、どう実現できるか。
超高齢社会をどう乗り越えるかが課題であり、それには行政を含めた医療・介護
・福祉との連携が重要との意見を述べてきました。

以下、会議のメモ

1、市長あいさつ

2、協議
1)会長、副会長 選出
会長:石黒委員、副会長:東山委員

2)鶴岡市総合計画後期基本計画の策定について

1 計画の策定趣旨と構成
平成26年から5か年

2 本市を取り巻く状況

・ 少子高齢化を伴う人口減少
・ 地域経済・雇用情勢の低迷
・ 自然災害に対する不安の高まり
・ 地球環境・資源の制約の高まり

3 鶴岡未来を創造する成長戦略 ~鶴岡ルネサンス宣言に基づくまちづくりの推進~

・創造文化都市:地場の可能性をのばす
・観光文化都市:人と人の繋がり交流人口を拡大する
・学術文化都市:知を活かす
・安心文化都市: 暮らす環境を整える
・森林文化都市:自然と共に生きる

4 地域振興のビジョンに基づく施策
5地域ごとの振興ビジョン

* 藤島:農業関連資源を生かした地域振興の実現、ふじの里づくりの推進
* 羽黒:観光(出羽三山、松ケ岡、映画ロケ地)と農業
* 櫛引:果樹産業(フルーツの里づくり)、グリーンツーリズム、歴史・文化の里
(黒川能、丸岡城址史跡公園)
* 朝日:山の恵みを生かした複合農業、山村生活文化の継承による地域づくり
* 熱海:あつみ温泉の振興、海・水産業を生かした地域振興


5 計画推進のために
1)市民・地域・行政の協調・協力による総合力の発揮
2)地方分権改革への対応と行財政改革の推進
3)地域の実態を踏まえて国への提言要望

6 分野別施策
現在の基本計画との変更点について説明

第1章
それぞれの地域の生活環境をより安全で安心なものにするために、一人ひとりの
心がつながりあう確かなコミュニティを構築します

* 互いに顔の見える地域コミュニティづくり
* 地域の防災・防犯力の強化
* 消防・救急体制の強化
* 資源循環型社会の形成
* エネルギーの地産地消の推進
* 環境美化・保全活動の推進


第2章
一人ひとりがいきいきと健やかに暮らすことができる健康福祉社会を形成します。

* 少子化対策の推進と健やかな子どもの育成
* こころと体の健康増進
* 温かい福祉の地域づくり
* 障害者の自立生活の実現
* 高齢者がいきいきとした地域の実現
* 医療の提供体制の充実


第3章
未来を担う子どもたちが、よりよい環境のもとでいきいきと育ち、それぞれの世
代がともに学びあえる地域社会を創ります。

* 学校教育の充実
* 高等教育機関の充実
* 地域の中での人づくり
* 芸術の振興と文化資源の保存継承

第4章
恵まれた豊かな自然と風土を生かし、人と人の交流を図りながら、産地の「顔」
づくりと安全と安心な食料づくりを進め、農林水産業をいきいきと発展させます

* 持続的に発展する農業の振興
* 森林資源の有効な保全と活用
* 安定した水産業の振興
* 農山漁村の地域づくり交流人口拡大
* 農林水産業の6次産業化の促進

第5章
地域に根ざす産業を守り育てるとともに、これからの時代をひらく新しい産業を
振興し、それぞれの地域をいっそう元気にします。

* 雇用の促進と働く力を高める人づくり
* 地域の強みを生かした地力ある産業の振興
* まちの賑わいを創る産業の振興
* 鶴岡ならではの観光の振興

第6章
地域の生活や活動を支える基礎を整えるとともに、交通・情報ネットワークをさ
らに充実させて市域内外の交流を拡大します。

* 快適な都市環境の形成
* 交流・連携の推進と基盤の整備
* 安全・安心な生活基盤の整備
* 治水と市土の保全

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No.250 (学術広報委員会)

2013-12-20 11:50:07 | 日記


12月19日19:00~ グランドエル・サンで、学術広報委員会とその忘年会が行わ
れ、オブザーバーとして参加してきました。今回は、慶応大学の秋山美紀先生を
講師にお呼びして、"Public Relations" 広報を考える、というテーマでのお話
を聴講しました。

広報は、Public Relations(PR)の訳で、単に情報を周知するというだけではなく、
組織(例えば医師会)とその関連する人々(例えば市民)にお互いに有益な関係を
つくるための戦略的なコミュニケーションのプロセスであると学びました。

例えば、在宅緩和ケアを普及させるという目的のために、市民公開講座を開催す
る、出前寸劇を通して緩和ケアとは何かを伝える、患者や家族のための茶話会を
ひらく、などは、まさに広報なのでですね。

医師会のような非営利組織では、ミッションが行動の基本であり重要とも学びま
した。さて、当地区医師会のミッションは何でしょうか?それなくしては何を広
報すれば良いか戦略をたてられません。

当地区医師会の基本理念として以下を掲げています。

「鶴岡地区医師会は、地域住民の健康維持・増進と健やかな長寿社会の実現のた
めに地域に貢献するとともに医の心を忘れず、知識と技術の向上をめざし、不断
の研鑽に励みながら日々前進する組織をめざします。」

当地区医師会のミッションは、「地域住民の健康維持・増進と健やかな長寿社会
の実現のために地域に貢献する」なのでしょう。

では、その実現のための広報とはどうあるべきでしょうか。

市民にとっての医師会のイメージは、「上から目線、親しみにくい、敷居が高い、
権威的」など決して良いわけではありません。医師会と市民とのお互いに有益な
関係をつくるためには、決して良い関係(relationship)とはいえない状況です。
このあたりから、医師会としての広報はどうあるべきかを考えていかなければな
らないと改めて感じました。

学術広報委員の皆さまには、引き続きご尽力をお願いします。

以下、秋山さんの講演メモです。


議論のための話題提供

"Public Relations" 広報を考える
秋山美紀(慶応義塾大学)

「広報」って何

public information から public relationsへ

従来は、日本語の広報はpublic informationと訳され、断続的、随時的な「公的
情報」に限定される概念。今日では、public relationsとほぼ同義で用いられる
ことが多くなった。

public relationとは、多くの解釈があるが、以下が最も支持された、

組織とその人々(パブリック)にお互いに有益な関係をつくるための戦略的なコミュ
ニケーションのプロセス

定義の変遷
 従来は、報道機関からの周知に力点kが置かれていたが
 最近は、約束や積極的関与(engamement)、関係構築(relationship building)
 を強調するようになった

PR = 戦略的広報
・その人々とは?
 従業員、会員、市民、地域住民、消費者、
・お互いにとって有益な関係とは
  相互理解、断続的な信頼関係
  地域社会、市民が正しい意思決定をする
  事業の継続と地域の発展の双方を実現する
  地域そのものを衰退させない

非営利組織とは
 (日本のNPO法人とは概念が違う、営利を目的としていない組織全般を指す)
 一人ひとりの人と社会変える存在である。
 ミッションが非営利組織の行動の基本、
 ミッションを考え抜き、定義するのがリーダー
 マネジメントは、その具現化方法

非営利組織はミッションが重要
 社会やコミュニティーの ニーズはあるのか?(機会)
 世の中を変えるための人的資源、資金、能力をもっているのか?(卓越性)
 メンバー、支持者が、心底価値を信じてコミットできるか?(コミットメント)

ネットワーキング
 補完関係で結びつき協力しあう
 パートナーシップやソーシャルアライアンス
 CSV(Creationg Shared Value)

戦略的広報 (PR)
・非営利組織は、存在自体がメッセージ
・アウトリーチにおける対話の重要性
・広報ツールとしての、ニューズレター、パンフレット、チラシ、ポスター、ウェッブサイト・・
・行政との連携

事例;からだ館がん情報すてーしょんの例
 蔵書:1500冊、
 ミッション:住民の健康レベルとQOLの向上
 1、市民の学びの場の提供、支援
 2、患者の意思決定の支援
 3、経験の社会還元の支援
 4、人材育成

相談 ~情報探しのお手伝い~
 多様な主体の協働による社会サポート
 鶴岡:医師から、家族から情報を得ていることが多い
 相談: 情報探しのお手伝い

患者同士の支えあいの場(患者さん・ご家族のサロン)
にこにこ倶楽部
生きがい、得意分野を教える
出張講演、出前講座
 健康づくりサポーター、
「からだ館勉強会」
自由研究おうえん隊(子とも達が命について考える様々なワークショップ)
ワンコイン健康料理教室 (勉強して料理)
禁煙プログラム
からだ館通信
ウエッブサイト 「からだ館 がん情報ステーション」

鶴岡地区医師会と市民は、どんな対話をしているのか?
 めでぃかすとる おもに会員への広報
 朝だ元気だ6時半、 ドクターアドバイザー(YBC)
 ウエッブサイト

鶴岡地区医師会のイメージ
 何やっているかわからない
 医師会の事務は何をしているか分からない
 医師会は公務員?
 行政との違いは?
 業界の人のもの?

健康管理センターのイメージはわく
 ふきのとうは、知っている
 医師会だから安心というイメージがある

医師会が在宅医療をやっているイメージはない
 「ほたる」、何をやっているか分からない
 ほたるはすごいHPがあるが、医師の人すらみたことがない
 ほたるを一般に宣伝する意味がわかない、行っても看板がない、
 どこにあるかわかない

医師会のイメージ (bad image)
 上から目線、
 親しみにくい、
 敷居が高い、権威的、
 一般の声が届かない印象。

ヒット数の多い医師会のHP 
練馬区医師会のHP
 トップページに、特定健診・がん検診等があり
 そこから直接申し込みできる
 病児保育センター ぱるむ
 ものわすれ相談医
 かかりつけ医
 更新が頻繁
 Youtube の利用
 ターゲットが分かりやすいHP

白河医師会
 トピックスの更新頻度が高い
 楽しそう、というイメージがある
 救急のかかり方など、6つのお願いを時期をづらして情報発信

鶴岡地区医師会
 めでぃかるとる : 更新されていない

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No.249 (5者懇談会)

2013-12-19 10:35:40 | 日記
12月18日、5者懇談会を行いました。

5者というには、市町村(鶴岡市・三川町)、庄内保健所(山形県)、荘内病院、鶴岡病院、医師会です。医師会主催で毎年行っているもので、行政と医師会との意見交換会~懇親会という位置づけの会です。

前半の1時間程度は、各方面からの話題提供と意見交換があり、後半は食事付の懇親会というのが例年の流れです。

以下、私からのあいさつ、4つの話題提供の内容につき、概説します。

1、開会
2、会長あいさつ
市長、町長はじめ、多くの医療、介護関係者にお集まりいただきありがとうございます。

さて、医療界における最大の課題は、少子超高齢社会にどう対応するか、だと思っています。この問題については、後ほど私の方から、説明させてはいただきますが、これからの医療は、病院、診療所という旧来の枠組みだけで完結するわけではなく、介護や生活支援の視点も不可欠になってきており、その意味でも、介護保険や地域包括支援センターなどを統括している市町村との連携は極めて重要だと認識しています。

当地区では、3年前の在宅医療連携拠点事業当初から、医師会内に拠点室(地域医療連携室)「ほたる」を設置し、ほたるが主催するかたちで、保健所、鶴岡市、三川町とのミーティングを概ね月一回続けており、当地区での医療と行政との連携は、かなりうまくいっているのではと思っています。、

今後地域の医療は、市町村が考えなくてならない時代になっていくと思われますので、引き続き、われわれ医療側と市町村とは、緊密な連携のもと、高齢になっても、障害を抱えていても、安心して過ごせるまちづくりを目指して努力していきたいと思っております。

本日の懇談会が実りあるものであることを祈念してして、あいさつとします。

3、来賓あいさつ
  鶴岡市 榎本市長、、
 少子化は、地域の存続にも関わる重要な課題。
 安心して産み育てられる地域を目指す

4、話題提供
1)庄内保健所
鶴岡市・三川町大腸がん検診QC委員会報告
 庄内保健所 所長 松田 徹 先生

鶴岡、大腸がん検診受診率は高いが、精検受診率が低い
最近行政の努力で平均値を上回ったが、まだ十分ではない
  
平時 : メディア、イベント、体面啓蒙

 受診時:陽性時の周知、精検機関提示、啓蒙

 結果通知時:リスクの周知、検診機関の提示、ハイリスクの説明
  ↓
リコール:トリコール、精検受診への誘導

精検受診時に受診理由を評価予定   

2)鶴岡病院
「虐待事例において子供と親の主治医になることの利点について」
鶴岡病院 院長 神田秀人先生

・7年間の児童相談所勤務経験
・発達障害児は虐待のリスクファクター
・親の精神障害は加虐待のリスクファクター
 ・担当した患者の子育てのことも配慮している精神科医は少ない
 ・子どもと親の両方を治療することが必要
 鶴岡病院でできたこと
 ・庄内指導相談所との緊密な連携
 ・今後の課題は学校関係者との連携
 ・児童外来病棟を中心として小児精神保健福祉センターのような機能が必要

 ケース:境界型人格障害および成人型AD/HDと養護施設の娘
知的障害の親、娘は養護施設
親と娘を両方を診ることで、母子間の関係改善
 →家族を丸ごとみる主治医が必要、

3)医師会
「地域包括ケアシステム実現に向けて」
 鶴岡地区医師会会長 三原一郎

・地域包括ケアシステムが必要な背景
 2040年をピークに
 85歳以上の高齢者(医療・介護ニーズが高い)が急増
 独居高齢者の増加
 認知症の増加
 死亡者の増加
 介護保険だけで高齢者のすべての生活を支えることは困難

 →新しいシステムが必要
具体的には、高齢者のニーズに応じて、介護サービス、予防サービス、医療サービス、見守り等の生活支援サービス、住まいを適切に組み合わせて提供し、24 時間365 日を通じた対応が可能な「地域包括ケアシステム」を構築していく

イメージとしては、中学校区(概ね人口1万、30分で移動可能な生活圏)を施設(あるいは病院)とみなし、住宅(自宅、高齢者向けアパートなど)が病室、道路が廊下、居宅介護支援センター、訪問看護ステーション、かかりつけ医などが定期的あるはコールに応じて、365日24時間、サービスを提供できるシステム

市への提言
・地域包括ケアシステム実現には、住宅も含めた地域全体を見据えた新たなまちづくりという発想が必要ではないか
・健康福祉部(長寿介護課)だけでなく、市全体として取り組む課題ではないか
・在宅医療においては、まず市町村が考え、都道府県がそれを支援する枠組みが必要ではないか(国の方針)
・そうであるなら、地域医療の全体像、将来像を検討する部署(チーム)が必要でないか
・さらに、地域包括ケアシステムを統括する部署(チーム)の設置が必要ではないか

4)医師会
 「鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院の将来ビジョン」
院長 武田憲夫先生

リハスタッフ:63名、
24年度実績
 入院患者:551名、
 一日平均:106.4名
 病床利用率:88.7%
 平均在院日数:69.5日
デイケア
 一日平均:32.9名
 延べ利用者数:10,097名
 営業日数:307日
疾患割合 
 脳卒中:29%、大腿骨:25%、廃用症候群:26%
退院先
 在宅へ:73.8%
 介護老人保健施設:8.7%
 地区診療所、病院:1.4%
入院患者
 80歳以上:67%
 男:207名、女:344名 (80歳以上は圧倒的に女性が多い)
紹介元
 荘内病院からの紹介が93%
近未来ビジョン
 ・リハビリテーションを基盤とした医療提供
 ・超高齢社会への対応
 ・増加するしっぺに対応する医療体制の整備
 ・限られた医療資源の下での対応

 ・認知症リハビリテーション
 ・がん患者サポート体制の構築、排用予防のリハビリテーション
 ・在宅医療への関与、橋渡し、医療連携の推進

 ・施設整備
 ・情報システムの整備
 ・職員のための職場環境の整備、改善
 ・医師、スタッフ不足への対応

以上

配布資料

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No.248 (地域医療連携推進協議会・鶴岡地区医師会・荘内病院)

2013-12-18 10:41:31 | 日記


昨晩(12月17日)は、地域医療連携推進協議会・鶴岡地区医師会・荘内病院の合同懇談会でした。病院の人たち(医師、看護師、コメディカル、連携室のスタッフなど)と開業医との勉強会~懇談会で、当地区でここ数年取り組んでいる地域での顔の見える関係づくりの一環という位置づけの会です。

今回で3回目になりますが、このような会(講演会、症例検討会、研修会、委員会なども含めて)を繰り返すことで、病院と地域との壁(?)は、数年前から比べれば、格段に低くなったと実感しています。

課題は参加する人が限られることです。なんとなく行きづらいと思っている皆さん、次回は是非勇気を出して参加して下さい。きっと、何かいいことがあると思いますよ。


以下、次第とメモ

1、開会

2、挨拶
 地域医療連携推進協議会会長 黒井氏

3、発表と報告

・がん地域連携パスの現状
地域医療連携室 渡部正
 荘内病院の登録数は62件(県全体で445件)、と県内の他病院に比較して少ない
 また、連携医療機関も少なく、算定できない件数が多い(27%)
連携医療機関に登録することで、がん治療連携指導料算定可能となる
 登録をお願いしたい
 
・「当科における口腔癌治療の概要と実際について」
荘内病院 歯科口腔外科 武石 越郎 氏
宇都宮出身、東北大学歯学部卒:
国際医療福祉大学三田病院:頭頸部腫瘍センターで研修
口腔癌、頚部郭清、血管吻合術など、年間手術数:425(2012年)
荘内病院歯科口腔外科の役割
歯科疾患→なるべく一般歯科医へ、口腔外科疾患をおもに扱う
口腔癌
口を開けてみえる癌
ほとんどが扁平上皮癌
部位:舌 >歯肉 >頬粘膜
治療:手術、化学療法、放射線 必ず障害は残る
舌癌手術の実際
患者数、9年間 6464例 (口腔外科疾患 3695例、57%)
   口腔癌:74例、 粘膜疾患:493例
過去1年間 患者数:737件 (歯科 401、口腔外科 336)
   口腔癌:11例
 (舌癌:7、歯肉:2、頬粘膜:1、口腔底:1)
他科と連携して手術を行っている
血管吻合に最新の器具を活用
動注化学療法 CR例もあり、今後期待される治療法
まとめ
 1年経過し基礎を確立した。
 今後手術例を増やし5年生存率などデータを出せるようにしたい


・「再発患者データ解析からみた脳卒中地域連携電子パス導入の効果」
荘内病院 神経内科 丸谷 宏氏

脳パスを運用し丸5年経過、
 2010年からは維持期パスを運用、
 維持期の情報を集積しているのは、全国でも鶴岡だけ
鶴岡の脳卒中死亡率は、全国平均より高い、130-140 /10万
とくに、若年層に多い、
脳卒中の特徴
 10年以内に、50%が再発
医療費:1位、
  寝たきり要因の1位
高齢になると心原性が増える

 荘内病院の脳卒中
  在院日数:18日、かなり短い 連携がとれている証左
回復期へ53% → 他地域よりかなり高い これも連携のおかげ
維持期における脳卒中二次予防とリハビリテーションが重要
再発は、1年間 6-10%
再発は脳梗塞が多い

 維持期のデータ解析で、維持期パス参加施設の方が再発率が低くい、
 また、再発の危険因子として心房細動が有意に高いという結果を得た 

 地域連携パスは、疾病管理を通して地域の医療の質をあげていくための取 り組み
来年度から、自己管理を目指した私の健康ノートの利用していく

・荘内病院 看護部体制の紹介
 各部署の看護師さんたちの自己紹介
働き続けられる職場環境、スキルアップ、選ばれる病院、
 を目指し、活動している。

終了後、懇親会がありました。三科院長の開会のあいさつ、乾杯、地域医療連携推進協議会、鶴岡地区医師会会員、荘内病院勤務医、地域連携室毎に紹介や挨拶があり、三原会長の閉めのあいさつで閉会となりました。さらに、有志は二次会、三次会で盛り上がりました。


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No.246 (薬剤師会とのミーティング)

2013-12-18 10:40:09 | 日記
12月16日 13:00~、本年度6回目となる薬剤師会とのミーティングを行いました。

今日のおもな議題は、在宅医療と多職種意見交換会の報告でした。
私は参加できませんでしたが意見交換会では、薬剤師に対して多くの期待が寄せ
られたようです。多職種が集まり、自由に意見を言える環境ができていることを
素晴らしいと感じました。これからは、ここで出された課題を整理し、課題解決
へ向けてアクションプランに落とし込み、実行・評価し、PDCAサイクルを回して
いくことが必要だと思います。

以下、議事録もどき

1、相談窓口利用状況報告

まだ事例がないが、ある薬局から訪問服薬指導の相談があった。
ハローナースが声掛けして、相談に繋がったとのこと。
薬剤師からの相談にも対応していきたい

2、在宅医療と薬の他職種意見交換会
参加:41名 ( 薬剤師:18名、他職種:23名)

1)薬剤師への介入ニーズ
 服薬困難事例、多科受診、認知症、老老介護、緩和ケアなどへの薬剤師の関与
 について
 

2)連携・相談
ケアマネから相談したいが、窓口が分からない
 →相談窓口の周知
 今回の意見交換会の準備の過程で 薬剤師を講師とした勉強会開催の依頼が
 3施設からあった
  →施設近隣の薬剤師を講師とした勉強会の企画

3)薬剤師の訪問での役割
 何をどこまで依頼して良いか、どこまで介入すべきか、分からない
 →服薬管理、治療の評価、さらには代替案の提案までやりたい

4)薬剤師が訪問服薬指導することの認知不足
 アピール不足
 →各種団体の研修会で説明の機会を増やしたい

5)薬剤師のスキル不足、マンパワー不足
経験・情報不足から、自分たちでハードルをあげているという意見
 →薬剤師会研修会での情報提供を強化する

 *一人薬剤師でも訪問服薬指導を実施している薬局もある
  一人でもできることを伝えていく必要があるのではないか
  (医師は一人だが、昼休みを使って訪問・往診をしている)

6)その他
 一包化したが、処方変更で対応が困難
 連携の問題:薬剤師が他職種の仕事を知らなすぎる
 →他職種講師の勉強会などの実施、

全体総括
このような会を継続し、訪問服薬指導を地域のシステムとして運用できるよう
 に

3、相談窓口等の周知(ホームページへの掲載)について
 ほたるHPに薬剤に関する相談窓口を掲載した

4、来年度へ向けて
  薬剤師との連携:ほたるとしては何をすべきか、課題を整理つつ、
 来年度のアクションプラン作成していきたい

5、その他

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No.245 (今週のまとめ)

2013-12-14 10:25:36 | 日記
本格的な冬、到来ですね。
皆さん、暖かくしてお過ごし下さい。

さて、あっという間にまた土曜日です。
今週は行事的には多少余裕のある週でしたが、個人的には「新医療」からの依頼
原稿(締切が来週の月曜)、来週予定されている5者懇談会での発表準備などあ
り、相変わらず気忙しい1週間でした。みずばしょう運営委員会、総務小委員会
を含めて報告します。

8日(日)
 コミュニティ新聞座談会(既報)
9日(月)
 健康管理センター運営委員会(既報)
10日(火)
 庄内南部地域連携パス推進協議会 全体会(既報)
11日(水)
 Note4Uスマートフォンアプリ打ち合わせ(既報)
13日(金)
 みずばしょう運営委員会
  1、平成25年度事業会計収支見込書
   通所リハの人数増で、全体として予算比1700万程度増収の見込み
  2、平成26年度事業計画(案)
   1)施設の充実強化
    a)入所減、ショートステイ増、通所リハ増とし 1339万の増収を見込む
    b)在宅復帰率30%を目指した取り組み
     在宅生活を見据えたかかわりを強化
    全老健ケアマネジメントシステム R4システム の試行
    c)施設サービスの向上
      利用者、家族向けの対応の充実、
      職員相互の連携強化、スキルアップ
    d)適正なコスト管理
     デマンド監視装置
    e) リスクマネジメント強化
   リスクマネジャーの養成 1名
   2)関係団体との連携強化
   医師会内の他事業所との連携、一連の流れの構築
   3)施設の整備充実
   非常災害時の対応
  3、平成26年度事業会計収支予算書・固定資産要望書
    固定資産取得要望
    福祉車両:518万、 使用期間:8年、20万キロ超
  4、料金改定
   消費税率が8%となるための対応
   複雑な書類の値上げ、
  5、その他
   産休、育休が多い、ユニット、送迎業務で困難感
   募集しているが、なお協力をお願いしたい。

 総務小委員会
  1、平成25年 一般会計決算見込み
   在宅医療連携拠点事業がなくなったことにより、1300万ほどの収入減
  2、平成26年度 鶴岡地区医師会重点項目(一般会計)
   内容の詳細について議論
  3、今後のスケジュール
   確認した

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No.244 (Note4U)

2013-12-12 11:25:33 | 日記


Note4Uをご存知でしょうか。Net4Uを捩った名称ですが、患者・患者・介護者参加型のWEB連絡ノートという位置づけのシステムです。

Net4Uは、医療、介護従事者が患者さんの情報を共有し、サービス提供側が連携しながらより質の高い医療・介護を実践するために活用されています。一方、在宅患者さんのもっとも身近にいるのは家族やヘルパーさんたちであり、その人たちがネットワークに参加していないのは片手落ちではないかという課題がありました。

そこで、セキュリティーを保ちつつ、患者本人、家族、ヘルパーさんたちが患者さんを中心としたネットワークにも参加できるシステムとしてNote4Uが開発されました。Note4Uは、Net4Uとは別システムとし、Net4Uサーバへは直接アクセスできないことでセキュリティーを担保しています。

Note4Uユーザーからみると、バイタルなど簡単な見守り情報や医療者への連絡ノートなどを登録すると、その情報をNet4U(医療者側)で見てもらえることができるようになります。また、検査結果、処方などNet4Uに登録されている情報をNote4U(患者・家族側)で閲覧することも可能となります。さらに、見守り情報に異常があると、それが通知される仕組みも実装されています。

一方で普及のための課題は、療養しているお宅にパソコンも含めてインターネット環境がない、患者・家族にITスキル(リテラシー)が十分ではなく、折角のシステムが使えないということです。

そのような現実のなか、むしろターゲットを若年層とし糖尿病などの生活習慣病予防ツールとして利用できないか、また、処方・検査結果の確認ツール、ALS患者と医療者間との連絡ツール、在宅緩和ケアでのチーム医療での患者・家族参加型ツールとしての利用など、たくさんのアイディアがだされています。

今後は、利用拡大をめざし、ターゲットを広げるとともに広報活動を強化することとなりました。

また、インターネットへのアクセスは、パソコンからスマートフォン、タブレットへと変わってきており、Note4Uもスマートフォンで使えるよう開発が進んでいます。

Note4U

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No.242 (地域連携パス推進協議会 全体会 第6回)

2013-12-11 12:04:07 | 日記


昨日、12月10日、本年度6回目の地域連携パス推進協議会 全体会を行いました。今回は、前月に引き続き、先日盛岡で行われたクリニカルパス学会での報告内容を各演者から講演して頂きました。それぞれ、高いレベルの内容で、ミニ学会という感じでした。当地区の地域連携パス協議会がこれだけの数の演題を報告できる会に成長したことを心から誇らしく思います。

1、運営委員会報告

 医師会長だよりで報告済み

2、クリニカルパス学会報告 part.2

1)庄内南部地域大腿骨近位部骨折術後の連携パスの転帰評価第2報
協立リハ 佐藤 智さん

パス登録患者467例の受傷前後の生活機能、認知機能の推移を分析
MMSE得点推移で2点以上の向上を術後認知機能障害の改善と仮説し、
術後2週と4週での予測モデルとして検証
目的変数:回復期退院時BI
説明変数:
MMSE、退院先、受傷前BI、術後2,4週のBI、管理病院での日常性格機能評価、年齢、問題行動として重回帰分析を実施

結論
予後因子として認知機能の推移が大きく影響しており、術後早期からの認知機能評価の重要性が示唆された。
回復期退院後も認知機能改善する可能性があり、訪問リハなどのケアサービスが必要と考える。

2)当院における脳卒中患者の自動車運転再開マニュアルの現状と課題
湯田川温泉リハ病院 大川さんほか3名

湯田川温泉リハビリテーション病院では、自動車運転マニュアルを作成し、それに沿って、運転の可否を判断している。
平成23年10月から平成25年3月間の脳パス患者210名をデータ分析した
運転希望者は 29名(男:35、女:4)
 希望者の平均年齢は 男:65.5歳、女:53.3歳
希望者29名のうち、7名(24%)が、運転可能と判断された。
7名のうち、教習所利用で運転が可能となっったのが5人(71%)
運転可と判断されなかった22人のうち、教習所利用で運転が可能となったのは2人(9%)
運動可群と運転不可群との比較では
 入院時FIM(運動、認知)ともに有意差があった。
 一方、退院時FIMでは、認知項目のみに有意差があった。
退院時高次脳機能障害での比較では
 運転不可群に、遂行機能障害、半側空間無視がみられた。
まとめ
運転の可否をより的確に判断できるよう、より詳細なデータ分析を行い、クリニカルパス化を図っていきた。

3)再発患者データベース脳卒中地域連携電子化パス導入の効果
荘内病院 丸谷先生

2010年1月から2年間に登録された脳卒中患者のうち
維持期へ移行した患者データを解析した。

対象期間の登録患者:1041名
維持期移行例:742名
維持期パス参加患者:403名
維持期パス非参加患者:306名
平均観察期間:28.6か月

1、臨床的背景
 維持期パス参加群:女性の割合:47%、年齢:76.9、退院時mRS:2.87
 維持期パス非参加群:女性の割合:50%、年齢:74.6、退院時mRS:2.61

2、維持期血圧管理
 74%が目標となる血圧以下にコントロールされていた。

3、再発率・再発期間
 再発率:パス参加群:7.58%、パス非参加群:11.7% パス参加群で低い
 再発期間:パス参加群:15.88月、パス非参加群:9.72月、パス参加群で有意に長い

4、危険因子の分析
危険因子の中で保有率が高いのは、高血圧、脳卒中既往、糖尿病などであるが、心房細動が有意に高い結果であった。

4)脳卒中地域連携パスのデータマイニングと集計表
鶴岡地区医師会 遠藤さん

庄内南部地域連携パス推進協議会では、地域連携パスをIT化しリアルタイムにデータベース化する仕組みを構築している。
地域連携パスには、病病・病診ともに相当数のデータが蓄積され、それらデータを解析するチームとしてデータマインニング委員会を設立した。
データマインニング委員会は、急性期、回復期、維持期、ITベンダー、事務局など多職種、10名ほどのメンバーで構成される
脳卒中地域連携パスでは、年報というかたちで集計表を作成、地域にフィードバックするとともに、各所に配布している

5)精神科疾患の服薬自己管理パスを改定して
鶴岡病院 三原さん

4月、パス委員会、設立

精神科患者を退院させるには、服薬を自己管理できることが必要である

服薬自己管理パスは従来よりあったが、7日間と限定されていたためほとんど利用されていなかった。また、医療者が患者と共に同じゴールを目指すというパスの概念が伝わりにくかった。そこで、期間を限定せず、アウトカム達成まで繰り返し継続するパスに変更した。また、薬剤師からの服薬指導が必ずは入るよう、服薬指導項目を追加した。さらに、患者用パスを作成し、開始時に説明のうえ配布し、指導中も使用した。

結果
使用数が0から8件へ増加した。
使用した患者の病名は統合失調症、発達障害、認知症であった。
使用期間は23日から8か月、一番多かったのは2か月であった。

アンケート調査では、医療者の86%が、患者の94%が肯定の回答であった。

6)精神科疾患はパスにそぐわないのか?
鶴岡病院 三原

パネルディスカッション「クリニカルパスの次なる飛躍の可能性」での報告。
どうして精神科ではパスが普及しないのか、
主観情報が主体だからか?
ひとりひとり、症状、経過、背景、知的レベルなどが違うからか?
どうすれば、精神科にパスが普及するのか、

パスを羅針盤として、多職種チーム会議で個別的なケアプランをたてながら、対象者とともにゴールを目指すやりかた(パスとケアマネジメントの複合的手法)は、どうか?

精神科領域でのパス普及を目指して
・パス概念の周知
・主観情報を形式知へ
・パスで可視化し多職種連携推進
・地域連携の促進(退院支援パス、地域連携パス、依存症フォローパス)
・職員のやる気アップへの一助
・活気ある精神科病院へ ホスピタリティー



3、その他、

1月は、休会
2月、第3火曜日(18日)

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No.241 (コミュニティーしんぶん主催新春座談会)

2013-12-09 09:49:35 | 日記
昨日(7日)は、コミュニティーしんぶん主催の新春座談会
「庄内の医療の現状と将来を語る」に出席してきました。

趣旨は、「新年を迎えるにあたり、高い水準にある庄内の医療の現状や今後の取り組むべき課題、さまざまな可能性などを伝えることで、少子高齢化が急速に進む庄内の住民に医療環境に対する理解を深めてもらい、希望をもってもらう」というものです。

出席者は、松田庄内保健所長、栗谷日本海総合病院院長、本間酒田地区医師会長と私の計4名。なお、三科荘内病院院長は、出張のため欠席でした。


庄内の医療技術の最前線、病診連携、医師・看護師確保、研究・産業分野との連携などを話題に、出席者からそれぞれの立場でいろいろな発言があり、13:30から3時間という長丁場でしたが、結構面白かったです。

私からは、荘内病院は血栓溶解療法の早期からの導入、非侵襲的手術など最新の手術技術への積極的な対応、在宅緩和ケアなど高いレベルにある病院であること、また、Net4U、地域連携パス、在宅医療連携拠点事業など全国でも注目される地域であることをアピールしてきました。

日本海総合病院と荘内病院との役割分担も話題にはなりましたが、今後話し合いの場は必要であろうという程度で終わりました。私からは、今後の超高齢社会における医療・介護は、市町村単位で考える必要があり、その意味でも鶴岡に救急、急性期、在宅医療バックアップなどの機能を持つ、地域支援病院としての荘内病院は必要との発言をしてきました。

どうまとめるのか、コミュニティ新聞、新春号をお楽しみに

以下のメモです。

1,医療技術や体制の最前線と、今後の方向性
 庄内でどの程度のレベルの治療が受けられるのか、最前線の医療機器
 PET-CT (日本海総合病院)
庄内一円で利用する目的で導入
まだ、採算ベースにはない
成果がでるには時間が必要
一般検診でも利用されている 100例以上の利用あり

救命救急センター (日本海総合病院)、
 山形で3番目
救急のレベルがあがるというものではない
むしろ、予算がつくという意義が大きい
一定の成果はあるが、明確な成果はまだ
救急の70%は軽症、
  酒田地区医師会の開業医が救急外来の手伝いをしている、地域全体で取り組んでいる

ちょうかいネット
  病院のカルテが閲覧可能 → 地域のレベルアップ → 地域住民安心感

 荘内病院、
 周産期母子センター
 がん連携指定病院
 血栓溶解療法、血管内視鏡的血栓除去、
 緩和ケア
 地域連携パス
 外科:内視鏡的、非侵襲的手術を積極的に導入

 認定看護師
 精神科も含めてどの病院でもそれなりにがんばっている

 化学療法
 それぞれ熱心にとりくんでいる、庄内全体としてある程度のレベルは達している

 今後の展望と課題
認知症対策:
オレンジプラン、
自殺対策:うつ病をどうみていくか、
   かかりつけ医と精神科医との連携 書式の統一
新鶴岡病院でのストレス外来
ちょうかいネットやNet4Uの活用
医療機器:日本海では、ダビンチ、体幹型のサイバーナイフの導入を検討、
庄内:胃がん患者が多い → 予防、検診も含めて対策が必要

2、病診連携
ちょうかいネット
 酒田で、登録数:1万件を超えた、医療関係者に意識が高い
   ちょうかいネットの特徴は、所見の公開(他の地域ではやっていないことが多い)
介護職での活用が課題

Net4U:
在宅医療における多職種連携に活用、
   とくに、がんの在宅緩和ケアにおいて、その普及にも貢献している
   緩和ケア専門医の参加が大きい
参加医師が少ないのが課題

  地域医療連携拠点事業(ほたる)
3年前から始まった国の事業
   在宅医療における、医療・介護連携のコーディネート機能
   昨年度から県の事業となるが、山形県は認識が低い
   鶴岡では、医療連拠点室と改名し、事業を継続
   今後は、市からの委託事業に移行する模様

急性期、回復期、在宅への流れ
急性期病院にとって平均在院日数の短縮は必須
   そのためには、連携は不可欠、また、市民の理解、認識も必要
日本海総合病院統合したことで、何が変わったのか
延べ患者数が減った、新患者が減った。
一方、入院患者数が増え、在院日数は減った、
要するに、患者は減っても、収益は、1.7倍になった
他の病院へお願いする患者が増えた
庄内全体での医療資源を話し合う場が必要
急性期病院の在院日数が短いことへの市民の理解は深まってきた

  鶴岡の地域連携パス
   大腿骨近位部骨折パスで開始
   荘内病院整形外科の危機感からリハビリテーション病院にお願いして始まった
   脳卒中地域連携パス:全例登録、データベース化、データ解析も行っている
   維持期パス導入群では非パス群に比し、脳卒中の再発率、再発までの期間が長いというデータがでている。
   地域連携パスを利用することで、寝たきりの最大の要因であり、地域の課題である脳卒中の疾病管理を目指している

  在宅医療
 酒田:在宅医療をやっているのは 7人、当番制を導入

3、医師、看護師などスタッフ確保の問題
医師数、日本海:136名、荘内:73名、
世界的に日本の医師数は少ない、
庄内、
正看護師は少ない、満たされているのは村山だけ
山形県は、定着率が低い
潜在看護師、相当数いる、
分布、日本海 > 荘内、 日本海を引くと、酒田の方が足りない
施策的誘導は難しい、県で検討はしているようだが

  日本海に医師数が多いのは(うまく)合併したから、 辞めた医師がいなかった
   看護師:毎年40数名を雇用
特徴:新卒が多い、寿退職が多い、出産、育児が多い、
日本海職員数:1000+500(臨時)、雇用は、地域貢献にはなっている、

  荘内病院でも医師不足は深刻な問題、とくに内科系医師
   (総論として)医師不足のおもな要因は偏在
   山形県でも、村山だけが突出して多い、荘内病院へも回して欲しい、
   看護師不足の背景にあるのは、看護師の労働環境の悪さ、
抜本解決には、看護師の仕事を続けられる、働きやすい環境づくりが必要なのではないか
   
医師が集まる医療機関は、手術件数などが多いところ
地域のなかで、どういう仕組みが必要なのか協議する時期にはきている
今後、公的医療機関はなくなっていくのでは?
視点をどこに? 新しい視点が必要、何が目的か?
少子高齢化をどう生き延びるか?
財政難は、話し合いのモティベーションになる、
課題は、継続性、お互いがステークホルダー、
統合は、次世代の作業か → 県民に伝える作業が必要
医師会は、結びつける力をもっている

4、医療福祉と研究・産業分野の連携

生命先端研究所、 メタボローム技術、
応用例:うつ病、蜘蛛の糸、だだちゃ豆、つや姫、唾液によるがんの早期発見
鶴岡市みらい健康調査(鶴岡市、慶応大学、鶴岡地区医師会の共同研究)
   メタボローム技術を実用化を目指した、コホート研究
   1万名をリクルートして、25年間追跡調査する
   創薬、検査字術を含め、産業化の可能性
医療ツーリズム
中国(ハルピン)から、日本海病院での検診、 健診(関西)より安いのがウリ
医療・産業界と連携
健診システムの輸出
内視鏡や医療機器開発、
高橋、コウケン(オリンパスの委託)で作製、

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