鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.287 (地域医療福祉情報連絡協議会)

2014-02-28 11:39:48 | 日記


2月26日、東京で行われた地域医療福祉情報連携協議会主催の地域医療福祉連携ネットワーク交流会に参加してきました。今回は、「私にできる地域包括ケアー超高齢化時代における地域医療福祉の課題と連携ー」と題して、地域包括ケアをテーマに講演、事例報告、ワールドカフェ形式のワークショップが行われました。

http://www.rhw.jp/event/event021.php

地域医療福祉情報連携協議会1の設立趣旨、概要については以下のHPを参照下さい。ITを活用したシームレスな地域連携を支援するという趣旨の会です。因みに私はこの協議会の幹事を務めています。

http://www.rhw.jp/about/

参加者は、医療・福祉関係、行政、教育・研究・学会関係、IT企業など200名を超えていました。今回は、講演を聴講するだけではなく、新しい試みとして、企業からの製品やサービスの紹介、ワールドカフェ形式によるグループワークが行われました。ブログの写真をみても分かると思いますが、広い会場に48のテーブルが設置され、最近の研修会などでは見慣れた風景ですが、この協議会としてはいつもと雰囲気の違う会となりました。

午前の部は、会長(東京医科歯科大学教授 田中 博氏)、顧問(元厚生労働省事務次官 水田邦雄 氏)、内閣官房、総務省、厚労省、経産省のあいさつのあと、講演が2つありました。

基調講演1、
「地域包括ケアの今後~地域マネジメントと多職種連携~」
国際医療福祉大学大学院 医療福祉学分野 教授 高橋 紘士氏

男性労働者の正規・終身雇用と専業主婦を前提とした年金、医療、介護を中心とした1970年代型社会保障モデルはすでに終わりを告げ、2025年モデルでは、すべての世代を支援の対象とし、その能力に応じて負担し、支え合う全世代型の社会保障モデルとなる。今後は、生活の質を落とさざるを得ないし、良い社会とは何かを考える時代。地域住民参加型の生活を支える、あたらしいコミュニティケアが必要であり、その具体的姿が地域包括ケアである。

基調講演2
「第6期介護保険事業計画を見据えたわが街の地域包括ケアの在り方」
和光市 封建福祉部 部長 東内京一 氏

マクロ的な制度機能政策として、住民への徹底したニーズ調査(マーケットリサーチ)から、地域の課題を抽出し、それを元に、適切な数あるいは場所へ施設を誘致し、また、数多くの地域支援事業を展開している。

また、ミクロのケアマネジメント支援(自立支援型ケアマナジメントとチームケア)として、介護保険の目的(自立支援)を住民を含め徹底して周知し、地域ケア会議による課題解決型の包括ケアマナジメントを実現している。その結果、和光市の要介護認定率は10%程度と、全国平均の17%を大きく下回っている。また、要支援、要介護1が、自立に至る率も極めて高い。

午後の部では、企業製品紹介、地域包括ケアの事例報告のあと、ワールドカフェが行われました。

ワールドカフェでは、4-5名程度がひとつのグループとなり、お菓子やコーヒーなどリラックスした雰囲気のなかで、与えれたテーマに対しおもちゃのマイクを片手に自由に発言します。発言に対しての否定的な意見やいじわる発言はご法度です。相手の意見を尊重しながら、自分の意見を伝えることにより、一体感が生まれます。20分ほど話合ったら、ホスト以外のメンバーは自由にテーブルを変えます。ポイントとなる意見は、気付いた人がポストイットや模造紙に記載し、議論の参考にしたり、あとで検証したりします。ラウンド毎のテーマは以下でした。

ROUND.1  25分
 理想と現実・・今日、地域包括ケアの話や事例をみたけど、どう思いましたか?
ROUND.2 20分
 今の活動地域の問題と話題は何なのか?
ROUND.3 15分
 無責任タイム!質問に無責任に回答してあげよう。
<ヒント>1、私が引き受ける。2、誰かを応援する。3、そっとしておく。
ROUND.4 15分
 私にできる地域包括ケア(まとめをします。)

さまざまな職種とのふらっとな関係での交流は、新鮮で面白かったです。

在宅医療は、地域包括ケアシステムに組み込まれたひとつの機能に過ぎません。医師には、生活を診るという視点が必要にになります。その意味で、かかりつけ医には、介護との連携、地域との関わりが強く求められているのだということを再認識しました。

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No.286 (庄内地域医療情報ネットワーク研究大会)

2014-02-25 11:19:33 | 日記


2月23日(日)酒田で、第2回目となる庄内地域医療情報ネットワーク研究大会が行われました。1回目は、ID-Link研究会全国大会と同時開催として行ったもので、今回は地域単独での開催となりました。

ちょうかいネットは、ID-Linkという仕組みを利用した、庄内全域での医療情報ネットワークで、酒田では、日本海総合病院、本間病院、鶴岡では荘内病院、Net4Uが開示施設となり、数多くの診療所、訪問看護ST,薬局、介護施設などが参加しています。

ちょうかいネット

医療情報ネットワークは、構築しただけでは機能しません。地域全体に広めていくためには、顔の見える関係作りを並行して行う必要があります。その意味でも、このような研究会を定期的に開催し、事例を報告しながら情報ネットワークの活用状況を評価していくことは重要です。

一方で、在宅医療における、多職種チームによるコミュニケションを重視した医療介護連携には、ちょうかいネットだけでは限界があり、Net4Uのような地域密着型のシステムが有用と感じています。

Net4U

今回の研究会では、ゲストとして山形大学医学部医療政策学講座教授の村上先生をお呼びして、医療制度改革について講演頂きました。トピックは、人口減少とさらに進む超高齢社会を見据えた、病院機能の再編です。1/7基準病棟を減らし、亜急性期入院医療を充実させる方向にあるようです。また、在宅支援に特化した地域包括ケア病棟が新設されるとのことでした。

事例報告では、

日本海総合病院副院長 島貫隆夫先生から、ちょうかいネットが順調に運用されている現状がデータを示し報告されました。次いで、佐藤顕先生からは、内科診療所の立場から、自身の患者の病院での診療内容を知ることで生涯教育の一助になっているとの報告がありました。ケアマネの安藤さんからは、介護職のちょうかいネット利用について、介護職が医療情報を適切に扱えるのか、ケアマネの守秘義務を含め、多くの議論をしたとの報告がありました。現在6人をちょうかいネットに登録しているとのことです。

鶴岡からは、荘内病院脳神経外科佐藤和彦先生から、日本海病院との病病連携にちょうかいネットを活用し、とくにスピードが要求される緊急手術にはとても有用なシステムとの報告がありました。湯田川温泉リハ病院の武田先生からは、湯田川温泉リハビリテーション病院の院内情報システムの課題について説明があり、Net4Uの院内システムとしての利用の可能性について検討している旨の報告がありました。最後に、包括支援センターのケアマネでもある小野寺さんから、看取り患者をNet4Uに登録しを、主治医や訪問看護師と連携しながらスムースな看取りに繋げることができた事例報告があり、ケアマネにとって、Net4Uは在宅ケアにとても有用との報告がありました。

研究大会後は交流会が行われ、親睦を深めました。


以下、講演のメモ書きです。

1、開会のあいさつ

2,講演
「医療制度改革と地域連携」
山形大学医学部医療政策学講座 教授 村上正泰 氏

山形県 1万/年 減
人口減少,高齢患者の増加 平均在院日数の長期化、

急性期の集約化
後方病院機能の確保
地域包括ケアの構築

庄内地域:医師、看護師、病院数少ない、
現役世代の急性期医療ニーズは減少
慢性期の医療ニーズが大幅に増加
急性期病院の将来患者数は減少へ
競い合うのではなく、補完的関係が必要
亜急性期病棟へのニーズの高まり
地域包括ケア病棟の新設
主治医機能の評価 地域包括診療料、1503点 月1回
病床機能報告制度
 地域の各医療機関が担っている機能の現状を把握→地域医療ビジョン策定へ
機能の分担と連携 →ICT活用の重要性の高まり
効率的な医療・介護連携体制

3、事例発表

■「登録患者・アクセス数からみた ちょうかいネット の現状」
   日本海総合病院 副院長 島貫隆夫 氏

稼働して3年間
利用者:順調、着実に増加
登録患者数:10638 (2014年2月1日現在)
開示:4か所
月平均:1000人、1患者を3医療機関へ登録するパターンが多い
病院別:登録患者数、荘内病院:100
リハビリテーション病院での登録が増えている
登録患者数 10-33 の施設が多い
登録患者数が多い医療施設の登録は多い(ヘビーユーザの存在)
登録患者数とアクセス数
 診療所のアクセス数は伸びている
 項目別では、 診療録 >> 画像
 とくに、本間病院、診療録参照多い
 病診連携では診療録、病病連携 では画像参照多い
 訪問看護ステーションのアクセス増えてきている
Participant 機能
 (参加医療機関へ情報の登録をメールで周知する機能)
課題~展望
 利用期間の伸び悩み
 参照施設からの情報提供
 診療予約のシングルサインオン
 診療所の電子カルテの相互乗り入れ
 ちょかいネットからの予約も可能とする

■「ワクワク ドキドキ ちょうかいネット」
 さとう内科クリニック 院長 佐藤 顕 氏

ちょうかいネットのある暮らし
ちょうかいネットでのカルテ回診
病院での診療~診断を参照することで、生涯学習に役立つ

■「ケアマネから見た医療介護連携におけるちょうかいネットの役割について」
 酒田市ケアマネジャー連絡協議会 会長
  安藤 早苗 氏 (在宅介護センターかたばみ荘)

酒田市ケアマネ連絡協議会
94事業所、246名
役員会5回、研修会3回

課題整理、 連携についての協議、
知りえた情報を判断と責任できるか 介護系ケアマネが多い
時期尚早との判断したが・・
登録:6名
メリット
正確、最新、処方内容担当医が着目している症状、複数科の診療情報、タイムロス
デメリット
生活面での情報がすくない、看護記録が閲覧できない、温度版情報が不足、情報が一方通行、顔の見える関係が希薄
情報の正確性、スピード → ケアプランに反映
医療情報の不適切な取り扱い、医療知識が
ケアマネの個人情報保護 「秘密保持」がうたわれている、
介護職にも、守秘義務がある
秘密保持
倫理容量法令順守、法人として連帯責任、研修受講義務

■「荘内病院における医療情報ネットワーク ー病診連携を中心にー」
  荘内病院 外科系診療部長 佐藤和彦

登録数:772件、
日本海病院との病病連携数:93
緊急システム利用:14件 とても便利
荘内病院からの:
メリット :選択、事前、省力化
事例;2 日本海病院から荘内病院脳外科へ、 耳鼻科、脳外科
携帯(タブレット)端末が必要なわけ、 スピードが重要
ITの活用:医療連携、退院前カンファレンス、救急、医療介護連携


■「回復期病院における、庄内地域医療情報ネットワークツールNet4Uとちょうかいネットの利用方法」
湯田川温泉リハ病院 院長 武田憲夫 氏

課題は、紙カルテとの二重登録
Net4Uを使った在宅患者さんへのリハビリサポート : 訪問、評価、アドバイス
ID-Link
来院前に情報収集
退院後の患者情報を知ることができる
希望と元気を与えよう 希望と元気は、回復のエネルギー

■「介護支援専門員としてのNet4U活用術」
地域包括支援センターあさひ 所長 小野寺幸則 氏

居宅介護支援センターであい、ケアマネ:5名
 Net4U 22件、
地域包括支援センター あさひ 1.6人体制
 Net4U 25件

88歳、女性
経口摂取不能 自宅での看取り事例
関係機関で情報を目で見て確認、共有できる
時間的制限がない、
困ったことがあれば、Net4U上で相談、支援方法がきける
システムがタダで使える
いつでも主治医とつながっている安心感
最新の医療情報、→ 質の向上
地域包括ケアシステムでも有用
介護システムからNet4Uをコピペしているので入力の負担感は少ない、
課題は、Net4U利用DRがまだ少ないことに


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No.285 (庄内プロジェクト活動報告会第2部)

2014-02-25 10:46:48 | 日記


引き続き庄内プロジェクトの活動報告会、地域連携WGの報告です。
各職種毎に、多くの勉強会、話し合いを行ってきました。
記録の意味も含めて、発表スライドから報告内容のすべてを記載しておきます。

■南庄内在宅医療を考える会
  報告者:石橋 学 氏

 平成23年度第3回
・日時:H25年3月26日(火) 19:00~
・場所:鶴岡地区医師会館 3階講堂
・テーマ:在宅医療での主治医不在時の支え合いグループの構築
・対象:医師
・参加者:診療所医師12名、勤務医1名
      行政担当官1名  計14名
・内容
 ミニレクチャー:「死体検案書の書き方」
   庄内保健所 所長 松田 徹 先生
・在宅主治医不在時の支え合いグループの構築
 その後、支え合いグループ「ゆきちねっと」が創設されるに至る
 登録医:15名、運用は2例

 第1回南庄内在宅医療を考える会
・日時:H25年6月21日(金) 19:00~20:45
・場所:鶴岡地区医師会3階講堂
・テーマ:「訪問看護師さんともっと仲良くなろう」
・対象:医師、訪問看護師
・参加者:診療所医師14名
     訪問看護師14名(ハローNs、きずな)
・フリーディスカッションによる意見交換(悩み、要望など)
 *Ns側から:緊急時も含めたDrとの連絡に関する問題
         その際のNet4Uの有用性
 *Dr側から:ALS患者のレスパイト先の件
         サービス担当者会議への関わり方
 第2回南庄内在宅医療を考える会
・日時:H25年11月26日(火)
・場所:鶴岡地区医師会館3階講堂
・テーマ:「ケアマネさんと仲良くなろう」
・対象:医師、ケアマネージャー
・参加者:医師13名、ケアマネージャー33名
・事前に行った「主治医との連携に関するアンケート調査結果」を
 踏まえ(鶴岡市地域包括支援センター連絡会)
    4グループに別れてのフリーディスカッション
  *医師医見書の内容(認知症の判断にギャップ?)
  *医師・ケアマネ間の連携   Net4Uの活用
   *患家より往診医を探して欲しい旨の依頼(CM)
   *サービス担当者会議に関すること
 第3回南庄内在宅医療を考える会
・日時:H26年2月26日(金) 19:00~20:15
・場所:鶴岡地区医師会館3階講堂
・テーマ:  「目からウロコ!
 私たちが知らなかった訪問リハビリの真実」
・対象:医師、訪問リハビリ従事者

■つるやくネットワーク活動報告
 報告者:鶴岡地区薬剤師会 あかね薬局 篠田太朗

①つるやくネットワーク=『病院と薬局の薬剤師の連携』
 7月:『簡易懸濁法の実習』
  講師:協立病院薬剤部 志田先生
 3月17日:『褥創と薬物治療』
  講師:荘内病院薬局 富樫先生 
②がん治療研修会(3回)
 5月『抗がん剤治療について 基本的な事を中心に』
  講師 荘内病院薬局 がん薬物療法認定薬剤師 阿部先生
 8月『内服抗がん剤の副作用と指導のポイント』
  講師 荘内病院 がん化学療法看護認定看護師 佐々木先生
11月『こんなに効くの!?抗がん剤化学療法著効例と最近の乳がん治療』
  講師 荘内病院 診療部主幹 外科医長 鈴木先生
③在宅医療推進部会を新設
 医師会ほたるとの在宅ミーティング開始。(ほぼ毎月)
 薬剤師会の在宅相談窓口を設置(あかね薬局内)→パンフ・相談書式も作成。
 相談件数は、他職種:2件、薬剤師:2件。
 薬剤師間の在宅勉強会(4・9・2月)実施。
④『在宅医療と薬の多職種意見交換会』
・薬剤師への介入ニーズ(薬剤管理困難・多科受診・認知症・独居・老老介護・
緩和ケア など)
・他職種から薬剤師への相談できる関係・窓口のニーズ→薬剤師会相談窓口の周
知強化。
・薬剤師が訪問してどこまでやってくれるのか?(訪問服薬指導の認知不足)⇒
『服薬管理の改善・薬物治療の効果と副作用評価、処方提案』
・薬剤師の他職種の仕事の理解不足。→2月の研修会でハローナース工藤さんに
訪問看護についてレクチャーしていただく予定。
・薬剤師のスキル・マンパワー不足。→薬剤師会内での研修・薬局間サポート体
制の強化。

■医療と介護の連携研修会
 報告者:叶野 真弓 氏

 <1回目> 
 日 時 8月8日(木)午後6時30分~8時30分
 場 所 出羽庄内国際村 ホール
 テーマ 「地域の中で連携を語る」
 ~多職種の医療・介護の役割理解と連携づくり ~
  事例報告とグループワーク     
   障害のある事例の看取り支援
 講師:山形県立保健医療大学  
            准教授 後藤 順子 氏
 事例報告者
  訪問看護ステーションきずな
   菊池 千香 氏
 鶴岡市障害者相談支援センター 
  齋藤 幸 氏
<2回目> 
日 時 11月21日(木)午後6時30分~8時30分
 場 所 出羽庄内国際村 ホール
 テーマ 「医療依存度の高い利用者の支援について」
  ~ 家族と共に住みなれた自宅で暮らし続ける為に ~
 通所事業所でのたん吸引や在宅酸素を続けながら介護が必要な方の支援の実践
 報告とグループワーク
 講師:山形県立保健医療大学  
       准教授 後藤 順子 氏
 事例報告者 
   デイサービスきらり  
      管理者 宍戸 良子 氏
   くしびき居宅介護支援センター 
     介護支援専門員 工藤 孝子 氏

■医科歯科連携を考える会
 報告者:阿部 真裕 氏
1.平成25年度 医科歯科連携を考える会
 「多職種向け研修会」(H25.9.21/14:00?17:00)
 会場:鶴岡市総合保健福祉センター「にこ?ふる」3F大会議室
 内容
  演題「がんの栄養管理、これまでと今後の展望」
  講師:淑徳大学 看護栄養学部 栄養学科教授 桑原節子先生(管理栄養士)
2.医療者教育WG 第4回 緩和ケアスキルアップ研修会への講師の派遣(H26.2.19)
 内容
  演題「がん患者の口腔ケアを始める前に ~くちを観て、診て、看る?」
  講師:東北労災病院 歯科衛生士 佐藤美由紀先生
3.他の連携事業
  内容 在宅及び湯田川温泉リハビリテーション病院 訪問歯科診療

■南庄内栄養と食の連携を考える会
 報告者:小川 豊美 氏
 自宅で手軽に出来るソフト食を一緒に作ろう!(年2回)
 グループワーク ・各メーカー協力
 *パンフレットの作成
 第一段階・・・各施設・病院の食形態の持ち寄り
  媒体・・・ペーパー及び庄内プロジェクトホームページへの掲載
  ①ソフト食対応表 ②食形態施設比較表 ③学習会・調理実習
 第二段階・・・鶴岡バージョン嚥下ピラミッドの作成と活用
 ・鶴岡版嚥下ピラミッドの活用
 ・食形態の詳細を示した冊子の発行
 ・調理師を加えソフト食対応表の作成と調理実習
 ・自宅・有料老人ホームを見据えた取り組みを実施

■ふらっとの会
 報告者:小野寺
 10月4日:18:30~20:30 グランド・エル・サン
 参加者:19の職種から76名
 この会は、多職種が「フラットな関係」で連携が行える環境をつくることを目的
 とし 今年で4回目

■IT活用:医療・介護連携でのNet4U活用
 報告者:鶴岡地区医師会 地域医療連携室 遠藤 貴恵
 参加施設:74
  病院:5、診療所:27、歯科診療所:2、訪問看護ST:2、
  居宅介護事業所:14、介護系事業所:8、調剤薬局:16
 ケアマネの参加数、記載数、文書登録数が大幅に伸びている

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No.282 (庄内プロジェクト活動報告会第一部)

2014-02-24 12:09:53 | 日記


2月22日(土曜日)14:00~、本年度の庄内プロジェクトの総括となる活動報告会を行いました。
この会は、6年前に医療福祉連携活動報告会として始まったものです。当初、すでの職種毎にさまざまな活動が行われていましたが、それぞれが何をやってるのか分からないという状況がありました。そこでお互いの活動を知ろうということをおもな目的に始まったものです。

その後、医療福祉連携活動報告会と庄内プロジェクトの報告会とを一緒にやっていた時期もありますが、現在、連携を目指したさまざまな活動は、庄内プロジェクトの地域連携WGに集約されていますので、庄内プロジェクト活動報告会として一本化されました。

地域連携WGの活動をみても、庄内プロジェクトは単に緩和ケア普及のためのプロジェクトに留まらず、当地域の医療~介護の中核を担う大きな組織に成長しています。

以下、活動内容について報告します。

3、活動報告会

1)緩和ケアサポートセンター鶴岡・三川
 報告者:荘内病院地域連携室内 富樫 清

・緩和ケアサポートセンターのおもな機能
 1)健和ケア相談窓口
 2)会議・研修会・イベントなどの企画、運営、評価
 3)緩和ケアリンクスタッフの育成
 4)他院カンファレンスの開催
 5)緩和ケア情報の集約や周知
・ 緩和ケア地域リンクスタッフ育成
「緩和ケアを学ぼう会」の開催(3回)
  参加者:約80名、
・がん患者家族会「ほっと広場」の開催(6回)
  参加人数:平均20名
  内容:自分宛ての絵手紙、レクレーション、コンサート、 
・健康を一緒に考える「つるおか健康塾」の開催(6回)
  参加人数:平均73.6人(昨年平均22名)と大幅に増えた
・ストーマ患者と家族の会「ぷちたみ」の開催(2回)
  参加人数:約30名
  内容:講義、悩み相談コーナー、茶話会
・緩和ケアコンサートの開催
・市民公開講座、出張講演会の開催協力
・庄内プロジェクト活動報告会の開催

・今年度新たな取り組み
 ●診療所調査
  目的⇒当地域の緩和ケア提供体制や地域医療者の
 意識の変化をPJ 開始前と比較・検討する

 ●庄内プロジェクト紹介DVD作成
  目的⇒一般市民を対象に「庄内プロジェクト」の活動の紹介

・退院前カンファレンス実施件数
 荘内病院:23年度:25件、24年度:17件、25年度(1月末現在):23件
 協立病院:23年度:27件、24年度:23件、25年度(1月末現在):17件
・診療所医師が主治医となった件数
  荘内病院:23年度:12件、24年度:4件、25年度(1月末現在):21件
  協立病院:23年度:9件、24年度:1件、25年度(1月末現在):1件
・荘内病院がん相談件数
  23年度:264件、24年度:231件、25年度(1月末現在):235件

2)医療者教育WG
 報告者:荘内病院 外科 鈴木聡 氏

・緩和ケアスキルアップ研修会
 第1回 平成25年6月19日
 「がん患者の精神的ケア」~サイコオンコロジーによるアプローチ~
  講 師: 日本海総合病院 精神科科長 渋谷 譲 氏
 第2回 平成25年10月16日
 「食べる喜びを支える緩和ケアの取り組み」
  講 師: 岩手県立胆沢病院 栄養管理室 管理栄養士 蛇口真理子 氏
 第3回 平成25年11月20日
 「薬剤師力を生かせ!~がんに伴う悪臭緩和のストラテジー~」
  講 師: 東京女子医科大学病院 薬剤副師長 伊藤俊雅 氏
 第4回 平成26年2月19日
 「がん患者の口腔ケアを始める前に~くちを観て、診て、看る」
  講 師: 東北労災病院 歯科衛生士 佐藤美由紀 氏
・キャンサーボード鶴岡
  毎月第3火曜日 19:00-20:30 荘内病院会議室
  平均15名程度の参加、荘内病院医師の参加が多く、緩和ケアタイムを設けることで、病院医師の緩和ケアスキルアップに繋がっている
 緩和ケアミニレクチャー(緩和ケアタイム)
 第1回 「庄内プロジェクト最終報告」
 講師: 荘内病院診療部主幹、外科医長 鈴木 聡 氏
 第2回 「訪問看護の現状」
 講師: 訪問看護ステーション ハローナース所長 工藤 由美 氏
 第3回 「がん診療における漢方の役割」
 講師: 協立大山診療所 所長 田中 栄一 氏
 第4回 「オピオイドラインアップ~使い方のコツ~」
 講師: 荘内病院薬局 阿部 和人 氏
 第5回 「CTガイド下膿瘍ドレナージについて」
 (荘内病院診療科紹介シリーズ1)
 講師: 荘内病院放射線科主任医長 斉藤 聖宏 氏
 第6回 「形成外科の日常診療あれこれ」
  (荘内病院診療科紹介シリーズ2)
 講師: 荘内病院形成外科主任医長 工藤 勝秀 氏
 第7回 「小児外科の日常診療あれこれ」
 (荘内病院診療科紹介シリーズ3)
 講師: 荘内病院小児外科主任医長 大滝 雅博 氏
 第8回 「歯科口腔外科の日常診療あれこれ」
 (荘内病院診療科紹介シリーズ4)
 講師: 荘内病院歯科口腔外科医長 武石 越郎 氏
 第9回 「病理科の日常診療あれこれ」
 (荘内病院診療科紹介シリーズ5)
 講師: 荘内病院病理科主任医長 内ヶ崎 新也 氏

・看看研修会(年1回)
・地域緩和ケア症例検討会(毎月第2回曜日開催)
・出張緩和ケア研修
 
3)市民啓発WG事業報告
 報告者:荘内病院地域医療連携  渡部 忠
・出張講演会
  第1回 日時 :4月25日(木)場所 :女性センター
   参加者:62名
   女性センター登録サークル総会にて寸劇公演
  第2回 日時 :9月8日(日)場所 :にこ・ふる
   参加者 68名
   公開講座 「このまちで生きる」
   主催 庄内地域医療連携の会
・ソーシャルメディアの活用
  Facebookの利用
・ 緩和ケア市民公開講座
「命はそんなにやわじゃない」
  日時 平成25年11月16日(土) 13時30分 ~16時
  会場 鶴岡市立中央公民館 市民ホール
  参加者 251名
  内容:トーク&ライブ
「命はそんなにやわじゃない」
 命のマガジン「メッセンジャー」編集長 杉浦 貴之 氏

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No.281 (緩和ケアスキルアップ研修会 第4回)

2014-02-21 09:43:42 | 日記
2月19日、今年4回目の庄内プロジェクトのスキルアップ研修会が行われました。今回は、東北労災病院 歯科衛生士 佐藤美由紀氏をお招きして、がん患者の口腔ケアを始める前にというお題での講義を聴講しました。とても話の上手な先生で、きれいな口腔内写真を多用し、私が知らなかった「くち」について分かりやすく講義して頂きました。

以下、講義から、常識として覚えておきたいことをリストしてみました。

・歯周病はTNFαの産生、インスリンを阻害することで高血糖を助長する
・国民の10人に7人は「歯周病」もしくは「歯周病予備軍」
・関節リウマチと歯周病の病態は似ている
・口腔内の細菌数は、大腸より多い
・化学療法、40%に口腔有害事象、その50%は重症
・化学療法の口腔粘膜炎は予防できないが、口腔を清潔にすることで、増悪させないことはできる
・口腔粘膜炎にステロイド軟膏は使わない(日和見感染の誘因となる)
・口腔カンジダ症には抗真菌剤の含嗽、こすらない、3日処方で
・歯垢の正体は細菌、食べかすではない!
・虫歯も歯周病も口腔細菌感染症 唾液で感染する(発症するわけではないが)
・発症させない方法 → 毎日毎食後の歯みがき
・細菌(歯垢)は、強い力で歯に付着している(バイオフィルム)
・歯垢、デンタルリンスだけではとれない、歯みがきが必要
・入れ歯も洗滌剤に漬けただけではだめ、ブラッシングが必要
・偽膜はスポンジブラシでこすらない!抗真菌剤の含嗽のみ
・歯科衛生士は、誰でもできる口腔ケアを教えてくれる
・口腔ケアの前には、必ず保湿(口腔乾燥の患者は多い)
・歯ブラシなどの器具は、必ず水洗し、乾燥させる!
・動物は、歯が無くなった段階で命尽きる

以下、重複になりますが、講義メモ

がん患者の口腔ケアを始める前に
~くちを観て、診て、看る~
東北労災病院 歯科衛生士 佐藤美由紀

歯科が「緩和ケア」で、何ができるか
緩和ケア、がん医療を充実させる大切な医療です
歯科医療従事者の立ち位置
 がん対策基本法で定められている

東北労災病院:548床、
歯科医師:常勤1名、非常勤2名、歯科衛生士:常勤2名
院内紹介:94.2%
急性期医療のための歯科に特化

歯科衛生士の役割
チーム医療の一員として
1、糖尿病教育目的入院患者への教育セミナー
 歯周病はTNFαを産生し、インスリンの働きを阻害することで高血糖を助長する
 歯周病は糖尿病の「第6の慢性合併症」
 国民の10人に7人は、歯周病あるいは歯周病予備軍
 食事に気をつけても、運動に励んでも血糖値が下がらない
  → 悪いのはあなたではなく、歯ぐきかもしれません。

2、NST:栄養サポートチーム
 経口摂取するための口腔アセスメント
 歯がなくては、経口摂取はできない
 介護施設から褥創悪化で入院、著しい栄養低下、食べられる口ではなかった

3、緩和ケアチーム
 化学療法、放射線療法への副作用対策
 口腔粘膜炎など終末期口腔ケア介入

4、周術期の口腔ケア
 術後誤嚥性肺炎の発症予防

5、生物学的製剤投与前後の口腔評価
リウマチ患者、
リウマチと歯周病は、病態が似ている、
口腔、細菌多い、大腸より多い

入院患者の口腔管理
 看護師への助言・専門的口腔ケアの実施(口腔ケアの共同作業)
 看護師の悩み、歯科衛生士の悩み
 解決方法
  看護師へに教育:セミナー、院内看護目標「口腔ケア」
 顔の見える口腔ケア
 退院後をどうする?
 → 退院調整看護師へ伝達「訪問歯科の介入」
  →ケアマネ →訪問歯科・・・

観る
くちに、関心をもって!
くち = 見ることができる 消化器、呼吸器 です
舌の潰瘍 = 舌がんの可能性
のどをみるのではなく、口腔をみる!

診る(歯科医療従事者の方へ)
がん:死亡原因の一位、さらに増加傾向、一方で5年生存率増えている、
周術期における歯科医師の包括的な口腔機能管理などを評価
化学療法を受けている患者の40%に口腔有害事象が発症
さらにその50%は重症
なぜ口腔有害事象が発症するか?
 直接作用 →口腔粘膜炎
 間接作用 →骨髄抑制による日和見感染 (カンジダ、ヘルペス)
 口腔内の慢性感染症の増悪 →虫歯や歯周病の悪化
事例:口腔粘膜炎 TS1、シスプラチン、ベクティビックス、
予防できないのか →できない!
しかし、清潔にすることで、増悪させないことはできる
口腔粘膜炎は対症療法 (疼痛コントロール、口腔粘膜炎の改善)
ステロイド軟膏は、日和見感染を助長!
間接作用、骨髄抑制による口腔粘膜炎
口腔カンジダ症、
  → 抗真菌剤で治療可能(フロリード、ファンギゾン、イトリゾール内服腋)
赤いカンジダ症もある、 ひりひりする、苦みを感じるの訴え
3日分で、治る
単純ヘルペス
舌に潰瘍できることも、
 治療:アラセナ軟膏、バルトレックス内服
口腔内の慢性感染症の増悪
 虫歯や歯周病の悪化
 血管新生抑制剤で、歯周病が悪化
 虫歯の悪化、口腔カンジダ症、
ビホスホネートによるBRONJ(顎骨壊死)

口のトラブル
QOLを著しく低下、がん治療への前向きな姿勢さえ失う
ちなみに
がん検診受診率、山形県は胃がん、大腸がんで1位、肺がん3位、
一方で、受診率は高いが、 がんの死亡率も高い
塩摂取、全国2位、庄内>村山>置賜>最上
山形県の日本一 :3世代同居 、共働き、少年犯罪が最も少ない

診る
虫歯の原因:歯垢=細菌(バイオフィルム) 食べかすではない、
虫歯や歯周病の原因菌は唾液でよって感染
しかし、感染しても発症するわけではない、
発症させない方法 → 毎日毎食後の歯みがき(口腔補清 口腔ケア)
デンタルリンスで、バイオフィルムはとれない
バイオフィルムをとるには、歯みがき! 歯みがきしてからデンタルリンス
入れ歯にもバイオフィルムがあります
消毒剤に漬けておくだけでだめ、ブラシしてから洗滌剤に漬ける

虫歯、歯周病は、口腔内細菌による感染症

正しい口腔セルフケア
用具の工夫、
偽膜性カンジダ症、ブラシはしない!抗真菌剤の含嗽のみ、

歯科衛生士は、誰でもできる口腔ケアを教えてくれる、
口腔ケアの前には必ず保湿、
保湿剤:ジェルタイプ、スプレータイプ
1)保湿は必ず口唇から
2)口唇にはリップクリーム、アズノール軟膏、保湿剤など
3)口唇→頬粘膜→舌の順で行う
4)歯みがき開始
最後も保湿、少量で十分
口唇は、リップクリーム、アズノール軟膏等で保護、

口腔内にも褥創ができる、
 義歯や内服薬が残っていても潰瘍ができる

口腔ケアの提案 (負担の少ない口腔ケアの実現)
・ナーシングスキル(看護業務:清潔ケア、マニュアルの再確認!)
 口腔ケアマニュアルの再確認
・口腔ケアは清潔ケア!(口腔ケア技術の向上は必須)
・口腔ケア用品を知る(売店で購入できる口腔ケア用品を再確認)
・口腔ケア時の姿勢(誤嚥させない姿勢)
・1回できれいにしようとしない(とくに汚れの多い時)
・毎日、くちに触れる(家族に参加してもらう)
がん基本法より
・がん治療の副作用・合併症の予防や軽減
・手術療法による合併症予防や術後の早期回復
・口腔ケア技術の研鑚と育成

笑顔は「健康と健口」から

歯がなくなった段階で、命尽きる動物


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No.280 (庄内南部地域連携パス推進協議会全体会)

2014-02-20 11:53:09 | 日記
今回のパス協の全体会では、症例検討会を行ました。

事例:同時期に脳卒中を発症した夫婦のリハビリ経過と維持期課題

60歳台の比較的若い夫婦がほぼ同時期に脳卒中を発症した事例について、急性期病院、回復期病院、退院後に担当したケアマネジャーなどから症状の経過、患者背景、課題などの報告があり、今後必要な支援などについて意見交換を行いました。

二人ともそれぞれ高次脳機能障害、右上肢麻痺障害を残し在宅復帰となりましたが、夫の妻の病状への無理解、妻の精神的な落ち込み、長男夫婦の無関心など課題も多い事例でした。

夫婦間の力関係、それぞれの性格、息子夫婦との関係など、医療を越えた課題も多く、介護・福祉系の人たちとの連携の重要性を再認識するとともに、医療の限界と生活への介入の難しさを学びました。

地域連携パスで、介護系の人が事例報告したのは今回が初めてではないかと思います。脳卒中や大腿骨近位部骨折は、障害を残しながらも、生活を続けていかなければならない疾患です。今後は地域連携パスを介護系職種と共有できるかたちに発展させていきたいと思いました。

なお、このような事例は、担当者会議、地域ケア会議などで話し合いがされているのことが多いのではないかと思います。一方、地域連携パスの事例として話題とすることで、とくに病院の医療職が在宅での生活にも関心をもつことに繋がるという意味で意義があったのではないかと思います。、

症例検討会終了後、脳卒中と心筋梗塞の個別パス委員会が行われました。
脳卒中地域連携パスの新しい取り組みとして、「わたしの健康ノート」という患者用パスの運用が始まります。患者さん自身が病気を知り、血圧や生活動作(BI)などを自己管理することで、より効果的な疾病管理を目指したいと思います。脳パス登録患者に、荘内病院退院時に配布しますので、今後、維持期施設に患者さん自身が持参する機会が増えると思います。「わたしの健康ノート」にも目を通し頂き、患者さんと一緒に支えて頂けれと思います。よろしく、お願いします。


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No.279 (鶴岡市休日夜間診療推進委員会)

2014-02-18 11:29:55 | 日記
2月17日19:00~、にこふるで開催された鶴岡市休日夜間診療推進委員会を報告します。

おもに議題は、平成25年度の休日夜間診療所、歯科診療所の開設状況と荘内病院の時間外選定療養費の算定状況でした。

●休日夜間診療所の開設状況

1、休日診療所
 ・科別合計患者数年度比較 (カッコは24年度)
  内 科:2153(2778) 対前年比:77.5%
  小児科:1699(2071) 82.0%
  外 科:372(431)86.3%
  合 計:4224(5280) 80.0%

 *前年度に比し、どの科においても、患者数の減少がみられる。
*インフルエンザなどの感染症の減少によるものと思われる。

 ・年代別合計患者数の年度比較
  0-14歳 1799(2194) 82.0%
  15-69歳 1994 (2642) 75.5%
  70歳以上 431(444) 97.1%

 *小児、成人ともに減少、70歳以上は微減
小児科、内科と同様傾向

2、平日の診療所患者数
 ・科別合計患者数の年度比較
  内 科:890(1098) 81.1%
  小児科:578(698) 82.8%
  外 科:117(91) 128.6%
  合 計:1585(1887) 84.0%

 *内科、小児科共に減少、外科は増加
 
 *月別では、12月、1月に前年に比し著明に減少、

 ・年代別合計患者数の年度比較
  0-14歳 613(737) 83.2%
  15-69歳 846 (1023) 82.7%
  70歳以上 126(127) 99.2%
 
 *どの年代でも減少


●荘内病院救急センター患者数および時間外選定療養費算定状況

 ・合計救急患者数の年度比較
  総 計: 14475 (15407) 94.0%
  うち救急車搬送:3614(3752) 96.3%
  うち入院:4369 (4342) 100.6%
  うち15歳未満:3162 (3771) 83.9%

 ・時間外救急患者の年度比較
  総 計: 11087 (11840) 93.6%
  うち救急車搬送:2442(2576) 94.8%
  うち入院:2788 (2752) 101.3%

  *荘内病院救急センター患者数は昨年度より1000名ほど減少

 ・時間外選定療養費算定患者数の年度比較
  総 計:5007(4940) 101.4%
  うち救急車搬送:796(736) 108.2%

 ・時間外選定療養費算定患者割合の年度比較
  総 計:45.2%(41.7%) +3.5ポイント
  うち救急車搬送:32.6%(28.6%) +4.0ポイント

 ・同月比較
  算定数では、5,6月に大幅増加、11月以降大幅に減少
  算定割合では、5-7月に大幅爪下、11月以降減少に転じる

  *時間外選定療養費算定割合は月毎に相当のばらつきがあり、
   算定基準の見直し、徹底が必要では(私見)

 ・同一時間帯における救急センターと休日夜間診療所の患者数の比較と年度推移
 (分子が救急センター、分母が休日夜間診療所)
 (%は救急患者全体における救急センターの患者割合)(カッコは前年度)

  休日日中: 1181/3578 :24.8% (22.1%)
  休日夜間: 646/626 : 49.2% (46.3%)
  平日夜間: 2092/1585 :56.9% (53.9%)
  合  計: 3899/5809 :40.1% (36.9%)

  *休日日中は、救急患者の1/4が荘内病院救急センター受診
  *休日平日夜間では、約半数が荘内病院救急センター受診
  *ともに、前年度より軽度増加

全体に、当地区の救急患者は減少傾向にあるようです。その要因のひとつは今年はインフルエンザをはじめとした感染症が少なかったことがあるようですが、コンビニ受診が減ってきていることも要因かと思われます。一方で、若年層の人口減少も救急患者減に一役かっていると思われます。今後、感染症の大きな流行がなければ、救急患者は減っていく方向にあるのではと考えます。

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No.278 (三師会)

2014-02-18 09:03:17 | 日記
医師会長だより、暫くさぼってしまいました。

2月14日に行われた三師会を報告しておきます。当地区の三師会の歴史については詳しくはありませんが、医師会、歯科医医師会、薬剤師会の親睦を主な目的に始まった会だと認識しています。当番持ち回りとし、担当したところが話題提供、その後懇親会という流れで行っています。今回は、医師会が当番ということで、ほたる室長の中村先生から「歯科・薬剤師との連携 ~ほたるの活動~」という大変興味深い講演を頂き、懇親会で親睦を深めました。

ここ数年、庄内プロジェクトの活動やほたると歯科医師会、薬剤師会との定期的なミーティングなどを通して、三師会の関係は、単なる親睦から地域の医療の質向上のためという目的をもったより進んだ関係になってきていると思っています。

以下、中村先生の講演から一部を紹介します。

●訪問看護および診療の現状

・往診している34診療所で合計、425名の定期的な訪問が行われている市内では鶴岡駅北地域が往診が少ない、東田川郡では回答がない診療所があり把・握が困難である
・訪問看護は市内2か所(医師会ハローナースと医療生協きずな)でそれぞれ303名、183名で、合計486名の定期訪問看護が実施されている
・本部とサテライト間は6-7kmである
・山間(朝日村)や海沿い(温海町)など訪問するまでに1時間かかる地域もある

●歯科医師会との連携

・訪問歯科資料相談窓口をほたる内に設置
  診療申込み件数:24年度17件、25年度26件、

・地域のさまざまな会(介護者のつどい、家族介護者交流のつどいなど)での口腔ケア普及へむけた出張講演を25年度は18回実施

・訪問歯科診療導入により歩行可能となった1例

93歳、男性。脳梗塞でほぼ寝たきり状態となるが、自分の歯で食べたいという希望があり、ほたるへ訪問歯科診療の依頼。羽黒の歯科医師が訪問し、義歯、かみ合わせなど調整を行ったところ、2週間後には立ち上がり、自由に歩行もできるようになった。認知症も改善した。本例のように義歯の調整だけでも改善する例が少なからずあるので、在宅においても歯科診療の積極的な導入を検討すべきである。

●薬剤師との連携

・薬の相談窓口の設置、お薬相談依頼書の作成、在宅薬剤(居宅療養)管理指導依頼書作成、薬剤師と多職種の意見交換会の開催

・お薬の相談窓口事例

患者:脳血管疾患後遺症で左上下肢麻痺・うつ病。ケアマネから、かかりつけ医から17種類の内服薬が処方され、『薬を減らしたい』との相談。下剤関連だけで4種類の処方があり、ケアマネから患者に確認したところ、『排便コントロールがうまくいかず困っている』という問題も判明した。かかりつけ薬局にも状況説明し、患者・ケアマネなどと連絡を取り、次回の受診時
(来週)に下剤などの処方を見直すこととなった。


次   第

    司会進行:小野理事

1.開    会  

2.会長あいさつ   鶴岡地区医師会会長  三 原 一 郎

3.プレゼンテーション
「歯科・薬剤師との連携 ~ほたるの活動~」
鶴岡地区医師会 理事  中 村 秀 幸

4. 質 疑 応 答   

5. 懇 親 会

乾  杯  鶴岡地区歯科医師会会長  荻 原  聡 様

歓  談


6.閉    会     鶴岡地区薬剤師会会長   小 池 正 純 様

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No.277 (雪山)

2014-02-13 16:21:44 | 日記


11、12日、天気が良かったのでカメラをリュックに、連チャンでスノーボードを
楽しみました。初日の蔵王では、寒河江の鈴木先生御一行に遭遇、一緒に滑って
きました。二日目の湯殿山は、天候ばかりでなく雪質も上々、踏み荒らされてい
ない新雪も処々に残っており、スノーサーフィンを満喫しました。

帰り道、雪の梵字川もカメラに収めてきました。

写真


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No.276 (日本医師会医療情報システム協議会)

2014-02-10 17:25:36 | 日記


8,9日、日本医師会で開催された日本医師会医療情報システム協議会(日医協)
に参加してきました。東京はまるで鶴岡のような天候で、交通がマヒし大変だっ
たようですが、幸い、行き帰りとも、あまり遅れることもなく、順調に移動でき
たのはラッキーでした。

日医協は、毎年2月に日本医師会の主催で行われている医師会を中心とした医療
の情報(IT)化を議論・検討する場です。

ところで、日本医師会が進めている情報化の2本柱は、日レセ(ORCA)と日医認
証局です。ORCAは、ご存知のように、日本医師会が開発したオープンソースのレ
セプトソフトで、全国シェアは約15%、今や第3のブランドに成長し、現在も導
入、拡大が進んでいます。

ORCA PROJECT
http://www.orca.med.or.jp/

一方、日医認証局は、ネットワーク上で医療情報を安全にやりとりするた
めには必須のセキュリティー基盤です。具体的には、日本医師会電子認証センター
を設置するとともに、医師会員に医師資格証(ICカード)を発行し、「電子署名」
と「認証」をネットワーク上で実現します。すでにこのシステムは運用されてい
ます。具体的な利用は今後、徐々に進んでいくと思われます。

医師資格証、電子認証センターについては以下を参照下さい。
http://www.jmaca.med.or.jp/guide/qualification.html

さて、今回の日医協は、兵庫県医師会が担当で、メインテーマを「ビッグデータ?
誰のため、何のため・・ ~日医認証局利用による確かに医療情報交信を基本に~」
でした。

1日目(土曜日)は、会長から医療IT委員会への諮問である「ITを活用した地域
医療連携の実践について」をテーマに、第一部では、日医医療IT委員会からの会
長諮問に対する答申報告などがあり、


第二部は、「地域医療連携ICT化の全国的動向とその課題」というタイトルで、
全国の状況概括と6地域からの事例報告がありました。

<地域医療連携セッション>
①「地域医療再生計画」システム他全国状況概括
②事例報告
・医療と介護を繋ぐヘルスケアソーシャルネットワーク「Net4U」
 鶴岡地区医師会 三原一郎氏
・「いばらき安心ネット」について
 茨城県医師会副会長 松崎信夫
・絆ネット(北播磨医療連携システム)の経緯と現状
 北はりま絆ネット
 小野市・加東市医師会理事 坂本泰三氏
・島根県「まめネット」
 広島県「HMネット」との連携も含めた紹介
  松江市医師会理事 小竹原良雄氏
・医療ネットワーク岡山(「晴れやかネット」)現状と課題
 川崎医療福祉大学准教授 秋山祐治氏
・高齢化社会に向けた地域医療IT化の試み
 粕屋北部在宅医療・高齢者支援システム
  福岡県医師会常任理事 上野道雄氏

私は、医療と介護繋ぐヘルスケア・ソーシャルネットワーク「Net4U」として、
当地区のNet4U活用の現状について講演してきました。他の5演題は、医療再生基
金を使って、県全域あるいは2次医療圏に情報ネットワーク構築しました、とい
う内容がほとんどで、運用しての成果はこれからという状況のようです。12年以
上運用され、実績を残しているるNet4Uは、他地域からみると、奇跡のシステム
なのかも知れません。

2日目(日曜日)は、ORCAセッション、事務局セッションのあと、今回のメイン
テーマである、「ビッグデータ誰のため、何のため・・」に沿った、インターナ
ショナルセッションとメインシンポジウム「クラウド・ビッグデータ時代の医療
IT化の進路」が行われました。

インターナショナルセッションでは、アイルランド、韓国、アメリカから、医療
データベースの活用状況や課題の報告がありました。

<インターナショナルセッション>
・Health Database in Iceland, past, present and future
 Dr. Jon Snaedel (元アイスランド医師会会長)
・ICT and Helathcare in Korea : Present and Prospect
 Dr.Dong Chun Shin(延世大学医学部予防医学教授)
・3)Big Data/Analytics and the US Healthcare systemp:
 Big Opportunity, Big Responsibility
 Rober Wah (アメリカ医師会次期会長)

アイルランドでは、過去の個人情報、保険医療情報、遺伝子情報を一民間企業に
集約・管理する法案が医師会はじめ多くの反対があったにも関わらず通過したそ
うです。

各国とも、日本に比べ、医療情報をデータベース化し、研究、ヘルスケア業界の
効率化・高度化、あらたなビジネスチャンスの提供などに、積極的に活用してい
るようですが、同時に個人情報漏洩、プライバシー保護などの問題も抱えている
との話でした。

最後のメインシンポジウム「クラウド・ビッグデータ時代の医療IT化の進路」で
は、行政(厚労省、経産省)、日本医療情報学会、日本医師会などから、ビッグ
データ時代に医療情報はどうあるべきかというテーマで、6名のシンポジストか
らの発言があり、ディスカッションが行われました。

<メインシンポジウム>
クラウド・ビックデータ時代の医療IT化の進路

・「医療情報化にまつわる責任論」
  厚労省政策統括官付情報政策担当参事官室長補佐 中安一幸氏
・「あらたなIT戦略 「世界最先端IT国家創造宣言」について」
  内閣官房情報通信技術 総合戦略室企画官 永山純弘氏
・「医療IT化における日医認証局の役割」
  日医総研主任研究員 矢野一博氏
・クラウド・ビッグデータ時代の医療情報の取り扱いについて
  日本医師会常任理事 石川広己氏
・データ指向時代のプライバシー、価値の再分配、差別の禁止
  東京大学大学院 山本隆一氏

「ビッグデータ」という言葉は聞いたことがあるかと思いますが、明確な定義が
あるわけではなく、ネット上にあるデジタルデータすべてを指すようです。この
ようなデータは従来ゴミ(再利用不能)とみなされていたのですが、近年、この
ビッグデータを高速かつ簡単に分析できる技術が登場し、ビッグデータを活用す
れば、これまで予想できなかった新たなパターンやルールを発見できることが明
らかとなったのです。いわば、ビッグデータは「宝の山」ということです。

このような時代に、デジタル化された医療情報、健康情報をどう活用し、どう保
護していけば良いのか、そは責任は誰がとるべきか、費用負担はどうあるべきか、
個人情報保護法の改定も含め、今後、検討しなければならない課題が山積してい
るようです。シンポジスト間でビッグデータ時代に対する捉え方には温度差があり、
行政や医療情報系の人たちは、どちらかと言えば前向きに捉えていますが、
日本医師会は情報保護に力点をおいた発言をしていたように思います。

クラウド・ビッグデータ時代において、医療情報、健康情報をどう守り、どう活用
するのかが、大きな課題になっているということを学んだ会でした。

以上の講演資料は、以下の日本医師会会員向けホームページ閲覧可能です。

http://www.med.or.jp/japanese/members/info/sys/2013/web.html

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