2月26日、東京で行われた地域医療福祉情報連携協議会主催の地域医療福祉連携ネットワーク交流会に参加してきました。今回は、「私にできる地域包括ケアー超高齢化時代における地域医療福祉の課題と連携ー」と題して、地域包括ケアをテーマに講演、事例報告、ワールドカフェ形式のワークショップが行われました。
http://www.rhw.jp/event/event021.php
地域医療福祉情報連携協議会1の設立趣旨、概要については以下のHPを参照下さい。ITを活用したシームレスな地域連携を支援するという趣旨の会です。因みに私はこの協議会の幹事を務めています。
http://www.rhw.jp/about/
参加者は、医療・福祉関係、行政、教育・研究・学会関係、IT企業など200名を超えていました。今回は、講演を聴講するだけではなく、新しい試みとして、企業からの製品やサービスの紹介、ワールドカフェ形式によるグループワークが行われました。ブログの写真をみても分かると思いますが、広い会場に48のテーブルが設置され、最近の研修会などでは見慣れた風景ですが、この協議会としてはいつもと雰囲気の違う会となりました。
午前の部は、会長(東京医科歯科大学教授 田中 博氏)、顧問(元厚生労働省事務次官 水田邦雄 氏)、内閣官房、総務省、厚労省、経産省のあいさつのあと、講演が2つありました。
基調講演1、
「地域包括ケアの今後~地域マネジメントと多職種連携~」
国際医療福祉大学大学院 医療福祉学分野 教授 高橋 紘士氏
男性労働者の正規・終身雇用と専業主婦を前提とした年金、医療、介護を中心とした1970年代型社会保障モデルはすでに終わりを告げ、2025年モデルでは、すべての世代を支援の対象とし、その能力に応じて負担し、支え合う全世代型の社会保障モデルとなる。今後は、生活の質を落とさざるを得ないし、良い社会とは何かを考える時代。地域住民参加型の生活を支える、あたらしいコミュニティケアが必要であり、その具体的姿が地域包括ケアである。
基調講演2
「第6期介護保険事業計画を見据えたわが街の地域包括ケアの在り方」
和光市 封建福祉部 部長 東内京一 氏
マクロ的な制度機能政策として、住民への徹底したニーズ調査(マーケットリサーチ)から、地域の課題を抽出し、それを元に、適切な数あるいは場所へ施設を誘致し、また、数多くの地域支援事業を展開している。
また、ミクロのケアマネジメント支援(自立支援型ケアマナジメントとチームケア)として、介護保険の目的(自立支援)を住民を含め徹底して周知し、地域ケア会議による課題解決型の包括ケアマナジメントを実現している。その結果、和光市の要介護認定率は10%程度と、全国平均の17%を大きく下回っている。また、要支援、要介護1が、自立に至る率も極めて高い。
午後の部では、企業製品紹介、地域包括ケアの事例報告のあと、ワールドカフェが行われました。
ワールドカフェでは、4-5名程度がひとつのグループとなり、お菓子やコーヒーなどリラックスした雰囲気のなかで、与えれたテーマに対しおもちゃのマイクを片手に自由に発言します。発言に対しての否定的な意見やいじわる発言はご法度です。相手の意見を尊重しながら、自分の意見を伝えることにより、一体感が生まれます。20分ほど話合ったら、ホスト以外のメンバーは自由にテーブルを変えます。ポイントとなる意見は、気付いた人がポストイットや模造紙に記載し、議論の参考にしたり、あとで検証したりします。ラウンド毎のテーマは以下でした。
ROUND.1 25分
理想と現実・・今日、地域包括ケアの話や事例をみたけど、どう思いましたか?
ROUND.2 20分
今の活動地域の問題と話題は何なのか?
ROUND.3 15分
無責任タイム!質問に無責任に回答してあげよう。
<ヒント>1、私が引き受ける。2、誰かを応援する。3、そっとしておく。
ROUND.4 15分
私にできる地域包括ケア(まとめをします。)
さまざまな職種とのふらっとな関係での交流は、新鮮で面白かったです。
在宅医療は、地域包括ケアシステムに組み込まれたひとつの機能に過ぎません。医師には、生活を診るという視点が必要にになります。その意味で、かかりつけ医には、介護との連携、地域との関わりが強く求められているのだということを再認識しました。