鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

東北在宅医療連携推進フォーラム

2018-07-30 10:10:24 | 日記


下記フォーラムで、鶴岡の在宅医療への取り組みについて報告してきた。


第7回 東北在宅医療連携推進フォーラム
平成30年7月28日(土)14:00~17:00
ホテル仙台ガーデンパレス

【一般演題】
 テーマ「在宅医療の取り組みと地域内での違い」

・青森県
 connect8の挑戦 ~八戸地域での医療介護連携~
 はちのへファミリークリック 院長 小倉 和也

・秋田県
 療養場所の選択と地域性
 由利組合総合病院 地域医療連携室 伊藤 美穂子
 
・岩手県
 在宅医療における急性期治療
 もりおか往診ホームケアクリニック 木村 幸博 

  肺炎でも在宅で、在宅酸素、ステロイド、呼吸リハビリ、いくつかの抗生剤洗濯、80%は軽快、
  入院しても30%は死亡、在宅に戻るのは30%
  自宅だとADLの低下が防げる
  診療情報の共有化
  パターン化した有効例の積み重ね

・宮城県
 地域と共に歩む在宅緩和ケア
 穂波の郷クリニック 院長 三浦 正悦
 
・山形県
 鶴岡地区における在宅医療への取り組み
 鶴岡医師会理事 三原一郎

 山形県庄内南部地域では、鶴岡地区医師会地域医療連携室「ほたる」を事務局に、多職種協働をキーワードに
 在宅医療の推進に取り組んでいる。「ほたる」の活動の背景には、経済的支援を含む鶴岡地区医師会の
 リーダーシップ、緩和ケア普及のための地域プロジェクト・在宅医療連携拠点事業などタイムリーな国の
 モデル事業の受託、地域電子カルテ「Net4U」など人的ネットワークを支えるICTの活用、複数の地域
 連携パスの運用などがある。

【特別講演1】

 超高齢化を見据えた在宅栄養管理の成功の秘策
 ~患者にはフレイル予防!家族にはメタボ対策~

 医療法人西山病院 西山 順博

 PEGの適応を考える
  PEGは、適切な時期にはQOL向上に有用
  PEGは、減少傾向にあったが、再増加傾向にある

 
 滋賀県大津市での地域連携の取り組み
 ・2008年:PEG地域連携パスの稼働
 ・2012年:おうみ在宅医療連携シート構想
 ・2012年:在宅療養サポートチーム構想

 ICIDH(国際障害分類)からICF(国際生活機能分類)
  ICF,例え、障害があっても、それを支えてくれる人がいる、エレベーターが完備されている、
  などにより健常者と同じような生活ができるという考え方。
  心身・構造機能、活動、参加、環境因子、個人因子、健康状態がそれぞれ相互の影響し合っているということ
  
 ロコモティブシンドローム、フレイル、サルコペニア
 フレイル
  体力、筋力が低下、外出がおっくう、判断力・認知機能低下、人と接する機会が減る、・・
  多くの高齢者は、フレイルを経て、要介護状態となるので、早期発見して対処することが必要
  簡易的フレイルインデックス 
   ・6か月で2-3Kgの体重減少
   ・以前に比べ歩く速度が遅くなった
   ・ウオーキングなどの運動を週1回以上しているか
   ・5分前のことが思い出せるか
   ・わけもなく疲れた感じがする
   (各1点で3点以上はフレイル、1-2点:プレフレイル)
  フレイルへの対応
   ・十分なたんぱく質・ビタミン・ミネラルを含む食事
   ・運動
   ・活動量、認知機能の定期的なチェック
   ・感染予防(ワクチン接種を含む)
   ・手術の後は、栄養やリハビリテーションなどの適切なケア
   ・内服薬が多い(6種類以上)場合は、主治医に相談  
  人生のラスト10年
   歩けなくなる、食べられなくなる、認知できなくなる
  予防するためには、栄養管理とリハビリテーションが重要
 最後まで食べるための在宅NST
 在宅療養サポートチーム、
 理念:こころの平安
 より早い段階からの適切な栄養管理とリハビリテーションが end of lifeを豊かにする。


【特別講演2】

地域包括ケアシステムと診療報酬・介護報酬改定
厚労省 保険局 医療介護連携政策課 課長 黒田 秀郎

0.地域包括ケアとは

 地域包括ケアシステムの社会的背景
  人口減少、子供の減少、高齢者増(75歳以上)、
  2010年 1億②806万人、→2110年、4286万人
  高齢化率:2060年38.4%
  死亡数の増加 2040年までに36万増
  社会保障給付費:年金、医療、福祉・介護 とくに介護費の延びが大
 
1、地域医療構想
2、介護保険制度の改正
3、介護医療院の創設
4、診療報酬・介護報酬の同時改定
5、健康寿命延伸に向けた取組

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多職種連携シンポジウムin鶴岡

2018-07-21 09:40:53 | 日記


庄内南部地域連携パス推進協議会主催の多職種シンポジウムが、パス学会の重鎮でもあり、全国的にも高名な3名の講師をお呼びして、9月1日(土曜)に鶴岡で開催されます。今回のテーマは、「医療と介護をつなぐ地域連携パスの未来」ということで、医療のみならず介護分野でのパスの活用を議論したいと思っています。多くの皆さんの参加をお待ちします。


多職種連携シンポジウムin鶴岡

日時:平成30年9月1日(土)14:00~17:30
場所:鶴岡市メタボロームキャンパス レクチャーホール

13:30 開場

14:00~14:05 開会

14:05~14:25
 オープニングアクション
 「ICTとともに歩む鶴岡の多職種連携」
   三原一郎先生(鶴岡地区医師会 理事)

14:25~15:05 講演1
 「クリニカルパス・連携パス・電子パスの基本と変遷~仲間と歩んだ20年~」
   今田光一先生(富山県・高岡整志会病院 整形外科部長)

15:05~15:45 講演2
 「NSTとクリニカルパス」
   山中英治先生(大阪府・若草第一病院 院長)

15:45~15:55 休憩

15:55~16:35 講演3
 「かかりつけ医の在宅医療を支える多職種連携」
   岡田晋吾先生(北海道・北美原クリニック 理事長)

16:35~17:25 シンポジウム
 「医療と介護をつなぐ地域連携パスの未来」

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薬剤師・訪問看護師・居宅介護支援事業所との意見交換会2018

2018-07-20 10:17:57 | 日記
ほたる主催の薬剤師・訪問看護師・居宅介護支援事業所との意見交換会にオブザーバーとして参加してきた。

今回のテーマは、在宅における服薬管理だった。

在宅では認知症、老々介護、独居、薬に対する意識の低さ、など薬をきちんと服薬するのが難しいケースが多々あることが報告され、各職種がどのように関わっていくべきか活発な意見交換が行われていた。服薬支援ロボットも一部で利用されており、飲み忘れなどに一定の効果があるとのことで、注目を集めていた。

一方で、患者・家族側の副作用も含め薬への理解は必ずしも十分ではなく、医師、薬剤師などの更なる丁寧な説明が必要と感じた。

また、10種類以上の薬を服薬している患者も30%を超えるとのことで、剤型の調整、一包化、服薬時間調整、相互作用のチェックなど、薬剤師の役割は更に重要になってきている。

1、開会

2、あいさつ

3、ショートプレゼン

○おためし訪問から発展
 日本調剤 若葉薬局 栗原 智広 氏
 
 ケアマネジャーからの紹介でおためし訪問を実施
 本人の話を聞く、
 なぜ薬剤師が在宅訪問をすることになったことの説明
 ゴールを一緒に考える
 ことで、飲み忘れの件数が0になり、降圧剤が1種類削減できた。

 患者との信頼関係が多職種連携の前提になる



○薬剤師の多職種連携事例と連携アンケート結果報告

  鶴岡地区薬剤師会 ハート調剤薬局七日町店 篠田 太朗

 全薬局に対する連携アンケート調査報告
  内容
   他職種からの電話連絡への対応状況
   担当者会議への参加の状況
   退院時カンファレンスへの参加状況
   Net4U、ちょうかいネットの利用状況

 鶴岡地区と全国の在宅訪問回数の比較
  鶴岡の訪問回数は全国の1/5程度
  一方、訪問している薬局数(38%)は、全国平均(27%)を上回る
 
 薬剤師剤師のおためし訪問2018
 7月19日から12月21日 予定

 服薬支援ロボット使用事例の報告

○認知症老々介護の服薬管理
 服薬支援ロボットも連携のパートナーに
 ケアプランセンターふきのとう ケアマネ 原田 麻子 氏

 服薬支援ロボットを導入した事例の報告
  平日は問題なく服薬ができるようになった
  一方、サービスの入らない土日にトラブルが多い
  薬剤師との連携はとても有用 

○服薬管理について
 ハローナース 所長 本間幸井

 
 ・服薬管理の要点
 ・服薬管理能力の確認
 ・ハローナースの利用者の服薬状況
  利用者一人当たりの定期薬:平均 7
  定期薬を10種類以上服用している利用者は30%超
 ・訪問薬剤管理をすすめた理由
 ・訪問薬剤管理を行っているケース
 ・服薬に関する情報共有
 ・リハ職との同行で感じた服薬管理の問題
 
4、多職種によるグループワーク

5、まとめ


 

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医科歯科連携推進委員会

2018-07-07 09:22:28 | 日記
おもにがんの周術期における、医科歯科連携の推進を目的とした委員会。

本年度、最初の委員会は、昨年度の運用実績と本年度の計画、
百瀬委員の医療マネジメント学会報告、、
スクリーニングシートの活用、改訂などについても協議した。

連携数:昨年度は前年度を下回った。
歯科診療所:登録診療所43件中、28件(65%)が連携を実施、

課題
 歯科での十分な治療期間の確保(早期の紹介)
 歯科での情報不足(問い合わせ窓口の設置やちょうかいネットの活用) 
 歯科での診療の内容、歯科介入後の効果などの検証
 口腔ケアに関する市民啓発


医科歯科連携推進委員会
 日時:平成30年7月4日 19:00
 荘内病院3F 応接室

1、開会

2、役員改選

3、委員長挨拶

  平成26年から、

4、報告、協議

 1)新委員紹介

   本間 (歯科)
   原  (口腔外科)
   菅原 (医事課)
   
 2)平成29年度運用状況・事業報告
         例数 (報告数)
   平成27年度 41 (11)
   平成28年度 57 (38)
   平成29年度 45 (45) 

    院内歯科紹介は年間30-40件程度 ゾメタ例が多い     

   平成30年度からスクリーニングシート(お口のなかの健康調査)を利用
    スクリーニングを利用して、利用開始:2/31(外科外来) 内科外来では、1割程度
    多くが希望しないと回答している 

   事業実績
   ・委員会
   ・アンケート分析
   ・顎骨壊死ポジションペーパー2016に基づく医科歯科連携情報提供書の様式を改訂
   ・庄内プロジェクト活動報告会で報告

 3)平成30年度事業計画

   ・委員会 3回
   ・庄内プロジェクト活動報告会で報告予定

 4)委員提案・情報提供

   医療マネジメント学会での報告(百瀬委員)
    がん患者の口腔機能管理を目的とした医科歯科地域連携の取組と見えてきた課題
    考察:積極的にICT等を活用し情報の共有化を図ることは、迅速で確実な医科歯科連携の推進に有効


   スクリーニングシート
    かかつけ歯科医の有無 あれば 歯科医院名の記載欄の追加

 5)その他
   
   次回:

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社会連携 ― 医療連携,多職種連携のその先

2018-07-05 09:22:33 | 日記
公益文科大学 鎌田 剛 氏 の講演

社会連携 ― 医療連携,多職種連携のその先

地域包括ケアシステムにおいては、入退院を調整する医療連携、在宅での療養・介護を支援する多職種連携に加え、住民・企業・NPO等との連携も求められています。私はこの異分野・異業種との連携を「社会連携」と呼び、研究しています。 たとえば倉敷の“わが街健康プロジェクト”では、地域医療の課題を医療者と一緒に考える市民サポーターの育成に力をいれています。新潟では医療者グループと新聞社が手を組んで健康情報の発信を始めました。山形には医療者と異業種が交流するコワーキングスペースが設置されています。 これらの事例においては、住民の意識啓発や生活支援・介護予防等サービスへの異業種の参画が意図され、様々な立場の人が、同じ目線で膝を突き合わせる関係づくりに挑戦しています。医療・介護の境界を越え、地域との“対等で近い関係”を結ぶ「社会連携」こそが、地域が一体となって包括ケア時代を迎えるための要件であると考えます。


https://youtu.be/AtBHYPcuq_E


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