鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.578 (認知症講演会)

2015-11-27 12:14:17 | 日記


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SHOUNAI Dementia Network
講演:地域で支える認知症 ~あらたな連携モデルと抗認知症薬の選び方~
講師:医療法人湖山荘 あずま通りクリニック 小林直人先生
日時:2015年11月26日
会場:ベルナール鶴岡 3F 「ベルカント」
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鶴岡市では、認知症対策として多くの事業を行っていますが、11月から認知症初期集中チームの運用を開始しました。

認知症初期集中支援チームとは、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行い自立生活のサポートを行うチームです。

鶴岡市は広域で地域に多様性があるので日常生活圏域ごとの支援体制をつくっていきたいとのことで、各地域包括支援センターを前線基地とし、こころの医療センターの協力や、医師会、荘内病院、認知症疾患医療センターが設置されている日本海総合病院とも連携体制を組みながら効果的な運営にしていきたいとのことです。

初期集中支援チームが機能するには、かかりつけ医との連携が不可欠です。かかりつけ医の皆さんには、初期集中支援チームの役割・機能を十分理解していただき、認知症の人および家族を支援する体制づくりに積極的に協力して頂きたいと思います。

さて、小林先生の地域(福島市)では、3年前から初期集中支援チームのモデル地区としてさまざまな取り組みを行ってきており、チームが機能することで、地域に多職種のネットワークがひろがり、患者、患者家族ばかりでなく、周りで支えるさまざまな職種にもやりがいや、負担の軽減などよい効果が出てきているとのことでした。鶴岡の初期集中支援チームも、うまく軌道にのって欲しいと思います。

初期集中チームの目標は、「認知症になっても安心して暮し続けれれるまち鶴岡」が市のキャッチフレーズですが、具体的には、周辺症状(暴力、せん妄、徘徊、不眠、昼夜逆転、うつ症状など)の出現を極力抑制し精神科病院への入院を減らすことと、家族支援による介護負担の軽減の2点だと考えています。初期集中チームでは、患者の状況や介護負担度をスコア化しアセスメントすることになっていますので、介入による成果をデータとして示していくことも重要だと思っています。

会員の皆さんのご理解、ご支援、ご協力よろしくお願いします。


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第16回日本クリニカルパス学会

2015-11-18 15:49:20 | 日記

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第16回日本クリニカルパス学会
会    長:小西敏郎(東京医療保健大学 副学長)
メインテーマ:未来に向けたクリニカルパス 
       ~スマートプラチナ時代の活用を探る~
会    期:2015年11月13日(金)・14日(土)
会    場:東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート
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ディズニーリゾートで開催された、第16回日本クリニカルパス学会に参加してきました。

今年は、医師会から2名、荘内病院4名、湯田川温泉リハ病院3名、協立リハ病院2名、こころの医療センター1名、ストロー社1名の総勢13名で参加してきました。
当地区からの報告は、シンポジウム:2題、口演:1台、ポスター:4題の計7題、
内容的には、精神科パス:1題、糖尿病:1題、脳卒中:2題、大腿骨:1題、5大がん:1題、口腔ケア:1題でした。

地域連携パスとしてこれだけの演題を報告している地域はありませんし、また、IT化によるデータ解析は圧倒的なわけですが、残念ながら今回受賞はありませんでした。
来年は企画の段階から、優秀賞を目指した演題を考えたいと思います。

このような全国大会への報告は、活動のモチベーションを保つ上で重要ですし、同じ志の仲間に出会えることも楽しみのひとつです。また、いろいろな刺激やヒントを得る機会にもなります。
今後も、報告を継続していきたいと思います。

今回は、ディズニーリゾートでの開催ということで、学会終了後は、ディズニーランドとシーで、童心にかえって楽しんできました。




○シンポジウム8
 地域連携とクリニカルパス
  ~優しい在宅医療体制をつくる ケアサイクルの理解


・鶴岡地区5大がん地域連携パスアンケート調査報告
  山形県立こころの医療センター 三原美雪 ほか


○シンポジウム11
 精神疾患ケア可視化への潮流
  ~ブレイクスルーの鍵を探る~


・精神科こそパスは必要?!パス導入運用中の苦労話
 山形県立こころの医療センター 三原美雪

○一般演題(口演)

・QOL向上に繋げる口腔ケアの実践
 鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院 斎藤千鶴 ほか

○一般演題(ポスター)

・糖尿病連携パスにおける栄養士の役割と活用
 医療法人宮原病院 長島 早苗 ほか


・脳卒中地域連携パス回復期バリアンス分析から得られた要因別特徴
 鶴岡協立リハビリテーション病院 新田俊介 ほか


・南荘内大腿骨近位部骨折じゅつぐ地域連携パス分析 第6報
 鶴岡協立リハビリテーション病院 茂木 紹良 ほか


・維持期連携パス導入後の脳卒中地域医療の現状
 鶴岡市立荘内病院 渡部美穂 ほか


懇親会


二次会





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No.575 (第14回日本医療マネジメント学会青森支部学術大会)

2015-11-10 15:33:39 | 日記



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第14回日本医療マネジメント学会青森支部学術大会
日時:2015年11月7日 8:50 ~ 17:00
会場:ホテルクランパレス青森
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パス関連で以前からお付き合いのある青森県立中央病院 整形外科部長の伊藤淳二先生に声をかけて頂き、日本医療マネジメント学会青森支部学術大会で「ITを用いた地域連携」というテーマで講演をしてきました。青森県でも今年の7月からITによる地域連携(青森メディカルネット)の運用を開始したとのことです。

仕事のパフォーマンスは
 Mission(使命感・目的) x Passion(情熱) x Action(行動)
掛け算で成果はあがるが、どれかがゼロなら成果もゼロ
目的が違っていれば、どんなに情熱あって行動しても成果はゼロ
使命感や情熱があっても、行動しなければ ゼロ 
正しい使命感をもち、情熱をもって、とにかく行動を
という私の前の演者の塩谷先生のメッセージは心に残りました!

なお、塩谷先生は、累積不良債務日本一であった坂出市立病院を立て直したことで有名な先生で、その手腕は全国的にも高く評価されているそうです。

大会後の意見交換会では、山形済生病院の石井先生のマジックで盛り上がり、その後の懇親会~二次会では美味しいお酒に、絶品の料理で歓待頂きました。


次第

開会あいさつ

セクションⅠ「医療安全」

セクションⅡ「医療の質・業務改善」

セクションⅢ「チーム医療を通じた医療の質の向上」

セクションⅣ「教育・患者サービス」

セクションⅤ「地域医療・地域連携」

ランチョンセミナー

 「骨粗鬆症治療と転倒予防」昭和大学医学部整形外科 永井隆士

教育研修講演

 「肺血栓塞栓症の基本と予防、そして最新情報」
   済生会山形済生病院副院長 石井政次

特別講演Ⅰ

 「地域医療はどこに行く」高松市病院事業管理者 塩谷泰一

特別講演Ⅱ

 「ITを用いた地域連携の構築」鶴岡市医師会会長 三原一郎

閉会あいさつ

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No.574 (第4回全国地方独立行政法人病院協議会)

2015-11-10 10:57:07 | 日記


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第4回全国地方独立行政法人病院協議会
日時:平成27年11月6日 11:00~19:15
会場:ホテルリッチ&ガーデン酒田
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栗谷先生が当番世話人を務められた表記協議会総会が酒田で開催され、鶴岡地区医師会を代表し来賓として出席してきました。

平成27年11月現在、81の自治自治体病院が地方独立行政法人へ移行し、民間の経営手法を導入するなど、創意工夫しながら病院運営に取り組んでいるとのことです。

私は午後からの参加でしたが、事例発表:「ちょうかいネット」の紹介・軌跡と特別講演2題を拝聴してきました。とくに、特別講演1における「人口構造の変容と医療政策の課題」と題した、政策研究大学院大学の島崎教授の講演はとても面白く、興味深いものでした。概要についは、抄録を参照下さい。

なお、協議会前日夜は、協議会出席のため来酒していた土屋先生はじめ独立行政法人神奈川県立病院機構の皆さん5名と、中目先生や庄内プロジェクトのメンバーで「土屋先生を囲む会」を和やかに行いました。




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No.573 (庄内医療情報ネットワーク研究大会)

2015-11-03 09:33:24 | 日記


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第4回 庄内地域医療情報ネットワーク研究大会
日時:平成27年11月1日 14:00~17:30
会場:ホテルリッチ&ガーデン酒田
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4回目となる庄内地域医療情報ネットワーク研究大会が行われました。

この研究大会は、「ちょうかいネット」の運用を機に始まったものですが、庄内地域における医情報ネットワークの進捗状況や課題を確認する意味で、また、今後進む庄内全域での医療連携を考える上でも、重要な位置づけの会となっています。酒田と鶴岡で年1回交互に研究会を行っていますが、今回は酒田が当番で開催されました。

司会 保健所 保健企画課 田中氏

●開会セレモニー

 あいさつ 酒田地区医療情報ネットワーク協議会 本間会長
  酒田地区の病診連携の歩み

 事業概況 酒田地区医療情報ネットワーク協議会 事務局 佐々木係長
  ちょうかいネットの事業概況

●講演

 座長 : 日本海総合病院 島貫院長代理
 
 地域医療福祉連携ネットワークの将来像
  ~ あじさいネットの軌跡とこれから ~
  NPO法人 あじさいネット 理事・運営委員会
  市立大村市民病院 麻酔科 柴田真吾 氏

あじさいネットは、病院の電子カルテを他施設から閲覧可能した日本で最初の情報公開型の医療情報ネットワークですが、その中心的な役割を担ってきた柴田先生をお呼びして、あじさいネットの軌跡を例に、本邦における医療情報ネットワークの発展の歴史と今後の方向性について学びました。

あじさいネットは2003年に立ち上がっていますが、Net4Uは2001年より運用を開始しています。あじさいネットは、医療機関をITネットワークで繋ぎ、広げていくという、まさに医療情報ネットワークとして発展してきました。一方、Net4Uは、完成した情報共有システム(地域電子カルテ)を地域でいかに活用していくか、という視点で発展してきたと思っています。その意味で、人と人との繋がりを重視してきたシステムとも言えます。

事例報告は、酒田から4題、鶴岡から2題の報告がありました。

●事例発表
 座長: 日本海総合病院 診療部長 菅原重生 氏

○ちょうかいネットの軌跡
 さとう内科クリニック 院長 佐藤 顕 氏
 日本海総合病院 院長代理 島貫隆夫 氏

病院に紹介することが多い診療所の医師にとって、ちょうかいネットを活用して病院の診療内容を知ることは、自分自身の生涯教育の一助にもなるという佐藤先生の話は、まだ、ちょうかいネットを利用価値を十分理解していない診療所医師に、是非聞いてもらいたい話でした。

○ちょうかいネットを利用した「在宅緩和ケア地域連携パス」の運用
 日本海病院 がん診療サポートチーム 菅原 浩 氏
 岡田内科循環器クリニック 院長 岡田恒弘 氏
 訪問看護ステーションスワン 野沢 恵 氏

在宅緩和ケアにおけるがん拠点病院と在宅チームとの「在宅緩和ケア地域連携パス」に、ちょうかいネットを利用したという実演を交えた発表でした。当地区では、すでに6-7年前からNet4Uで実践していたことですが、ちょうかいネットではやはり使い勝手は悪そうです。Net4Uのような使いやすい双方向性のシステムの導入が期待されます。

○ちょうかいネットの活用法
 カイエイ薬局 薬局長 富樫健一 氏

調剤薬局でのちょうかいネットの利用は、それほど進んでいるわけではないようですが、処方箋でしか患者の病態が分からないという現状は、今後医療情報ネットワークを利用することで、改善されていくことが期待されます。因みに当院では、必要な患者においては、Net4Uで調剤薬局でカルテ情報を共有しており、薬局にとっては、より質の高い服薬指導に役立っていると思います。一方で、当院にとっても、Net4Uを介して、患者さんの他院での服薬状況や薬の専門家である薬剤師の意見を聞くことができ、安全面も含め大変助かっています。

○ちょうかいネットを活用した未破裂脳動脈瘤の他施設間フォローアップ
 くろき脳神経クリニック 院長 黒木 亮 氏

ちょうかいネットでは、DICOMのダウンロードを許可することで、病院で撮ったCTなどの画像を診療所側で、閲覧・保存が可能となっています。これを利用して、未破裂脳動脈瘤のフォローアップをしているという黒木先生の発表は、ちょうかいネットの活用事例として興味深いものでした。

事例報告
 座長: 中村内科胃腸科医院 院長 中村秀幸 氏

○Net4Uを用い、在宅患者の排便障害を多職種の協力で解決できた症例
 石橋内科胃腸科医院 院長 石橋 学 氏

石橋先生の発表は、職種間の密なコミュニケーションにNet4Uを活用することで、排便障害で困っていた事例を解決できたという報告でした。在宅緩和ケアに限らず、介護職を含む多職種チームで関わることの多い在宅医療においては、Net4Uは極めて有用なツールと感じています。

○ちょうかいネットを活用したセラピストの病院間連携
 鶴岡協立リハビリテーション病院 理学療法士 新田俊介 氏

日本海病院から転院してきた脳卒中患者のカルテ情報をちょうかいネットで閲覧することの利便性、有用性についての回復期病院・理学療法士の立場での報告でした。一方で、ちょうかいネットの通覧性の悪さ(たくさんアイコンから必要な情報を探すのが煩雑)や回復期から急性期への情報伝達の困難さが挙げられていました。なお、来年度から、脳卒中地域連携パスは、鶴岡と酒田との統合ITパスに移行する予定です。しかも、Net4Uと連動するとのことで、さらなる発展が期待されます。

●閉会セレモニー

閉会のあいさつ
 鶴岡地区医師会 三原会長

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