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平成28年度第1回 南庄内在宅医療を考える会
日 時:平成28年9月16日(金)19:00~20:30
会 場:鶴岡地区医師会館 講堂
参 加:医師12名 訪問看護師18名 オブザーバー2名 事務局4名 計:36名
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本年度1回目の在宅医療を考える会は、あらたに開設した訪問看護ステーション4か所からのプレゼンがあり、その後、医師と訪問看護師間でのグループディスカッションを行いました。
1、開会
2、訪問看護ステーションの紹介
〇アジュダンテ
ホームページ
2015年4月1日、開設
アジュダンテとは、助ける人、補助する人の意味
スタッフ:7名(看護師2、准看1、療法士3、事務1)
看護 → ← リハビリ
社内研修、フットケア研修、
他事業所との連携
介護予防事業の請負
リハビリアドバイザー事業
セミナー事業
社員研修事業
出前講座
24時間体制
〇リハビリ訪問看護ステーションみどり
2015年3月25日 開設
スタッフ:5名(看護師:1、リハ3名(准看兼任含む)、事務1)
看護師のリハビリ、認知症ケア、高齢者看護、
利用者:30数名、要支援から要介護5までまんべんなく、
介護予防訪問看護
看取り1名を経験
24時間体制
〇訪問看護ステーションふらっと
ホームページ
2015年9月開設
リラックゼーション型デイサービス ふらっとcafe 2か月に1回 今後は家族会、遺族会も
スタッフ:看護師:3名(15年以上の急性期病棟での勤務経験)
自宅で過ごせることの啓蒙、
多様なニーズに対応
24時間体制
〇医療法人いぶき会 訪問看護ステーション タカラ
2016年8月3日開設
整形外科附属の訪看、
スタッフ:3名(看護師1名、准看護師1名、PT1名)
3、グループディスカッション
3組に分かれて、それぞれが自由なテーマでディスカッションを行いました。
私は、グループ3の司会役だったのですが、このグループでの話題は、訪問看護師の役割についての認識がまだまだ低いということに集約されました。例えば、訪問しても家族からヘルパーとの違いが分からないと言われたり、ケアマネの訪看への認識が低いためかサービスに入れなかったり、ケアプランの制約で必要なサービスを提供できなかったりすることがあるとのこと。今後は、訪問看護の必要性、有用性、重要性をもっと啓発していく必要性を感じました。
グループ1では、訪看と医師との連携が話題になったようです。医師によっては(特に病院の医師)連絡が取りずらく、距離感を感じている様子が伺われました。診療所は看護師、病院は連携室を介することで連絡が取りやすくなるかもしれません。私見として、究極的にはすべての施設がNet4Uを導入すれば、スムーズな連携できるようになると思いますが・・いつになることやら。
グループ2では、訪問看護ステーションの選択はおもにケアマネが決めている、主治医との連絡の取りずらさを感じることがある、小規模訪問看護ステーションでの夜間対応などが話題になったようです。
いずれにしろ、訪問看護師と医師との連携は必ずしもうまく行っているわけではなく、今後ともこのような話し合いの場は必要と感じました。
各グループでの意見の内容の詳細は以下、(「ほたる」でまとめて頂きました)
【1G】進行:石橋先生
・自己紹介
・以前このような会をやった時には、いざというときの対処の仕方や主治医と連絡取れなくて困ったなどの意見があった。
※現在困っていること、良かったことなどを出してもらいたい。
・(訪問看護師)ドクターとどのようにコンタクトを取ればよいかわからない。特に荘内病院のドクターとはコンタクトが取れない。病棟経験が長くデータがないと感じる。
・(訪問看護師)先生との連絡の取り方。看取りの患者を担当するにあたり医師が勉強会をしてくれた。先生が死亡確認できない場合の対応、土日が不在になる場合どうするか。
→事例経験あり。ドクター間での繋がり。医院の看護師が行くからと言われていた。
・(訪問看護師)他のステーションは経験豊か。先生から指示書をだしていただいたときにどこまで深く聞いてもいいのか悩む。
・(医師)医師側の敷居の高さがネックになっている。
・(訪問看護師)先生方によくしていただいている。在宅にすごく一生懸命な先生には助けてもらっている。先生に質問攻めにしてしまうこともある。先生との連絡方法なども最初に確認している。
・(医師)連絡の時間であったり手段であったりの確認も重要。
・(訪問看護師)4月から訪問看護を担当している。往診のその日の状態をNet4Uで確認しているが、Net4Uを利用していない先生との連絡が目に見えない。利用者の家族に確認するが、理解をしている家族していない家族があり、結局主治医に確認している状況。
・(訪問看護師)チームで協働でやっているのか、そこが不十分に感じる。目に見える形のものがないか、ここ数年で明確になると良い。新規の依頼について 酒田地区だと退院翌日に必ず往診している。最終的な指示書の出し元問題があり、どのように動くか悩むことがある。退院前カンファを開催されずに在宅に移行するケースが多くなってきている。
・(医師)4月から地元で診察を。経験がまだ少ない。指示書の書き方を誰かに教わるわけでもなく、これでいいのかと思う。逆にこういう情報、記載が欲しいというところを教えてほしい。
医師と訪問看護師との連携 → 医師に対する壁がある印象。あまり気を使わないで!お互い連絡を取り合ってやっていければ良い。
自分の事例で、がん患者 在宅死となったケースがあった。その日夜間診療当番でその10分前の時間帯。状況を訪問看護師に確認したが指示が出せない状況にあった。そういう時に2番手3番手の仕組みがあると良い。患者・家族には「何かあったら看てもらえるかと言われれば、はいと言っているが・・・この数カ月でレアな経験であった。
・(医師)自分は困ったケースがあまりない、看護師がしっかりやってくれる。何かあれば、電話くれるし。上手く連携が出来ていた。
・(医師)あまり在宅で見る患者が多くない。電話連絡やFAXでやり取りしている。往診した結果を検査の結果などをお知らせするようにしたいと思う。
・(訪問看護師)医療機関特に病院との繋がりは、文書でやり取りするとつながりやすい。
鶴岡協立病院 → 在宅看護科 在宅入っていない人 → 連携室
・(訪問看護師)先生と会って話をすると繋がりが出来る。たまに一喝されることがあり、指示書を出したので勝手にやれよと言われた。
・(医師)指示書を出してくれなくて困ったというケースはあるか?
→荘内病院の先生が4週間待ったが来なかった。そのうち患者の気が変わり導入に至らなかった。その先生はみんなまとめて指示書を作成(だして)いる模様
まとめ
課題:連絡の方法に悩む 病院であれば連携室、開業医であればナースを活用
指示書を上手くだしてもらうには 情報連携のツールをどうするか
ドクター間のサポート体制 連携チームを作っている経過もある。それが連携をやっていると言いきれない状況もあり、見直し等も考えなければならない。
【2G】進行:土田先生
・訪問看護ステーションを選ぶ基準は何か。
→初めは医師会に聞いていた。昔はハローナースしかなかったから。
→指定したことはない。ケアマネが決定しているのではないか?
→昔はハローナースしかなく、選択肢がなかった。きずなは協立系でうまっていたりもした。
医者はここでなきゃだめと選んではおらず、やはりケアマネの判断だと思う。昨年度から、
ケアマネが特定の訪問看護ばかり利用すると減算されるという制度ができ、それにより訪問看護は追い風になったのではないか…。
・精神専門のケアマネがいるのか?
→医師からの直接の指示。こころの医療センターの看護部に訪問看護があり、そことのつながりが多い。
(…介護保険だと家族の負担が大きくなるので断られるケースが多い。)
・前回、主治医と連絡が取れなくて困るという意見が出ていたが、こちらについてはどうか。
→時々そういった事はあるが、連絡が付かない場合は折り返し連絡をいただいている。
→主治医の携帯番号も聞いている。以前より、少しは解決したということではないか。
・先生の往診に合わせて一緒に同行している。
・Net4Uだと返事しやすいが、手書きだと大変。
→手書きが良いという先生もいる。先生によるだろう。
・自分たちが訪問しても聞き取れないことを薬剤師が聞いてくれたりする。
・のってこない先生がいても積極的にした方がよい。
・有料施設に入っている看取りが困る。あなたの家はここだと決めずにポリシーをもっている施設やそうでない施設など、同じ有料ホームでも理念が千差万別である。
・訪問看護は、他の施設と提携などしていないのか
→患者さんとの直接であり施設と提携はしていない
→機能訓練などの事業を通して関わりはあるが、特に提携はしていない。
(ステーションA)事業は、理学療法士の社長が開業前から行っていた事業をそのまま継続しているかたち。
・他の訪問看護と同様に3名で夜間対応と言われたら、ハローナースは厳しいのでは?
→午前3時、4時によばれることもあり、次の日の疲労がある。そういった日は、翌日早上がりができるのであれば3人交代でも可能かと思うが…。
・夜間に呼ばれた場合は次の日早上がりになるのか?
→そのようなことはない。そもそもそういったケースがまだない。
・医師も夜中に呼ばれることが少なくなった。
→ハローナースが頑張っているからだろう。
・看護師3名の事業所では何人の利用者を対応しているのか?
→40人ほど。今のところは要支援の方も多いので、夜間対応などは問題ない。
24時間待機そのものよりも、責任感の方がプレッシャーとなっている。
・利用者が高齢になっていくのに伴い、今後は夜間に呼ばれる可能性が確実に高くなるだろう。
・ハローナースは職員14名で利用者数は約200人。携帯は3台を交代。多い人で1番を月4回。
医療依存度が高い人が多く、来てもすぐ亡くなってしまう方も多い。
・看取り後のケアを最近はセレモニーでも対応してくれるそうだ。
・訪問の際、様子を見るか先生に相談するか判断に困った場合、日中は医院の看護師さんに連絡をとると、先生に聞いてくれるが、夜間は電話をかけていいのか迷うことがある。
→大体の先生は大丈夫。少なくともこの会に参加している先生は大丈夫だろう。
迷っているよりはどんどんかけてもいいのではないか。
→特養は年がら年中電話がくる。転送を利用している先生もいる。
・看取りの方の訪問体制はどのように行っているのか。
→看取りに対しては基本二人体制。一人が患者、一人がご家族といった感じ。
【3G】進行:三原先生
医師に希望すること、今後の展望
・小規模の訪問看護ステーションは大変なんじゃないか。
・地域全体が訪問看護を知らない。「何をしてくれるの?」と言われる。ヘルパーとの違いも分からない。
・訪問看護の導入まで至らない、依頼がない。
・どうせ救急車を呼ぶから、訪問看護は必要ないという声もあった。
・訪問看護の活用について、ケアマネジャーも医師も認識が薄いのかなと。
・依頼されるパターンはケアマネからがほとんど。医師としては、ケアマネが決めたことならどうぞという感じ。
・利用者がまだまだ足りない。
・今この方に必要なことができない。ケアマネの計画からズレてはいけない。もどかしい。
(例)今清潔保持をしたほうがよいと思うが、ケアマネジャーのプランの訪問看護にはその項目がない。実施して報告すると、身体の清潔ケアはヘルパーさんの仕事だからと言われる。
・訪問看護が必要だからと入ったが、訪問看護が来るとは聞いていない、なんで入るのか分からないと家族に言われ、説明からすることになったり、導入に至らなかったりする。
・家族に説明から入るが、必要ないからと断られる場合も。ケアマネ、医師等には訪問看護の必要性も伝えてほしい。
・医師の一声で状況がガラッと変わることもある。
・家族に介護力がない場合、訪問看護が週1~2回では効果が見えない、回数を増やすことも費用的に困難。
・家族等にケアの統一がなかなかできず、経過がよくない場合が多い。結果、入院することもある。
・必要なニーズが多い方には、介護保険での対応が難しいことが多いため、医療保険の訪問看護を利用できないかと思い考える。その場合、医師の了承、指示書が必要。
・条件はあるが医療保険と介護保険を同時に使える。大体の先生は説明をすると特別訪問看護指示書を記入してくれる。大体記入してくれるが、そうでない医師もいる。
・訪問看護=ハローナース。訪問看護を依頼されても「ハローナースにお願いしたい」となる。なかなか人数が増えない。
・人数が少ないと携帯当番等が大変。想定される状況に関しては、先々に手を打っている。
・急変の場合は、訪問看護が一括連絡となっている。
・医師同士、協力体制を構築しているところもある。
・死亡診断書を先に作っている場合もある。亡くなったらすぐ行く。
・訪問看護師にいろいろやってもらっている。いろいろ期待をしている。
・訪問看護を入れたがらないというのが結構いる。なんでかなと。訪問看護が必要というけど、ケアマネを経ると削除されていることもある。やはり地域で訪問看護の認識が低いのかも。啓蒙が必要。
・「ヘルパーの倍のお金でなにやってくれるの」っていうのもある。経済状況も要因。必要性の伝達と理解が必要。
・介護保険の費用のやりくりは大変なのは分かるが、ケアマネさんももうちょっと理解を深める必要がある。
・役割として、訪問看護がターミナルの方には入っているのは分かる。他はなにが入っているのか医師には分からない。
・訪問看護師しかできないこと!アイディア、訪問看護が入ったほうがよい事例、私たちはこういうことが出来るなどを自分たちから地域に情報発信していくことが必要。どの状態から訪問看護に頼めばいいのかが分からない。
・きちんと服薬できていない方の支援など、訪問服薬指導でいいのではという人もいる。それでも、訪問看護師のほうがよい場合もあることを認識してほしい。
4.まとめ
5.閉会 20:30