第6回 庄内地域医療情報ネットワーク研究会
日時:平成30年1月27日 14:00~15:30
会場:日本海総合病院講堂
主催:酒田地区医療情報ネットワーク協議会
鶴岡地区医療情報ネットワーク協議会
1、あいさつ
【酒田地区発表】
座長:日本海総合病院 病院長 島貫隆夫
○ちょうかいネットの活用状況
酒田市ケアマネジャー連絡協議会 高橋秀典
ケアマネジャーによるちょうかいネットの活用状況
16事業所が利用を
居宅介護事業所で、おもに退院支援に活用されている
書き込みは少ない理由
何を必要とされているのかが分からない
メディカルケアステーションの利用は、今後の課題
Q:看護記録、温度版のニーズがあるが
→ サマリーの充実がより効果的ではないのか
○ちょうかいネット
ケアマネジャーの利用状況調査について
日本海総合病院 斎藤 塁
ケアマネの利用が急増している
4箇所の介護福祉施設に訪問調査を行った
アクセスのタイミング
退院調整時、ターミナル移行時、サービス開始前、医師の説明の確認
コンテンツ
診療録、処方、リハ記録、看護サマリ、バイタル
活用
他院前カンファレンスの情報収集、在宅復帰レベルの確認、在宅に戻る際のサービス検討
要望
次回診察の予約日、薬局の調剤情報、開示病院の情報統一、食事形態
調剤情報共有システムの構築とID-Link連携を目指し検討している
【鶴岡地区発表】
○認知症チームによる医療連携・連帯の取組
高齢者と家族 を支え、地域とつながるケアを考える
荘内病院 神経内科主任医長 丸谷 宏
荘内病院 認知症看護認定看護師 富樫千代美
入院の30%が認知症
荘内病院:2016年、認知症ケアチームを結成
認知症自立度Ⅲ以上に介入
28年度、108人/月
29年度、259人/月
認知症医療連携
急性期からの医療連携そして連帯
対応力向上研修(各種団体への医師・看護師による研修開催)
初期集中支援(つるオレ)
認知症啓発活動(物忘れ相談医、認知症を理解する教室、家族の集い、ほっこりカフェ)
パス連携(鶴岡オレンジ手帳)
ネット連携(Net4U、ちょうかいネット、SOS見守りネット)
Net4U、Note4Uを活用した事例紹介
脳卒中地域連携パスの紹介
○ちょうかいネット、Net4U 運用の現状と課題
鶴岡地区医師会 三原一郎
ちょうかいネットは6年目を経過し、運用の現状を把握し、
課題解決に向けた取り組みが必要な時期。
鶴岡地区の医療機関を含む施設からの開示申請業務は、ほたるが担っている。
また、荘内病院では、パス患者の登録、日本海総合病院への開示申請を行っている。
今回は、開示申請状況から、ちょうかいネットの現状を分析してみた。
荘内病院の開示件数は年々増加。
開始当初の3倍弱。毎年、300件程度の増加、、
荘内病院へ開示申請している鶴岡地区医師会の管轄地域の施設を分類し、
その数と開示申請件数を示したものがこの表、
参考までに日本海総合病院への開示申請数も記した。
開示申請件数:荘内病院へは診療所が70%、病院が20%、その他10%
日本海への開示申請は、141件数中、76%が診療所、11%病院
因みに、荘内病院への日本海病院からの開示申請は、271
鶴岡地域から、日本海病院への開示申請は、診療所から119、荘内病院から94
荘内病院への開示申請施設の区分分類
診療所が48%で約半分、次いで、病院、訪問看護ステーション、老健
施設区分毎の、開示申請件数の割合を示す。
医科診療所が469件で約70%を占め、病院:20%、その他:10%と続く。
荘内病院への開示請求施設として、日本海総合病院を加えてグラフである。
日本海総合病院の開示請求は、全体の30%を占め、鶴岡地区の医科診療所についで多い。
因みに、日本海総合病院への鶴岡地域からの開示申請件数を施設区分ごとにみたものである。
診療所からが116件、55%、荘内病院から67件、32%、それ以外の病院から6%であった。
南庄内地域から荘内病院、日本海総合病院への開示件数の年次推移を示す(29年度は、推計値)。
荘内病院への開示申請件数が増加しているが、
一方、日本海総合病院への開示申請件数は、やや減少傾向にある。
結果のまとめ
荘内病院の開示件数は年々増加傾向
29年度の荘内病院への開示申請は、診療所:11、病院:4、訪看ST:3、老健:2、歯科・薬局:1であり、診療所では、診療所総数の12%程度である。
開示申請の約75%は、上位4施設(内科系診療所3+リハ病院1)が占める。
28年度に急増した日本海総合病院への開示件数は、29年度は頭打ちも、荘内病院の全開示件数の30%程度を占める。
考按
ちょうかいネットは、おもに荘内病院と日本海総合病院間の病病連携に活用されている。
地域からの開示申請は、一部のユーザーに限られ、さらなる普及活動が必要!
運用開始以来18年目を迎えたが、年間登録患者数は5200名程度で、著変なく推移している。
鶴岡地区の参加施設数であるが、近年、介護系施設の参加が増えている。
一方で、診療所の参加施設が増えないというジレンマがある。
2017年末における職種毎のユーザー数の分布を示す。
介護職が31%、看護師26%、医師17%の順。
職種の割合の推移を2013年と2016年末で比較したもの。
大きな変化は、看護師の増加により、ユーザー数では、医師を抜いて2位になった。
各職種のユーザ数の年次推移を示したもの
介護職は増加傾向で、現在、85名
医師は、2014度に、激減、その後持ち直し、2017年末で46名
看護師は、増加傾向で、現在72名
リハ職は、ここ2-3年で増加傾向。現在26名。
薬剤師、歯科医師、事務職は、著変なし。
職種毎の閲覧患者数の年次推移
看護師が急増、リハ職も増加傾向
医師は減少傾向、介護職は微増、
書き込んだ患者数の職種毎の年次推移
看護師、リハ職が、急増、
医師はやや持ち直したが、減少傾向、
介護職、薬剤師は、著変なし
結果のまとめ
職種別ユーザー数は、介護職、看護師、医師の順。過去4年、トップ3の順位に変化はないが、昨年度はリハ職が4位と順位を上げた。
閲覧・書き込み数に関しては、医師を除くと、看護師が高く、次いでリハ職、介護職、薬剤師の順。2017年度は看護師、リハ職の延びが著しい。
考按
やや持ち直したものの、医師のNet4Uへの関りは低調。
看護師の参加、書き込み数が多く、在宅医療における情報発信の中心的役割を担っている。
介護職の参加率が高いのは、Net4Uへの期待が大きことの表れか。
Net4Uは在宅医療における多職種協働ツールとして順調に普及している。