東京都新宿区で在宅訪問歯科診療で活躍されている五島朋幸先生の講演を拝聴し
ました。
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五島先生プロフィール(配布パンフから)
歯科医師、ふれあい歯科ごとう代表。新宿食支援研究会代表。1965年広島県生ま
れ。日本歯科大学卒業。博士(歯学)。1997年より訪問歯科診療に積極的に取り
組み、2003年ふれあい歯科ごとうを開設。地域ケアを自身のテーマとし、ふれあ
い歯科ごとうを拠点にさまざまな試みを行い、理想のケアのかたちを追求してい
る。2003年よりラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」パーソナリ
ティーも努めている。日本歯科大学生命歯学部臨床准教授順、東京医科歯科大学、
慶応大学非常勤講師など役職多数。著書に「口腔ケア○と×」、「食べること生
きることー介護予防と口腔ケア」、「安全においしく食べるためのガイドブック」
などがある。
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講演は、五島先生と訪問歯科診療との出会いから始まり、咀嚼から嚥下まで食べ
るメカニズムとその診断法、食べる機能を回復するための口腔ケア、新宿で実践
している多職種で支える食支援などについて、先生のたくさんの経験談を交えな
がら、また、処々に笑をちりばめながらのすばらしい内容で感銘を受けました。
多職種連携は結果が求められる!連携とはプロとプロが仕事をすることであり、
顔の見える関係を築くことではない。腕と腹の見える関係こそが連携である。見
つける、繋ぐ、結果をだす。それを地域で無限に作り出す。これこそが街づくり
であるという、最後の言葉には共感を覚えました。
それにしても、身振り手振りを交え、計算しつくされたレベルの高いプレゼンに
は惚れ惚れしました。(ブログに写真あり)
配布資料
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在宅訪問歯科診療研修会(主催:鶴岡地区歯科医師会、後援:庄内プロジェクト)
演題「食べること 生きること ~最期まで 食べるために歯医者ができること~」
講師 ふれあい歯科ごとう 代表 歯科博士 五島朋幸 先生
日時:平成27年7月26日 (日)10:00~12:00
会場:にこふる3F大会議室
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1、開会
2、挨拶(荻原会長)
当地区は、多職種連携を進めている
口腔ケアから食支援への流れにある
最期まで食べ続けれることを見届けるのがこれからの歯科医師の役割
一方で、歯科医だけではできない、多職種協働が必要
五島先生には、そのためのノウハウをたくさんの頂けるのではないかと期待したい
3、講師紹介
4、講演
演題「食べること 生きること ~最期まで 食べるために歯医者ができること~」
講師 ふれあい歯科ごとう 代表 歯科博士 五島朋幸 先生
1)イントロダクション
訪問歯科診療の出会い
・意外な動機 (TVで訪問診療を知る)
・訪問内科医との出会い
・新宿区戸山町、若くて元気な街ではないこと、歯科医が往診しないことに気づく
・訪問歯科診療のニーズ
当初、歯科のニーズはなかった、
入れ歯を入れていないことに驚く
入れ歯を入れることから始まる
往診は自転車(電動アシスト付き) 1日 3-4件、午後、1日30K走ったこともある
訪問診療とは、 現場に応じた目線で、その人に合った・・・
訪問歯科から見えたこと
食べるために義歯を入れよう
口腔ケアで、誤嚥性肺炎を予防
口腔ケアは、摂食嚥下障害の間接訓練
食べるための機能訓練
一方で、「先生のゼリー食を食べることだけが楽しみ」と言われたことにショックを受けた
→食べることだけが楽しみでは、支援したことにならない
→歯科医師だけではダメと実感する
2)口の機能と食べること
口からの情報は脳で50%を占める
口から食べることの効果 → 免疫の賦活 胃瘻では免疫は賦活されない
アンケート調査で、施設(病院)生活での最大の関心事は食事!
口から食べるとは、
噛んで(準備)、送って(口腔)、呑み込む(嚥下)
咀嚼に必要なもの
歯、噛む力(筋力)、食べ物を認知する能力(口腔認知)、頬や舌の働き(動き・力)、唾液
→食塊形成=呑み込める形にすること
煎餅を用いた食塊顕性能力からみた咀嚼能力評価
煎餅を嚥下するまでの噛む回数で評価
嚥下に必要なもの
口腔認知
嚥下反射
嚥下力
首を中心とした組織の柔軟性
呼吸のコントロール
正しい姿勢
飲み込みの障害の診査法
観察
水のみテスト
RSST
喉頭挙上の触診
嚥下音の触診
嚥下音の聴診
VF
3) 機能回復のための口腔ケア
咀嚼機能回復
ストレッチ
マッサージ
口腔周囲の運動
咬合訓練 あたりめ 移送訓練
嚥下機能回復
ストレッチ
マッサージ
口腔刺激
冷たい、熱いものは、反射応答反応時間が短い、
呼吸訓練
頭部挙上訓練 (Shaker Excise)
アイスマッサージ
唾液嚥下リハビリテーション ゴットハンド
嚥下食訓練
唇のかたちで分かる、食認識
4)食支援
食支援とは
、
本人、家族に口から食べたいという希望がある、
もしくは身体的に栄養ケアの必要がある人に対し、
適切な栄養管理、傾向摂取の維持、食を楽しんでもらうことを目的として、
リスクマネジメントの視点をもち、適切な支援を行なうこと
具体的な食支援
・全身の管理、・栄養管理、・口腔環境整備、・口腔ケア、摂食嚥下リハ、
・食事形態の調整、・食事作り、・食事姿勢の調整、・食事介助、・食事環境調整
以上を支援するには、多職種が関わることが不可欠必
新宿食支援研究会(新食研)2009年7月発会
=最期まで口から食べられる街 新宿
活動
ヘルパーの意識向上(一丁目一番地)
食支援ネットワークの構築
食支援の地域での実践
食形態判定表
口:良い、悪い、のど:良い、悪いで、判定
食形態難易度(ピラミッドモデル)で食形態を決める
新宿食支援勉強会
ファンタジスタ(理学療法士、福士用具専門相談員)
ハッピーリーブス(歯科栄養士、管理栄養士、理学療法士:多職種参加型フリーランスグループ)
新食研 21職種、74名
多職種連携 結果が求められる!
連携:プロがプロの仕事をすること、顔の見える関係から、腕と腹の見える関係
見つける 繋ぐ 結果をだす 地域で無限に作り出す → 街づくり
5、質疑
6、閉会