鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.382 (鶴岡地区医師会勉強会)

2014-08-30 11:54:25 | 日記
8月29日、19:00~、医師会講堂

今回の医師会勉強会は、三友堂病院 緩和ケア科 加藤佳子先生をお呼びして、「痛みのない生涯を送るために ~モルヒネと上手につき合う~」と題した講演を拝聴しました。

積極的にモルヒネを使うことで、がんの痛みのみならず、帯状疱疹やロコモティブシンドロームの痛みもコントロールできることを豊富な経験や事例を通して解説して頂きました。モルヒネは、正しく、上手に使うことで、痛みに苦しんでいる患者さんを救うことができる、優れた治療法であることを学びました。

皮膚科医である私は、帯状疱疹を診る機会が多いのですが、痛いのは当たり前と思っていました。この発想は、「がん」なんだから仕方がないといって、患者の苦しみを放置していたのと同じ思考ですね。私自身、ハッとさせられました。一方で、最近の帯状疱疹の人の多くは、抗ウイルス剤とNSAID、カロナール、リリカなどの通常の治療で、従来に比べれば、強い痛みを残す人(帯状疱疹後の神経痛)は少なくなったように感じています。とはいっても、モルヒネを上手に使うことで、強い痛みがコントロールできるのであれば、積極的に使ってみたいと思いました。

https://drive.google.com/file/d/0BzItwTwB_6zeYU02aVpUZk1xNkU/edit?usp=sharing


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No.381  (鶴岡地区救急医療対策協議会総会)

2014-08-29 16:29:23 | 日記

8月28日、13:30~、鶴岡市消防本部5階講堂

鶴岡市が主催する協議会で、鶴岡地区の救急医療体制の円滑な運営、一般住民への救急医療に関する正しい地域の普及啓発などを目的としています。メンバーは、医師会、歯科医師会、市長、町長、保健所長、各病院長、警察署長、消防長など。

総会なので、昨年度の事業実施報告、決算報告、26年度の事業計画、収支予算、役員の改選が審議されていずれも承認されました。

25年度の事業
1、会議の開催
  幹事会、総会
2、救急医療の啓発活動
 救急の日、救急医療週間における啓発事業
  研修会の開催 (AEDの使い方講習)
  心肺蘇生法の実施講習
  パンフレット等の配布・ポスター掲示
 啓発物品などの配布・ポスター掲示
3、視察研修、救急隊員研修会
4、救急医療に関するワーキンググループ
 保健所で実施した「救急医療に関するアンケート調査」を受けて設置された。
 25年度に、2回の話し合いの場をもち提言をまとめた。
 提言、
 1)地域における救急医療の課題を検討する場の継続
 2)救急医療に携わるさまざまな立場の人たちの相互理解を深める努力
 3)取り組みの進捗状況の評価と可視化
 4)具体的な課題

収支
 予算額:28300
  負担金:医師会175000、歯科医医師会:30000、市町:78000

報告
・鶴岡休日夜間、平日夜間診療所の事業概況
 医科、歯科、ともに減少傾向 (インフルエンザの大きな流行がなかったためと分析)
・救急統計
 救急出動件数:昨年度と比し、1.3%減 
・ドクターヘリ出動件数
 鶴岡消防本部での出動数:6(現場出動:1、施設間搬送:3、キャンセル:2)
 荘内病院への搬送は1例



https://drive.google.com/file/d/0BzItwTwB_6zeTmdrVmdrVlM0QWs/edit?usp=sharing

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No.380 (もの忘れ相談医研修会)

2014-08-29 10:09:18 | 日記


8月28日、もの忘れ相談医研修会が行われました。

今回の研修会では、「日常診療に役立つ認知症の実践医療と地域包括ケア」という演題で、群馬大学大学院 保健学研究科リハビリテーション学講座教授の山口 晴保先生からご講演を頂きました。

講演内容は、医療者向けということで、おもに、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症の症状、検査法、鑑別法などを具体的な事例を交え、詳しく解説して頂きました。また、認知症治療薬の特徴や病態による使い分け、注意点なども教えて頂きました。さらに、患者をほめることや笑顔で接することなども効果があるとのことで、敬遠しがちな認知症ですが、楽しみもたくさんあることを学びました。

研修会後は、講師を囲み懇親会でいつものように盛り上がりました。
写真は、そのときのスナップです。山口先生が考按した認知症のチェックテスト、「ハト」、「キツネ」、「逆さキツネ」で、ハイポーズ!(笑)

認知症には、先進各国とも国家戦略として取り組んでいます。
その目標は、病気の撲滅という達成期限不確定なものではなく、
認知症でも、住み慣れた地域で、包摂された生活が可能となる社会であり、
そのための質が高く、効率的なサービスモデルの整備と普及が求められています。

この研修会を通じて、当地区の認知症サービスモデルが一歩でも二歩でも前進することを期待したいと思います。

https://drive.google.com/file/d/0BzItwTwB_6zeRWtfeHlGcEJPREk/edit?usp=sharing



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No.379 (もの忘れ相談医研修会)

2014-08-26 16:16:57 | 日記
8月28日(木)18:40から、医師会講堂でもの忘れ相談医研修会が行われます。

今回は、群馬大学 山口晴保教授をお招きして
「日常診療に役立つ認知症の実践医療と地域包括ケア」
と題した講演を予定しています。

コホート研究で有名な久山町のデータでは、65歳以上の人が死ぬまでに認知症に
なる確率は50%にもなると言われています。超高齢社会は、認知症が当たり前の
の社会でもあるのです。認知症の予防や治療、また、認知症の人への接し方は、
すべての医療者が身に着けておくべき基本的なスキルです。

今回お呼びする群馬大学の山口晴保教授は、この分野でのトップランナーです。

山口先生の略歴や研究内容(群馬大学HP)
http://www.health.gunma-u.ac.jp/unit/394.html

私を叱らないで ~脳科学で認知症ケアが変わる~
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3039.html

認知症の脳活性化リハビリテーション

http://www.rouninken.jp/member/pdf/18_pdf/vol.18_07-18-06.pdf

認知症を学び・知る、絶好に機会です。
多くの会員の皆さんの参加を期待します。

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No.377 (鶴岡市介護保険事業計画等策定懇話会)

2014-08-23 09:34:14 | 日記

報告が遅れましたが、8月6日に行われた、鶴岡市介護保険事業計画等策定懇話会を報告しておきます。

鶴岡市主催の本懇話会の目的は、来年度から始まる第6期介護保険事業計画の策定へ向けて、地域の医療、介護、住民、有識者などの代表から意見を聴取するということのようです。第1回となる本会議は、委員の委嘱、会長、副会長の選任、第5期介護保険事業の実施状況の説明が主でした。今後、市では計画の策定作業に入り、10月を目途に第2回目が開催される予定です。



鶴岡市介護保険事業計画等策定懇話会
平成26年8月6日 14:00~
出羽庄内国際村 国際村ホール

1、開会(長寿介護課 佐藤課長)

2、挨拶 (今野健康福祉部長)

3、委員自己紹介

4、会長、副会長の選任

5、協議事項

1)介護保険事業計画等の策定について
 
2)第5期介護保険事業計画の実施状況
(以下の数字は25年度の実績)
・高齢者数
 65歳以上75歳未満:17338、75歳以上:22889 高齢化率:約 30%
・第1号被保険者数
 40201名、年に約600名増加
・要介護認定者数
 8552名 年に2.3%増加
・介護保険サービス利用者数
 施設サービス:1357、居住系サービス:370
・施設サービス(介護療養型医療施設、老健、特養)利用者数
 1373 要介護4以上の占める割合:74.6%
・施設整備
 地域密着型介護老人福祉施設(小規模特養):58床(創設)
  小規模特養しらやま(仮称)29床(26年度創設)
 介護老人福祉施設(特養):80床(増床)
  かみじ荘:20床 (26年度増床)
  桃寿荘:30床(26年度増床)
  かたくり荘:30床(26年度増床)
 認知症対応型共同生活介護(グループホーム):36床(創設)、4床(新規)
  グループホームはちもり:9床(25年度創設)
  グループホームこもれび:9床(25年度創設)
  なごみ2号館(仮称):9床(26年度創設)
  グループホームのんき:2床 (新規指定)
  あっとホームのんき:2床(新規指定)
 小規模多機能型居宅介護:4か所(創設)
  多機能ホームしらやま 25人
  多機能かも 25人
  デイホームなごみ 25人
 施設整備後の市内介護保険施設等の数と定員 (平成27年4月予定)
カッコ内は定員数
  特養:9(800)
  小規模特養:3(87)
  老健:8(452)
  介護療養型医療施設:1(6)
  グループホーム:19(315)
  小規模多機能:10(249)
・保険給付費
 居宅サービス:68億
 地域密着型サービス:17億
 介護保険施設サービス:40億
 介護予防サービス:4億
  小計:130億
 その他
 特定入所者介護サービス等
 高額介護サービス等
 他
  小計:74億
 合計:138億

 地域支援事業
  介護予防事業:6億
  包括的支援事業および任意事業:23億
 合計:32億
・所得段階別保険料
 所得に応じて保険料は10段階に設定されている
 年額 32,300 ~ 122,800 月額 2,692-10,233円(平均 5,383円)
 (県内平均:月額 4784円 全国平均 4972円)
・保険料収納状況
 25年度で、26億

3)第6期介護保険事業計画の策定について

4)その他

6、その他

7、閉会

https://drive.google.com/file/d/0BzItwTwB_6zeVWZZM2N0WVdnenM/edit?usp=sharing

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No.376 (出張緩和ケア研修会)

2014-08-22 11:55:30 | 日記


庄内プロジェクト(緩和ケア普及のための地域プロジェクト)の活動の一環として、荘内病院の緩和ケア専門医が訪看や施設へ出向いて出張研修会を行っています。昨晩は、和泉先生による、当地区医師会の訪問看護ステーションハローナースでの研修会だったようです。和泉先生によるレポートをFBから引用します。和泉先生、いつもご苦労です。


2014.8.19 鶴岡地区医師会訪問看護ステーションハローナースでの出張緩和ケア研修でした。
いつもお世話になっている訪問看護師、リハビリスタッフ、訪問入浴スタッフの皆さんとの勉強会に呼んでいただきました。

テーマは、「終末期がん患者の苦痛緩和のための鎮静」でした。
私が在宅に出向いた患者さんの最期の5日間で鎮静薬を持続皮下注で投与し鎮静を行った経験がきっかけとのことでした。私自身はこの時、訪問看護師さん、認定看護師さんに大変助けていただいたので、そのときのことをみんなで共有できればと思って準備しました。

病院中心で看取りに関わってきて、この患者さんとご家族の在宅緩和ケアの経験は貴重なものでしたので、振り返りもでき、また、鎮静とはどういうものなのか、どんな手順で行われるものなのか、どんな方法があるのか、それに関連した過去の研究結果(日本の多施設研究)などからの家族ケアの重要性などを確認することができ、良い機会になりました。

本音をいえば、鎮静に関するつらかった自分の経験をたくさん思い出し、心の中で眠っていた出来事を掘り起こす時間にもなり、今でもつらいです。

地域の緩和ケアは、特に訪問看護師の皆さんの頑張りで、本当に大きく変わりました。患者・家族と医師やケアマネジャー、薬剤師とのつなぎ役、任せて安心、元気で朗らかな頼もしい皆さんです。

一緒に助けあいながら、成長させてもらってきたことに感謝します。
同行していただいた緩和ケアサポートセンターの相庭さんお世話様でした。

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No.375 (地域医療ビジョン検討委員会)

2014-08-21 11:47:12 | 日記

地域医療ビジョン検討委員会は、会長諮問の委員会です。
以下の諮問をもとに、昨晩第1回目の委員会を行いました。

諮問理由にも掲げていますが、少子・超高齢・多死社会がさらに進む中、地域の医療・介護の在り方は大きな転機を迎えています。

国は地域医療構想(ビジョン)を策定し、病棟単位で都道府県に報告する制度を設け、医療機関の自主的な取り組みを進めるとしていますが、医療機関や地域にはそれぞれの事情があり、行政主導による画一的な手法で複雑な関係性の上に成り立つ地域の医療資源を効率化できるのか疑問も多いと感じています。また、この構想の先には、病床削減、病院の統廃合の思惑も見え隠れします。

他方、入院患者の多くが人生の終末期にさしかかる85歳以上になると予測されていますが、看取りを含めこのような患者を病院で診るのか、施設でみるのか、あるいは在宅なのか、サービス提供側の都合だけではなく、患者・家族・住民の幸せのためにも、地域の多様な医療・介護資源をより有効に活用することが求められています。

そのような背景のなか、保健所長、地域の病院長、老健施設管理医師、かかりつけ医などをメンバーとする話し合いの場を設定し、これからの当地域の医療・介護のあるべき姿についての提言を頂きたく諮問したのが本委員会です。

第1回目は、地域のリソースやニーズ調査の方法、看取りの基本的な考え方などについて率直な意見交換が行われました。今後、本年度中にあと2回開催し、提言(答申)を頂くこととなっています。


諮 問 書

地域医療ビジョン検討委員会 委員長


一般社団法人鶴岡地区医師会
会長 三原 一郎


次に掲げる事項について、諮問します。

これからの当地域の医療・介護のあるべき姿について
 1、地域の医療・介護リソースおよびニーズを把握するための方策
 2、地域の医療・介護リソースをより効率的に活用するために必要な取り組み
 3、看取りの考え方とその対応


諮問理由

少子・超高齢・多死社会がさらに進む中、地域の医療・介護の在り方は大きな転機を迎えています。国は地域医療構想(ビジョン)を策定し、病棟単位で都道府県に報告する制度を設け、医療機関の自主的な取り組みを進めるとしています。一方で,人生の終末期にさしかかる85歳以上の方が急速に増加する超高齢社会においては、病床の細分化(医療)だけでは不十分であり、医療と介護、具体的には、病院、介護サービス事業所、在宅医療を担う診療所、訪問看護ステーションなどとの連携、役割分担が不可欠です。また、多死時代を迎え死に場所がないなど、看取りへの対応も大きな課題です。
本委員会においては、少子・超高齢・多死社会において地域の医療・介護はどうあるべきか提言を頂きたく諮問するものです。


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NO.374 (夏休み)

2014-08-19 11:21:26 | 日記


今年の夏休みは、八甲田ホテルを拠点に、八甲田登山、十和田ビューCCでのゴルフ、十和田湖~奥入瀬の散策と楽しんできました。

写真です。

以下は妻のFBからの引用

お盆休み
 ほんとは釧路のお友達に会いに行く予定だったのに、夏の北海道を甘くみてました~(///∇///)どうしても交通手段が取れずに断念(TT)
津軽海峡は越えられなかったのでしたー(ノ_<。)そこで、車で移動できる青森県へGo♡拠点は憧れの八甲田ホテル♡♡

13日
城ヶ倉大橋を渡って八甲田ホテルへやって来ました!ぶなの林の美しさ、深い渓谷と圧倒的な緑♪ヽ(´▽`)/絶景です♪
八甲田ホテルはフレンチが絶品と聞いていましたが、本当に美味しかったですo(^o^)o
岩ガキ、ホタテ、フィレ肉、添えてあるお野菜もそれだけで甘くて美味しいのに、それぞれのソースで、こんなに素材の味が引き立つのかと驚きでした!岩ガキは食べなれていますが、カリフラワーのクリームソースと相まって更にクリーミーになり、ジュレがかかって二度美味しい♡♡♡♡他のお皿もみんなそんな感じでしたよ♪
和食も侮るなかれ!☆ばんけムースというふきのとうのムースの美味しさにビックリ!!!そんな創作料理の数々。美味しかったです!
そしてここのスタッフのおもてなしの素晴らしいこと♡♡隅々まで行き届いているのに、どこか素朴で暖かいのです。
また是非とも来たいホテルのひとつになりました!(^-^)v

14日はいいお天気♪
八甲田山に登りました~(^^)v
酸ヶ湯温泉から硫黄の香る地獄沢を登り、湿原へ。お花が綺麗です!ひとときのオアシスから一転、八甲田大岳への吹きさらしの岩道は厳しかったです。
しかし頂上からのパノラマの絶景には疲れも吹き飛びましたー\(^o^)/
津軽半島と下北半島に囲まれた陸奥湾。その向こうには北海道が~(*^▽^*)遠く岩木山。弘前、八戸、十和田湖と、青森県が一望できました♪
頂上から反対側にゆっくり降りれば湿原地帯。登ってきた山々を眺めながら青空に浮かぶのは秋の雲、トンボも秋いろ。
とは言え、脚がガクガクのフィニッシュとなりました。無事に下山。酸ヶ湯はお客さんで賑わい、下界は暑いなーと感じました!


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No.373 (慢性疾患重症化予防学会)

2014-08-11 12:26:58 | 日記


週末は、台風直撃の中、兵庫医科大学で行われた慢性疾患重症化予防学会の夏季セミナーに参加してきました。以前、医師会勉強会でもお呼びしたことがある平井愛山先生(元東金病院院長、現千葉県循環器病センター)からシンポジウム「ICTを活用した地域ぐるみの慢性疾患重症化予防」のシンポジストを依頼されたことによります。

http://jmap.or.jp/seminar/246

●企画シンポジウム-2 午後2時~午後3時30分

『ICTを活用した地域ぐるみの慢性疾患重症化予防の取り組み』

座長 香川大学医学部附属病院 教授 村尾 孝児

・ICTを活用した医療・介護連携/ 名古屋大学 教授 水野 正明 先生
・とねっとで高齢化する地域を支える/ 東埼玉総合病院 中野 智紀 先生
・鶴岡地区における脳卒中重症化予防の取り組み/ 鶴岡医師会 会長 三原 一郎 先生


平井先生は、先日も鶴岡で講演頂きましたが、疾病管理MAP(疾患データベース)を活用した糖尿病の重症化予防に情熱的に取り組んでいる高名な先生です。

先生の活動の背景にあるのは、糖尿病患者の4%(人工透析中の患者)に糖尿病関連医療費の40%が投入され、糖尿病性腎症が原因で、毎年16000人が新規に人口透析導入となり800億円の医療費が増加している現実です。医療経済的にも糖尿病腎症による新規透析患者数を減らすことが国の最優先課題とされています。

透析予防指導管理導入の指標は、腎症Ⅱ期 :アルブミン尿、蛋白尿の増加、腎症Ⅲ期以降 eGFRの低下とのことで、リスクのある患者には、早期に多職種協働による糖尿病透析予防指導管理(とくに減塩と血圧管理)を徹底することで、成果をあげています。

重症化予防指導のポイントは以下とのことでした。

・医師主導からコメディカル主導のチーム医療へ
・個別疾病管理から集団(地域)疾病管理へ
・疾病管理MAPを用いた全体の見える化と層別化
・HbA1cの指導から減塩・血圧の指導へ
・長時間少数の指導に加えて、短時間多数回の指導を
・指導介入アウトカムの見える化と患者・家族共有

ランチョンセミナー
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久山町研究から見た慢性疾患の重症化予防
九州大学医学研究附属総合コホートセンター
二宮 利治 先生
-----------------------------------------------
精度の高いコホート研究で、いろいろなことが分かってきているようです。
65歳以上の人が、死ぬまでに認知症になる確率は50%は、衝撃的なデータでした。
脳卒中、虚血性心疾患、認知症の予防は、結局は運動、食事、禁煙なんですね。

以下、講義メモ

久山町:
 人口8400人程度で、都市化は進んでいないものの、人口の減少少ない、
 全国のモデル的な地域。
久山町研究:
 53年前から、保健師と九州大学が主に関わった前向きコホート研究
 検診率 80%
 追跡率 99%以上(追跡できていないのは二人のみ)
 剖検率 75%
高血圧症:
 近年、降圧薬服用者が増加し、血圧コントロールが進んだことから
 160 から 140 まで下がった
喫煙率:
 80% から 47% へ
代謝性疾患:増えている
 3人に一人が肥満
 糖代謝異常が増えている 54%
  (女性では減少の兆し)
 糖負荷試験による診断で → 糖尿病増えている
 とくに、高齢者の糖尿病が増加
虚血性心疾患:
 血圧コントロールの徹底で脳卒中が半減したが、一方、虚血性心疾患が増加
 脳梗塞、虚血性心疾患の危険因子として糖尿病が増加
 メタボリック+糖尿病・高血圧 →脳梗塞、虚血性心疾患のリスクをあげる
 
認知症 断面調査と追跡調査
 精神科受診を含む正確な診断に基づいている
 国の予測よりはるかに多い、
 高齢者の5-6人に一人が認知症 
 認知症の45%がアルツハイマ病で、急速に増加
  75歳以上から急速増加し、単なる高齢化では説明できない
 推計では、2040年で1000万人に(国の予想を上回る)
 60歳以上の人が、死ぬまでに認知症に罹患する確率は50% 
  (国民に与える衝撃が強すぎるため、論文化を躊躇していた)
認知症の予防
 アルツハイマー病に血圧は関連ない
 脳血管性認知症では血圧が関連 とくに中年期でのコントロールが大事
 喫煙者はアルツハイマー病の発症率が高い
 耐糖能レベル と アルツハイマー病とに相関性がある
 糖尿病は、認知症の発症リスク (脳血管性だけでなくアルツハイマー病も)
 糖負荷試験をしないと発症リスクはわからない(HbA1cではだめ)
 アルツハイマ病の確定診断医には病理所見が不可欠だが、
 剖検で、糖尿病関連因子と認知症との関連が示された
 運動習慣は、リスクの減少
  アルツハイマー病発症リスクを40%下げる
 認知症発症リスクを下げる食事パターン
  大豆、野菜、海藻類、魚、(日本食に近い)
  一方で、少ないほうがいいもの → お米、お酒、

 ひさやま方式
  住民を中心に、開業医、大学、町役場が協力
  久山町生活習慣病予防対策推進協議会
  久山健康づくり委員会 メンバー17名でより具体的な検討 
  PDCAサイクルを回す、大学の役割は CとA

 「健康みらい予報」を活用した保健指導
  検診結果、喫煙、運動習慣などを総合的に分析し 発症リスクを提示するソフトを開発、このソフトを利用することでよりリアルな保健指導を実施している。

   評価
    短期:行動変容、
    中期:糖尿病発症率、有病率の減少
    長期:糖尿病の合併症の発症率減少、健康寿命の延伸、医療費の伸びの抑制


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No.372 (緩和ケアを学ぼう会)

2014-08-08 12:06:59 | 日記
今日は、めっきり涼しくなりましたね。

庄内プロジェクトの活動の一環として、おもに介護系職種を対象とした緩和ケア~
在宅医療の研修会を、和泉先生を中心に定期的に行っています。その報告が、庄
内プロジェクトMLにありましたので、転載します。

地域の多職種連携の輪が広がり、さらに深化している様子が伺われます。

鶴岡のすばらしいところは、さまざまなレイヤー(職種)の方々が、それぞれの
ポジションでしっかりと成果をだしていることだと思います。
すばらしいことです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつもお世話になっています。
荘内病院 和泉です

大変報告が遅くなりましたが、6/27(金)に開催しました第1回緩和ケアを学ぼ
う会のアンケート結果がまとまりましたのでご報告します。

参加者、79名、ケアマネジャー、看護師、介護士、薬剤師、保健師、相談員、
PT/OT、薬剤師の参加がありました。


今回は新たに薬剤師会の協力のもと、薬剤師からの講座も短時間取り入れていま
す。また案内も薬剤師会にながし、今回は薬剤師さんの参加も9名ありました。
また篠田さんから、薬剤師にはこんなことを在宅患者にやっている、というお話
の内容もわかりやすく、それをメインに聞きにこられた参加者もいたようです。

今後、福祉職と薬剤師さんの連携作りにもつながっていけそうです。各職種の専
門性が他職種を助けられる、つながっていく、とても良い感触を持ちました。企
画して良かったと思います。

また、今回のメインテーマが、グリーフケアでした。悲嘆のケアについての系統
的講義、荘内病院緩和ケアチームで行っているグリーフカードや電話訪問による
遺族ケア、また、系統的な悲嘆の評価を行って積極的に実践されているハローナー
ス訪問看護師の遺族訪問について発表があり、生前からグリーフケアが始まるこ
と、遺族へのケアの大切さ、などに気づかされました。

ハローナースの遺族訪問は、お忙しい中、本当に頑張っていて(診療報酬が全く
つかないのに)、素晴らしいなあと感動しました。病院では遺族への支援はほと
んど行われていないことも改めて感じた次第です。

ご家族もそうですが、ご遺族となった方が、自分の気持ちを話す場がないことに
気づかされることが増えました。継続的な家族ケアを少しずつ取り組んで行くこ
とも考えてみたいですし、病院では、遺族会のようなものはできていませんので、
今後取り組むべきことの一つに挙がるかもしれない、と個人的には感じました。

患者自身、ご遺族として看取った方自身が、自分の経験を分かち合って、同じ境
遇に置かれた方同士で、お互いを支える力となっていくことも、安心して最期ま
で過ごせる地域作りには大切なことではないでしょうか。

今回の会で、地域での緩和ケアが広がって来ていることを実感しました。

緩和ケア学ぼう会のアンケート結果です。

https://drive.google.com/file/d/0BzItwTwB_6zeTTVJeDc2WDZmelU/edit?usp=sharing



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