日本三大絶景ブルベと主催のランドヌール札幌が胸を張る、F大谷さんプロデュースの「BRM520十和田クラシック200」。後半の絶景コースに突入♪(前編はこちら)
74.7キロ地点のPC1の発荷峠から下り始めた途端、目の間に絶景が広がった。と、言いたいところなのだが、曇り空なんでねぇ。晴れたら見えるはずの八甲田山は雲の中。十和田湖の湖面も鉛色と、どんよりとした空と同様に冴えないが、まあ、それはそれでなんとなく神秘的な雰囲気がしないでもない。これは晴れた日にリベンジですなと思いながらも、せっかくここまで来たことだしと何度もストップして写真を撮りまくった(^_^;
十和田湖。絶景のはずが…
十和田湖
十和田湖
十和田湖
さてと、時刻は午前11時前。ちょっと早いけどお昼にしましょう♪ 発荷峠から下って少し行った先でコースを外れ、休屋の観光交流センターや遊覧船乗り場の近くにあった「お食事処 かえで」にピットイン。ヒメマスをおすすめされたが、ここはバラ焼き定食(1600円)の一択だよね。鍋から蒸気が出始めたらふたを取ってお肉を裏返してね。お肉は味がついてるからそのままで。牛肉だから多少赤くても大丈夫と言われ、じっと蒸気が出始めるを待つ。
5分が長かったなぁ(^_^;
美味しかったのだけど、発荷峠でいただいた「殿さまあんぱん」が効いたのか、お肉は平らげたけどご飯まで完食できず。無念。それでもおばちゃんに「頑張って」と送り出された。遊覧船付近で写真を撮ったこともあり、30分近くここに滞在したのかな。
バラ焼き定食。まず5分ほど待つ
バラ焼き定食
十和田湖・休屋の遊覧船乗り場
雨も上がり、快調に奥入瀬へ向かう
湖畔を10キロほど走ると、いよいよ奥入瀬渓流。十和田湖の子ノ口(ねのくち)から渓流館のある焼山(やけやま)までの約14キロの清流で、十和田湖から流れ出しているため下り基調だ(^o^) 路面は濡れ道幅も狭いが、車の通行量は思ったほど多くなく、快適に走っていける。渓流は遊歩道へ入らなければ見えないのではと想像していたが、国道のすぐそば、それも進行方向に沿って流れているので常にせせらぎを間近に見ながらのライド。いやぁ、最高♪ でも、見どころだらけで、どれが推しなのか分からないのは困ったけどね。
もうすぐ奥入瀬渓流
奥入瀬渓流・子ノ口付近
奥入瀬渓流
奥入瀬渓流・雲井の滝
夢のような渓流ダウンヒルの後は、標高1040メートルの傘松峠への16.4キロのヒルクライム。本日のメインイベントだ。平均勾配は5%なのでなんとなく大観山のような感じかなと思っていたが、とんでもない。きつかったよ(T_T) 途中の蔦温泉で一瞬の下りがあったが、あとはブナ林の中をひたすら上り続ける。焦らず、我慢我慢。回していればいつかは着くと言い聞かせる。
ブナ林の中を走る
蔦温泉
直進が傘松峠。右がDNFコース
標高800メートル手前から周囲に残雪が現れたのには驚いた。上っているので寒さは感じないが、下りは寒そうだ。さらに霧もたちこめてきた。先が見通せず、対向車線の車が白いベールの中から突然現れる。八甲田山死の彷徨ならぬ、霧の行軍である。雰囲気出てきたなぁ。
猿倉温泉への分岐
残雪現る
霧と雪。ムード満点
霧の中をおっかなびっくり走り、121.2キロ地点のピークにたどり着いたのは午後2時2分。少し手前の勾配が緩く直前できつくなったと他の参加者が話していた。言われればそんな気がするのだが、あまり記憶にない。もうヘロヘロだったしね。
傘松峠
ウインドブレーカーを着込んでダウンヒルを開始したが、それほど寒さは感じない。そういえば雪の回廊はどこにあったんだろう。その名残りぐらいはあるかなと思って注意していたのだが、気がつかないまま通り過ぎたようだ。
でね。晴れたのよ、急に。それもピーカンの青空。信じられん。暑くてたまらなくなったのでウインドブレーカーは脱ぎ捨て、以降は必要なし。
晴れた! 青空の中に八甲田山
暑いよ〜
傘松峠で今日のブルベは終わり。あとは下りと平坦でゴールと思っていたが、そうは問屋が卸さないんだよね。小さなお山がいくつかあるのは知っていたが、これがきついの何のって。特に国道103号を離れ、八甲田山雪中行軍遭難事件の田代平(たしろたい)へ向かう県道。ガーミン先生によると距離2.5キロで平均勾配6%。このままだと137.2キロ地点の旧銅像茶屋の通過チェックに間に合わないんじゃねと心配になってきた。通過チェックなのでタイムオーバーしてもいいのだが、そこは気持ちの問題で一応クリアはしておきたい。
旧銅像茶屋には午後2時57分にたどり着いた。参考クローズ時間の11分前。セーフ(^o^) そして、茶屋の前で証拠写真を撮った後、振り向くと、おぉ、八甲田山じゃないか! 晴れたおかげでくっきり。いいねぇ。ところで銅像茶屋というぐらいだから近くに銅像があるはずなのだが見当たらない。と思って後で調べると、コースとは逆側に後藤房之助伍長の銅像があったようだ。
旧銅像茶屋
振り返ると八甲田山
ここからしばらく続く下りの途中に遭難事件の鳴沢第二露営地、平沢第一露営地があるのだが、どちらも全く気がつかず通り過ぎてしまった。ま、下りだからね、仕方ない。
その下りはあっという間に終わり、性懲りもなくまた緩やかに上り始めた。なかなか楽にさせてくれないねぇ、このコース。そして再び、霧! さっきまで晴れてたのに。ここは遭難事件の現場ではないが、いやな予感が…「死の彷徨」のムード満点。なんてね。
また霧が…
145キロ地点の又兵衛の茶屋で最後の休憩をしていると、不思議な男性に出会った。ブルベをやっているので見に来たと言う。車で来ていて、ここまでに何人かとすれ違ったらしい。ええ、僕は最後の方だから前に何人もいるでしょうね。「あの峠を越えるなんて凄い」と言ったり、キューシートを見て「こうやって走るんですね」と驚いていたので、ブルベな人ではなさそう。興味を持ってもらえるのは嬉しいが、奇特な人だねぇ。
で、この茶屋先からまた上り。ガーミンのクライムプロによると1.57キロ、平均勾配4%。しかし、これが最後の上りではなく、190キロ過ぎにまだ2つ残っているのはなぜだろう。間違いであって欲しい。
待望の下りは150キロ付近から始まった。下るにつれ、霧は徐々に消えていった。いいぞ! ヒャッホー♪
しかし、快感のダウンヒルはたった10キロほどで終わってしまった。あんなに上ったのに何でやねん。
そして国道102号に出た途端、始まる向かい風地獄。21.2キロの間、曲がることなく走り続けるので逃れようがない。足もほぼ終わりかけており、平坦なのに時速も20キロ前後しか出ない。見るものも見ちゃったし、もうやめちゃおうか。でも、やめても走って帰るしかないんだけどね。
21.2キロを走りやっと右折ポイントにきたが、斜め右に折れるだけで進行方向はあまり変わらず、向かい風は続く。次の右折ポイントは16キロ先だ。はぁ…。
最後の上りは2回のはずだったが、クライムプロにない、つまり距離500メートル以上で勾配が3%以上ではない上りも現れたりしてますますモチベーションが下がる。こんなつらい200キロは初めてだ。アオバもヒドイが、サッポロはもっとヒドイじゃないか。ゴールへ向けての2キロのダウンヒルがなかったら許さないところだぞ。
八戸へ帰ってきた
ゴールは午後6時9分でタイムは予想に近い12時間9分。獲得標高は2702メートル。観光したし、お昼もしっかり食べたし、上りの距離を考えるとこんなもんでしょう。雨じゃなきゃもっと良かったんだけど、満足満足の200キロだった。
夜はchicorynさんやスタッフ、参加者の方と八戸の幸に舌鼓♪ 来年はぜひ晴れてね!(また行けるといいな)(続く)
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