中村です。
今回は「ちょっとうれしかった」話し。
4月にある業界団体のビジネスマナー研修を担当する。昨年もその
研修を担当し、その際の受講者アンケートをつい先日受け取った
20数名の受講者は、リーダー格の社員から現場で働く新入社員ま
で年齢はもちろんのこと、立場も職種も受講目的も様々。
しかも、主催側の代表者から、
「私ども主催の初めてのスクールなんでよろしくお願いします」
と言われ、思いっきりプレッシャーを感じながら臨んだことを記憶している。
アンケートは無記名。いくつかの項目に対して5段階評価でチェックし、
その下に自由回答欄がある。
◆講師の話しが面白かった
◆説明がわかりやすかった
◆笑顔が良かった
これらの褒め言葉で喜ぶほど初心ではない
嬉しかったのは ↓
「なんのためにそうするのかという『考え方』を教えてもらったので、
意識をしっかり持っていたらスキルはあとか らついてくると思った」
「今まで、マナーなんて(自分にはあんまり必要ない)と思っていたが、もっ
と勉強したくなった」
「恥ずかしがらずに最後は上手く声も行動も起こせた」
「自分ではできているつもりでいたけど、できていなかった」
研修という限られた時間の中で、自分は受講者に「何が伝えられるか?」
「(自分で)できることは何か?」この仕事をやり始めてから、ず~っと考え
続けている。
できることはそんなに多くない。
① 自己への『気づき』を与える
② 自己開発に取り組んでみようという気にさせる
③ 上記をもとに「(やれば)できた!」体験をさせる
これさえも難しい。まだまだ上手くいかない
ただどんな研修の際も、どのタイミングで、どのような指摘やスト
ロークをどんな風に出そうか常に考えている。また、「あの人が言
うんだったらやってみよう」と思われる自分であるために、自分の
立ち居振るまいには気をつけようとはしている。
さらに、ビジネスマナーにしてもコミュニケーションにしても、「何
のためにそうするのか」という目的(ねらい)を意識して動
くことが大切であって、細かな手順や言い回しは2の次3の次だ
と私自身は思っている。研修の場面では、
これをいかに伝えるか?にポイントを置く。
細かなことにとらわれ過ぎると、イレギュラーな場面で身動きがと
れなくなる。
ビジネス社会はイレギュラーーの連続
自分で組み立てた筋書き通りにはいかない。その場その場で適切
な状況判断を行うことが求められる。
「お茶は右から出すんですか?それとも左からですか?」
「エレベーターは自分とお客様どちらが先に乗ってどちらから降りる
んですか?」
これらはよくされる質問。また、「あるビジネスマナーの本に~と書い
てあったんですが、どちらが正しいんですかぁ~」と聞かれることもあ
る。
表面上「それはね・・・・」と説明をするが、心の中では
そんなことどっちゃでもええねんって
その場その場で正解は変わる
絶対的な正解なんかないんじゃぁ~
また、名刺は「この向きに」「この位置に」「この手順で」など事細かく
暗記させても、初対面の人との名刺交換という緊張の場面で頭が真
っ白になってしまっては意味がない。
そんなことよりも、「なんのためにお茶を出すのか?」「そもそも名刺
はなんのために出すのか?」がわかっていれば、(お茶は)どこに出
すのか?(名刺は)どちらの向きに出すのか?はおのずとわかってく
るはず。
今回のアンケートで、私自身が日頃「自分の役割はコレ」「このことを
伝えたい」と思っていることが、受講者に伝わっていると理解できた。
このことが何よりも嬉しい
これからも自分が伝えられることを精一杯伝えていきたい