チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

ブックハンター「親子で学ぶ英語図鑑(下)」

2016-02-14 13:13:13 | 独学

  105.  親子で学ぶ英語図鑑(下)  (キャロル・ヴォーダマン著 リービン・リザーズ訳 2014年10月発行) 

     Help Yours Kids with English  by  Carol Verderman    Copyright©2013  

 本書は、小見出しを並べればいいのではと、軽い気持で始めましたが、最初のもくろみは狂いだし、(前)、(後)としましたが、(後)の方が、制限文字数を超えたために、さらに(上)、(中)、(下)の三部構成になってしまいました。

 これは、私自身が本書をよく理解してないことが、最大の原因ですが、最初に英語の全体像を探ると宣言していたために、途中で終らせることも出来ませんでした。

 でも、イギリスの親子でも、単語のつづりが誤りやすく、混乱する単語で、苦労しているために、不規則な単語のつづり(Irreguler word spelling)、例として、beautiful(美しい)など、紛らわしい単語(confusing word)、例として、device(装置)とdevise(考案する)などが紹介されてます。

このようにイギリス人にとっては国語ですが、私のような問題を生じて、それを1つ1つ克服する努力をしていることを知って、勇気をもらい、日本人である自分は漢字をもっと学ばねばと感じました。

 発音については、従来は紙の辞書の発音記号で読んでましたが、今は電子辞書で音声が得られるので、難解な発音記号から解放され、日本の英語のレベルも向上すると思います。

 

 『 第4章 コミュニケーション技能

 76. 効果的なコミュニケーション (Effective communication)

 「コミュニケートする」(communicate) とは、考えや情報を他人と交換することです。「効果的にコミュニケートする」とは、考えや情報を、それが意味するものを相手に正確に理解してもらうようにやりとりすることです。

 正しいメッセージを送るためには、調子 (tone) は、文章の目的によって、決めなければなりません。 効果的なコミュニケーションをするためには、ふさわしい言葉づかい (language) で書かなければなりません。

 レイアウト (layout) は、文字の大きさや色、文章の配置をそれぞれの形式に従います。 方法 (method)は、 eメール、手紙、はがきなど、の適切な手段を選ぶことです。

 77. 適切な単語を選ぶ (Picking the right words)

 文章の目的と受けてにふさわしい明快な単語が大切です。いつも同じ単語を使っていると、読み手は退屈してしまいます。

 例えば very (非常に):incredibly、truly、unusually、extremely、 nice (すてきな):pleasant、charming、agreeable、delightful、 lots of (多くの):countless、many、numerous、myriad などです。

 got (手に入れた):acquired、obtained、received、 great(すばらしい):wonderful、fabulous、fantastic、incredible、  then (その後):next、finally、later、 fun (楽しい):amusing、enjoyable、thrilling、entertaining などです。

 78. 関心を引く文を作る (Making sentences interesting)

 出来のよい文章とは、意味がわかるだけでなく、興味深く読める文で書かれているものです。

 例えば、単文と重文と複文を混ぜる、テンポ(pace)を変える、出だしを変える、詳細を加える、などです。

 79. 計画立案と情報収集 (Planning and research)

 優れた書き手は常に、頭の中でというよりはむしろ紙の上で作業計画を立てます。計画を練ればいろいろなアイデアが生まれ、それらをわかりやすく構造化することができます。さらに、書き忘れも避けられます。

 最初のメモ書き: 計画立案は関連するアイディアや単語や語句をすべてメモすることから始めます。これはメモを書きつけて視覚化する方法で、マインドマップ(mind map)と呼ばれます。

 書いた主題を全体的に把握するためには、情報を収集し、具体的例や引用や統計を手に入れることが大切です。そのとき情報源は書きとめます。

 計画を練る: 次の段階では、アイディアや調査結果を体系化し、段落を使って明確な構成にします。

 80. 段落分け (Paragraphing)

 段落は文章を体系化するのに使われます。エッセイや記事や手紙のような長い文章を書くときには、段落に分けて構成することが大切です。

 よい出だし : 第一段落では、文章の主題(何について書くか)を提示します。読みたくなるように、読み手の注意を惹きつけることも必要です。

 新しいアイディアは新しい段落で : 1つの段落内のすべての文は、お互いに関連していなければなりません。新しい論点には、新しい段落が必要です。

 主論文 (topic sentence) : 段落は主題文で始めると効果的です。これは、その段落の要旨を紹介する陳述(statement)のことです。そして、その段落の残りの部分で、主題文を展開したり、裏づけとなる証拠を示したりするのです。

 強い印象を残す : 結論部では、主題を要約し、その主題について最終判断を下します。最初の問題提起に答えるだけでなく、理想的には導入部で述べたすべての論点を押さえるべきです。

 81. ジャンル、目的、受け手 (Genre, purpose and audience)

 書き手は、誰に向かって何のために書いているかだけでなく、どんな種類の文章を書いているかをよく考える必要があります。表題の3要素は、表現形式や言葉づかいに影響を与えます。

 ジャンル(GENRE) : ノンフェクションの文章は、話の筋より事実に基づいた文章です。たとえば、新聞や雑誌の記事では最上部に見出しがあり、本文は段組みになります。一方、手紙では最上部には差出人の住所が盛り込まれます。

 目的 (PURPOSE) : 文章の目的とは、書く理由のことです。百科事典でパリについての記述は、読者に知識を与えることを前提にしてます。一方、パリ休暇の広告は、訪れてほしいと読み手を説得するのが目的です。

 受け手 (AUDIENCE) : ノンフェクション文章には常に、対象となる受け手がいます。大人、ティーンエージャー、子供、特定の興味や専門知識を持った人たちかもしれません。 』

 

 『 82. 文章を読んで説明する (Reading and commenting on texts)

 ある文章に関する設問に答えるときは、設問内容を理解し、文章中から適切な情報を見つけ出し、それを使って的確な解答を書かなければなりません。

 質問を理解する : 第一段階は、質問を読んで、何を聞いているかを理解することです。どんなに巧みに答えても、論点がずれてしまえば、不合格です。

 正確な情報 : 次の段階では、課題文を読んで、設問に関係する情報や文章の特色を見つけ出します。

 論拠を示す : 何かの文章について論じるときは、取り上げた論点ごとに論拠を示さなければなりません。

 83. レイアウトと表示機能 (Layout and presentational features)

 レイアウト〔割付け〕とは、文章をページ内に割り振る方法のことです。表示機能とは、図版(picture)や見出し(headline)や書体(font)や刷り色のような、文章を特徴づける個々の表現要素のことです。

 84. 情報を伝える書き方 (Writing to inform)

 リーフレット、百科事典、新聞記事、手紙といった情報伝達の文章は、ある主題についての「情報」を読み手に提供します。説明書(instruction)を使って何かやり方を教えるものもあります。

 85. 新聞記事 (Newspaper articles)

 新聞記者は読み手に情報と娯楽を提供するために、いくつかの技法を使います。刊行物のタイプや読者対象によって、記事の具体的な内容と文体が決まります。

 86. 手紙と e メール (Letters and e-mails)

 略式の手紙 : くだけた手紙は、友達や家族や年下の人など、差出人が知っている相手に出すものです。くだけた手紙はおしゃべり口調になりますが、それでも決まったレイアウトに従います。

 e メール : 友達や家族に出すe メールは、特定の規則に従う必要はありません。しかし、適切な言葉を使い、わかりやすい構成にすべきです。

 87. 影響を及ぼす書き方 (Writing to influence)

 反論したり説得したりする文章は、読み手に影響を与えることを狙っています。しかし、反論と説得には微妙に違いがあります。反論では、反対意見を受け入れつつ、それに対して十分筋の通った反論を加えるのがふつうです。説得する文章は、反論よりも一方的で、より感情に訴えるものです。

 88. 説明したり助言したりする書き方 (Writing to explain advise)

 説明や助言のための文章は、情報を伝える文書とまぎらわしいかもしれません。しかし、説明や助言には、情報だけでなく理由、感情、提案が含まれます。助言は権威を保ちながらも、友好的でなければなりません。共感のこもった肯定的な調子にすれば、読み手を励ますことができます。

 89. 分析したり論評したりする書き方 (Writing to analyse or review (米)analyze)

 分析も論評も、テーマを深く考察するものです。ただし、分析ではバランスのとれた判断をするのに対して、論評ではふつう、自説を主張して個人の信念を述べます。

 分析が客観的であるためには、三人称話法が用いられます、例えば、It is often argued…(よく言われることですが~)、It seems likely…(どうやら~のようです)、There is evidence to suggest…(~を示す証拠があります)、Many people believe…(多くの人は~を信じています)、It is sometimes stated…(時々言われることですが~)などです。 』

 

 『 90. 描写する書き方 (Writing to describe)

 物語から広告まで、多くの文書で描写技法(description)が利用されます。描写する文章では、特別な単語を使って読み手の脳裏に生き生きとしたイメージを浮びあがらせるようにします。

 比喩的な言い回し : 比喩表現(figurative language)は誇張法の一種です。より生き生きとした描写にするために、物事を対比させて類似点を示します。 

 直喩 (simile): 直喩は、as や like という単語を使って、あるものを別のもので例えることです。 隠喩 (metapher) : 隠喩は、あるものの特徴を別の単語や語句で表現するものです。  擬人法 (personnification): 物事や考えに人間の行為や感情を当てはめることを擬人法といいます。 

 91. 個人的な体験に基づく書き方 (Writing from personal experience) 

 自分の人生や個人的体験を伝えるとき、それは自伝体の文章といいます。自伝(autobiography)自体が1つのジャンルですが、スピーチ原稿やアドバイス集など別のタイプの文章でも使われ、それらに人間的な雰囲気をつけ加えます。

 最も古い記憶、困った出来事、特にうれしかった・悲しかった・恐ろしかった・誇らしかった瞬間などは、すばらしい主題です。時には、出来事を時系列に、書きだし、人生図(Life map)をつくって見たり、自分のテーマを視点として見るのも、一つの案です。

 92. 物語の書き方 (Writing a narrative)

 物語とは、いろいろな出来事を因果関係によって結びつけた話のことです。すべての物語には語り手、筋書(plot)、登場人物、場面設定が必要です。話によっては、登場人物同士の言葉のやりとりを表す対話部分も含まれます。

 誰の視点か? : 語り手とは、話を進める人のことです。語り手が作中人物で、その人の視点で出来事を語るなら、物語は一人称で書かれます。語り手がその話の外にいて、登場人物を he とか she とか they で指すときは、3人称で書かれます。

 93. ウェブ用の書き方 (Writing for the web)

 オンラインの読み手はふつう、特定の情報を探しています。あいまいなら、あるいは知りたいことが載っていなければ、そのサイト(website)から去ってしまいます。オンラインの書き手は、読み手の関心を持続させるために特別な技法を使います。

 キーワード : ウェブは巨大で、同じテーマのサイトが山ほどあります。ウェブの書き手は、利用者が検索エンジン(search engine)で調べる「キーワード」を盛り込んで、内容が簡単に見つかるようにすべきです。

 これを「検索エンジンの最適化」(SEO)といいます。つまり、見出しや小見出しを検索しやすいものにするのです。 SEO : Search Engine Optimization の略称です。より多くのウェブ利用者に読んでもらうために、そのサイトが目に触れる度合いを高める作業のことです。

 94. 台本の書き方 (Writing a script)

 ナレーションや演劇の台本は、声を出して読んだとき効果を発揮するように書くべきです。演劇の台本はストーリーを描きますが、書かれた物語とは違い、演じられるものです。演劇台本は劇場、テレビ、ラジオ、映画のために書かれます。 それぞれの表現方法は少し違いますが、共通の特徴があります。

 ト書き〔指示〕 (directions) : 台本にはト書きをいれて、舞台上の一人一人がどう行動するかを指示します。ト書きは、俳優がいつ登場し退場するか、どんな調子でせりふを言うかなどを示します。

 対話 (dialogue) : 対話とは、登場人物間の言葉のやりとりのことです。演劇では、対話と行動によって筋立てが展開していくため、せりふは起こっていることを観客に伝える働きをします。

 95. 改作 (Re-creations)

 改作に取りかかる最良の方法は、まず原作を読みこむことです。筋立てとなる出来事や主な登場人物など、原作の重要な要素を盛り込まなければなりません。さらに、その話が持っている気分や雰囲気のような点にも気を配ります。

 96. 点検と編集 (Checking and editing)

 どんな書き手でも、ミスをすることもあれば、より優れた着想を持っていることもあります。書き終えたあとは十分に時間をとって、誤りをチェックし、文章の質を高めることが大切です。

 最も重要な作業の一つは、つづりのミスをチェックすることです。手書きの文書で修正するときは、線で消して、その上に正しいつづりを書きます。

 注意すべき文法的なミスには、不完全な文、正しくない語順、動詞の数の一致ミスなどがあります。いろいろな句読点は、見た目は小さなものですが、正確に使わなければなりません。

 97. 話し言葉 (The spoken word)

 人の話しぶりは、出身地や話す相手といったさまざまな要素に影響されます。話し言葉を書いたり分析したりするときは、これらの要素をよく考えることが大切です。

 会話をしているとき、単語を省いたり不完全な文を使ったりすることがよくあります。haven't や couldn't のような短縮形は、書き言葉よりも話し言葉でよく使われます。言いやすく、会話の流れをスムースにするからです。

 98. ディベートとロールプレイ (Debates and role plays)

 ディベートとロールプレイは会話の一種ですが、どちらも前もって準備する会話です。ディベートは、ある主題をめぐる正式な話し合い、または討論のことです。 ロールプレイ〔役割演習〕とは、参加者がそれぞれの役割を演じる架空の筋書のことです。自分が持つ役柄の人間が特定の状況でどう行動するかを検討することです。

 99. スピーチ原稿の書き方 (Writing a speech)

 私たちがスピーチをする理由はさまざまですが、多いのは仕事や社交の場でのスピーチです。スピーチ原稿を書く技法は、ほかの文章の場合と似ていますが、スピーチ原稿は、声を出して読んだとき効果を発揮するものでなければなりません。

 優れたスピーチはたいてい短いものです。アブラハム・リンカーンのゲティスバーグでの演説(Gettysburg Address)は歴史上最も有名なスピーチの1つですが、3分もかかりませんでした。

 100. プレゼンテーションの技術 (Presentation skills)

 よく書かれたスピーチ原稿でも、発表の仕方がまずければ退屈なものになります。明快に話し、適切な声の調子や身振り、さらには子道具(prop)も使って聴衆を引き込むことが大切です。

 画像、グラフ、表などを使って、解かりやすく説明し、要点をまとめることも必要です。 以上でコミュニケーション技能は、終了です。 』

 

  最後に英語の全体像として、私のイメージを書きます。

 文字(letter)・アルファベット(alphabet) ……→ 単語(word) ……→ 文(sentence) ……→ 会話・物語 となります。 

最初の部分をもう少し分解しますと

 文字 → 音節(syllable) → 語根(root)・接頭辞(prefixes)・接尾辞(suffixes) → 単語 となります。

英語は基本的には表音文字ですので、英語を母国語としている人は、自然に初めての単語でも、音節(音節には、一つの母音が含まれます)で発音し、語根で意味を類推していると思います。

語根(root)・接頭辞(prefixes)・接尾辞(suffixes)の関係は、漢字の扁(へん)と旁(つくり)によって構成されていることに、似ています。次のステップを分解しますと

 単語 → 名詞・動詞・形容詞・副詞… → 句動詞・名詞句・副詞句… → 節(clauses) → 文 となります。

 単語は、文の中では品詞としての役割を受け持ちます。句動詞は、動詞に副詞、前置詞が付いて、一つの動作を表現します。節は主語と動詞を含む語群のことです。さらに最後の部分を分解しますと

 文 → 段落(文のまとまり) → 文体・構成・格調… → 会話(conversation)・詩(poem)・スピーチ(speech)・論文(article)・物語(story)・台本(script) となります。

 ここからさらに、名スピーチや名著への道は遥か彼方ですが、努力次第で誰にでも、そのチャンスはあるのではないでしょうか。 (第104回)