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就活ウェブテストでは何みられてる? 

2020年04月09日 17時45分22秒 | 雇用と職のこと
就活ウェブテストでは何みられてる? 配属先に影響も


エントリーシートや面接の陰に隠れておろそかにしがちなのがウェブテスト(適性検査)対策だろう。就活生の性格や能力などを企業が診断するのが目的だが、奇問や難問に直面する先輩たちも多かったようだ。どのように対策したらよいのか。就活探偵団が探った。

1月末、東京・お茶の水にあるオフィスビルの一角を訪れると、リクルートスーツを着た就活生が一人、また一人と出てきた。「途中から問題が難しくなってきて焦った」。その中の一人、金沢大学大学院1年の塚田学さん(仮名)は表情を曇らせながらこう語った。

ここは「SPI」という適性検査を受けるテストセンター。会議室のような場所にパソコンが備え付けてある。塚田さんのパソコン画面に出てきたのは「AさんやBさんらはそれぞれ次のように証言している。3人の人間関係について、必ずしも誤りと言えないものはどれか」。考えている間も制限時間を示すマークは刻一刻と動き、マウスを持つ手が震えた。

計算問題や文章の並べ替え問題を順調にこなせただけに悔しさがにじむ。「先輩から教えてもらった参考書を一周しましたが……。もう少し対策すればよかったかな」

社会人1年目の藤原浩介さん(仮名)は一昨年、ある大手IT(情報技術)企業の選考で受けたウェブテストが忘れられない。「入社後に活躍している私」というお題に合わせて、三角や丸、星などの図形を画面上に配し、イラストを完成させるという内容だった。「何を評価しているのか分からなかった」と話す。

 ■コンプライアンス意識も測る
 
このようなテストを提供する企業のホームページを見ると「コンプライアンス傾向」や「ストレス耐性」などを見ていることが分かった。テストを扱う販売代理店関係者に聞くと「能力検査とは違い、受検者が企業に与えるリスクなどをみているようだ」といった説明があった。従業員が不適切な動画を投稿する「バイトテロ」などが話題になるが、就活生のコンプライアンス意識を測るこういったテストは一定の需要があるそうだ。


ウェブテストは主に3~4月のエントリーシートの提出と同じ時期に面接前の予備選抜として実施されることが多い。私用のパソコンで受けられるものと企業指定のテストセンターで受けるものがある。


就活サイトを運営するワンキャリア(東京・渋谷)によると、対策本が販売されている主要なウェブテストは9種類。なかでもシェアの高い代表的なテストがリクルートマネジメントソリューションズ(MS、東京・品川)の「SPI」、日本エス・エイチ・エル(SHL)の「玉手箱」と「WebGAB」、ヒューマネージ(東京・千代田)の「TG―WEB」の4つだ。


 一部で英語の問題があったり、難易度の差があったりはするが、設問はいずれも計算問題などで論理的思考力を測る能力検査と「外向的」「内向的」などの性格の傾向を測る性格検査の2種類からなる。学校で受けるような知識の確認や応用をみる学科試験とは異なり、受検者本人がこれまでの人生で積み重ねてきた論理的思考力や本来持つ性格の特徴をみているという。

導入は増加傾向 
ウェブテストを導入する企業は増加傾向だ。リクルートMSによるとSPIの利用社数は増えており、2019年3月期は約1万3200社と過去最高だった。

背景には採用活動の通年化がある。インターンシップ(就業体験)経由の早期選考もあるため「学生によってエントリーの時期がバラバラになり選考期間が長引いている」(大手メーカーの採用担当)。多忙な人事担当者を補佐する目的で、ウェブテストを利用するケースが多いようだ。

マイナビの調査によると、3月に最も頭を悩ましている就職活動では「筆記試験やSPI対策」と答えた人は全体の12%を占めた。採用活動の前倒し傾向も反映してか、SPIの対策講座を提供する日建学院(東京・豊島)によると「ここ1~2年は10月から年末にかけて申し込みが増えている」という。

ウェブテストでは通常、「何点取れば合格」というボーダーは開示されない。「ウェブテストに落ち続けて選考に進めない学生もいる」(就職情報大手ディスコの武井房子上席研究員)など対応に苦しむ学生もいるようだ。

では就活生は具体的にどのように臨めばよいのか。都内のある私大のキャリアセンター担当者に聞くと「学生には参考書を2回繰り返すことを薦めている」という。個人差はあるが、1日1時間問題を解いて、1カ月ほどかかるそうだ。

リクルートMSでSPIの開発を担当する園田友樹開発部長は「受検前に問題形式を把握しておくとよい」と助言する。パソコンの操作をはじめ、計算や文章読解といったパターンを知らないと、本来の能力を十分に発揮できないからだ。


 ■対策本を解いても点数アップしない?
 
とはいえ、園田氏は「対策本をくりかえし解いても点数アップにはつながらない」と指摘する。過去に事前学習を実施した人と実施しなかった人で得点を比較したところ、両者の間で大きな差異はみられなかったという。勉強して点数が上がってしまわないように「対策本で既出のものは本番の問題から削除している」(園田氏)という。

ウェブテストの結果は入社選考で使われるだけではない。ある大手商社は採用時に社員が受検した「SPI」のデータを人工知能(AI)に学習させて、今後活躍する人材の予測に役立てている。入社9年目から15年目までが分析の対象だ。高い業績を残す「活躍人材」をあぶりだし、採用や配属、人材育成にいかす試みを進めている。


日本SHLの清田茂取締役は「入社時のテスト結果を社員の配属に活用する動きがここ2~3年で増えた」と明かす。テスト結果が入社後もついて回るならば、テストで「よい人物」を演じるのではなく、正直に受けておく方が巡り巡って自分のためになりそうだ。

(企業報道部 平岡大輝、橋本剛志)
 [日経産業新聞 2020年2月5日付



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新型コロナ 欧州のピークは1~2か月先か>終息には数年必要か:WHO上級顧問渋谷氏

2020年04月09日 17時30分30秒 | 国際情勢のことなど
新型コロナ 欧州のピークは1~2か月先か

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、WHO(=世界保健機関)のテドロス事務局長の上級顧問を務める渋谷健司氏がNNNの単独インタビューに応じ、イタリアやスペインなどヨーロッパ各国で感染拡大のピークが来るのは、今後1~2か月先になるとの見通しを示しました。



WHO事務局長上級顧問・渋谷健司氏「(ピークは)イギリスにおいては、やはり5月6月以降だと思いますけれども、欧州においては、これから1~2か月の間、社会的隔離がゆるくなると、また感染(拡大)が戻る可能性が大きい。一般的にこうしたパンデミックが終息するまでに、人口の60~80%が免疫を持つまでは続くといわれています。(終息までに)数年かかるんじゃないでしょうかね」

また、渋谷氏は、イギリス政府が過去に感染していたかどうかを判別するため、大規模な抗体検査を行うと表明していることについて、「感染率を正確に把握するために必要だ」と評価しました。

さらに日本の現状について、「感染爆発がいつ何時起きるかわからない」として、場合によっては、ヨーロッパですでに実施されているような外出規制も検討するべきだと警告しました。


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コロナの陰で、安倍官邸「やり放題の官僚人事」その厚遇ぶりに呆れる

2020年04月09日 17時15分09秒 | 政治のこと
コロナの陰で、安倍官邸「やり放題の官僚人事」その厚遇ぶりに呆れる

当の官僚も「おかしい」と警告
 
 「今に始まったことじゃないが、おかしな役人人事が次から次へと行われている。新型コロナウイルスの話題で国民の目がそらされているのをいいことに、安倍政権はやりたい放題だ。何とかしないと、中央省庁全体がおかしくなってしまう」

【写真】イギリスでコロナを「神経質すぎる」と笑い飛ばしてた人もいたが…

 さるキャリア官僚が危機感もあらわに、そう警告した。

 これまでも安倍政権では、安倍晋三首相の“お友だち”や覚えのめでたい役人たちが、報酬のいい国家の要職に抜擢されたり、栄転したりしてきている。それが新型コロナウイルスの騒動に紛れて、さらにひどくなったというのだ。同キャリアが続けた。

 「検事総長の人事に絡んで、政権に近い黒川(弘務)氏の定年を脱法的に延長したことが問題視されているが、政権の奔放さはそんなレベルじゃない」

 最近の主要な人事を調べてみたところ、以下のようなことがわかった。まずは報酬のいい要職への抜擢――論功行賞とみられる人事。

 政府は3月17日、古谷一之官房副長官補を公正取引員会委員長に据える人事案を提示した。

 古谷氏は財務省主税局長や国税庁長官を経て、2013年4月に官房副長官補に就任したのだが、2017年の総選挙の際に「教育無償化」や「子育て支援」、「大型の経済対策」などの知恵を授け、自民党圧勝に貢献したとされる。

 今回の人事によって、古谷氏の報酬はアップ。年間約2800万円になるという。実際の勤務日数で割ると、日額10万円を超える。

 「退任する杉本(和行)前委員長は、菅(義偉)官房長官らが肩入れする楽天などにも果敢に切り込んだが、今後はどうなることか。検事総長人事と同じようなにおいも感じられる」

  先のキャリアは、そう語った。
 警察庁でも、どさくさに紛れ…
 
 横畠裕介内閣法制局長官も、同日の人事案で国家公安委員への就任が示された。

 検察官から内閣法制局に転じた横畠氏は、安倍首相が最重要課題としてきた安全保障法制で、法制局がこれまで堅持してきた「集団的自衛権の行使は違憲」との見解を捨て去り、集団的自衛権の限定行使を容認。法の成立をバックアップした。

 その横畠氏が就く予定の国家公安委員は「警察の目付け役」とされるが、実務はほとんどない。にもかかわらず、年間報酬は約2400万円。委員の資格要件には「任命前5年間に警察・検察の職歴のない者」とあるが、横畠氏は2011年に内閣法制局次長に就任しているため、セーフだったという。

 まだある。

 いまや政権の御用聞きと化しつつある警察庁では、問題のある幹部の「在庫一掃セール」に近い人事が断行されたというが、そのどさくさに紛れてカジノ管理委員会の事務局長に「パワハラ四天王」と言われている者のひとりが抜擢されていた。

 徳永崇氏のことだ。同氏は、青森県警本部長、警察庁官房審議官などを経て2019年4月にカジノ管理委員会設立準備室審議官に就いた人物だが……。

 「パワハラが絶えないひとで、とくに青森県警時代のことは有名です。ただ、その一方で上には従順ですから、政権としては……ということでしょう」

 警察キャリアの動向に詳しい警察幹部は、そう語った。

 ちなみに政権人事ではないが、「パワハラ四天王」の残りも次々に栄転したという。

 「徳永氏と同期の世取山(茂)氏がこの4月に東北管区警察局長になる内示が出ましたが、かねてパワハラがひどかったうえに、2014年にはついに自殺者を出した大事件に関与し、預金保険機構という外部セクションに飛ばされていました。にもかかわらず、ここまで偉くなるとは、正直思っていませんでした」(警察幹部)

 2014年の大事件とは、東日本大震災の影響が色濃く残っていた福島県警で、捜査2課の警部と上司の警視が相次いで自殺した悲劇のことだ。

 背景には、警察庁から出向していた捜査2課長の激しいパワハラがあったとされる。当時、警察庁刑事局・捜査2課長の立場から県警2課長に発破をかけるなど指導していたのが、世取山氏だったのである。

  そのほかの2人も、昨年の時点ですでに栄転済みであった


カジノ関連でも「由々しき人事」
 
 さらには、こちらも過去の人事だが、カジノに関連して由々しき人事が行われていたこともわかった。カジノ汚職事件への関与が取り沙汰されながらも、不問に付された財務官僚だ。

 名前が浮上していたのは、財務省から内閣府大臣官房に転じ、カジノ管理委員会設立準備室室長を経て、2019年4月に特定複合観光施設区域整備推進本部事務局事務局長に就任した中川真氏である。

 中川氏と言えば、元財務次官の娘をめとりながらも2007年に不倫騒動を起こして干されたが、第2次安倍政権で復活し、菅官房長官に重用されたことで知られる。ところが……。

 「中川氏は、『(カジノ汚職事件で贈賄側として登場した中国系企業)500ドットコム』が2017年に主催したシンポジウムに参加し、菅長官の言葉を引用しつつ、ギャンブル依存症対策における政府の取り組みなどについて語るなど、同社と関係があった。にもかかわらず、その後、事務局長に昇格している。なぜ、こうした人事が行われたのか大いに疑問だ」

 カジノ汚職事件の捜査にかかわった検察関係者は、そんな証言を寄せた。

 こうしたことが影響したのか、中川氏は2020年3月、スロバキア大使に転出した。これについて、前出のキャリアが語る。

 「論功行賞を兼ねたところ払いだろう。政府からは遠ざけられるものの、大使は何といっても厚遇。報酬も高いのだから」

 現在、大使の平均年収は月額110万円。ボーナスを加味すると、年収1800万円程度。これでも高給だが、ここに「在勤基本手当」と呼ばれるものが加算される。派遣先の国によって額は異なるが、スロバキアはギリシア並みの月額60万円。さらに、配偶者手当も支給される。大使の「在勤基本手当」の20%であるため、こちらは月額12万円。これらを合わせると、2600万円を超える。

 仮に小中学生の子供がいた場合には、一人当たり月額15万円弱の手当ても出る。パート労働者の月給並みの金額だ。

  以上のような経緯を見ると、目を光らせるべきは、検事総長人事ばかりではないことがわかる。

厳しく監視するべき
 
 ところで、ここで取り上げたのは、「特別職」と呼ばれる国家公務員に抜擢された人事だ(警察庁のものは除く)。この来歴等について調べてみると、官邸のHPに以下のような記載があった(注記は省略)。

 《国家公務員法の制定により国家公務員が一般職と特別職に区分されたことに伴い、「特別職の職員の俸給等に関する法律」が制定され、特別職の給与体系が創設された。

 創設当初の給与体系は、連合国の管理下にあって、行政の民主化が強調される中、政府から独立した機関、あるいは行政委員会の委員等に、給与体系上高い格付けがなされていた。中でも、検査官、人事官及び国家公安委員会の委員については、それぞれの設置法において、国務大臣と同額の給与を受けるべきことが定められていた》

 《特別職は、様々な理由により、任用における成績主義の原則、身分保障等の一般職に適用される国家公務員法の原則が適用されない諸々の官職であり、任用、服務等に関する制度についても官職ごとに様々である。(中略)様々な官職が含まれる特別職の幹部公務員を、あえて類型化すると、次の二つに区分することができる。

 ア 職務の性質から一般職の任用手続を経ないことを適当とする官職(内閣官房の特別職、大公使等)

 イ 職務遂行の独立性及び任用手続の透明性を確保する等の観点から任用に当って国会同意を必要とする官職(検査官、人事官、委員会委員等)

 ただし、こうした類型化は、それぞれの職務の性質に由来するものであり、職務の重要性や責任の重さに由来するものでは必ずしもないことから、上記のような特別職の類型化と、職責に応じて定められる給与の在り方との間に、直接的な関連性を見出すことは難しい》

 つまりは、戦後に国家公務員という制度が整えられて以来、「特別職」は独立性が重んじられてきたということだ。高額の報酬が支払われる根拠も、そこにあった。

  ところが、いまや論功行賞と言われても仕方ない、官邸の恣意的な任用が目立つ。制度の原点に立ち返って、厳に監視の目を光らせるべきである。
     
時任 兼作(ジャーナリスト)


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新型コロナ>直売所、農家が存在感 

2020年04月09日 15時36分27秒 | いろいろな出来事
新型コロナ] 直売所、農家が存在感 消費者の食支える

新型コロナウイルスの感染拡大で7都府県に緊急事態宣言が発令される中、食料供給を担う農家や農産物直売所の存在感が各地域で増している。農業資材が手に入りにくいなど一部で支障が出ているものの、農家は田畑に向かい営農を続け、直売所は食卓を支える。消費者からは「直売所は地域のインフラだと改めて実感する」「医療関係者と同様、農家の存在がありがたい」などと感謝の声が相次ぐ。     
生育を確認する農家の鎌田さん(右)と稲葉店長。端境期で野菜の出荷が少ないのが残念だという(同)        
 


変わらず開店 「安心」 東京・JA町田市
 
 東京都のJA町田市の直売所「アグリハウス忠生」。緊急事態宣言の発令から一夜明けた8日も、感染防止対策を徹底しながら開店した。農家は前日と変わらずに出荷をし、従業員はマスク着用して接客に励む。新型コロナウイルスの感染が急速に広がった3月末以降、野菜の多くは午前中で完売。店内で精米できる米の売れ行きは、平年比3~5倍の盛況ぶりだ。ただ、米を中心に在庫は十分にあり、同店は800種に及ぶ豊富な品ぞろえをなるべく切らさないよう体制を整える。稲葉信二店長は「地元農家が出荷し、近所の消費者が買い求める地域密着の直売所。遠くに出掛けるのが怖いという人も多い。直売所が平素と変わらず地域で開店していることが今、地域の人の安心感につながっている」と強調する。

 常連客の浅沼千鶴子さん(74)は「食べ物はあって当たり前のものではないんだと、改めて実感した。緊急事態宣言が出ても、野菜を変わらず作ってくれる農家と直売所に、心から感謝しているの」と、野菜を買い物かごに入れながら語った。親戚に呼吸器系の医師がいるという浅沼さん。買いだめはせず、外出は自粛しながらも、不安な日々を過ごす。「国難の時に、医者と農家は地域や市民のインフラで、大切な存在だと痛感した」と感謝の言葉を口にする。

 同市で1ヘクタールで野菜を栽培する鎌田勝さん(52)は、予定していた苗を販売するイベントが取りやめになり、育てていた苗の出荷の大半が見通せなくなるなど心労も多い。それでも「農畜産物はすぐに増産できない。緊急事態宣言が出ても農家がやるべきことは変わらない」と、管理作業の手を動かし続ける。新型コロナウイルスは、食料安全保障や食料自給率などの問題を表面化させたともいえる。鎌田さんは「もっと前から真剣に農業問題を考えておくべきだった」と訴える。

  野菜を栽培する田中貴子さん(42)も「農作業は、屋外での作業が多く、感染の恐れが少ない。それに農家は今、重要な役割を担っている」と、安定的な食料供給への思いで口元を引き締める。自宅などで過ごさなければならない子どもたちの心身の健康が気掛かりという。「外出自粛を呼び掛けられるのも、農家が変わらず作った野菜や米を自宅で食べることができるという前提があるからだと思う。こうした生活が長期化する中でも、野菜を作り続け、子どもたちの健康に寄与したい」と考える。

以下はリンクで>


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森友問題めぐる忖度人事続々 安倍政権が崩落させた官僚機構

2020年04月09日 15時21分56秒 | 政治のこと
森友問題めぐる忖度人事続々 安倍政権が崩落させた官僚機構

森友学園問題の文書改竄に関与し、自殺した官僚の遺書は、世間に衝撃を与えたが、霞が関の動揺はその比ではない。震えているのは、その森友を機に、出世したエリート官僚たちだろう。それを知る霞が関の住人たちは、こう考えているはずだ。いったい我々は、誰のために尽くしているのか……安倍政権は、国家を支える官僚機構そのものを崩落させようとしている。ノンフィクション作家の森功氏がレポートする。(敬称略)

【写真】公表された、自殺した官僚の手記 
◆佐川より首相夫妻
 
 すべての嘘はモリカケに通ず。先ごろ飛び出した元財務省職員の手記を読むにつけ、思わずそう言いたくなる。さる3月18日、遺族の弁護士が大阪市内で記者会見し、自殺した元近畿財務局職員の手記を公表した。
 
〈(森友学園との)応接記録をはじめ、法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さないこと、検査院への説明は「文書として保存していない」と説明するよう事前に本省から指示がありました〉
 
 ジャーナリストの相澤冬樹が週刊文春で発掘した手記の発表を機に、野党も政府に森友学園問題の再調査を要求してきた。震える手で書かれた遺書には、赤木俊夫・元上席国有財産管理官(享年54)の伝えようとした“真実”が綴られている。
 
 なぜ財務省が国有地を8億円以上も値引きして森友学園に売ったのか。加計学園と同じく、首相夫人の安倍昭恵と親しい籠池夫妻への依怙贔屓ではないのか。念を押すまでもなく、それが森友疑惑の原点である。
 
 財務省近畿財務局と森友学園との間にどのようなやり取りがあったのか。森友疑惑を解明する上で、まず明らかにすべきが、駆け引きの記録だった。
 
 ことが発覚した当初の2017年通常国会では、国有地を所管する理財局長の佐川宣寿が、取引にかかわる文書を「すべて廃棄した」と答弁する。だが、翌18年に入ると、朝日新聞の報道などにより、その嘘がばれていく。そして国有地売買を記した財務省近畿理財局の公文書が次々と明るみに出ていった。


察するところ、取引現場となった近畿財務局の職員たちは、無茶な土地取引があとで問題になることを予想し、自己保身のために証拠を残したかったのだろう。安倍政権にとって都合の悪いことに、森友側との応接記録や取引を決裁したときの行政文書などが、近畿財務局に公文書として保管されていた。わけても決裁文書には、安倍昭恵が何度も出て来て、「いい土地ですから(取引を)前に進めてください」と森友学園理事長の籠池を励ますクダリまである。 
 国会で「私や妻が関係していたということになれば……」などと大見得を切った官邸の主は、そんな記録など、ツユほども知らなかったのだろう。国会対応に追われた財務官僚たちが大慌てして記録を隠し、さらに決裁文書の改竄に手を染めた。挙句、それが発覚し、文書の改竄を押し付けられた現場の近畿財務局職員が命を絶ってしまったのである。
 
〈元はすべて佐川(宣寿)理財局長の指示です〉
 
 職員の遺書が表沙汰になり、野党やマスコミはわかりやすいそのひと言を取り上げるきらいがある。が、「佐川の指示」そのものは、これまでの財務省調査ですでに認めている。疑惑解明のポイントはそこではなく、首相夫妻の関与に戻る。
 
 残念ながら手記ではそこが抜けているが、むしろ期待するのは、遺族が佐川や財務省を相手取って提訴している民事の損害賠償請求の行方だ。そして裁判のキーマンは佐川だけではない。
 
◆森友火消しの四人組
 
 もう一人の重要なキーマンが遺書に度々登場する財務省の太田充である。首相の「私や妻が」発言のあった2017年2月17日の5日後の22日、大臣官房審議官だった太田は、佐川とともに官房長官の菅義偉に呼び出され、森友対策を練った。応接記録などを破棄したという佐川の国会答弁を記者に突っ込まれた菅は、驚いたことに、この直後の24日の官房長官会見でこう言い放っている。
 
「(交渉経緯の)ほとんどは決裁文書に書かれているんじゃないでしょうか」

そこから近畿財務局の職員たちが佐川の指示により、決裁文書に記されている300か所におよぶ不都合な真実の改竄を繰り返したのである。 
 一方、これには疑問も残る。決裁文書には理財局総務課長の中村稔の承認印もあり、中村も菅との協議に加わって説明している。普通に考えれば、財務省の彼らは菅に決裁文書に昭恵の名前が何度も出てくることを報告したはずだ。
 
 にもかかわらず、菅は24日、あたかも決裁文書を見てくれ、と言わんばかりの会見を開いている。財務官僚が説明を忘れたか、それとも官房長官がうっかり口走ってしまったのか。どちらにせよ結果、改竄前の文書内容が大問題になる。実に間の抜けた話なのである。
 
 この菅、佐川、太田、中村という森友国会対策の四人組が、文書改竄の経緯を解明する鍵を握っているのは疑いようがない。それに加え、事務次官の福田淳一、官房長の岡本薫明や矢野康治、理財局次長の中尾睦、国有財産審理室長の田村嘉啓、国有財産企画課長の冨安泰一郎といった当時の面々。彼らも文書の改竄にかかわっているか、知りうる立場にあった。だが、国会では与党の数の力で多くが国会招致を免れ、尋問されてもシラを切り続けてきた。
 
 財務省内では、会計検査院の審査に備え、森友学園との土地取引が法に触れないか、検討した。そのときの文書ものちに明らかになった。遺書はそこにも触れている。
 
〈新聞紙上に掲載された本(2018)年1月以降に新たに発覚したとして開示した「省内で法的に論点を検討した新文書」について、本年2月19日の衆院予算委員会で、太田理財局長が「当初段階で、法務担当者に伝え、資料に気付く状況に至らなかった。法務担当に聞いていれば(文書の存在)に気付いていたはずだ」との答弁も全くの虚偽である〉
 
 民事裁判では裁判長が認めれば、証人出廷しなければならない。昭恵夫人の証人出廷なんてことになれば、埋もれてきた数々の虚をあぶり出すことができる。なかでも遺書に何度も登場する四人組の一人、太田などは気が気でないかもしれない。


◆厳重注意の後、昇進 
 それでも森友国会対策の四人組をはじめ、キーマンたちのほとんどは出世してきた。首相を庇った論功行賞による出世は、安倍政権における見慣れた光景といえる。
 
 佐川もいっときは理財局長から国税庁長官に昇進したが、公文書の改竄が明るみに出て財務省を追われた。安倍一強政権の犠牲者だと庇う声もある。政権を守るために犯罪行為を強いられたという意味では、その通りかもしれない。
 
 モリカケに見られるように、批判の矢面に立たされてきた官僚たちは放り出されてきた。加計学園でいえば、「首相案件」発言を取り沙汰された元経産省産政局長の柳瀬唯夫もその一人だろう。
 
 一方、太田は2018年6月、文書改竄問題で財務大臣から厳重注意処分を受けるが、翌7月には理財局長からナンバー2の主計局長ポストに昇進する。主計局長は次官の待機ポストとされ、それだけ官邸の覚えがめでたかった証だろう。今年7月の人事で後継次官に指名される見込みだといわれる。彼らは何ごともなかったかのように財務省の中核を固めている。四人組の残る中村は現在、駐英公使としてロンドン暮らしを満喫している。
 
 半面、日本の頭脳と持ちあげられてきた財務官僚たちの堕ちた姿は、昨今の霞が関のあり様を象徴する出来事のように映る。かつて大蔵一家と呼ばれて結束を誇り、日本の政策の舵を握ってきた財務省には、まるで組織としての一体感がない。
 
 その財務省に代わり、首相の側用人らが意のままに政策を動かしてきた。森友問題の調査についてある財務官僚に尋ねた。
 
「財務省内でも、佐川さんが自発的に文書の改竄を指示したなんて誰も思っていません。霞が関の役人は官邸からの圧力電話をしょっちゅう受けていますから、何らかの力が働いているのは肌で感じています。世間が納得しないのもわかります。しかし、当人は省内の調査に対し、本当に上からの圧力については口をつぐんでいる。そこで調査が止まってしまうので、どこまで行っても真相にたどり着かないのです」

常に官邸のほうを見る 
 これこそ閉塞感というのだろう。そのせいで心ある霞が関の官僚たちの不満は募る一方だ。別の官僚はこう愚痴る。
 
「たとえば昨年10月の消費税増税のときにしてもそう。景気対策のためにキャッシュレスで買い物すれば、2~5%ポイント還元するという発案者は経産省の新原(浩朗・産政局長)で、それをバックアップしたのが首相補佐官の今井(尚哉)。社会保障のための増税ですから、財務省の基本はそんな財政負担など反対なのですが、新原が首相に泣きついて決まりました」
 
 経産内閣と呼ばれる安倍政権では、経産官僚たちが幅を利かす。新原は女優・菊池桃子の亭主である。官邸官僚の頂点に立つ今井に引き立てられ、いまや事務次官候補として名が挙がっている。産政局長はかつて柳瀬が務めたポストだ。もっとも肝心の政策はさっぱり。景気対策で導入されたポイント還元のはずが、GDPの年率マイナス7%という景気の落ち込みは周知の通りである。
 
「ポイント還元で財務省が反対する中、賛成に回ったのが、太田主計局長です。次の事務次官になるためには、今井や新原たちを敵に回したくないからでしょうが、あまりに露骨。森友問題のときもそうでしたが、常に官邸のほうを見て仕事をするので、省内にはずいぶん反発があります」
 
 主計局畑を出世の本流とする財務省では、事務次官の福田がセクハラ問題で去り、官房長から主計局長に昇進していた岡本が後釜に座った。岡本の次官就任は役所の建て直しを担う省内の待望論があった。が、同じ主計畑の太田については、省内の評判がすこぶる悪い。それは、無茶な政策を黙ってやり過ごし、官邸にすり寄る姿が目にあまるからだという。
 
◆守り神を検事総長に
 
 なぜそうなってしまうのか。理由は、官邸に幹部人事を握られてしまっているからにほかならない。古くは、総務省の事務次官候補と呼ばれた平嶋彰英が菅の肝煎りのふるさと納税に異議を呈し、2015年7月、自治税務局長から自治大学校長に左遷されてしまったケースもある。霞が関では今もそれが語り継がれている。




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