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ゲーム条例 賛成意見に同じ文

2020年04月14日 13時20分28秒 | 教育のこと
ゲーム条例 賛成意見に同じ文

4月1日に施行された香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」についてです。県民や事業者に条例について意見を募った「パブリックコメント」はこれまで「概要版」しか公開されていませんでした。KSBの記者が情報公開請求した意見の「原本」が13日午後、開示されました。    
開示された写しはA4用紙で4186枚分        
 


 
 公開されたパブリックコメントをコピーしたものは、A4用紙で4186枚分。議会事務局の職員によって提出者の個人情報は黒塗りされています。

 条例は、インターネットやゲームの依存症への対策を定めたもので、3月、県議会が賛成多数で可決し、4月1日に施行されました。

  これまでに公開されたのはパブリックコメントの「概要版」のみ。表紙には、提出者の84パーセントにあたる2269件が「賛成」だとする数字を載せていました。

同じ内容の賛成意見を重ねると束に…        
 


 
(記者)
 「現在、寄せられた意見の仕分けをしているんですが、メールで寄せられた賛成意見にはいくつかのパターンがあることが分かりました。同じものを重ねています。例えばこちら。『条例通過により明るい未来を期待して賛成します。賛同します』といったほぼ同じ文言の、1行だけの文章が多く寄せられています」

ほぼ同じ文言の、1行だけの文章が目立った        
 


 
 KSBの集計によると「皆の意識が高まればいい」という内容が173通、「明るい未来を期待して…」が140通、「ネット、ゲームが子供達に与える影響様々ですので、賛成」が136通と、特に多くなっています。

メール送信日時は短時間で連なる        
 


 
(記者)
 「こちら、メールで寄せられた意見なんですが、パブリックコメントへの意見賛成いたします。という全く同じ文面、改行のスペースまで同じのものがたくさんあります。送信日時を見てみますと、2月1日の11時21分、21分、22分、22分、23分…と、短い時間に相次いで送信されていることが分かります」

議会の条例検討委員会 3月12日        
 


 
 議会の条例検討委員会はパブリックコメントは「多数決ではない」としていますが最終会合では、「賛成も多いし早く採決しよう」と促す声があり、20分で審議は打ち切られたということです。

  開示されたパブリックコメントの詳細については、さらに分析し、後日改めてお伝えします。




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長野保健医療大学の北村氏「感染爆発はもう始まっています。大火事が始まったが、消火できないわけではない」と呼びかけ

2020年04月14日 12時00分28秒 | 医療のこと
長野保健医療大学の北村義浩さんが12日、TBS系の情報番組「アッコにおまかせ!」に出演し、新型コロナウイルス感染の現在の広がりについて、「感染爆発(オーバーシュート)はもう始まっています。大火事が始まったが、消火できないわけではない。われわれができることはたくさんある」と呼び掛けた。

 出演者からの質問を次々と受けた北村さんは「感染しても10―20%はまったく症状が出ないといわれています。熱がない、鼻のにおいも普通でも、周りにウイルスを移す可能性のある、無症状の感染者がいるといわれています。やっかいなウイルスです」と注意を促した。

 政府が要請する「人との接触を8割減らす」の考え方としては「8割は無理、となるけれど、簡単にいえば2メートル空ければいい。外出をやめる、10人のところを2人しか会わないも、ひとつですけど、思った以上に簡単。でも実は生活習慣を変えないといけない。2メートル離れてあいさつはできないので寄っていっちゃう」と意識づけを促した。

 接触減の具体策については「電車、バスは控えて。近くに人がいるのでマスクをしても防げない。できるだけ出勤せず、在宅ワークを取り入れる。食事が作れない、気晴らしで外で食べようという場合も店内で食べるより、持ち帰りで。ウェブ、電話で注文、精算を済ませ、会話をあまりしない。宅配、出前の配達員とは、ドア隙間でやりとりし、外に置いてもらう。外では気が緩むけれど、近くでおしゃべりしたり、歌ったりすると移る可能性がある。外でも2メートル以上離れる、近くではしゃべらないか、マスクをする。スーパーのレジ列はなるべく離れ、近くに長時間いない」と示した。

 大相撲力士の感染が判明したが、「アー、オーと気合を入れると、すごく(飛沫が)飛ぶ。発声がいけない。会話、叫ぶ、歌う、が感染の源です」。帰宅後は手洗い、うがいのほか、シャワーを浴びた方がいいという人もいるが、「よほどシャウトされて、唾を受けたら浴びた方がいいですけど、そういう機会はあまりない」と述べた。

 政府が配布する2枚の布マスクは「ガーゼマスクは、使い捨ての高性能マスクと違って、今まであまり効果がないといわれていましたが、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が一定の効果があるといい始め、感染を防ぐ効果は少しはあるといわれています。2歳以下のお子さん、自身で外せない高齢者は、下手をすると窒息することがあるので、つけないか、ずっと見守るか、した方がいい」と別の注意点を示した。

  さらに「仕事がなくなる人が多いと思うんですけど、地方に行けば仕事がある、と東京の感染者が行くと地方の医療崩壊につながるおそれがある」とも警鐘を鳴らした。



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余裕の岩手>普段通りの春」感染者ゼロの岩手 マスク売れ残るスーパーも、にぎわう回転ずし店

2020年04月14日 09時40分54秒 | 科学のはなし
普段通りの春」感染者ゼロの岩手 マスク売れ残るスーパーも、にぎわう回転ずし店

写真は盛岡市大通>中心街ですね。
空いているように見えますが、これが普通です☆

日本国内で新型コロナウイルスの感染者が増加する中、全国の都道府県で唯一「感染確認ゼロ」が続く人口約123万人の岩手県。6日には学校の新学期が始まり、通学路に子供たちの笑顔も戻った。県内では首都圏や関西圏に比べ、マスク姿もまだまだ少ない。県庁にも「なぜ岩手はゼロなのか?」との疑問が寄せられているという。「移動する人口が少ない」「まじめな県民性で手洗いを守っている」などの声もあるが、隣接する青森、宮城、秋田の3県は感染者が2ケタ台だけに、それだけでは説明がつかない。県民の暮らしぶりは-。

【写真】盛岡市で一番の繁華街の様子は…

 「普通通りの春を迎えている」。盛岡市近郊に住む主婦(39)は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での生活ぶりをこう語った。

 3月中はほとんど休みだった中学生の子供2人は、一斉休校が続く首都圏や関西圏とは違い、4月6日に新学期が始まると毎朝、学校に通っている。授業も通常通り夕方まで行われ、部活動でも何の制限もなく練習をこなしているという。

 大型スーパーでもドラッグストアでもマスクは品薄状態が続くが、街ではマスクをしていない人を多く見かける。3月中旬に一度だけトイレットペーパーの買い占めも起きたが、それ以降は普通に買えるようにもなり、特に困ったことはない。ほかの食料品の品ぞろえも豊富で、レジでも前の人や後ろの人と間隔をあけて並ぶこともない。

 「そもそも、住んでいる地域では(感染リスクが高まる密閉、密集、密接という)『3密』の場所や機会がほとんどない」(主婦)。岩手県の面積は47都道府県中、北海道に次いで2位と広く、1平方キロメートル当たりの人口密度の小ささは83・8人とやはり2位。「3密」があるのは「ボウリング場やカラオケのような娯楽施設か居酒屋、スナックぐらい」という。

 それでも、気になることがある。最近、地元のテレビ番組で首都圏から夜行バスで若者たちが帰省してきたというニュースが報じられたからだ。「頼むから、今の時期、コロナ疎開だけがやめてほしい」と眉をひそめた。

 県内で複数の店舗を展開しているスーパーの男性社員(46)によると、新幹線の駅近くや幹線道路の国道4号沿いにある店舗ではマスクがすぐに売り切れてしまうが、それ以外の店舗では1日ではけないこともしばしばあるという。

 「地元では(新型コロナウイルスの感染拡大を)まだまだ対岸の火事で見ている」と打ち明ける。

 土日になれば、国道沿いの回転ずし店の駐車場はいっぱいになり、家族連れでにぎわう。東京都内の飲食店で閑古鳥が鳴いているのに比べて「緊迫感や危機感が薄いことを物語る光景」と話す一方、「地元の人々は、岩手が日本一の『田舎』であることが証明された、と自虐的に言っている」と苦笑する。

 ただ、ご多分に漏れず高齢化が進む岩手では持病を抱える高齢者と一緒に3世代、4世代が暮らす大家族や高齢者のみの家も多く、こうした世帯の危機感は強い。男性社員は「感染者が出るのは時間の問題だと思う。高齢者が多い地区は特に心配だ」と語った。

 日本での感染拡大は、春節の時期に中国から多くの観光客が来日したのが引き金になったとの分析がある。

 岩手の場合、北海道や宮城県などに比べて台湾からの観光客が多い。台北から花巻空港への直行便もあり、台湾総督府民政長官として台湾の発展に貢献した後藤新平の記念館(奥州市)などが人気スポットだ。「中国本土からの観光客が他県に比べ少なかったからこそ、1、2月に感染が広がらなかったのではないか」との声がある。

 県庁には現在、「なぜ感染者ゼロなのか」という問い合わせが県内外から相次いでいるという。県外からの場合、そこには「特別な対策があるのではないか」というニュアンスが含まれており、ある県幹部は「東京まで新幹線の往復が3万円以上で、おいそれと遊びには行けない。まじめな県民性で手洗いを励行しているからだと思う」と分析する。

 ただ、県民が問い合わせる理由は異なる。「PCR検査の実施件数が少ないのが理由ではないのか」というのだ。

 事実、感染の有無を調べるPCR検査は10日現在で136件と全国最少。最後まで「感染者ゼロ」を争った鳥取県、島根県の対人口比検査実施件数と比べてもそれぞれ5分の1、5分の2程度に過ぎず、いずれも感染者数が2ケタ台の宮城県(660件)、秋田県(491件)、青森県(313件)の実施件数と比べても各段に少ない。

 「単に検査体制が十分に整備されていないからではないか」という疑念はある意味もっともにも見えるが、岩手県側は「必要な検査は行っている」と真っ向から否定する。

  今月7日に東京都や大阪府など7都府県に緊急事態宣言が出された直後、県は対象地域への往来自粛を呼びかけた。このまま感染者ゼロが維持されるに越したことはないが、いったん感染者が出れば、一気に拡大した時のリスクは都市部の比ではない。関係者は注意深く動向を見守っている。




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早く出社したい」会社員たちの声。自宅は安らぎの場…じゃなかった!?

2020年04月14日 08時40分53秒 | 雇用と職のこと
早く出社したい」会社員たちの声。自宅は安らぎの場…じゃなかった!?

4月7日、ついに「緊急事態宣言」が出された。今後の仕事への影響が気になるところだろうが、すでに首都圏など大都市のオフィスワーカーたちは、“リモートワーク”に移行している。  

そもそもリモートワークは、政府が音頭を取って進めてきた「働き方改革」の一環であり、「集中できる」「無駄な時間がなくなった」という声もある。筆者のまわりでは、早いところでは2月下旬頃から“自宅で仕事をする”人たちが増え始めた印象で、なかには「もう1か月以上出社していない」という人もいたが……。 


多くの企業がリモートワーク中心に移行しているが、なかには「早く出社したい」というサラリーマンも(画像はイメージです。以下同)
「正直もう限界ですよ、作業は自宅のダイニングで行なっていますが、お尻が痛くて仕方がない。肩も腰も悲鳴をあげています」  

こう話すの都内のIT関連会社に勤務する千葉県在住のエンジニア、酒井信一さん(30代・仮名)。リモートワーク中心の生活を実際に体験してみたサラリーマンからは悲痛の声も出始めているのだ。 


「早く出社したい」サラリーマンたちの嘆き
 酒井さんはエンジニアという職業柄、座りっぱなしの作業には慣れているはずだったが、オフィスにあるそれなりに“高い”チェアでなく、自宅ダイニングの硬い木製椅子で作業を続けた結果、ベッドで寝返りができないほどに体がこわばり、頭や目に痛みが出てくるほどだという。 

 同じくエンジニアで埼玉県在住の山中のぞみさん(仮名・30代)も絶賛リモートワーク中だが、会社と家では「全然違う」とうったえる。 「エンジニアだからPCの画面をじっと見つめることには抵抗なかったのですが、自宅作業だと、すべてのやりとりがチャットで行われ、いつ呼ばれたり、何か聞かれてもいいよう、ずっとアプリを見ていないといけません。会社だと、それが電話だったり、呼びかけだったりしたものですから……。すべてがPCで行われるというのは、一見便利なようでなかなかツラい」(山中さん)  

都内在住の編集者・倉田雄二さん(仮名・20代)は、作業進行自体には問題がないものの、家庭内にずっといなければならないということにストレスを感じ始めている。

 「最初は、自分のペースで、自宅で仕事ができると喜んだものです。しかし、学校が休みの子どもたちが部屋を訪ねてきても仕事中ですから追い返すしかなく……一日中部屋にこもりっぱなしだと、家族からは評判が悪いです。会社でもまったく同じなんですけどね。それを家でやると、やはり奇異に見られてしまう」(倉田さん、以下同)  

編集者という仕事の特性もあるかもしれないが、部屋に閉じこもってやる仕事が、会社か家かでもだいぶ違うのだという。

自宅は“安らぎの場”だと思っていたのに…

「やはり“会社に行く”という作業がないと、こうも気分が違うのかと思い直しました。出社する、退社する、というメリハリがなく、仕事は毎日遅くまでダラダラ続けてしまっているし、朝は始業の5分前に起きるようになり、午前中はボーッとして頭が回らない。 

 自宅は安らぎの場だと思っていたのですが、自宅にいても同僚からガンガン電話がかかってくるし、今はなんか落ち着かなくなった。なんとなく“キラキラ系”のイメージをリモートワークに抱いていましたが、私には向いていないのかもしれません……」 

 3人とも一様に、当初は「リモートワークは良い」と感じていたが、わずか1か月程度で見えてしまった「現実」。だれもが「早く会社に行きたい」と声をそろえた。

  新型コロナウイルスですら社畜を倒せない、という日本型サラリーマンの悲哀かもしれない



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星野源」動画ではっきりした安倍首相の力不足

2020年04月14日 07時41分46秒 | 社会のことなど
星野源」動画ではっきりした安倍首相の力不足

安倍晋三首相が4月12日にツイッターに投稿した動画が、ネット上で大炎上した。自宅とみられる私室で犬とくつろぐ姿などを、シンガーソングライターの星野源氏が演奏する楽曲「うちで踊ろう」とともに公開した動画に対し、「なんだこれ?」「まるでKY(空気が読めない)だ」などの批判が殺到している。

  その一方で、「ゆっくり休んでください」「安心しました」など評価する声もあり、動画への賛否は交錯している。外出自粛による国民の不安と苛立ちが今回のネット騒動の背景にあるとみられるが、欧米各国で拡大しているコロナショックによる国民の分断と対立が、日本でも加速しつつあることを際立たせる結果となった。 
■動画で外出自粛を呼びかけたが…

 安倍首相の公式ツイッターへの投稿は12日午前9時過ぎ。ソファに座って愛犬を膝に抱いたり、コーヒーカップを片手に持って飲んだり、椅子に座ってテレビのリモコンを操作したりする、くつろいだ様子の動画が流された。動画は、星野氏の流す音楽と約1分間、コラボレーションしたものになっている。

  この動画は「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります」という安倍首相のメッセージ付きだ。
 
 併せて、次の投稿で「私たちは、SNSや電話を通じて、人と人とのつながりを感じることができます。いつかまた、きっと、みんなが集まって笑顔で語り合える時がやってくる。その明日を生み出すために、今日はうちで……。どうか皆様のご協力をお願いします」と、国民に向けて改めて外出自粛を訴えている。

  「うちで踊ろう」は、星野氏が4月3日に公式インスタグラムで公開したギターによる楽曲。「生きて踊ろう 僕らそれぞれの場所で」などの歌詞が反響を呼び、星野氏と親しい芸能人など、多くの有名人がそれぞれ伴奏やコーラス、ダンスなどでコラボし、アクセス数も激増して大きな話題となっていた。

安倍首相の動画投稿は、こうした人気に便乗する形で国民に外出自粛を呼びかける狙いがあった。しかし、動画がアップされた途端、「星野源を政治利用するな」「友達と会えないことや、飲み会ができないのがつらいんじゃない。症状が続いているのにPCR検査もしてもらえないのがつらいのです」などの突っ込みが殺到。

  数時間後には「何様のつもり」「政治利用」などの言葉がツイッターのトレンド上位にランクイン。再生数は12日夜で100万回を超え、13日になっても増え続けている。 
■蓮舫氏は「なぜ誰も止めなかったのか」

 首相日程などから、動画は11日までに撮影されたとみられる。実際の動画作成や投稿はこれまでと同様、首相官邸の広報担当者によるものとみられるが、安倍首相の意向を踏まえたものであることは明らかだ。「なかなか徹底されない外出自粛を、首相自身が促す多角的手法の一環」(関係者)とされる。

  この首相の投稿について星野氏は12日深夜、自らのインスタグラムでコメントし、「安倍晋三さんが上げられた“うちで踊ろう”の動画ですが、これまで様々な動画をアップして下さっている沢山の皆さんと同じ様に、僕自身にも所属事務所にも事前連絡や確認は、事後も含めて一切ありません」と説明した。これは、政治利用との批判を意識し、官邸との連携を明確に否定したものだ。
 
 これについて、立憲民主党の蓮舫副代表は「ご本人のお考えだとすれば、何故誰も止めなかったのか。側近と言われる方々の発案だとすれば、『これはおかしい』となぜ総理は言わなかったのか」となど厳しく批判。自民党内でも「すぐ批判されると考えなかったとすればKYすぎる」(自民若手)との声が出た。

  そもそも、新型コロナウイルスによる感染拡大が戦争に匹敵する国難であることははっきりしている。感染拡大を阻止するため、一層の外出自粛を求めた安倍首相の呼びかけは「当然のこと」(官邸筋)ではある。ただ、「TPO(時と場所、状況への配慮)に欠けたことで、ネット民からディスられる(攻撃される)結果となった」(同)のが実態だろう。

コロナ禍以前から、安倍首相の政権運営に対する支持派と不支持派の対立が際立ってきた。「メディアも含めた安倍政治をめぐる国民的分断の深さ」(閣僚経験者)が今回の騒動を巻き起こしたようにも見える。アンチ安倍グループにとっては「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」となり、これに安倍シンパが徹底攻撃するという構図だ。

  しかも、アンチ派の安倍首相攻撃を拡大させたモリカケ疑惑や桜を見る会問題での政権の「逃げ恥作戦」は、星野氏も出演して話題になったテレビ番組「逃げるは恥だが役に立つ」をもじった揶揄だ。それだけに今回の騒ぎは「妙な因縁」(自民若手)も絡む。 
■「訴える力」が足りない安倍首相

 ただ、自らの言葉で切々と国民の覚悟と協力を訴えたドイツのメルケル首相や、自ら感染しながら、必死の表情で国民への発信を続けるイギリスのジョンソン首相と比べ、「安倍首相の訴える力と悲壮感は明らかに不足している」(自民長老)との声が多いのも事実だ。

  安倍首相は、緊急事態宣言に先立って自らの政治決断で決定した「全世帯への布マスク配布」がネット上で「アベノマスク」として大炎上したばかり。にもかかわらず、今回も「アベノコラボ」と揶揄される事態を招いたのは、「官邸の危機管理のお粗末さ」(政治評論家)との批判の声も相次ぐ。
 
 13日朝の民放テレビは、この「アベノコラボ」騒ぎを面白おかしく伝えた。その一方、新聞は朝刊休刊日にあたり、一部大手紙がネット配信で触れるにとどまっている。このため、首相サイドには「騒ぎは一過性。評価する声もあり、首相の真意は遠からず国民に浸透する」との楽観論もある。菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で「過去最高の35万以上も『いいね』をいただいて、多くの人にメッセージが伝わった」とコメントした。
 
 小池百合子東京都知事を筆頭に、全国の知事は「自らの地元での感染数拡大によるオーバーシュート阻止」に必死の形相で取り組んでいる。その危機感を「ワンボイス」で国民に訴えるのが安倍首相の役割だが、今回は「それとは程遠い低レベルの騒動」(閣僚経験者)にみえる。

  このため、永田町や霞が関では「政治と官僚と首長と国民がまさに『ワンチーム』となることが必要なのに、(安倍首相は)何をしているのか」(首相経験者)との声も広がっている。




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