なぜ「唐揚げ専門店」は消えたのか? 倒産急増のウラに「3つの要因」、“手軽に参入できる”こともアダに…
3/12(火) 11:00配信
デイリー新潮
「好きなおかず」で4年連続1位
揚げたての“唐揚げ”は日本人の大好物だけれど(写真はイメージです)
少し前まで行列ができていたあの店、いつのまにか姿を消したな――。同じような思いを抱いた方は少なくないだろう。そう、一時は開店ラッシュに沸いた“唐揚げ専門店”のことだ。先ごろ、<唐揚げ店の倒産急増、前年の7倍>というレポートを発表したのは、国内最大級の企業情報データベースを有する株式会社帝国データバンク。様々な業界の情報を収集・分析している同社の藤井俊情報統括部長に、唐揚げ店“倒産急増”の背景を分かりやすく解説してもらう。
【写真】グラフを見ると一目瞭然…コロナ禍で大ブームとなった唐揚げ店だが、昨年の“倒産件数”は驚愕の伸び率
***
――たしかに、唐揚げ専門店はここ数年ほど大流行になっていましたよね。
藤井部長(以下同):「そもそも、日本人は唐揚げが大好物。冷凍食品大手・ニチレイフーズの“好きなおかず”調査では、昨年まで4年連続1位を獲得するなど、“国民食”と呼べるほど高い支持を集めています。一方、家庭で調理するのは少し大変で、油がハネたり、部屋に匂いがこもったり、あるいは、調理後の油の処理が面倒だったりする。その点、唐揚げ専門店では、家庭で作るのと同じように“揚げたて”を購入することができます。そこが人気を博した大きな理由でしょう」
――唐揚げ店の出店ラッシュはコロナ禍の時期と重なります。
「そうですね。コロナ禍の“外出自粛”期間には、飲み会どころか、家族連れでレストランに行くこともできませんでした。そうした状況下で脚光を浴びたのが、お店で購入して家に帰ってから食べるお惣菜、いわゆる“中食”です。この中食需要の高まりを受けて、“おかずナンバー1”の唐揚げ店が爆発的に伸びた、と。晩御飯に出したり、お弁当に詰めれば子どもは喜びますし、大人の場合は酒のツマミになりますからね」
――しかも、開店するためのハードルは低そうです。
「必要な設備投資はフライヤー程度で、イートインコーナーを設けなければスペースがかなり狭くても十分に商売できます。また、他の飲食業と違って、調理スタッフに長いトレーニングや修業期間を強いる必要がありません。こうした“参入障壁”の低さも、一時期の唐揚げ店の急増に拍車をかけたように思います」
ウクライナ侵攻の影響
――なるほど……。いまとなっては“一過性のブーム”だったと言われそうですが、唐揚げはおかずとして圧倒的な人気を誇り、しかも、“揚げたて”という強みもある。このまま定着してもおかしくなかったように思えますが、なぜ唐揚げ店は失速したんでしょうか。
「原因はいくつか考えられます。まずは原材料の高騰です。2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まりましたが、最も早く影響が出たのは食用油でした。映画好きの方は、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが共演した『ひまわり』を思い出してほしいのですが、あの一面のひまわり畑はウクライナで撮影されたものです。実際、ウクライナはひまわりや菜種の産地で知られ、それらを原料とする食用油の輸出大国。そのため、戦禍によって世界的に食用油が高騰してしまったのです。同様に、ウクライナが高い生産量を誇る小麦の価格も上昇しました」
――ウクライナ侵攻の影響も受けていたんですね。
「さらに、追い打ちをかけたのが“鳥インフルエンザ”でした。2022年10月以降、26道県で鳥インフルエンザが発生し、23年4月までに過去最多となる1771万羽が殺処分されました。ブラジルやタイからの輸入を増やしたものの、卵や鶏肉の値段は高騰することに。もちろん、他の外食産業もダメージを被りましたが、唐揚げ店の場合は調理に必要な原材料が少ない反面、その仕入れ価格が高騰すると逃げ場がありません。結果的に、“油と肉”の価格が上がったことで厳しい局面に立たされた格好です。また、主要な唐揚げ専門店(チェーン14社平均)の価格(平均3個)は約340円ですが、スーパーやコンビニでは220円前後と約3割も安いわけです」
“参入障壁の低さ”が災い
――たしかに、唐揚げは“安くて美味しいB級グルメ”のイメージが強いので、スーパーやコンビニのお惣菜と比較すると割高感は否めませんね。
「そうなんです。もともと価格設定が高めなこともあり、3年前に比べて輸入鶏肉の価格が2倍、食用油が1.5倍に高騰しても客離れを懸念して大幅な値上げができず、収益源との板挟みになって経営破綻するケースは少なくありません。それに加えてもうひとつ、大きな要因を挙げるとすれば、参入障壁の低さでしょうね」
――あれ? 参入障壁が低いおかげで唐揚げ店が一気に増えたわけですよね。
「ええ、それが諸刃の剣だったということです。先ほども申し上げた通り、唐揚げ専門店はコロナ禍の“中食需要”の高まりに乗じて店舗数を増やしました。その時期、多くの飲食店は時短営業や休業に追い込まれていた。そこで何が起きたかというと、大手コンビニやスーパーが唐揚げの扱いを増やしたのに加え、居酒屋や焼き鳥屋、定食屋まで唐揚げのテイクアウトを始めるようになった。店内に厨房があって鶏肉を仕入れているお店であれば、専門店と同じように“揚げたて”を提供できてしまう。つまり、唐揚げ店は参入障壁の低さのおかげで激増したものの、同じ理由でライバルが次々に参入して競争が激化。飽和状態になってしまったのです」
――今後、唐揚げ専門店はどうなっていくのでしょうか。
「やはり一時のブームは去ったと思います。当然ながら、時流を読んで下火になる前に閉じた店もあれば、やめるタイミングを逸して損害を被った店もあるでしょう。その上で、ブームが終わった後も残っている店には支持される理由や、他にない価値があると思うんです。たとえば、唐揚げ店の前に流行ったタピオカドリンクの専門店。その多くは姿を消しましたが、ブームを牽引した台湾創業のゴンチャは、いまだに日本全国で展開しています。当然ながら、そこには価格や味、サービスなど、他店とは違う儲かる強みが存在するのです」
藤井俊(ふじい・さとし)
株式会社帝国データバンク情報統括部長。1965年生まれ。商社、通販会社での商品開発を経て1993年に帝国データバンク入社。高松支店・岡山支店の企業信用調査部門を経て、2013年に広島支店情報部長、2023年4月から現職。景気動向や企業取材の経験を踏まえたわかりやすい解説・講演に定評。
デイリー新潮編集部
――なるほど……。いまとなっては“一過性のブーム”だったと言われそうですが、唐揚げはおかずとして圧倒的な人気を誇り、しかも、“揚げたて”という強みもある。このまま定着してもおかしくなかったように思えますが、なぜ唐揚げ店は失速したんでしょうか。
「原因はいくつか考えられます。まずは原材料の高騰です。2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まりましたが、最も早く影響が出たのは食用油でした。映画好きの方は、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが共演した『ひまわり』を思い出してほしいのですが、あの一面のひまわり畑はウクライナで撮影されたものです。実際、ウクライナはひまわりや菜種の産地で知られ、それらを原料とする食用油の輸出大国。そのため、戦禍によって世界的に食用油が高騰してしまったのです。同様に、ウクライナが高い生産量を誇る小麦の価格も上昇しました」
――ウクライナ侵攻の影響も受けていたんですね。
「さらに、追い打ちをかけたのが“鳥インフルエンザ”でした。2022年10月以降、26道県で鳥インフルエンザが発生し、23年4月までに過去最多となる1771万羽が殺処分されました。ブラジルやタイからの輸入を増やしたものの、卵や鶏肉の値段は高騰することに。もちろん、他の外食産業もダメージを被りましたが、唐揚げ店の場合は調理に必要な原材料が少ない反面、その仕入れ価格が高騰すると逃げ場がありません。結果的に、“油と肉”の価格が上がったことで厳しい局面に立たされた格好です。また、主要な唐揚げ専門店(チェーン14社平均)の価格(平均3個)は約340円ですが、スーパーやコンビニでは220円前後と約3割も安いわけです」
“参入障壁の低さ”が災い
――たしかに、唐揚げは“安くて美味しいB級グルメ”のイメージが強いので、スーパーやコンビニのお惣菜と比較すると割高感は否めませんね。
「そうなんです。もともと価格設定が高めなこともあり、3年前に比べて輸入鶏肉の価格が2倍、食用油が1.5倍に高騰しても客離れを懸念して大幅な値上げができず、収益源との板挟みになって経営破綻するケースは少なくありません。それに加えてもうひとつ、大きな要因を挙げるとすれば、参入障壁の低さでしょうね」
――あれ? 参入障壁が低いおかげで唐揚げ店が一気に増えたわけですよね。
「ええ、それが諸刃の剣だったということです。先ほども申し上げた通り、唐揚げ専門店はコロナ禍の“中食需要”の高まりに乗じて店舗数を増やしました。その時期、多くの飲食店は時短営業や休業に追い込まれていた。そこで何が起きたかというと、大手コンビニやスーパーが唐揚げの扱いを増やしたのに加え、居酒屋や焼き鳥屋、定食屋まで唐揚げのテイクアウトを始めるようになった。店内に厨房があって鶏肉を仕入れているお店であれば、専門店と同じように“揚げたて”を提供できてしまう。つまり、唐揚げ店は参入障壁の低さのおかげで激増したものの、同じ理由でライバルが次々に参入して競争が激化。飽和状態になってしまったのです」
――今後、唐揚げ専門店はどうなっていくのでしょうか。
「やはり一時のブームは去ったと思います。当然ながら、時流を読んで下火になる前に閉じた店もあれば、やめるタイミングを逸して損害を被った店もあるでしょう。その上で、ブームが終わった後も残っている店には支持される理由や、他にない価値があると思うんです。たとえば、唐揚げ店の前に流行ったタピオカドリンクの専門店。その多くは姿を消しましたが、ブームを牽引した台湾創業のゴンチャは、いまだに日本全国で展開しています。当然ながら、そこには価格や味、サービスなど、他店とは違う儲かる強みが存在するのです」
藤井俊(ふじい・さとし)
株式会社帝国データバンク情報統括部長。1965年生まれ。商社、通販会社での商品開発を経て1993年に帝国データバンク入社。高松支店・岡山支店の企業信用調査部門を経て、2013年に広島支店情報部長、2023年4月から現職。景気動向や企業取材の経験を踏まえたわかりやすい解説・講演に定評。
デイリー新潮編集部
野菜専門のレストランです。表参道店が創業店で、上野や渋谷のヒカリエにも支店があるそうです。
Health-oriented健康志向のお店でした☆
やさい家めい 表参道ヒルズ店
住所
東京都渋谷区
神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 本館三階
アクセス
地下鉄表参道駅 徒歩5分
電話番号
050-1807-6493
住所
東京都渋谷区
神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 本館三階
アクセス
地下鉄表参道駅 徒歩5分
電話番号
050-1807-6493
営業時間
月:11:00 〜 16:00 / 17:00 〜 23:00
火:11:00 〜 16:00 / 17:00 〜 23:00
水:11:00 〜 16:00 / 17:00 〜 23:00
木:11:00 〜 16:00 / 17:00 〜 23:00
金:11:00 〜 16:00 / 17:00 〜 23:00
土:11:00 〜 16:00 / 17:00 〜 23:00
日:11:00 〜 16:00 / 17:00 〜 22:00
定休日
不定期 施設に準ずる
平均予算[昼/夜]
1800円 / 3500円
総席数
50
宴会最大人数
10
駐車場
有
お支払い方法
[クレジットカード]
Visa
Mastercard
JCB
American Express
Diners Club
[電子マネー]
交通系IC
iD
楽天edy
QUICpay
[QRコード決済]
PayPay
LINE Pay
楽天ペイ
d払い
au PAY
メルペイ
Alipay
設備
個室・半個室あり
駐車場あり
禁煙
株主優待
利用可
サービス
ランチ営業
個室・半個室あり
駐車場あり
禁煙
株主優待
利用可
サービス
ランチ営業
飲み放題あり
ジャンル
和食
居酒屋
利用シーン
歓迎会・送別会
お祝い事
法事
結納
世界はコンドーム不足に直面 最大のメーカーが生産停止
世界最大のコンドームメーカーであるカレックスは27日、近いうちに世界的にコンドーム不足に陥る可能性があると警告した。新型コロナウイルスの感染拡大で従業員が出勤できず、製造停止に追い込まれたからだ。
マレーシアに拠点を置く同社は、世界で使用されるコンドームの5分の1を供給。 「カレックス」 などのブランド名で販売。
コンドームはこの1週間超で1つも製造されていないため、出荷できるコンドームの数は1億個少なくなっている計算だ。
HIV予防の手段としてコンドームを配布している世界中の人道機関に深刻な影響を与える可能性がある。
マレーシアに拠点を置く同社は、世界で使用されるコンドームの5分の1を供給。 「カレックス」 などのブランド名で販売。
コンドームはこの1週間超で1つも製造されていないため、出荷できるコンドームの数は1億個少なくなっている計算だ。
HIV予防の手段としてコンドームを配布している世界中の人道機関に深刻な影響を与える可能性がある。
3/30m/2020