以前、横浜で、「Bay MA」という小さなバイブルサイズのライブとアートの街情報誌を出していた。
その後、それを引き継ぐ形で、5年ほど(だったかな?)神奈川新聞社のWEBサイトで「LIVE MARKET」というコンテンツを担当した。
その頃は、足繁くあちこちのライブ・バーに通って、横浜の”遊び上手な中年(すでに高年)”に接していたが、ここ5~6年は太極拳活動にどっぷり。。。ライブにもすっかり足が遠のいていた。
少し時間も気持ちも余裕が出来た日曜日の夜、久しぶりに伊勢佐木町の「john john」に。
「Bay MA」時代からのお馴染み、AMI TAMEさんに、CHOOさんが加わっての3人ライブだ。
「john john」は、昼間はホットドッグ屋さんで、夜はバー。ライブハウスでなくて、”ライブをやってるバー”。
木曜日と日曜日に、ライブをやっている。http://johnjohn.jp
「john john」は、12~3人も入ればいっぱいの狭い店なのだが、狭いなりの楽しさがある。
ミュージシャンとお客の距離が(ほとんど)ないので、壁際の席に座るとギターのネックにぶつかるし、譜面は丸見え。。。(いろいろメモ書いてるミュージシャンもいるヨ)
演奏する曲の説明や、ちょとしたMCにも即!反応!
「次はトム・ウェイツの曲を〜」の前に、「トム・ウェイツ、って酔っ払いのイメージがあるけど、お酒は呑めないンですよね~」というTAMEさんに
「あ、そうなんですよ!」と客席から即レスポンス。
店主の安藤さんがカウンターの中から静かに「『LAZY BONE』に来た時も吞まなかった、って」。
ちなみに、『LAZY BONE』って、かつて伊藤さんという方がやっていた、静かで大人っぽいバーでありました。
伊藤さんはトム・ウェイツが大好きで、カウンターの中の壁に写真(イラスト?)がかかってたなぁ~。。。
『LAZY BONE』には、島田 耕さんという、アメリカンカントリー音楽の評論家と一緒に行くことが多かったが、島田さんは去年亡くなってしまった(寂しいことです。。)。
『LAZY BONE』は、その後、伊藤さんが郷里に帰ってそれきり足が遠のいたが、今は『STARGES』という店になり、今年の冬頃に、AMI TAMEさんのライブに出かけたのでありました。
で、トム・ウェイツのお話でやりとりしたり、「California Dreamin’」では客達も勝手にコーラスしたり、TAME さんが唄う曲の内容をAMI さんが語るのだが、これがまったく演歌を紹介する往年のアナウンサー玉置宏さん(知らない?)の語り口のようで、ついつい大笑い!(大体、アメリカンカントリーやブルース系の歌詞は、情けない男の心情が多いし)。
「john john」には、モニターが2台あって、ライブがないときや昼間はミュージックDVDが流れているのだが、安藤さんのチョイスによる映像がすごくいいの!
これまでも、「john john」で映像を見て買い込んだCDやDVDがあるが、この日は、ポール・マッカートニーが70歳の時に吹き込んだ録音の様子。
ダイアナ・クラールがピアノに座っている。ギターを弾いているのは E.クラプトンである。それ以外にも著名なミュージシャンが何気にバックで演奏している。
曲は昔のスタンダードなもの。モノクロ画像だから、懐かしさもたっぷり。でも、今(2012年に)、ポールが唄ってるのだ。 ”ラジオから流れるナット・キングコールが歌うクリスマスソングを、家族で聞いていた頃の曲”ーーまさに、ジャズであった!
「まさか、今、ポールのこんな映像を見るとは思わなかった」と言う安藤さんと「これ、いいですね~!!」と語りながら画面に釘付け(安藤さんも私も、ビートルズ世代である)。
映像を見ていると、1950年代の頃のイギリスの家庭の様子が思い浮かぶ。
そうえいば、私が子どもの頃、家には電蓄(!電気蓄音機)というのがあって、母親がよく「S盤アワー(多分?)」から流れるアメリカの音楽を聴いていた。
高校生頃になると、生意気になって、「F.E.N(今はAFN)」というアメリカ軍のラジオ。。。。大学時代には、「F.E.N」が受信できるところまで、と言いながら、鎌倉や茅ヶ崎の海岸をドライブしていたっけなぁ~~
ほとんど忘れていたような記憶が、ポールの映像を見ながら浮かんできた。。。
1回目のライブが終わって店を出ると、外は小雨。。。
AMI TAME CHOOのライブで楽しく笑って、ポール・マッカートニーのミュージック映像で懐かしく心温かく、日頃のモヤモヤがすっかり消えた夜でした。