izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

お正月休みに読み終えた『貴門胤裔(きもんいんえい)』ー好きだわ、この世界。。

2014-01-07 11:44:47 | 本と雑誌
去年、品川区武術太極拳連盟でおつきあいのある太極拳ウェアの「福根」の西脇さんに勧められて、amazonで即買い!した『貴門胤裔(きもんいんえい)』。


 清朝末期から中華民国、共産党と文化大革命を経て、改革・開放期の現代に至る一族の歴史は、同時に、中国の文化と近代の流れを語るものであり、同時に、清朝貴族の没落の歴史でもある。。作者は、満州八旗の貴族一門出身(大叔母が西太后)の葉広芩(イエ・グワンチン)という女性。魯迅文学賞を受賞している。


 清朝の将軍であった父と清朝の大臣の娘であった正妻、二人のお妾さんと、それぞれが生んだ14人の兄弟姉妹たち。。


 上下2巻の長編だが、14人の兄弟姉妹それぞれのストーリーが章ごとに綴られているので、読みやすい。
 国民党の高官となって台湾に渡った長男、文化大革命中に自殺した次男、デカダンに生きた五男。。。京劇に魅入られて非業の死を遂げる長女、共産党の党員となり兄の国民党に捕らえられて処刑された三女、イギリスに留学して古代建築学者となった四女。。。。
この本の語り手である著者は七女で1948年生まれである。


 原題は「采桑子(さいそうし)」といい、中国の同名の詞からとったもの。


  楽府の凄涼き曲を翻えらせしは誰ぞ(ふるうたのさびしき調べをよみがえらせしは誰ぞ)
  風も蕭々(しょうしょう)
  雨も蕭々
  灯火痩え尽きて 又も一宵(ともしびもえつきて またもひとよ)
  ・・・・・
 と続く哀切な詞の調べが、全篇を通して流れている。


 日常のワサワサ、ごちゃごちゃ、どさくさに紛れて日々をやり過ごしている我が身を振り返っては、美しく生きたい!と思ったことであった。
 中国の近代史を知ることもできた(概略だけどね)。


 『貴門胤裔(きもんいんえい)/葉広芩・著 吉田富夫訳』は2002年中央公論社発行。



  Photo


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 顧 留馨 著「陳式太極拳」/三... | トップ | 遠峰あこさんの「つるかめだ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事