ロシアによるウクライナ侵攻のニュースを見るたびに、ウクライナの広大なヒマワリ畑を想う(実際に行ったことはないんだけど)。
これまでも、榎本香菜子の作品にはヒマワリ畑(そのイメージ)を描いたものが多い。ヒマワリ畑に欠かせないのがミツバチだ。ミツバチとヒマワリ。。。。今回の"ぎゃらりい たねから"企画による「榎本香菜子展ーミツバチの羽音は聞こえるかー」で、作品名にもある「ハニカム(蜂の巣)の崩壊」に榎本香菜子はウクライナへの想いも重ねている。「・・・単にミツバチのことだけを憂いているわけではない。世の中全体が、大きな欲望の渦の陰で均衡を失い、何かが崩れてきている。その音はだんだん大きく迫ってきているような気がするのだ」と。
地平線まで続くヒマワリ畑とそこに広がる広大な空と雲を描いた作品を前に、大きな渦に巻き込まれそうな不安と無力感を自覚しつつ、それでも真っ直ぐに咲くヒマワリの強さとミツバチの役割を通して、せめて見つめ続けること、記憶しておくことを心しておかなくてはならないと考えるのであった。
■榎本香菜子展ーミツバチの羽音は聞こえるかー
会期:2022年4月12日(火)〜17日(日)
時間:12:00-18:00 最終日は16:00まで
場所:千駄ヶ谷・ぎゃらりい たねから www.gallery-tanekara.jp