犬神スケキヨ~さざれ石

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

古事記を摘んで日本を知る!その15

2015-08-12 21:26:20 | 古事記
久しぶりです。

古事記です。

チョット間があいてしまいましたが、大国主命のお話しを続けます。

前回のお話しのおさらいは例えばここでどうぞ。

だから殺されますって

前回、因幡の素兎が登場しましたね。

この因幡の素兎の予言によって兄達八十神が狙っていた八上比売と結ばれる訳です。

つまり八上比売は兄達八十神を全員フッて大穴牟遅と結婚します。

神様の恋愛と言うか、結婚と言うか、くっついたり離れたり「私の本心て…」みたいな事や駆け引きみたいなモノはないんですね。

出逢った瞬間「ハイ!結婚!」みたいな。

やはり直感力ですかね?

物事やたら迷うと判断を誤ると言いますから、最初のインスピレーションが大事。

ところが気が収まらないのは兄達八十神です。

何と弟の大穴牟遅が横取りした様なもんですからね。まぁ逆恨みというか…

それで兄達八十神は大穴牟遅を殺すことにしました。

先ずは石を真っ赤に焼いて、その焼いた石で圧し潰すんですね。
圧死です。初ですね。
斬り殺されたり、火傷では死にましたが圧死は初ですね。

だいたい兄弟で婦女子を取り合うとか、そういう骨肉の争いは悲惨な結果を招くんですよ。
親の財産を子供達が取り合うとかですね、物凄い憎悪ですよ。
なまじ血縁関係だとドライにいかないのです。

それで兄達は謀をたてる訳です。

伯伎国(ははきのくに)の手間山の麓で「赤い猪がこの山にいるぞ。我々が下から追うから、お前は待ち伏せて捕らえろ!」と、言うのです。

そして「失敗したら殺すぞ!」とまで。

普通は殺すぞ!なんて言われたら警戒するんです。

殺すだけならブスッと刺すとか、火付けるとか、そんなんで良いはずです。

わざわざ山の麓に連れて行って「猪云々…」更に殺すぞとまで言われてます。

殺すとかバレちゃダメでしょ?
でも「殺すぞ!」と言ってしまってます。

しかし大穴牟遅少年は人がいいのか…神がいいのか、相当な天然か。
「殺すってなんだろう…?」ぐらいの感じでいる訳です。

「下から兄さん達が猪を追うから僕はここで捕まえればいいんだな」とか呑気に考えてます。

「でも失敗したらなんとかかんとかいったから、失敗しない様に頑張るぞ!」

それで兄達八十神は「いや~アイツ相当なド天然だな、うっかり殺すとか言っちゃったけど。全然バレてねぇや」てことに。

それでご丁寧に猪に似た岩を用意して、それを真っ赤に焼くんですよ。
それを山の上からゴロンゴロン落とすんです。

ゴロンゴロン落とすんですから、足が上向いたり途中バコーンとか飛び跳ねたり。
下手したらバカッと割れたりしたはずなんですが、大穴牟遅少年はど近眼だったのか。
普通は「こりゃヤバい!」て逃げるもんですが、「猪!猪!猪!」て、もう必死な訳です。

真っ赤に焼けた岩ですよ!それ岩ですよ!
とか誰も言ってくれないもんでゴロンゴロンゴロンゴロン落ちてくる石をガシっ!
とは、受け止められずに呆気なく圧死です。

そして二度目

大穴牟遅神は殺されました。

それを聞いた母、刺国若比売は悲しんで神産巣日神にお願いするのです。

神産巣日神(かみむすひのかみ)
天之御中主神、高御産巣日神に次いで三番目に現れた神です。
後々登場する少名卑古那神のお父さんです。

この神産巣日神に母である刺国若比売はお願いします。
「なんとかうちの子を助けて下さい」と、神産巣日神は聞き入れます。

そして、赤貝の神様と蛤の神様を遣わします。
赤貝と蛤の粉で作るスープと言うか出汁が古代療法の一つだそうで、これを塗り込むと大穴牟遅神は生き返りました。

神様は死んでも生き返る!
コレは驚きです。
伊邪那美命は火傷で死にましたね?
コレを塗れば生き返ったのに…
しかし、伊邪那岐命と喧嘩して呪いの言葉を吐いてしまいましたからダメでしょうね。

で、せっかく生き返った大穴牟遅神はやっぱりバカなのか?

自分を殺した兄達八十神な「ハイキングに行こう」と誘われました。
普通なら一回殺されてるんですから、警戒しますよ。
「こりゃ、また殺されるな…」て。
ところが「あ!楽しそう!行きます!行きます!」もうこれはアホです。
完全にアホです。

兄達は木を割いてそこに楔を打ち込みガバっと開いた状態にしときます。
その開いた状態の木に座れと大穴牟遅に指示します。

いやいや!それ!どう考えても危ないし!
殺す気満々やん!と側で見ていたら言いたくなりますが、「あ、ここですか?」て大穴牟遅神は座ります。

そこで兄達は楔を抜いてしまいます。

すると開いた木がバイーン!と勢い良く閉じるのです。
それで挟み込まれて圧死です。

「いやいや、だから~!」とツッコミたくなる死に方です。

更にまた圧死です。

しかし木に挟まれて死ぬぐらいですから、体はあまり大きくない様ですね。

次回へ続く…