画像はオーセールのサン・ピエール教会です。
ファサードの形状が、フランスの聖堂に慣れた目からするとユニークに感じました。
オーセール市のHPによると、「ルネッサンスが感じられる17世紀の古典様式のファサードに由来しています」とのことです。
その一方、後ろの塔はフランスでは見慣れたゴシック様式です。
この教会の周辺地区にはワイン生産者と肉屋の同業組合があり、教会にはそれらの守護聖人である聖ヴァンサンとSaint Cartaud(Cartault?)の彫像があるそうです。
ワインとお肉という、グルメにもありがたい存在ですね。
Diocèse de Sens & AuxerreのHPから、サン・ピエール教会の歴史をたどってみます。
6世紀
修道士の建物が設立される
887年
サラセン人に略奪される
910年頃
ノルマン人に略奪される
11世紀末
修道院の周りに新しい地区が設立され、川でのワイン取引の発展と都市の復興に引き付けられてオーセールに集まったワイン生産者と職人が住む
1107年
小修道院は聖アウグスティヌス修道会の正式な司教座聖堂参事会員に託される
1169年
修道院が建てられる
1174年
教皇アレクサンデル3世によって認められる
1567年
ユグノー(16-17世紀のカルバン派新教徒)によって荒らされる
16世紀末から1672年
ルネッサンス式教会を再建する
1789年
司教座聖堂参事会員が5人だけになる(大革命の影響か)
1793年
修道院は廃止され、礼拝が禁止されていた教会は硝石工場に変わる
1801年
(ローマ教皇との)政教条約とともに、サンピエールは再び小教区になる
1862年
歴史的建造物に指定される
1940年6月、1944年6月と7月
爆弾が内陣と南の歩行者用窓のステンドグラスの窓を損傷
21世紀
すべての修道士の建物の発掘調査が行われる
こうしてまとめて見ると、この教会もサラセン人、ノルマン人、ユグノー、大革命、世界大戦など、歴史の荒波を乗り越えてきたことが、よくわかります。
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