こないだ、某ハムフェアに行ったとき、UM-Products(ウエダ無線オリジナル)のハンディホイップと小型のマグネット基台が、格安で売っていた。型番はSMA-72で、全長36cm。耐入力は10Wである。ハンディ用としては、ちょっと長めであるが、耐入力10Wあれば十分である。
「セットで、どうですか」
「コネクタは?」
「どちらもSMAなので、そのまま使えますよ」
「うーむ、じゃ1セットで」
買ったがな。
でも、ハンディホイップなので、ノンラジアルタイプではないよな。もともとハンディトランシーバー用に設計されているものが、マグネット基台でも動作するのか?マグネット基台と屋根間は、静電容量結合でアース効果が得られるのだろうか? ハンディトランシーバーのFT1XDを使って実験してみます。マグネット基台のケーブルもSMA-Jなので、FT1XDにそのまま接続できます。
MFJのSWRアナライザで測定してみましょう。
ちなみに、MFJの測定器の入力はMコネなので、SMA-P⇒M-Jの変換コネクタを入手しました。この手の変換コネクタは比較的高いのだが、ア〇ゾンで、いろいろな組み合わせ4個セットが千円以下でありました。中華製ですが、特に問題はありません。
結果ですが、144.66付近(APRS周波数)でVSWRは約1.7を示し、R=44Ωです。若干周りの影響があっかもしれませんが、使えないほどではないようです。しかし、それほど良くもないという値ですね。VSWRの底は1.5程度で、144MHzアマチュアバンド外の上下に2か所あるようです。(設置環境によって、異なる場合があります)ワイドバンド受信対応になっているので、もしかしたら広帯域に対応できるように、そのような設計になっているのかもしれません。
これだと、トランシーバーのファイナルを壊すこともなさそうなので、引き続きAPRS運用に使おうと思います。ほんとは、モービル用のノンラジアルホイップを使うのが一番いいのでしょうが、これだと目立たないのがいいですね。
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追記
マグネット基台の位置を移動すると、VSWRが変化することに気がつきました。ルーフトップの真ん中に設置するのが見栄えがいいのですが、若干車体外側にずらした位置で、VSWRが1.2を示す位置があります。アンテナが少し外側にそるようになってしまうので、あまりかっこ良くはないのですが、電気的性能を優先することにします。かなりクリチカルで、数センチ違ってもVSWRが悪化するようなので、アナライザがないと、最適位置を探すのが大変なくらいでした。
「セットで、どうですか」
「コネクタは?」
「どちらもSMAなので、そのまま使えますよ」
「うーむ、じゃ1セットで」
買ったがな。
でも、ハンディホイップなので、ノンラジアルタイプではないよな。もともとハンディトランシーバー用に設計されているものが、マグネット基台でも動作するのか?マグネット基台と屋根間は、静電容量結合でアース効果が得られるのだろうか? ハンディトランシーバーのFT1XDを使って実験してみます。マグネット基台のケーブルもSMA-Jなので、FT1XDにそのまま接続できます。
MFJのSWRアナライザで測定してみましょう。
ちなみに、MFJの測定器の入力はMコネなので、SMA-P⇒M-Jの変換コネクタを入手しました。この手の変換コネクタは比較的高いのだが、ア〇ゾンで、いろいろな組み合わせ4個セットが千円以下でありました。中華製ですが、特に問題はありません。
結果ですが、144.66付近(APRS周波数)でVSWRは約1.7を示し、R=44Ωです。若干周りの影響があっかもしれませんが、使えないほどではないようです。しかし、それほど良くもないという値ですね。VSWRの底は1.5程度で、144MHzアマチュアバンド外の上下に2か所あるようです。(設置環境によって、異なる場合があります)ワイドバンド受信対応になっているので、もしかしたら広帯域に対応できるように、そのような設計になっているのかもしれません。
これだと、トランシーバーのファイナルを壊すこともなさそうなので、引き続きAPRS運用に使おうと思います。ほんとは、モービル用のノンラジアルホイップを使うのが一番いいのでしょうが、これだと目立たないのがいいですね。
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追記
マグネット基台の位置を移動すると、VSWRが変化することに気がつきました。ルーフトップの真ん中に設置するのが見栄えがいいのですが、若干車体外側にずらした位置で、VSWRが1.2を示す位置があります。アンテナが少し外側にそるようになってしまうので、あまりかっこ良くはないのですが、電気的性能を優先することにします。かなりクリチカルで、数センチ違ってもVSWRが悪化するようなので、アナライザがないと、最適位置を探すのが大変なくらいでした。
マグネット基台でアース…、正確に言うと取れないのですが(車のボディも数層の塗装面だし絶縁体のタイヤもあるし)、「アースが取れた事にする」と言うのが正しい言い方なのかな?と。
つまり静電結合と言えます。
ホイップアンテナの測定法ですが1m四方のアルミ、銅板などの中央に穴を開けてホイップアンテナをネジ止めするのです。
もちろんアンテナと銅板などとは絶縁状態で取り付けます。
銅板をアース(地面)に繋ぐことはしません。
この方法でハンディトランシーバーに装着したのとほぼ同じ状況となります。(ほぼ同じとみなす、が正しいのですが。)
ホイップアンテナという小さなアンテナと小さなハンディトランシーバーという関係はスピーカーに大型の木のバッフル板を付けただけ(エンクロージャーを使わない)のスピーカーシステムと同じ原理となります。
(スピーカーの口径に対して充分大きなバッフル板ならばボックスにしなくても理想的な無限大バッフルを再現できる)
そしてホイップアンテナを付けたこの銅板を電波暗室(無響室の電波版)の中央に高さ1~1.5mの発泡スチロールや樹脂などの台に置いて測定用の標準アンテナ(多素子の八木アンテナまたは半波長ダイポールです)で測定するのです。
ちなみにK社(現、JK社)の鴨居の事業所の6階にかなり巨大な国際機関の認証を受けた電波暗室があります。(TDK製)
ところで私がY社、K社にいた時にSWR計は一度も見たことも使った事もありませんでした。
全てベクトルネットワークアナライザーを使っていました。
スパン周波数が例えばですが100kHz~100GHz、しかもテンキーで周波数選び放題という夢のような測定器です。
お値段もそれなりで1000~5000万円します。
扱うパラメーターはSWRではなくて全てSパラメーターまたはベクトルインピーダンスで、アンテナの測定はS11を計ります。
この測定器はSパラメーターと同時にベクトルインピーダンス表示もしてくれるしイミッタンスチャートも同時表示するというまさに夢のマシンです。
(高周波の教科書ではスミスチャートがよく載っていますが、無線機設計など高周波のプロの現場ではスミスチャートは使わずにイミッタンスチャートを使います。スミスチャートだけだと並列回路の特性を同時表示出来ないから意味がないのです。)
でもメーカのカタログや技術解説にSWRが記載されていることがありますが、これらはSWR表示を求めるユーザーの為にわざわざSパラメーターやベクトルインピーダンスをSWRに計算し直して営業や広報の要求に応えているのです。
高周波、無線の教科書では決まってSWRでインピーダンスマッチングの解説が出て来ますが開発現場では殆ど論じられません。
もっともアマチュア上がりの設計者だと現場でも直ぐにSWRで論じるのが好きな人もいます。
でも先述のSパラメーターやベクトルインピーダンスの方が扱いやすいんです。
理由ですが単なるSWRだと回路の虚数部が分からないからです。
虚数部が分からないとマッチング回路の設計が出来ないからです。
ただホイップアンテナのように常にマッチング状態が変わる(人体や他の物質に近づいたりして)ものはある範囲でマッチングが取れれば良いというけっこうアバウトな事をしているのも事実です。
メーカーでは高額な測定器がありますが、個人では無理なので簡易的に測りました。ハンディホイップだと筐体+人体も含めての動作だと思うので、そういう状況で最適化されているのは理解できます。
適当に車の上に取り付けていた時は、APRSのビーコンが近隣のノード局にうまく伝わらない場合が多かったのですが、最適後はビーコンの通りが良くなったようで、APRS-HPで確認すると軌跡が改善されているのを確認しました。
ウエダ無線の、これより短いハンディホイップもあり、同様に測定してみましたが、どこに設置してもVSWRが低下しませんでした。あまり短いとトランシーバーに直接付けないとうまく動作しないものもあるようです。