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嫉み(ねたみ)と上手に付き合う

2015年08月05日 | コンサルティング

「あなたは誰かを嫉んだ経験はありますか?」と質問されたら、何と答えますか?

実際のところ、「人を嫉んだことは一度もない」と言える人は少ないのはないでしょうか。

自分の過去の経験を踏まえ嫉みについていろいろ考えてみると、人が嫉みを抱くのは距離的に自分にとって身近な人、また、立ち位置は自身と同等、もしくは同等より下だと考えている人がその対象になっていると思います。

嫉みとは、そうした人が自分よりも抜きんでていたり、自分が手にしていないものを得たりした時に抱く、マイナスの感情なのでしょう。

逆に、自分よりも明らかに上位に位置していると考えている人が成功した場合などには、羨ましいという感情は持ったとしても、それが妬みにはならないということです。

そんなことを考えていたところ、先日NHKの「あさイチ」で「嫉み」をテーマに取り上げていました。

番組では「嫉み」とは、誰もが抱くごく自然な感情であるとしていました。出演していた精神科医によると、嫉みと脳には密接な関係があり、嫉んでいる時の脳は前部帯状回が活発に働いていることがわかっているそうです。

そして同時に、嫉みは苦痛の一種ではあるけれど、辛い状況を察知してそこから逃れようとする、状況を変えようという動機づけにもなるのだそうです。

嫉みは誰もが持っている感情で、性格によるものなどではなく、同時にそれは行動を起こすモチベーションにもなり得る、良いことをもたらすものでもあることがわかってきているとのことでした。

ただし、嫉みには良性と悪性があり、嫉ましい人を刺激にして頑張れるのが良性、刺激になり過ぎて自分がへこんでしまうのが悪性の嫉みだそうです。

そして、良性の嫉みと目標に向けて頑張り続ける持続力の間には関連があり、「あの人のようになりたい」と考える良性の嫉みとすることで、高い目標を掲げ頑張り続けることができるという研究結果があるようです。

つまり、自分が成長したいと考えるのであれば、悪性の嫉みを良性のものにしていくことが大切だということです。

そして、この悪性の嫉みを良性に転化させるには、

1. ねたみを自覚する

2. まねをしない(相手のようになろうとしない。)

3. 自分なりの目標を設定する。(仮に痩せたいと考えるのなら、自分なりの目標をたてる。目標のカスタマイズ)

ことが大事なのだそうです。

嫉みの感情を持つこと自体は自然なことで、恥じるようなものではないということですから、あとはそれをいかにして自分にプラスにしていくかが問われていると思います。

もし、あなたが「誰かを嫉んでいるのでは?」と感じた時は、逆に自分が成長できるチャンスを得たと前向きにとらえて、まずは自分の感情を素直に自覚することからはじめてみてはいかがでしょう。

(人材育成社)