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「革命」で育成はできるのか

2017年08月27日 | コンサルティング

「人づくり革命担当大臣って、何なの?」ここ最近、私の周囲で話題に上ることが多い素朴な?疑問です。今回の内閣改造で新たに創設された大臣の名前ですが、「革命」と名乗るなど非常に勇ましい感のある名称です。

新しい内閣の看板政策として掲げたものだそうです。先日テレビ番組に出演していた茂木大臣は自身の役割として、「すべての人に開かれた教育機会の確保や、社会人の学び直しなどを検討したい」と話していました。

この大臣名についている「革命」という言葉ですが、実際にはどういうことを指しているのでしょうか。「革命」という言葉を改めて辞書で調べてみると、一つには「ある状態が急激に発展、変動すること」という意味があります。

今回の「人づくり革命」のねらいの一つには幼児教育の無償化があるようです。しかし、何事も急激に発展させたり変動させたりすることは、簡単なことではないことは言うまでもありません。あまりにも急に成果を求めすぎると反対にはっきりした効果が出なかったり、結果として痛みを伴ったりすることは意外によくあることです。

このように、何事においても「革命」を起こすのは大変なエネルギーがいることですが、こと「人の育成」に関しては、変化や効果は簡単に得られるものではないと考えています。人材育成においては「革命」という言葉のニュアンスほどの急激な変化=「人の実際の育成」につなげることは決して簡単ではないです。その意味で「革命」という言葉は現状に合っていないと思います。

たとえば、パソコンスキルのように習得すればすぐに使えるようなスキルの場合で、新たに効率的なやり方を習ったとしても、その人が実際に試したり使ったりしなければ、身に着けることはできないわけです。

私自身、かつてパソコン教室に通ったことがあります。そこでいろいろ便利な機能を伝授されました。しかし、すぐに復習したり実際に試したりしなければ、身に着ける前に時間の経過とともに忘れてしまうわけで、実際にそのようなことがありました。

たとえ効率的な方法であっても、実際に「自分のもの」になっていないと、急いでいたりするとつい、従来の慣れたやり方で作業をしてしまったりします。こうなると時間をかけて習ったものが結局は宝の持ち腐れになってしまうということです。

難しい知識やスキルであっても、パソコンのように試すことをすれば身に着けやすいようなスキルであっても、本人が実際に取り入れてみようとするか否かによって結果は異なります。

要は、本人のやる気が結果を大きく左右するということです。人材育成においてはこの本人のやる気をいかに引き出せるかが重要な要素ではないでしょうか。

この意味で、弊社の行う人材育成は決して「革命」ではありません。しかし、着実に成果をあげられることを目指しています。

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