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上司のたった1つの条件

2018年07月22日 | コンサルティング

上司の定義は「組織において自分より役職が上位となる人物のこと」ですから、会社組織においてはすべての役職に必ず上司がいます。(社長にも株主という上司がいると考えます)

上司の仕事とはなんでしょう。真っ先に思い浮かぶのは「部下に仕事を与え、完遂させ、その成果を評価すること」です。さらに「部下を指導育成する」ことも重要な役割です。部下から見れば上司は「仕事の発注者であり、仕事の先生」でもあります。

さて、部下にとって「理想の上司」とはどのような人を言うのでしょう。私は毎年4月にいくつかの会社で新入社員研修を行いますが、最も「下っ端」である新人にとって「これか巡り合う上司がどんな人物であって欲しいか」を尋ねることがあります。グループで話し合って「理想の上司像」をたくさん出してもらいます。私はそれを片っ端からホワイトボードに書いていきます。

明るい、誠実、行動力がある、優しい、上手に叱ってくれる、むやみに怒らない、ほめ上手、人格者、思いやりがある、好き嫌いで判断しない、仕事ができる、知識が豊富、調整能力がある、責任を取る、教えるのが上手、コミュニケーション能力がある、聞き上手、ユーモアがある、飲みに連れて行ってくれる、時にはおごってくれる・・・他にもたくさんあります。挙げればきりがありません。

ほぼ出尽くしたところで数えてみると、いつも30くらいは並んでいます。次にこう質問をします。「これだけの条件を全部兼ね備えた上司は実在すると思いますか?」当然ですが、全員が首を横に振ります。

では、この条件を半分にします。どれとどれを消しますか?」グループ内で議論が起こります。決着がついたところで、ホワイトボードから半分を消します。たとえば30→15です。

「では、さらに半分にします。どれとどれを消しますか?」今度は不満の声が上がります。それでも仕方なく消す条件を選びます。15→8です。

「またまた半分にします。どれとどれを消しますか?」7→4、そして4→2と進みます。

こうして最後に1つだけ残ります。

過去十数年、業種や規模も異なる新人たちに行ってきましたが、面白いことに最後にたった1つだけ残る言葉はほぼ一致しています。

それは「逃げない」です。

これは、「責任を取る」ということでもありますが、たとえ(上司が)責任を取る必要がなかったとしても、知らんぷりはしてほしくないということです。

部下、あるいは後輩をお持ちのすべての皆さんに次の言葉を送ります。

「逃げちゃだめだ」

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