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第944話 テレワークで浮いた通勤時間に何をするのか

2020年08月05日 | キャリア

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

新型コロナウイルスの感染者が再び増加の一途をたどっているここ最近、改めてテレワークを導入している企業が多いようです。このブログでも何度も触れてきているとおり、テレワークのメリットには様々なものがありますが、その一つとして挙げられるのが通勤時間の削減です。

総務省 統計局の平成 28 年社会生活基本調査によると、通勤・通学時間(行動者平均時間)を都道府県別にみると神奈川県が1時間45 分と最も長く、次いで千葉県、埼玉県などとなっていて関東地方で長くなっているとのことです。確かにこれだけのまとまった時間が浮くのですから、それは大きなメリットだと考える人が多いことはもっともなことです。

では、多くの人が享受できるようになったであろうその時間を、ビジネスパーソンはどのように使っているのでしょうか?

もともと子育てや介護をしている人であれば、その時間をさらに充てることができるようになったことと思います。また、人によっては睡眠時間を増やしたり、運動をしたり、新たに趣味に取り組んだり、さらには学校に通い始めたり、地域の人との交流を深めたりという人もいるかもしれません。

それぞれ、この時間を有効に活用しようとしていることと思います。

ここで話はかわりますが、日本生産性本部が2020年5月に行った「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」で、新型コロナウイルスの流行以降の自己啓発の開始の有無についての質問をしています。それによると、雇用者の42.8%は前述のとおりコロナウイルスの流行後に「余暇時間が増加した」と回答しているとのことです。

さらに、同調査では仕事やキャリアに関わる能力やスキルを高めるために、何か新しい取り組み(自己啓発)を始めたかについても質問しています。その調査結果によると自己啓発を始めた人は8.8%にとどまり、始めたいと思っているが30.1%、特に取り組む意向はないが6.1%になっています。

この結果から考えると、時間には確かに余裕ができたものの、実際に自己啓発に取り組んでいる人は意外にも少数であることがわかります。

厚生労働省が毎年行っている「令和元年度の能力基本調査」では、自己啓発を行っていない理由の1番目に挙げられているの「「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」です。

しかし、今回テレワークの導入による通勤時間の削減により、せっかく50分もの余裕ができたのにもかかわらず、実際に自己啓発に取り組んでいる人が少ないことは少々残念な気がします。

今後テレワークの継続的な導入により、プロセスではなく仕事の成果で評価される流れになっていくと言われています。しかし「成果を出す」ためには、当然それ相応の努力をすることが必要であり、今後はこうした努力がこれまで以上に求められるようになると考えられます。

そのためには、まず自己を磨くこと、自己啓発をすることの意味と必要性をきちんと理解し、そのうえで実際に行動に移していくことが求められるのです。

このように仕事の成果の差に直結するであろう、テレワークによって浮いた時間をどのように使うのか、今まで以上にそれぞれの意識と行動が問われる時代が既にやってきているのだと感じています。

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