「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
対面型の集合研修からオンライン研修へ、コロナ禍により社員研修のスタイルが大きく変化して、はや数ヶ月が経過しました。
研修を提供する講師の側としては、回を重ねるごとにオンライン研修にも少しずつ慣れてきて、メリットもデメリットも感じるようになっています。このような状況下で最近痛感するのが、オンデマンド型の研修の難しさです。
ご存じの方も多いかと思いますが、オンライン研修は大きく2種類に分けられます。一つはオンライン型で、インターネットで講師とつながったライブ配信を視聴し参加するタイプの研修です。もう一つはオンデマンド型で、あらかじめ収録された動画を視聴するタイプの研修です。
どちらのタイプも、パソコンを使って研修を受けることになりますが、前述のようにここに来て改めて難しさを感じているのがオンデマンド型の研修です。
オンデマンド型研修の具体的なメリットとしては、自分の都合のよい時間に視聴したり自分のペースで進めることができるので、理解の進み具合により動画を一時停止したり巻き戻したりしながら受講することができます。また繰り返し何度でも視聴することができるので、復習しながら理解を深めることが可能な点が挙げられます。
反対にデメリットとしては、ライブ配信ではないため、その場で講師に質問するようなことはできません。
このように、オンデマンド型にはメリットがある一方、事前に研修の動画を作成する際に目の前に受講者がいないため、直に反応を確かめながら進めることができない点が研修を提供する講師の側にとっては大きな問題になります。
通常の対面型の研修であれば、受講者の反応によって繰り返し説明したり、事例を入れたり、別の表現に変えてみたりするなど、状況に応じて対応することが可能です。
この点、オンデマンド型では目の前に受講者がいないため、どうしても講師の側で一方通行の進め方にならざるを得なくなってしまうのです。
もちろん、重要な箇所は声を少し大きくして強調する等の工夫はしています。しかし直接受講者の反応を確かめることができないため、果たしてどれくらい伝わるのだろうかという心配はつきません。
このように考えると、実は研修に限らず通常の(リアルの)対面コミュニケーションにおいても「聞き手の反応が確認できないと話し手がうまくコミュニケーションを続けることは難しい」ということが言えます。
対面で話していて、オーバーに反応を示してくれる人がいる一方、話を聴いていても反応が薄かったり、中には全く反応を示さなかったりという人もいます。こうなると、話し手にとっては積極的にコミュニケーションをとろうという気がだんだん失せてしまうことになります。
今後、対面でコミュニケーションする際には、ぜひ聞き手の反応が話し手の気持ちにも大きく影響するのだということをあらためて認識していただきたいです。それを踏まえれば活発なコミュニケーションにつながるのです。