(1)に続いて送信する際の最低限を書いておく。受信以上にこちらは十分に把握できていない。
アマチュア無線なんだから分からないことも試してみてなんぼ、とは言うものの酷い送信をして
迷惑かけてしまってはいけないので、実際に送信される際は慎重さを心がけたい。
使ってみて分かったのは、
・MSHVは呼ばれる側に向いているが呼ぶ側では使い勝手が悪い。
・自動で呼ばれるだけなら他との比較が無意味なほど楽。極論オペレータは見ているだけ。
・デコード率については他と比較した事が無いのと、さほど長時間使っていないため差は良くわからない。
・AUTOで多ストリームを続けているとアプリがクラッシュしたこと数回あった。不思議とフリーズは無かった。
・PCはIntel i5 6200U , RAM16GB、Windowsは11だが、CPU使用率は最大負荷時でも40%超えることは無かった。
WSJT-XやJTDXと比べるとウォーターフォール画面での周波数設定の方法が異なるので操作に違和感を感じた。
受信する周波数幅は赤矢印部をマウスドラッグして調整できる。下記の場合だとDF 900Hz~2100Hz以外はメッセージ欄に
出ないようにしている。自局のDFはウォーターフォール画面のクリックで指定する。LTR(Lock TX RX freq)にチェックが入っていると
TX(赤)/RX(緑)が一緒に動き、チェックを外すとTX/RXそれぞれを設定できるようになる。
上の画面でメッセージのコールサインをクリックすれば情報が取り込まれ、下図の赤枠部分に情報が反映される。
コールするなら、TX1ボタンを押せば送信が始まる。
EVEN/ODDの選択は、TX FIRSTがEVENで、TX SECONDがODDである。
TXnボタンを手動で操作して交信した場合は、ログが自動で反映されないので画面左の"ADD TO LOG"で
入れるのを忘れないように。
"AUTO IS OFF"ボタンを押して"AUTO IS ON"に変えると、TX1→TX3→TX5を自動で進めるようになる。
その場合でも1交信終わると"AUTO IS OFF"に自動で戻るので、あくまでワンシーケンスだけを自動で進めるものだ。
完全に自動で行うには、"Options"-"Other Options"のサブメニューを開いて設定する。
自動運用には二つのモードがあり、"MultiAnsweringAuto Seq Protocol Standard"と"MultiAnsweringAuto Seq Protocol DXpedition"。
作者のLZ2HVは「ペディションでない普段の運用にDXpeditionモードを使ってはいけません」と希望しているので守りたい。
二つのモードの違いを説明する前に、自動(Multi Answer Multi Sequence)が使えるのは標準周波数外のみである。
いわゆる14.074MHzとか18.100MHzの皆が出ている場所では使えない。アプリケーションで設定できない仕様だ。
従って例えば、21.074でCQ出して沢山呼ばれ始めたら(どの程度で沢山とするかは人それぞれでしょうが)
"QSY 21.091"とかアナウンスしてQSYし、そちらでMulti運用に移るという感じになるでしょう(私はそうした)。
自動(Multi Answer Multi Sequence)に変えるとアプリ画面のTX1~TX7だったエリアがキューと設定だけの画面に変わる。
"Queue Limit: n"のスピンボタンは、待ち行列キューに最大何局入れるかを指定する。多すぎても順番が来た頃にはいなくなっている
事も増えるので5~10程度が使い勝手が良いように思う。キューに入った局を手動で削除することが可能。
"Max Periods: n"のスピンボタンは、リトライを何回まで許容するかを指定する。多すぎても少なすぎても良くないが、電波状態を
見ながら大抵は2(調子良い時)か3(リトライする局が半数以上の時)くらいで運用したが、これとSlot数のバランスで調整するのが良い。
"Sort"のコンボボックスは、"Sort Off"指定なし、"Distance"距離で並べ替え、"S/N(dB)"強さで並べ替えを指定できる。
EUが開けている時に沢山JAが呼んできた場合に、Distance Sortすると一気にキューにJAが入らなくなったりする。
"MultiAnsweringAuto Seq Protocol Standard"の場合
・TX Slotsは1か2のみの選択。1はEVEN/ODDいずれも可能、2はEVENのみでODD不可。
"MultiAnsweringAuto Seq Protocol DXpedition"の場合
・TX Slotsは最大6まで可能。全てEVENのみでODDでの運用は不可。
6mでJAが強烈に開けていた時に、6Slotsで綺麗に応答がやり取り出来た時は、思わず「おおぉっ!」と声が出た。
最後にフィルター。呼んでいる時に自分には使われたくない機能だ。
"Options"-"Decode Lists Options"のサブメニューを開いて設定する。
見ての通りで、パイルで全く相手にされない時は「あーフィルタリングされちゃったかなぁ」と思った方が
良いかもしれない。
如何せんソフトウェアのことなのですぐに内容は変わっていってしまうと思うが、今回使ってみたので
分かったことを書いておいた。間違いなどあるかと思うがご寛容に願いたい。
より詳しく、正確な情報を入手するには下記サイトがたいへん役に立つ。
MSHV Amateur Radio Software
新しいバージョンでは、以前、チャットサイトで要望の多かった、「コールサインを自動ではなく手動でQueueに追加できる機能」が加わっていました。
ウォーターフォール画面での送信周波数の選択について、マニュアルが古く説明が曖昧で、ずっと気になっているんですが、「LTR」にチェックが入っていないと、送信周波数を選択できないということなんでしょうか? アドバイスいただければ幸いです。
LTRのチェック外した場合は、マウスクリックで緑(RX)を指定できるので、赤(TX)も変えたければ先に緑を変えてからしか出来なさそうです。
呼ばれる分にはLTR入れて受信は指定する必要も無いので、そもそもが呼ばれるためのソフトの仕様だと、こんなところでも感じます。