モナカ

　暑くなって来ると、昼休みにふっと食べたくなるものがある。アイスモナカだ。なぜなのかわからない。
　ジェイエスピーのビルの１階にはファミリーマートが入っているので、エレベータを降りればすぐに買える。しかし、１階のファミリーマートのアイス売り場は、雑誌、特にマンガのコーナーと垂直に交わった隅にあるため、立ち読みサラリーマンが乱立するエリアになっており、そこをかき分けてアイスモナカに手を伸ばすのは、少し、気が引ける。アイスのケースに半分腰掛けるくらいに寄りかかっている、むさい男がいる場合、しかもよく見ればそれがジェイエスピーの社員だったりすると、もっと、気が引ける。
　ま、気が引けても腰は引けないので、食べたい時はぐいぐい立ち読みエリア深くに侵入しチョコモナカ「ジャンボ」などを手にする。おそらく、むふふ、などと気付かぬうちに声を出しているかもしれない。注意したい。

　ファミリーマートを出ると、いきなり袋を破りぱくっと喰いつきながらラーメン博物館方面に、というか鳥山川方面に向かう。遠藤科学さんのビル、フレッシュネスバーガー、澄仙（スミセンと読むらしい。和風ダイニングと看板が出ている。まだ入ったことがない）、そしてラーメン博物館。さらに隣にあたらしく東京ブランド質屋さんがオープンしている。客が入って行くところをまだ見たことがない。
　
　鳥山川のほとりは、なんとなくのんびりした公園になっている。ベンチも多いが人も多く、昼休み中盤でベンチを確保するのはかなり難しい。大勢の人がベンチやら護岸やらに腰掛けてお弁当を食べている。散歩している人も多い。
　さんかく橋という白い橋がある。吊り橋風に両側の欄干の上に大きな三角形を配置してある。このさんかく橋を渡らずぶらり進むと左手に少年野球場があり、グラウンドではキャッチボールをやっているサラリーマンやＯＬがいて、眺めていて飽きない。
　このあたりまで歩くと、いくらジャンボでもモナカは食べ終わってしまう。さびしいが勢いはあるので浜鳥橋を渡り、労災病院側から新横浜の街に建つ会社のビル達をながめながらもと来た方へ戻り、さんかく橋を渡って会社に帰る。

　ラーメン博物館の道を挟んだ向かい側は、ＪＲＡの場外馬券売り場、ラーメン博物館が経営するラントラクトというレストラン、駐車場、そしてジェイエスピーが入る１階がファミリーマートのビルだ。こうしてぶらっと一周してくると昼休みが終わる。

　このラントラクトには人工の滝が作られており、滝を見ながらテラスで食事ができるようになっている。テラスの雰囲気を盛り上げるためだろう、一定間隔で野鳥の声をスピーカーで流している。だからジェイエスピーでは窓を開けると滝の音と野鳥の声が部屋いっぱいに広がる。


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株式会社ジェイエスピー
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