JSP_Blog

ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

ソフトウェア屋

2010-05-24 10:16:32 | 日記
 八百屋、魚屋、米屋など、そこに行くと野菜や魚や米が買える店が、昔はどこにでもあった。最近はスーパーになったり、コンビニになったりしているが、料理の素材を売る店は多い。人は食べないと生きていけないし、作り手も毎日活発に活動しているからだろう。出来合いの物を食べるだけの生活では、経済的にやっていけない、とか、そんな生活はつまらない、という思いなどが考えられる。または、出来合いの物では、アレルギーになってしまったり、体に合わない、という場合も考えられる。その人にぴったりあった食事を、食材を吟味して作り上げる必要もある。
 
 では、飛躍するが、ソフトウェアはどうか?

 ソフトウェア屋で素材を買って、自分の仕事にピッタリ合ったソフトウェアを自分で作ってしまおう、と言う人はどれぐらいいるのだろうか?
 そもそもソフトウェア素材をショーウインドウに並べて量り売りしている肉屋みたいなお店は存在しているのだろうか?

 「あ、そこのJavaソース、そうそこのServlet豆ね。5キロ。えーと、それとそこのEJ豆ソース、10キロ」
 「お客さん、今日は買いますね」と秤にソースプログラムを乗せて計量する店のおやじ。「ちょっとオーバーしちゃったけど、これオマケね」
 「助かるなぁ、経費切り詰めろってうるさくってさ」

 と、言うことにはならないだろうが、ソースプログラムを各種取り揃えているお店など見たことがない。そもそも、一般の生活の中で忙しいさや質の高さ低下を防ぐ方策に、コンピュータに仕事をやらせてみよう、という発想が生まれない。コンピュータに何ができるかわかっていないから、何をさせられるのかわからないのだ。
 これは、ソフトウェア開発企業の技術者にも当てはまる。ソフトウェアリテラシーが低いソフトウェア技術者はいる。上司に言われたからと繰り返し繰り返し同じ作業を延々とやっている技術者がいるが、そんなことこそコンピュータが得意とする分野ではないか。
 
 忙しい、作業の質が低くなってきた、という時、多くのマネージャは「人」で解決しようとする。正しいアプローチだ。
 使える機械に近づいてきてはいるが、まだまだコンピュータは使えないヤツなのだ。コンピュータがわからずやであるために、ちょっとした仕事をコンピュータにやらせるだけで大変な労力が必要になってしまう。5年使うシステムを作るために、使う従業員の倍ぐらいの人数をかけて2年間を費やす、などという信じられないようなことがまま起きる。もっと信じられないのは、やっとシステムが出来上がった頃には世の中が大きく変わってしまっていて、「欲しかったものと違う」などと冷たい扱いを受けて使われないまま作り直しになってしまうことだ。

 ソフトウェア素材やソフトウェア部品が商売の種になる時代もやがて来るかもしれない。しかし、まだまだ「簡単に」コンピュータに仕事をさせる環境が整っているわけではない。素材屋で素材を買って、サササッと自分に合ったソフトウェアを自分で作ってしまえる状況ではないのだ。ある程度素材らしいものが揃っていたとしても、システムとして動かそうとすると、本当に厄介な問題をいくつもクリアする覚悟と時間が必要だ。
 
 コンピュータのこと、ソフトウェアのことなど何も知らないお子さんやお父さんお母さんが、ちょっと手間をかければ、自分なりの、自分の仕事を手伝ってもらえるソフトウェアを作り出せる環境ができれば、これはすごい。その方向に向かって近づきつつあるとは言え、まだまだ目的地は遠い。開発者自身が、もっと楽に仕事ができる環境を常に工夫して行くべきだろう。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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