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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

愛着

2010-05-26 09:57:31 | 日記
 今思えばなんと汚いやつだったのだろうと思うが、高校時代3年間同じ上履きを洗いもせずに履き続けた。高校時代の上履きは、足の甲のところにゴムバンドが付いていてつま先に色つきのゴムが張ってあるタイプのものだった。色は学年で分けられていて1年先輩がエンジ、私たちが緑、1年後輩が青という具合だった。

 入学するとすぐ、上履きはかかとを踏まれスリッパ風の形態に形が固定された。そのうちかかと部分はすこしずつ擦り切れ、ジェット噴射を後ろにたなびかせているようになって行ったが気にしなかった。2年生の時にはゴムバンドが外れた。これはホチキスで留めた。
 次第にボロボロになっていく上履きだったが、新しいものが欲しいとは考えたこともなかった。最後は靴底のゴムがはずれペタペタと音がするのをガムテープで修繕して履いていた。卒業式までこの上履きで通し、学校で捨てるのもなんだか寂しく、わざわざ紙袋に入れて家に持ち帰った。で、そのあとどうしたのか、ここまで覚えておきながら、まったく記憶にない。おそらく、忘れてしまいたい出来事でもあったに違いない。

 昨年まで10数年使い続けたシャープペンシルがあった。大変なプロジェクトをいくつも一緒に乗り越え、いかなるときも私のメモはこのペンで書いて来た。ペンにあたっても仕方がないが、うまいアイデアが出ないときはそのペンをはじいたり転がしたりして頭を整理したものだ。しかし、それほど使い込んできたペンだったが昨年ふっとどこかに置き忘れた。置き忘れたことに気が付いたときはかなりパニックになったが無くなってしまったものは仕方がない。別のペンを使うしかない。これは何かのきっかけなのだろう、新しい仕事のスタイルをここらで考えてみようか、などど前向きに考えてみたものだ。しかし、どうもうまくない。困った。そして困ったまま、今に至っている。せめて無くしてしまったあのペンを、どこかで誰かが大事に使ってくれているとありがたい。

 腕時計は、中学生の頃父親のお下がりとしてもらったものを使っている。ゼンマイの自動巻きというタイプで、2日ほど腕からはずしておくと止まっている。すぐに遅れる。曜日と日付が3時の位置に出てくるのだが、日付は31日まで表示される仕組みになっていて30日で終わりの月の次の月の1日が来たときは、日付部分だけ調整しないといけない。という代物だが、まったく不便を感じない。
 たびたび夢に見る父の思い出の風景がある。土曜の午後、暑い日盛りの中を父がスイカを下げて帰ってくる、というたったそれだけの光景だ。当時住んでいたあたりは周囲が畑で、畑の中の一本道を父が歩いて仕事から帰って来たところで、私を見つけ、遠くで手をあげる、よお、と言う感じで。遠いのに満面の笑みだけははっきりわかる。あげた腕には時計が光っており、あ、これは今私が使っている時計だ、と思うのだ。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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