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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

2011-02-22 08:45:05 | 日記
 まだ若いころは、爪が伸びるのが早かった。どんどん伸びるので週に何回か爪を切っていたように思う。特に足の爪は切らないでいると、爪と靴の摩擦ですぐに靴下のつま先に穴が開いてしまう。
 私が小学生の頃見ていたテレビドラマや映画などでは、おじいさんはたいがい縁側に座って爪を切るか詰将棋の勉強をしている、と相場が決まっていた。そのため、年を取るともっと早く爪が伸びるようになり、絶えず爪を切っていないと大変なことになってしまうのだろうと思っていた。年寄りはヒゲが伸びたり爪が伸びたり、いろいろと面倒なことだ、と考えていたのである。

 ところが、いざ年を取ってみると、爪の伸びる速度は極めてゆっくりになり、足の爪など前に切ったのはいつだったか忘れてしまうぐらい長い間切らなくても平気になってしまった。わが家に縁側は無いが、仮にあったとしても、爪切りのために使うことはほとんどないだろう。その昔、縁側で爪を切っているように見えていたおじいさん達は一体何をしていたのだろうか。

 爪は伸びなくなったが、代わりに眉毛が伸びる。知らないうちに眉毛1本の長さが2センチにも3センチにもなる。顔をごしごし洗ったり困ったときに眉毛あたりをさっすったりする衝撃で長くなった眉毛が折れるように切れる。驚くほど長い。切れてはらりと落ちる時に気が付く。大事に育てれば果てしなく伸びるのではなかろうか。水墨画などで描かれる仙人の方々は皆眉毛が長い。皆が皆そうであるとは限らないが、老人になると眉毛が伸びるものらしい。

 高校生の頃だったか、SF小説を読みふけっていた頃、このまま自分は年を取らないのではないか、と思った時期があった。そんなSF話を読んでかぶれてしまったのだ。バカである。周囲の人がどんどん年を取るのに自分一人が年を取らない、そんなことになったらどうしようと、本気でおびえていた時期があった。しかし、みんなと同じようにちゃんと老眼になり、眉毛が伸びるようになり、頭も白くなった。一安心である。変化する、というのは、悪いことではない。

 これから日本は老人がやけに多い国になる。にもかかわらず、これまで若い人は老人とは別世界で生活してきた。「核家族」というのはまさにそういうことだ。だから、やけに多い老人たちの生態を知らない。どんな言葉をかけていいかもわからない。わからないでいるうちに、気が付いたら自分も老人になっている。まさに私がその典型だ。

 小学生の頃に、父型の祖母と1年半ほど、その後母方の祖父と半年ほど、暮らしたことがあるが、それ以外はお年寄りと生活を一緒にしたことが無い。父の晩年も一緒に暮らしていない。母とも今、別居している。自分も含め周囲はどんどん老化していくのに、老人の生態を知らないで来てしまったつけは大きい。年を取ったら年をとったなりの態度、というものがあるのかもしれないが、まったくそういうことがわからない。もしかすると伝承すべき重要な文化があるのかもしれないが、私にはそれを伝承する経験が無い。ここは開き直って自分達なりの新しい文化を作って行くしかなかろう。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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