JSP_Blog

ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

マイクロとかナノとか

2013-02-04 08:40:37 | 日記
 ソフトウェアの業界にいるとギガとがテラとか大きな単位について聞くことは多いが、小さい単位はせいぜいミリ程度で、マイクロとかナノの単位となると、しょっちゅう聞くものではない。ところがこの、あまり聞かないマイクロとかナノにまつわる技術が最近脚光を浴びている。
 
 目に見えない小さな世界の研究はまだまだ始まったばかりで、なぜそんな現象が起きてしまうのだろうと驚くような事例が次々に起きているのに科学的に解明されていないものも多いという。
 
 その不思議な現象を引き起こすものの一つが、マイクロバブルとかナノバブルという言葉通り小さな「泡」のことで、その昔はじけ散った経済のバブルと勘違いしてはいけない。自然界に存在する普通の泡は、御存知の通り何らかの理由で大気の一部が水中に引っ張りこまれて水中に残ってしまった大気のつぶのことを言う。上昇して水面に到達後、大気に同化して消滅する。ところが人工的に作られた小さな泡、マイクロバブルはゆっくり上昇し、水面に到達することなく水中で消滅する。しかも、泡の内部の気圧が高く、小さな小さな世界の話ではあるが、消滅時の泡周辺の温度は数千度に達するとみられている。そんな特徴を持っている。
 
 水中で泡が消滅する、ということは泡内部にあった気体が水中に溶け出すということを意味しており、例えば酸素でマイクロバブルを作って酸素濃度の低い水中に散布すれば効果的に不足している酸素を供給する事ができる。工業排水によって、いわゆるヘドロ化した水底に生物が生息できない理由、赤潮で魚たちが死んでしまう理由の主なものは、水中の酸素濃度が低くなってしまうことである。水中の酸素濃度を上げることによって、排水中に含まれる有害物質を分解する生物の生育を助けることが出来る。実際に実験して効果が出ているという。
 また、泡消滅時の超高温により工場排水に含まれる有害物質そのものを分解してしまう効果も観測されているという。ただし、太陽表面と同程度の超高温状態が発生する極小空間で何が起きているのか観測する技術がまだ確立されておらず、電気的磁気的領域でおもしろい発見があるのはまだこれから先の話になりそうだ。
 
 マイクロバブルよりさらに小さなナノバブルというのもある。こちらは、水中にとどまって長期間消滅しない。長期間というのがどれぐらいの長さなのかまだ判然としないが、1日2日のレベルでなく数ヶ月から数年のレベルにわたって消滅しないらしい。不思議な泡である。
 
 このナノバブルの効果は既にテレビなどでご覧になった方も多いと思うが、淡水と海水が混ざり合う部分の水を水槽に入れ、酸素のナノバブルを混ぜて、その中に淡水魚と海水魚を放したところ何か月も元気に共存している、という理由がよくわかっていない現象が観測されている。
 オゾンのナノバブルによる強力な殺菌力も明らかになっているらしく、薬品への耐性を持った細菌などへの応用も期待される。
 ナノバブルについては、まだまだこれから研究が必要でマイクロバブル同様計り知れない成果が隠されているように思える。当然多くの企業が研究を開始しており奇跡のような効果を謳って眉唾製品を売り出した所もすでに現れ始めている。

 マイクロと言えば「泡」だけでく「波」も今脚光を浴びている。マイクロ波というと電子レンジで使われている小さな波長の電磁波のことだ。このマイクロ波が持っている不思議な能力を「マイクロ波効果」と呼んで、こちらもまた多くの大学や企業が研究に参戦し始めているという話しだ。
 
 このマイクロ波は物質内部を均等に暖める機能を持っているために、土を焼いて作る茶碗やカップなど、従来の窯だと何十時間もかかったものが、マイクロ波とガス火のハイブリッド窯だとわずか数時間で焼きあがり、均等に熱せられているためにひびや変色がない高品質な製品になるという。
 しかも短時間でできるために燃料費が大幅に節約される。火を使って加熱成型する工程を要するタイプの工場などでは今後マイクロ波の利用が加速すると考えられている。

 しかしマイクロ波が脚光を浴びている原因は電子レンジの延長のような加熱機能ゆえではない。マイクロ波を使った化学反応の促進、新素材開発の可能性にこそ驚くべきものがあるという。

 マイクロ波を照射する事によって溶解させた物質は、従来のガスバーナーで溶解させた物質とは異なる様相を呈するらしい。組み合わせ方によって、今まで世界に無かった新素材が発見される可能性が秘められている。また、すでに生成方式が確立している素材であっても、マイクロ波を利用した全く新しい生成方式が発見される可能性もある。ただし、これもまた研究は始まったばかりだ。
 
 素材産業といえば、日本の主力産業の一つだが、マイクロ波効果により、複雑で大規模な化学プラントが無くても誰でも簡単に新素材が生成できるようになってしまう可能性は大きく、職人ワザ的エレクトロニクス開発で王座に君臨していた日本が、誰でも高機能エレクトロニクス製品を製造できる技術が確立した途端、急速にその地位を失ったのとまったく同じ轍を踏む危うさを感じている。早いうちに、知財となる研究成果を出す必要があるだろう。
 
 いずれにしても、マイクロ波効果により、夜景を楽しめる化学プラントは、そう遠く無い将来に姿を消さざるを得ない状況が発生するに違いない。
 マイクロやナノという小さな世界の技術革新だが、やがて世界を変える革命的な力の源になって行きそうな予感がする。(三)
 

monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする