縦横無尽の空襲は受ける、原爆は受けるですっかり焼け野原になってしまったかに思える日本だったが急激な復興を遂げ、ポツダム宣言を受諾する玉音放送から20年も経たずして東京でオリンピックが開催できるところまで漕ぎ着けた。マッカーサーが厚木飛行場に降り立ったのは玉音放送からわずか15日後、8月30日のことだという。農耕民族でのんびりした感のある日本人だが、江戸から明治に変わる時代といい、無条件降伏受諾後の時代といい、実はまったくのんびりしたところのないせわしない民族かもしれない。短期間にどんどん変化することを当たり前のように受け入れてしまう。
1964年開催の東京オリンピックから数年後、アメリカで「スター・トレック」という宇宙冒険物のテレビ番組が公開され人気を博した。日本ではその後さらに数年経って「宇宙大作戦」という名前で吹き替え放送された。ケネディ大統領がアメリカは月に人を運ぶと宣言したのが1961年、アポロ11号が月に着陸したのが1969年のことだった。現実世界がやっと月に到達しようという時にテレビの世界では太陽系をはるかに離れた遠い宇宙を「人類最後のフロンティア」と呼んで飛び回っていたのである。ランドセルを投げ出して半ズボンで走り回っていた私は、この「宇宙大作戦」が大好きで、放送時間には万難を排してテレビの前に座り込んでいたものだった。
この夏、マッカーサーと天皇の関係を描いた「終戦のエンペラー」という映画と「スター・トレック」のリメイク映画が公開された。まったく毛色の異なる映画であるにもかかわらず、不思議なことに、「終戦のエンペラー」のクライマックスで天皇陛下がマッカーサーの前に立って語りかける言葉と「スター・トレック」のクライマックスで主人公の宇宙船船長が敵の提督に語りかける言葉が、ほとんど同じ内容であったのには驚いた。時代が変わろうが国が違おうが思わず畏敬の念を抱いてしまうほどの思いというのは変わることが無いのかもしれない。「終戦の」の天皇陛下のセリフを聞いて、私の周囲に座った方々は一様に涙をぬぐっていたようだった。「スター」のほうは、そのセリフの後もどんでん返しとアクションの連続になるため、感動などしているヒマは無い。映画が終わった後でいきなりテレビ番組との違いや以前の映画との違いがあちこちでにぎやかに語られる特殊な高揚感が漂っていた。
暮らしは急激に変化する。平和で豊かな暮らしが経済の混乱や戦争で一夜にしてズタズタになったり技術の進歩で月や火星にも簡単に行けるようになるだろう。生活は変わるが、人が人の幸福を願う気持ちは変わらない。そうあって欲しい。特に人の上に立つリーダーはその気持を忘れないで欲しい。そう願う気持ちが表現方法は異なっていても、同じ意味のセリフとなって作品の中に投影されたのだろう。逆に言えば、2013年の今、激変する世界の中で忘れられつつある重要なテーマがそこにあるような気がしてならない。(三)
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株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
1964年開催の東京オリンピックから数年後、アメリカで「スター・トレック」という宇宙冒険物のテレビ番組が公開され人気を博した。日本ではその後さらに数年経って「宇宙大作戦」という名前で吹き替え放送された。ケネディ大統領がアメリカは月に人を運ぶと宣言したのが1961年、アポロ11号が月に着陸したのが1969年のことだった。現実世界がやっと月に到達しようという時にテレビの世界では太陽系をはるかに離れた遠い宇宙を「人類最後のフロンティア」と呼んで飛び回っていたのである。ランドセルを投げ出して半ズボンで走り回っていた私は、この「宇宙大作戦」が大好きで、放送時間には万難を排してテレビの前に座り込んでいたものだった。
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暮らしは急激に変化する。平和で豊かな暮らしが経済の混乱や戦争で一夜にしてズタズタになったり技術の進歩で月や火星にも簡単に行けるようになるだろう。生活は変わるが、人が人の幸福を願う気持ちは変わらない。そうあって欲しい。特に人の上に立つリーダーはその気持を忘れないで欲しい。そう願う気持ちが表現方法は異なっていても、同じ意味のセリフとなって作品の中に投影されたのだろう。逆に言えば、2013年の今、激変する世界の中で忘れられつつある重要なテーマがそこにあるような気がしてならない。(三)
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