JSP_Blog

IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

ウォーターシップダウン

2010-04-16 13:04:58 | 日記
 古来「うさぎ」は主になり脇になり、かなり多数の物語に登場している。いろいろな動物がいる中、なぜか最も出演回数の多い役者ではなかろうか。

 昔話で語られたり、鳥獣戯画で大笑いしたり、プレイボーイのマークになったり、ミッフィーちゃんと呼ばれて口をばってんにしたりして来た。「不思議の国のアリス」で走り回ったあげく、ジョン・アップダイクの「走れウサギ」に人間の格好で登場してバスケットボールをやったりした。
 しかし、私の中で「うさぎ」と言えば「ウォーターシップダウンのうさぎたち」に語られたうさぎを指す。

 この先どうなるかわからない、という不安な状況をリーダーはどう切り抜けたらいいのか教えてくれる最良のリーダー教科書ではないかと思う。中学卒業の頃手に入れた本なので、今書店で手にはいるのかどうかわからないが、今あなたが迷っているリーダーなら、子供の本だろうと馬鹿にしないで、古本屋を漁ってでも手に入れて読んでみることを心からお奨めする。

 記憶にある物語を振り返ると、坂本龍馬が殺されないで活躍していたらどんなことになっただろうかというお話をうさぎの主人公ヘイズルに置き換えて描いてみた、という感じの話だったように覚えている。同時期に「竜馬が行く」の出たばかりの文庫を読みふけったので、記憶が混同しているのだろうと思うが、上士と下士の対立、脱藩、新しい仲間たちとの新しい世界を夢見る姿は、国と時代は違えどリチャード・アダムスと司馬遼太郎が発見した同じ血の歴史を感じたものだ。

 宅地造成で掘り返される運命にあるうさぎたちの大集落とその悲劇を予言した小さな子うさぎのおびえが、物語のはじめの場面だった。長老達の誰も信じない弟の予言を兄は心から信じ、多くの仲間を救おうと立ち上がる。しかし、村を逃げ出すことができたからと言って、どこへ向かったらいいのか?自分たちは、どう生きて行けばいいのか?何を信じて生きて行けばいいのか?危機が次々と訪れ、そのたびにぼろぼろになり、力が尽きそうになる。
 そんな時、リーダーは何をしたのか?
 
 犬のように大きな敵の将軍ウーンドウォートを巣に入れまいと必死で戦う味方の戦士ビグウィグに、ウーンドウォートは「おまえは何でそんなに一生懸命戦うのか」と尋ねる。ビグウィグは言う「長(おさ)が戦えと命じたからだ」。ウーンドウォートは心底驚いて、「まだお前より強いやつがいるのか?」と叫ぶ。
 長であるヘイズルがごく普通のうさぎで、ウーンドウォートのように腕力で長になっているうさぎでないことを知っている読者は、この言葉を聴いた瞬間、胸が熱くなって、その先を読むことができなくなるだろう。
 
 知恵と勇気、そして夢をあきらめない粘り強さが、新天地を見つけ出す原動力であることを、今、私も思い出した。
 もう一度読み直したい。リチャード・アダムス「ウォーターシップダウンのうさぎたち」。数々の賞に輝き、アニメ化もされた物語だ。


monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反重力装置

2010-04-15 10:42:52 | 日記
 昔、スーパージェッターという方がいた。本来、30世紀という遠い未来から来た人物なので、昔いた、というのは間違いだが、私が知っているジェッターさんは昔の白黒アニメの中に住んでいた未来の少年である。
 このジェッターさんはタイムパトロールというパトロール隊に勤務していて、タイムマシンの交通整理のような仕事をしていた、はずだ。実はもうあまり覚えていないが、何かの事故で私の子供時代のアニメの中に出現してしまったのだ。
 彼は常にパトロール隊の制服である黄色いスーツを着ていた。実に礼儀正しい人物だ。このスーツのベルトのバックルがすごい。反重力装置になっているのである。
 この反重力装置を使って、およそ60Kgほどありそうな体重を大幅に減少させ、野口さんや山崎さんが宇宙ステーション内を飛んで歩いているような軽やかな空中移動を可能にしているのである。
 ドラえもんの竹コプターも反重力装置の一種だろうと思うが、ネーミングがすでにユーザに受入れやすいものになっており、反重力装置という「科学技術」を感じさせる硬い響きは失せている。
 私が実用的な個人利用の反重力装置について話を聞いたのは、このジェッターさんが最後だったと思う。その後、私の周囲の方々は急速に科学技術から精神世界に興味の方向性を変えて行った、と記憶している。
 人の心の力、「気」で、飛ぶのである。悟空もジェダイもみんな、心の力で空を飛んだ。

 重力について最も理解を深めたのは、かのアインシュタインさんだったかもしれない。19世紀後半から20世紀前半の世界は、この世界を分析し、深く考えることが好きな人達を輩出しやすい空気があったのだろう。重力が空間をひずませていることを理解し、宇宙の歴史を理解する大きな世界観の変化を生んだ。

 現在、重力に抗するためには、プロペラを回したり、燃料の爆発を起こしたり、と、かなりの荒業を必要とする。私が今、急に個人的に空中に舞い上がろうとすると、周囲にいる方々にはかなり多大の迷惑をかけることになるだろう。ちょっと間違えば、命を落とす人まで出るに違いない。飛び上がった私自身もそうだ。細かなコントロールができる技術は現時点で開発されていないので、一気に天井に激突してこの世のもので無くなり、そのまま幽体離脱して天井をすり抜け、ほら飛べたと思うかもしれないが二度と現世には戻れない。

 静かに重力に抗するにはどうしたらいいのだろう?
 21世紀の科学と技術が、どんなソリューションを提案してくれるのか、楽しみだ。

monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカン

2010-04-14 21:55:56 | 日記
 コーヒーが朝のスイッチだと言う人も多いだろう。私もなんとなくその口だ。朝出勤時に角のベローチェで「持ち帰りで、アメリカンのLを」などと言って購入し右手にコーヒー左手に鞄姿で会社のエレベータに乗る。
 アメリカンと言うのはAmericanと書く。「アメリカの」とか「アメリカ人」とか言った意味だが、上記のせりふを日本語に置き換えると「持ち帰りで、アメリカ人のLを」となったりする。金髪の大柄な女性を持ち帰る姿を想像してしまいたくなるが、ちょっと待って欲しい。「アメリカ人」ではなく、「アメリカの」が正しかった。すると「持ち帰りで、アメリカの のLを」となる。

 年若い方々と話をする際、「ん、アメリカの?」「アメリカの何?」「途中で止めてどうする?」「そこをはっきり言わなくちゃ、ダメじゃないか!」と言いたくなったりするものだが、角のベローチェでカウンターに立つアルバイト氏に「持ち帰りで、アメリカのコーヒーのLを」と日本語訳を施した後、全面的に省略無しで言った場合どのようなことになるのであろうか?何のことはない「アメリカンの大きいやつですね?」と聞き返されて恥ずかしげに「はい」とカウンターに人差し指でのの字を書きながら小さく答えておしまいだ。だが、心は晴れない。
 
 「アメリカン」と言うのは本来「アメリカンコーヒー」の省略形であるはずだった。これならば、「アメリカのコーヒー」と言っても間違いではない。しかし、アメリカンコーヒーと言うのは浅く煎った豆から抽出したコーヒーのことだったのではないか?だが、角のベローチェのアメリカンは、「ブレンドのお湯割り」であって、それ以外のものではまったくない。つまり、アメリカンコーヒー=浅煎り豆コーヒーであるのに対し、アメリカン=ブレンドのお湯割りであって、アメリカンコーヒーとアメリカンはまったく別物なのであった。言ってみれば、ちょっとややこしいが日本のコーヒーチェーン店で供される「アメリカン」は、「日本のアメリカン」(ブレンドのお湯割り)という新種の飲み物なのである。
 だから、「持ち帰りで、アメリカンのLを」とオーダーした場合のアメリカンは、「アメリカの」とか「アメリカ人」とかの意味ではまったくなく、日本人が発明したブレンドのお湯割りと言う意味なのだった。だから「ブレンドのお湯割りね」とオーダーしても通じるはずだが、それではあまりに垢抜けないではないか。

 それにしても、とてつもない飲み物を販売しているものだ。
 このとてつもない飲み物で朝のスイッチが入るの入らないのとブログに書くやつの気が知れないが、不思議と目が覚めるのだ。

monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

社名

2010-04-13 17:58:21 | 日記
 ジェイエスピーの、そもそもの名前を「日本システム計画」と言う。大それた名前である。
 例えば、「化」という字をシステムの後ろに付けてみよう。「日本システム化計画」。う~ん、極めて大それた名前だ。

 先日までテレビで「ブラッディマンデイ」と言うドラマを放映していた。正義の天才ハッカー、ファルコンがテロ集団とネットワークを介して戦うドラマだった。このテロ集団が掲げるのが「日本再起動計画」だったことを思い出して欲しい。「日本システム計画」と大差ない。
 サラ・コナーとジョン・コナーが必死になって阻止しようとしているのが、マシンによる「世界システム化計画」である。その親戚のような「日本システム計画」もいずれ、彼らのターゲットになって焼き討ちされていたかもしれない。

 しかし、会社はその英語名「 Japan System Planning 」を元に、ある日突然社名を変えた。しかも、英語化表記→英略語表記→カタカナ表記という複雑な暗号化方式を使用して今や大それた印象など微塵もない、ジェイエスピーへと変身した。

 ゲバゲバ90分というテレビ番組が一世を風靡したのは今から40年も前の話だが、頭が固くなった世間を徹底的に茶化した後、聞こえてくる”ゲバゲバ、ピー”という音声は今も忘れることができない。ジェイエスピーと名乗る時、なぜか、このピーが耳に蘇るのである。反骨のゲバルト精神はカタカナになった今も生き続けているのだろう。

 「日本」という名称を社名に入れてしまうところからすでに、かなり気合が入っているが角栄さんばりに「列島」と言わなかったのは理性的だった。「列島システム計画」、怖い会社になっていたろう。
 システムの世界では、「計画」と言う言葉だけ打ち上げることがない。作るという意味では、「開発」とか「構築」と言う言葉を使うし、考えるという意味では「設計」という言葉を使うことが多い。
 「計画」だけをビジネスにしてしまおう、という発想は、かなり大胆な発想である。そして、私はこの大胆な発想が嫌いではない。「日本(を元気にする)システム(を)計画(する)」。計画倒れにならないように頑張りたい。

monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秘密の場所

2010-04-12 18:48:32 | 日記
 新横浜は新幹線が生んだ街だ。
 東京と大阪をできるだけ直線的に結ぼうとした結果、港横浜からずっと内陸に新しい横浜の街が生まれた。駅前のプリンスホテル最上階レストランから周囲を眺めると、北西の方角には鶴見川と日産スタジアムを包み込み広大な田園風景を見渡すことができる。川と水田の間を横浜線がおもちゃのように進んで行く様は、ここが日本第2の都市となった横浜であることをつい忘れて見とれてしまう不思議な光景だ。

 駅には少し前に新しい駅ビルができ、改札口が新しくなったことでなんとなく活気が出た。改札口以上に活気を作ってくれたのが、駅前に新しくできた交差点を丸くつなげる環状歩道橋だと思う。
 駅と街は、これまで環状2号線で分断され、横断歩道か地下道を通って往来するしかなかったが、駅の改札を出てまっすぐ環状歩道橋を渡るルートが作られたことで街の一体化が急に進んだ感じがする。
 新横浜の街は、この歩道橋から鶴見川支流までのわずか3ブロックの横幅と、横浜アリーナから家具のニトリまでのわずか10ブロックほどの縦幅の間にある箱庭のような小さな街だ。
 駅前の環状歩道橋を鶴見川の支流にかかる烏山大橋に向かって渡って行くと、右手にはプリンスホテルの円筒形ビルが見え、晴れていれば左手には環状2号線のはるかかなたに丹沢山系の雄大な眺めを見ることができる。よく晴れた夕暮れ時に朱に染まる山々を見ながら歩くのは気持ちがいい。
 歩道橋を降りると左手にサークルK、右手には横浜国際ホテルとその脇のケヤキ並木の向こうに横浜アリーナがかすかに見える。次のブロックに足をすすめるとデイリーヤマザキが通り沿いに並べたテラス形式のテーブルで若いフランス人女性とドイツ人男性がラーメンのナルトのうずは時計回りか反時計回りか議論する声を聞きながら、前方にベローチェのウェイターが「おいしいコーヒーを淹れています」と語りかける看板を見つけることができる。
 ベローチェの左隣は月曜はピザが半額だというレストランを地下に置くR&Bホテルである。その左隣が、ファミリーマートのビルで、その角を右に曲がると、JRAの場外馬券売り場の豪壮なビルとその通りをはさんだ向かえに建つ新横浜が誇るラーメン博物館が見える。
 ファミリーマートのビルの角を曲がってラーメン博物館が見えたら、そちらには向かわずに、ファミリーマートのビルに入って、暗いエレベータホールで上向きのボタンにちょっと触れてみる。常時壁面保護用の養生を施してある1機しかないおどろおどろしいエレベータに乗ると、6階が、このブログ執筆の現場、ジェイエスピーの事務所なのである。


monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする