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黒ビール

 キリンから「一番搾りスタウト」が発売された。スタウトとは「濃色の麦芽を原料の一部に使ったビール」のことで、「色が濃く、香味が特に強いのが特徴」だそうだ。要するに「黒ビール」と呼ばれるものだが、残念ながら私は「黒ビール」があまり好きではない。ビールの原液を飲むような気がして得意ではないのだが、大好きな一番搾りから、「スタウトの特徴でもある麦芽の香ばしさに、キリン独自の一番搾り製法によるやわらかな口当たりとまろやかなコクが融合し、"贅沢な大人の黒ビール"になっている」などと宣伝されれば飲んでみないわけにはいかない。そこで、市販されているいくつかの黒ビールと一緒に試飲してみて、宣伝文句にウソはないかどうかを確かめることにした。
 酒店で売られていた黒ビールは、キリン「一番搾りスタウト」、アサヒ「黒生」、GUINESS「ドラフトギネス」、ヱビス「ブラック」の4種類。(この他にサントリーから「ザ・プレミアム・モルツ〈黒〉」が期間限定で販売されているようだが、酒店を4・5軒回ったにもかかわらず見つからなかった)


 久しぶりの飲み比べ、日曜日、塾が終わってから胸はずませて試してみた。


まずは「「一番搾りスタウト」。一口飲んで驚いた。まったく正統的な黒ビール、王道を行くというか、直球ストレート勝負というか、これぞまさしく黒ビールという味だった。悪く言えば、今までのよくある黒ビールと何の違いもないと思えないでもないが、そんなに意地悪にならなくてもいいかな、と言いたくなる味わいだった。


次は「黒生」。これだけが缶が黒くなく、一見したら黒ビールらしくない。飲んでみてもその印象は缶から受けるものと同じだった。私がイメージしていた黒ビールとは印象が違う、どちらかといえば普通のビールに近い味がした。ただ、普通のビールと比べて、やたら苦い。飲んだ後もしばらく苦味が消えなかった。

 

イギリスビール「GUINESS」、と言ってもサッポロビールが販売している。封をあけてコップに注ぐときに他のビールと泡の出方が違う。驚いてラベルを調べてみたら、「缶内にフローティング・ウィジェットという白いプラスチック製の球型のカプセルが浮かんでいます。この働きで開缶と同時に缶内の圧力が一気に解放され、サージング(泡立ち)を起こ」すとあった。すごい工夫だなと思ったが、肝心のビールの味はシャビシャビで水っぽかったのは残念だった。おいしくない。


 最後はヱビス「ザ・ブラック」。上品な味わいはさすがだと思わせる。甘くて苦い、なんだか不思議な味だがおいしい。黒ビールでありながら、黒ビールを超えた味わいを楽しませてくれる。飲み終わった後もしばらくは舌に苦味が残っていて、暫く余韻を楽しめるところもいい。

 結論としては、「一番搾りスタウト」と「ザ・ブラック」が甲乙つけがたく、次に僅差で「黒生」、最後に「GUINESS」は私には合わない、ということになった。とは言っても、私の味覚などいい加減なものだからまったく当てにはならないかもしれない。

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