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刑事コロンボ

 またまた出ましたディアゴスティー二、今度は懐かしの「刑事コロンボ」全45話を、DVDにして隔週で発売するようになった。様々なエピソード満載の小冊子も付いているから、全巻集めれば「コロンボ」通になること間違いなし、と言いたくなるような企画だ。最初TVでCMを見たときは、まったく手を変え品を変えよくやるよなあ、とディアゴスティーニの商魂のたくましさに感心してしまったが、書店で見つけたときにはすぐに手にとってしまった。だって、「コロンボ」好きだもの・・。
 第1回目は「殺人処方箋」。コロンボ役のピーターフォークが若々しい。このときの彼は40歳で、髪型も7:3に分け、トレードマークのコートもよれよれではなく、全体的にこぎれいな感じがする。ただ、「うちのカミさんがね・・」というお決まりの台詞や、葉巻といったコロンボの特徴はこの第一作から表れていて、ここから何年もかけて私たちがよく知っているコロンボに練り上げられていったんだな、と想像できる。
 この第1作がアメリカで放送されたのが、1968年の2月で、視聴率は29.9%もあったそうだ。日本での放送は、1972年の12月31日の午後3時だったため、見た人が少なく、2年後に再放送されるまで「幻の一作」とされていたそうだ。私も見た記憶がない。
 ストーリーは犯人が殺人を犯すところから始まり、見ている者は犯人を知っているので、興味の対象は「どうやって犯人を捕まえるのか」という点に絞られ、コロンボ刑事と犯人との間の丁々発止のやり取りにドキドキしながら大団円へと向かっていく。コロンボが途中何度も壁に突き当たって、犯人の勝ちかと思わせるが、粘り強いと言うか、執念深いと言うか、狙った獲物はどんなことをしてでも捕まえようとする、ちょっと偏執狂ではないかと思われるほどのコロンボのねちっこさは、犯人ならずとも見ている私たちでさえ、「もう勘弁してよ」と言いたくなるほどだ。こんな刑事がやってきたら、誰もシラを切りとおせないだろうな、と犯人に同情したくなる。いったい何がそこまでコロンボを犯人逮捕に駆り立てるのだろうか?正義感なのだろうか?コロンボを見ているとよく分からない。
 こんなコロンボ像を築き上げるのにはやはりピーターフォークの演技力もさることながら、吹き替えを担当した故・小池朝雄の功績も大きかったと思う。俳優としては、TV・映画で悪役を演じることが多く、独特な存在感を持った人だったが、もし彼以外の人が吹き替えを担当していたら、これほどの人気を博していただろうか、と思ってしまうほどの適役であった。「すみません、もうひとつだけ」と言っては何度も犯人に迫っていく場面こそ、小池朝雄のコロンボの真骨頂であるような気がする。
 YouTube を探したら、最終第45話「策謀の結末」のワンシーンが見つかった。8分ほどの映像だが、中ほどから懐かしいコロンボが登場する。




 昨日書店に行ったら、もう第2巻が出ていた。第1巻は「特別価格」で790円だったが、第2巻からは1490円なのだそうだ。このディアゴスティー二の常套手段にうまく乗せられてしまった私は、2巻目も買ってきてしまった。第1巻を見たのは日曜の夜だった。一度に見ようと思うと、日曜の夜ぐらいしか時間が取れないので、2巻を見るのは今度の日曜ということになる。「死者の身代金」という題名にも興味がそそられる。日曜になるのが今から楽しみだ。

 
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