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外来種

 塾が終わって、ちょっと休憩した後、妻を誘って散歩に出掛けようとしたところ、塾舎の辺りに生徒が何人かいた。
「何やってるんだ。早く家に帰って試験勉強しろよ」
と言ったところ、一人が
「すごい物が捕まったんですよ。これ」
と言いながら、黄色いゴミ袋を差し出した。二重になっているのか、中身は見えないが、膨らんでいてなにか大きな物が入っているようだ・・。
「何だよ?」
「ほら、先生」
と袋を渡そうとするので、
「いらんわ」
と後ずさりしたら、みんなで大笑いする。
「先生、びびってる!」
「当たり前だ。正体の分からない物なんかいらんわ。何なんだ、それ」
「ヌートリアですよ」
「ヌートリア?」
「知ってますか?」
「ああ。ネズミの大きい奴だろう?」
「そんな感じですけど」
「お前らが捕まえたの?どこで?」
「その川です」
「どうやって?」
「タモですよ」
と言って、昆虫採集用のタモを見せた。
「そんな物でよく捕まえられたな」
「まあ・・」
捕り物の詳しい様子は聞かなかったが、やっぱりどんな生き物なのか、直に見たい。カメラをとってきて、袋の中のヌートリアを撮った。


観念したのか、袋の中でじっとしている。だが、油断はできない。なんと言っても野生の動物だから・・。

 生徒の一人の父兄が市役所に電話したところ、「外来種だから逃がさないで欲しい、月曜になったら係の者が取りに伺うから」というような返事をもらったそうだ。
 因みに、ヌートリアとは、
【南アメリカ大陸のブラジルからアルゼンチンに分布する大型のネズミの仲間。体長は50~70センチ(尾含む)、体重は5~15キロ、草食性で主に河川等の水辺に生息する。もともと日本列島に住んでいた動物ではなく、1930年頃から軍服用の毛皮獣として輸入、飼育されるようになり、その一部が逃げ出して現在のように西日本を中心とする各地で見られる様になった】

とのこと。環境省の「指定特定外来生物」なのだそうで、防除対象になっているらしいが、私が野生の物を見たのは初めてだった。こんな物が家の近くの川にいるなんて思ってもみなかったからビックリした。これからは注意してみよう・・・。(でも、私に捕まえられないだろうな・・)


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