じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

朝吹真理子「きことわ」

2018-06-01 18:30:17 | Weblog
☆ 朝吹真理子さんの「きことわ」(新潮文庫)を読んだ。そんなに古い時代の作品ではないのに(1980年ごろかな)、それに作者も若いのに、何か古風な感じのする作品だった。

☆ まず「きことわ」という題名に興味がひかれる。作品の最初で、貴子と永遠子の物語だから「きことわ」なのだと知る。

☆ かつて15歳と8歳だった少女たちが、共に夏を過ごした別荘の解体を機会に、25年ぶりに再会するというもの。

☆ 15歳だった永遠子は今、40歳。結婚し子どもがいる。8歳だった貴子は33歳だろうか。母親は早く亡くなり、父親と暮らしている。かつての思い出と今の現実が行き来して、事実だけを捉えようとしていると、なかなか読み進めるのが難しい。

☆ 作品の中に出てきたマニュエル・ゴッチングの「E2-E4」を聴きながら読むと、意外とスムーズに読み進めた。単調なリズムに少しずつバリエーションが加わっていく。これってこの作品のようだと思った。そして、人生もこういうものなのかも知れない。

☆ 単調なリズムの中に、ちょっとずつ変化があって、それで喜んだり悲しんだり。この作品はこうした人生の風景をスケッチしているのかも知れない。
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目取真俊「水滴」

2018-06-01 16:46:57 | Weblog
☆ 目取真俊さんの「水滴」(文春文庫)を読んだ。

☆ 沖縄で徳正(とくしょう)という男の右足が突然腫れだし、そこから水滴が漏れ出るようになった。そして、夜、傷を負った兵士たちが彼のもとを訪れ、その水を吸うというのだ。

☆ 徳正は兵士の中に、かつて沖縄戦のとき、洞窟に置き去りにした友人がいることに気づく。

☆ 冬瓜のように腫れあがった彼の右足はいったい何だったのだろうか。

☆ カフカの「変身」のような設定だが、沖縄言葉と戦争体験が印象的だ。

☆ 徳正の「水」を利用して狡猾にカネを稼ぐ従兄弟は、「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男のようだ。ややもすると暗鬱になりそうな作品に人間臭さを加味し、より味わいを深めているように思った。
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「クワンティコ/FBIアカデミーの真実」

2018-06-01 15:43:51 | Weblog
☆ ドラマ「クワンティコ/FBIアカデミーの真実」シーズン1第1話(2015年)を観た。

☆ FBIの新人捜査官が陰謀に巻き込まれテロの犯人にされてしまうという話。FBIと言えば、いつもは連続殺人犯を追っている印象が強いが、この作品は組織内の陰謀を取り上げているようだ。 

☆ クワンティコと言うのはFBIアカデミーのある地名。そこに全米から一癖ありそうな若者たちが集まってくる。

☆ なかなかスリリングだ。主人公のアレックス・バリュッシュを演じるブリヤンカー・チョープラーの美しさも見どころだ。
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「エイリアニスト」

2018-06-01 00:46:36 | Weblog
☆ ネットフリックスでドラマ「エイリアニスト」第1話を観た。

☆ 少年の惨殺遺体が見つかって始まるドラマ。他のサスペンスドラマとの違いは、舞台設定が19世紀末のニューヨークであること、事件を追求していくのが精神科医であることぐらいかな。

☆ 当時の精神科医のことを「エイリアニスト」というらしい。

☆ 日本では明治時代。事件現場がスケッチで残され、移動手段が馬車であることが時代を感じさせる。当時の精神病院の様子はよく再現されている。キャストに黒人が少ないのも特徴かな。
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