じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

トリクルダウン

2018-06-14 19:09:54 | Weblog
☆ 富める者が豊かになれば、貧しい者も豊かになる。そんな経済理論があるという。

☆ 確かに、減税しようにも税金さえ納めていない人に恩恵はない。かといって貧しい者に給付金をばらまいても借金の返済か貯蓄に回るのがオチだ。

☆ であるなら、富める者を豊かにし、どんどんお金を使ってもらったら景気がよくなるのではないか、ということだろうか。シャンパンタワーのように。

☆ 一見的を射ているように見えるが、富める者は結構ケチだ。浪費をしないから富が貯まる。だから富める者はますます富む。

☆ 結局、富める者から巨額の富裕税でも徴収しない限り、再配分されない。ただこの格差が地球規模で起こっているのがやっかいだ。国内だけで富裕層(大企業などを含む)を絞っても国際的な競争力を失うばかりだ。

☆ 根本的な解決は資本主義と言うシステムが変わらねばならないのだろうが、その処方箋は誰にも分らないようだ。

☆ 大手企業の夏のボーナスは史上最高額だとか。中小零細企業との格差は広がるばかりだ。トリクルダウンではなく、富者の「トリック」で貧者が「ダウン」することがないように願いたいものだ。
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誉田哲也「シンメトリー」

2018-06-14 16:18:43 | Weblog
☆ 誉田哲也さんの短編集「シンメトリー」(光文社文庫)から表題作を読んだ。

☆ 飲酒運転の車と電車が接触。電車は脱線し100名以上が死んだ。車の運転手はわずか5年の刑。この事故で片手を失った男の復讐が始まる。

☆ 死体の遺棄方法は新潟の事件を思い起こさせる。痛ましい。(あえて詳細は書かないでおこう)

☆ 事件を解決したのは姫川玲子警部補。映画「ストロベリーナイト」(2013年)の竹内結子さんのイメージが強い。

☆ 短編なので足早な展開だったが、面白かった。前半の短い文を重ねる文体、体言止めの多用が印象的だった。
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「ヒンターランド」

2018-06-14 14:20:10 | Weblog
☆ ドラマ「ヒンターランド」第1話を観た。

☆ イギリス、ウェールズの海岸都市に赴任した刑事が中心となって事件を解決するというもの。派手なアクションがあるではなく、刑事たちが地道に殺人犯を追っていくというものだった。内容的には、映画「あなたを抱きしめる日まで」(2013年)に少し通じるものがあるのかな。結構シリアス。

☆ このドラマの特徴は、まずウェールズという舞台だ。いつも曇り空。ときおり冷たい雨がしとしとと降っている。風景は殺風景と言う言葉があてはまる。アラスカの風景、日本で言えば知床半島の風景に近いだろうか。大きな森林はなく、平原が続いているようだった。
ドラマ「ハワイ5-0」とは対照的な雰囲気だった。

☆ ドラマの長さがおよそ1時間半というのも特徴だろう。ちょっと短めの映画並みだ。少し気合を入れて見なければいけない。

☆ じっくりと正統派刑事モノが見たいときにはよさそうだ。 
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石田衣良「約束」

2018-06-14 04:20:23 | Weblog
☆ 石田衣良さんの短編集「約束」(角川文庫)から表題作を読んだ。

☆ 小学4年生、ヨウジとカンタの話。二人は家が近所の幼なじみ。何でも良くできるヨウジはカンタのあこがれでもある。そんな二人を突然の不幸が襲う。それはあまりにも突然のことだった。

☆ 児童文学のような明るい空気が、その一瞬から大きく変わる。自分の力では乗り越えられない出来事。10歳の少年の心も体も限界に近づく。去る者、残る者、それぞれに思いを抱えて、二人の間で「約束」が取り交わされる。それが少年の再生の鍵となる。

☆ 通り魔にせよ、交通事故にせよ、自然災害にせよ、私たちは突然不条理な現実に直面することがある。何の落ち度もない。ただその場に居合わせたというそれだけの理由で非業の死を遂げることがある。それをどう受け止めれば良いのか、きれいにまとまりすぎている感じはするが、考えさせられる作品だった。
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