1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

拙僧は、檀家さん達には、夫婦位牌を作る事を薦めるが「真っ平御免。位牌になってまで、横におりたくない」と拒否するは、もっぱら奥様の方にて。同じ墓拒否も、来世に同じ伴侶拒否も、同じ結果が。

2021-09-11 08:28:37 | 法話

檀家爺様が「住職、わしは間もなく90じゃ。戒名って、生きてる内に貰うがほんとなんだろ。今、ここで、命名してくれや」と。すると婆様が「若(拙僧)、遠慮気兼ねなく付けてよかばい」と。「じゃ遠慮なく。『天寿院好色一代居士位』なんてのは、どう」と。爺様絶句。すると婆様が「何か、スッキリした気分」と。

【追伸】
その婆様のニコニコ顔を横目で見て、数え切れんくらい浮気してきた爺様が「あかん、もっとよか戒名貰いたいから婆さん、今ここで、わしと離婚して、すぐに、わしと再婚してくれんや。1からやり直しじゃ」と。「ほうほう、その言葉で、全ての罪が吹っ飛んだな、爺様。じゃ、違う戒名、授けたろうかね。『天寿院君枝一道居士位』ってのは、どうだい。これなら『この人、奥さんの君枝さん一途に天寿を全うされた、家庭思いの旦那さんだったんだね』と、100年後の後世まで語り継がれるばい。ついでに、夫婦位牌にして、残してやろうか、なあ、爺様」と。この老夫婦、今もご健在。大の仲良し。このままいくと、夫婦ともに、100になりゃせんかな。