宮応かつゆきの日本改革ブログ

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元大蔵省財務官・榊原英資さん、「TPPに慌てて飛び乗る必要ない」と日本政府に苦言

2013年09月27日 | TPP関連

 元大蔵省財務官で、青山学院大学教授の榊原英資さんが、9月29日付、「しんぶん赤旗」日曜版に登場し、安倍政権のTPP参加に苦言を述べています。財務相(旧大蔵省)OB関係者が「しんぶん赤旗」に登場して、発言することはほとんど記憶にありません。榊原氏は異色の存在ではないでしょうか。現役時代の体験から、旧大蔵省の官僚は戦後、米軍占領下の下で徹底したアメリカ政府の日本における官僚集団の中核として育成され、その後もその関係が強められてきたと感じてきました。

 こうした官僚集団のトップにいた榊原氏の発言は注目されるのではないでしょうか。同氏は、「TPPの本質は、アメリカが環太平洋という枠組みで、アジアの成長の果実を享受するための経済協定」と述べ、「他方、いま日本は輸出の20%が中国で、対米輸出は15%です。(2011年)日本の最大の経済的パートナーは中国です。日本はTPPがなくてもすでに東アジア経済圏に入っていて、その果実を享受しています。ですから、TPPに日本がいま慌てて飛び乗る必要ないのです」と指摘しています。

 榊原氏は、現役時代の体験に触れながら、アメリカ政府の実像を次のように紹介しています。「私は約20年前、大蔵省の国際金融局次長として、『日米構造協議』で保険分野の交渉を担当しました。アメリカ政府の要求は、巨大保険会社AIGの要求そのもので、AIGと交渉するようなものでした。日本では大企業と政府の”癒着”と批判されますが、アメリカは『AIGの利益はアメリカの国益。代弁するのは当然』という考えに徹しています」

 そして、「いまのTPP交渉は極端な秘密主義です。そこで、アメリカは産業界の要求をどんどんぶつけてきます。それが当然と思っています」これにたいして、「日本が断固守るべきものは何か、アメリカに何を要求するのか、という国民的議論が大事なのに、それが議論されていません。『赤旗』は取り上げても(笑い)、多くの新聞が取り上げない。そんな状態でTPPに乗るよりも、東アジアとの経済協力を進める 方が大事だと私は思います」

 榊原英資さんが今後の、ご活躍に期待したいと思います。