◆「左翼」の陥穽先に一瞥した如く、「左翼=教条主義」批判は現在でも有効としても、かっての左翼批判の定番定跡、「左翼=全体主義」批判は現在では通用しないのでしょうか。「真正」の二文字を掲げる保守派による左翼理解の貧困と脆弱を照射する前哨としてこの点を吟味します。畢竟、2010年の現在、左翼は全体主義に向けた死に至る病から治癒したのか。私は、しかし、(例えば、ハイエクやハンナ・アーレン . . . 本文を読む
◆「左翼-リベラル」と保守主義ヘラクレイトスが呟いた如く、万物は流転する。而して、左翼も、よって、「左翼」という言葉の語義も変化しています。実際、現在、「左翼」は「左翼=社会主義」であり、つまり、左翼とは「生産と分配の決定権と責任が個人ではなく「社会=集団」に帰属すべきだとする主張」という、プリミティブというか(そのコミュニティーメンバーが共同で収益可能な入会地等を利用する用益物権 . . . 本文を読む
◆資本主義と社会主義の収斂2010年現在の「左翼」の定義(事物定義)に進みたいと思います(★)。ポイントは「時代の変化-グローバル化の昂進」にともない左翼も、よって、「左翼」の語義も変貌を遂げているということ。日本では世界金融危機を契機に、「2008年の世界金融危機によって、規制撤廃と市場万能論を基盤にした新自由主義の誤謬が明らかになった」と説く論者が跋扈しています。而して、このような主張は「交通 . . . 本文を読む
社会主義・共産主義に対する資本主義・自由主義の最終的勝利(1989年-1991年)が歴史的に確定して早20年。現在では、自身を「社会主義者・共産主義者」と規定する論者はほとんど相手にする必要のないほどの少数派であり、今更「左翼」の定義を云々する実益はないようにも思われます。しかし、現下我が国の民主党政権を見るまでもなく、世には「リベラルの羊の皮を被った左翼の狼」が少なくない。そして、保守派の中には . . . 本文を読む