英語と書評 de 海馬之玄関

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英文読解 one パラ道場:世界女王の貫禄-なでしこジャパン苦しみながらもロンドンへの切符をゲットー!

2011年11月12日 15時48分09秒 | 英文読解 one パラ道場


少し古いニュースでが、なでしこジャパンの記事を題材に取り上げます。尚、なでしこジャパン関連の、よって、サッカー関連の英文講読の<教材>としては、なでしこジャパンの世界女王戴冠への道を追った次の拙稿をご利用いただければ嬉しいです。

б(≧◇≦)ノ ・・・頑張れ、なでしこ!
б(≧◇≦)ノ ・・・なでしこは日本の誇りだぁー!


・英文読解 one パラ道場:世界が称賛する<なでしこジャパン>!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/643740ec23042d51ef43b1db4dbe4bf1

・英文読解 one パラ道場:ドイツを撃破-世界が驚愕した<なでしこジャパン>!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/15be03ebc05efd5edba8a4973e62e085

・英文読解 one パラ道場:初の決勝進出-世界を震撼させた<なでしこジャパン>! 
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/6876e9252d11c1dec532651511ed0990

・英文読解 one パラ道場:決勝前夜-世界が瞠目する<なでしこジャパン>!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/79871988a70ed3055fb2c026ffe7a544

・英文読解 one パラ道場:ワールドカップ初優勝-世界を戦慄させた<なでしこジャパン>!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/10573afbcaba57d23a77b90a0e5f09bf






Nadeshiko book place at London Olympics
Women's World Cup champion Japan earned its place at next year's London Olympics on Thursday after Australia beat host China 1-0 in the final Asian qualifying tournament.

Australia's win guaranteed that Japan, which was held to a 1-1 draw by North Korea earlier in the day, will finish in the top two at the tournament with one game left.・・・

Japan remained top in the six-team table with 10 points from four matches, two points clear of North Korea.

Australia moved up to third place with six points while China dropped to fourth with five points.

Against Japan, North Korea equalized through Kim Jo Ran two minutes into second-half stoppage time.

Japan had opened the scoring in the 83rd minute when Yuki Nagasato's shot deflected off North Korea goalkeeper Jo Yun Mi and then defender Kim Nam Hui.

North Korea outplayed Japan for much of the game, repeatedly coming close to break the goalless deadlock.・・・



The tournament, which concludes Sunday, pits China, Australia, North and South Korea, Thailand and Japan against each other, with the top two sides progressing to the Olympics.

"We knew exactly how they were going to attack in that situation (sending a long ball into the box), so it's a shame we allowed them to equalize," said midfielder Aya Miyama.

"We needed to move the ball around in the dying stages. The way we lost the ball wasn't good at all. But I don't think we need to be so upset because we didn't lose," she said.


(250 words)

【出典:AP, Sep. 9, 2011】





【語彙】
book [a] place at:~に座席を予約する/出場権を確保する(cf. 「座席を予約する:book a seat [a place] 」「注文をする:place an order」), host China:開催国の支那, the final Asian qualifying tournament:アジア最終予選大会(cf. ちなみに、tournamentは日本語の「トーナメント」とは違い「勝ち抜き方式の大会」の意味ではありません。「勝ち抜き方式の大会」はelimination tournament, knockout、そして、「総当たり方式の大会」はround robin),

guarantee:保証する, hold to:~の状態に置く/の状態に至らしめる, six-team table:6チームよりなる勝敗の一覧表, two points clear of:~を2点引き離して, move up:上昇する・順位を上げる/上昇させる・順位を引き上げる(cf. move upにはmove overと同じ「席を詰める/席を空けるべく座ったまま横に移動する」の意味もあります。過去にTOEICで同義語問題として出題されたこともあるくらいですが、この意味では、アメリカではscoot overが寧ろ一般的かもしれません),

equalize:同点になる, through Kim Jo Ran:Kim Jo Ranの得点によって, second-half stoppage time:後半のロスタイム(cf. stoppageは「選手の怪我などによる試合の中断」の意味。尚、「ロスタイム」は和製英語です。FIFAのルールにある「allowance for time Lost」(≒失われた時間を斟酌して与えられる時間的余裕/試合の余裕部分)から来たのかもしれませんが、英米人には全く通じません。また、このstoppage timeも通じるにせよそうそう使われる英単語ではなく、日本語の「ロスタイム」のことを英米では一般的には、additional time, injury time, extra timeと呼んでいます),

shot:シュート, deflect off:~から弾丸やシュートをそらす/それる, goalkeeper-defender:ゴールキーパーと自陣ゴール近くで守備を担うバックスの選手(cf. 「ゴールキーパー」は普通アメリカではgoalieと略式で呼ばれています), outplay:相手に優る, goalless deadlock:お互いに得点を決められない膠着状態, pit:対戦させる(cf. 「~と対戦する:pit against sb」), side:チーム(cf. もちろんアメリカでは「チーム:team」),

the box:ペナルティーエリア(cf. penalty areaのこと。ちなみに「ゴールエリア」は、goal area, six-yard box), midfielder:フォワードとバックスの間に位置する攻守兼用の選手, dying stages:試合が終了しかけている段階, upset:気を動転させる/じたばたさせる





【読解躓きの石】
今回は準動詞の復習をしておきましょう。まずは、本文の第6センテンス。これです。

Japan had opened the scoring in the 83rd minute when Yuki Nagasato's shot deflected off North Korea goalkeeper Jo Yun Mi and then defender Kim Nam Hui.

(日本は、【試合の終了間際に北朝鮮に同点に追いつかれる前に】試合開始83分、永里優季のシュートが北朝鮮のゴールキーパーJo Yun Miをそれた上に、ディフェンダーのKim Nam Huiの傍らも抜けて得点をあげた)

このセンテンスの構造は、説明するまでもなく、

S→V[had opened]→O[the scoring]→M[in the 83rd minute]
                     ↑
M(when:S[Yuki Nagasato's shot]→V[deflected]→M[off North Korea・・・then defenderKim Nam Hui])’.

ちなみに、when以下を、

when Yuki Nagasato's shot [was] deflected off North Korea ・・・then defenderKim Nam Hui.
と、deflectedを他動詞のV-ppと見立てて受動態(be+V-pp)の述語動詞のwasの省略と看做すことも可能であり、
更に、「deflect off」を群動詞と見立てることも可能です。

ポイントは目的語の「scoring」。これが、動名詞(Vg-ing)であることは定冠詞のtheが付いていることでも自明でしょう。而して、英文法書にはしばしば、「不定詞は未来のことを、動名詞は過去のことを表す」とか書かれています。これは本当でしょうか? 

蓋し、「-ing」は、古英語(1066年のノルマンコンクエスト以前の英語)では、動詞から名詞を作る接尾辞でした。よって、例えば、不定詞の名詞的用法と比べれば、動名詞は名詞的の性質がより濃厚と言えると思います。要は、不定詞は動名詞に比べて「意味上の主語」が(あくまでも、「強いて言えば」ですけれどもね)、より意識されており/示唆されており、また、一般論ではなく現実の状況のありさまを述べている。例えば、「This is a pen.」の次に有名な英語の例文で説明すれば、

・Seeing to believing.→百聞は一見に如かず
・To see is to believe.→【君達も、僕と同様にね、】見れば分かるっーの


畢竟、動名詞と不定詞の意味の差は、基本的には、意味上の主語がどれだけ意識されているかの違いに収斂する。よって、「不定詞は未来のことを、動名詞は過去のことを表す」という理解もこの大原則と両立する範囲でのみ正しいと言える。と、そう言ってもよいのだと思います。



では、動名詞(Vg-ing)と現在分詞(Vp-ing)はどう違うのか?
下から3センテンス目、および、最後から2番目の段落の宮間あや姫のコメント。

The tournament, which concludes Sunday, pits China, Australia, North and South Korea, Thailand and Japan against each other, with the top two sides progressing to the Olympics.

(アジア最終予選は、最終日の日曜に、支那・オーストラリア・南北の朝鮮、タイ、そして、日本が各々試合を行い、大会の上位2チームにロンドン・オリンピックの出場権が与えられることになっている)

We knew exactly how they were going to attack in that situation (sending a long ball into the box),

(うちら、あの失点を許した場面で相手が何をしてくるのか完璧に分かっていたんですよぉー。要は、ペナルティーエリアにロングボールを入れてきはんねんで、って)

前の例文の、「with+名詞+Vp-ing」は「sthが~しながら」「sthが~するという事態を伴い」という付帯状況を表す定番の表現。つまり、この現在分詞(Vp-ing)は、機能的には、下の「with+名詞+形容詞」の形容詞とパラレルということ。

Don't speak with your mouth full.(食べながら他人様に話すんちゃうちゅーねん)


そして、後ろの例文。前の「they were going to」はもちろん「~する予定になっている:be going to」ですが、この群動詞は、元々、「be+Vp-ing」という進行形から派生したもの。また、後ろの「sending a long ball into the box」は意図や付帯状況を表す分詞構文。

而して、Vp-ingの接尾辞の「-ing」は、Vg-ingの「-ing」とはその由来から言っても別物。つまり、古英語時代のVp-ingの接尾辞の「-ing」の「-ende/-inde」は、元から、「~しているところだ!」という意味を表すVp-ingを動詞から作る接尾辞だったのです。それが音声面の変化の中で、同じ発音になり、よって、スペルも同じになっただけのもの。つまり、Vp-ingは不定詞に比べれても、遙かに、意味上の主語の動作や状態の変化を示唆していると言えるのです。実際、知覚動詞構文に際しての原形不定詞(ba-V)とVp-ingの違いはこの観点から理解できる、鴨。例えば、

・I saw a cat crossing the road.
(≒I saw that a cat was crossing the road.)
・I saw a cat cross the road.
(≒I saw that a cat crossed the road./A cat crossed the road and I saw it.)


蓋し、これまた英文法の参考書に「不定詞は「S+will+動詞」の未来形や現在形の述語動詞の語感を、現在分詞は「S+be+Vp-ing」という進行形や「be going to」の述語動詞の語感を担っている」と書かれていますけれど、それも満更間違いではないと思います。畢竟、Vp-ingとVg-ingは、意味上の主語と現実の動作や状況の変化のありさまを示唆する度合いに関しては両極にあると言ってよいと思います。

而して、注意すべきは「述語動詞の進行形」の由来。これに関しては、古英語期由来の「be+前置詞のon+Vg-ing」で「~に従事している/いそしんでいる/かかりっきりになっている」を表す表現から、前置詞のonが脱落したものとも考えられています。例えば、「彼は家を建てている所だ」の意味を表すセンテンスは次のように、単なる「be+前置詞のon」の語法から述語動詞の文法形式としての進行形に「出世」したとも考えられるのです。

He is on building a house.(buildingはVg-ing)

He is building a house.(buildingはVp-ing)


б(≧◇≦)ノ ・・・英語は楽しい~♪





尚、本ブログで使用する「従属節の記号化の表記ルール」については、
下記拙稿をご参照ください。

・英語の従属節-記号表記の試案
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9ee7fdce2f5e1d256850b930664ea154

そして、本ブログ記事で使う準動詞用の記号ももう一度掲げておきますね。


◎準動詞のKABU式表記
・原形不定詞:ba-V
・to不定詞:to-V
・動名詞:V-ing(g)またはVg-ing
・現在分詞:V-ing(p)またはVp-ing
・過去分詞:V-pp
・分詞:Vp






【和訳】

なでしこジャパン、ロンドン・オリンピックの出場資格を確保
サッカー女子ワールドカップのチャンピオン、なでしこジャパンは、木曜日【2011年9月8日】に来年開催されるロンドン・オリンピックの出場権を獲得した。アジア最終予選大会でオーストラリアが大会開催国の支那を1-0で下した結果、日本の五輪出場権が確定したのだ。

日本は、オーストラリア-支那戦の同日、ただし、その試合に先だって行われた対北朝鮮戦では1-1の引き分けに終わったものの(涙)、対支那戦でのオーストラリアの勝利によって1試合を残して、アジア最終予選での2位以内が確定したということ。(中略)

日本は、6チームで争われるこのアジア最終予選、4試合で勝ち点10をあげ、北朝鮮に2点差をつけて首位に立っている。

オーストラリアは勝ち点6で3位に浮上し、他方、勝ち点5の支那は4位に落ちた。

日本戦で、北朝鮮は、Kim Jo Ranが後半ロスタイム2分にあげた得点で同点に追いついた。

而して、日本は、【試合の終了間際に北朝鮮に同点に追いつかれる前に】試合開始83分、永里優季のシュートが北朝鮮のゴールキーパーJo Yun Miをそれた上に、ディフェンダーのKim Nam Huiの傍らまでも抜けて得点をあげていたのだけれども。

この試合で、北朝鮮は終始日本を圧倒していた【←残念ながら、そう書かれても文句は言えない試合でしたぁー!(悔)】。実際、北朝鮮は何度も「双方無得点の膠着状況」を打ち破る寸前まで何度の迫ったのだから。(中略)

アジア最終予選は日曜日に閉幕することになっているが、支那・オーストラリア・韓国・北朝鮮・タイ、そして、日本が総当たりで対戦して、上位2チームがロンドンに駒を進めることになっている。

なでしこジャパンの中軸、サッカー女子日本代表チームの中盤の要、宮間あやは「あの失点を許した場面でも相手が何をしてくるのか我々は完璧に読んでいました。要は、ペナルティーエリアにロングボールを入れてくるに違いない、と。だから、北朝鮮に同点を許してしまったのは慚愧に堪えません」とコメントしてくれた。

「あの試合終了の局面では、もっとボールを前後左右に動かすべきだった。だから、ボールを敵に奪われたのは論外、言い訳不可能な問題外の外の失態としか言いようがありません。しかし、【若鮎のような元気と才能溢れる北朝鮮は今後侮り難い相手だとは思いますが、】別に負けたわけじゃない。だから、我々はこの結果に動揺する必要はない。と、そう私は考えます」とも。








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