⤴️ブログ冒頭の画像:記事内容と関係なさそうな「美人さん系」が少なくないことの理由はなんだろう?
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/c566c210ad11db94fc1d87a5fddcf58e
すべての英語のセンテンスは五つの類型に整理できる。これが「5文型論」の前提であり帰結です。もし、この主張が正しいとすれば、「すべての英語のセンテンスには、ただ一つの主語と唯一の述語動詞しかない」ということになるはず。蓋し、下の表を見ればそう言わざるをえません。
[第1文型] S→V
[第2文型] S→V→C
[第3文型] S→V→O
[第4文型] S→V→O→O
[第5文型] S→V→O→C
では、複文や重文のケースはどう考えたらよいのか。
There is no rule but has some exception.
(例外のない規則はない)
確かに、等位接続詞(and, but, or, nor, so, for, yet)が導く節(等位節)は、「すべての英語のセンテンスには、ただ一つの主語と唯一の述語動詞しかない」という命題の例外かもしれない。けれど、英語のセンテンスの紛う方なき一要素にすぎない従属節、そして、その従属節を含む複文のケースはどう考えたらいいのか。
例えば、
When I first became a member, the cost was $25 per month.
(私が最初にメンバーになった時には、その費用は月に25ドルでした)
[TOEICテスト新公式問題集4, Test1, Part7-問題160-161]
このセンテンスを説明する際、(私を含め)多くの英語教師は、従属節の中の「S→V」構造に関しては「述語動詞became の主語はIですよ」と教えているのではないでしょうか。
私は何が言いたいのか。
それは、「従属節の「主語」「述語動詞」と主節の「主語」「述語動詞」を区別する必要があれば、「becameとIは接続詞whenが導く副詞節の中の述語動詞であり主語である」とそのたび毎に言えばいいだけのことだけれど、それは思考の経済から見ても無駄だから、普通誰もそう言わないだけだ」、と。
こういう主張は英語の初心者にとってはあまり親切なものではないのではないか。そう私は感じてきたということです。実際、中学の数学の教科書では「関数」とは「ある値が決まればそれにともない(依存して)別の値が一つだけ定まる、そんな対応関係を表す数式のことですよ」と書かれているけれど、では、しかし、円の式(例えば、原点を中心とする半径5の円:x²+y²=25, xの2乗+yの2乗=5の2乗)【↖わぁー、gooブログではxとyの肩の「2」が表示されていない、鴨。(ToT)】は「ある値が決まればそれにともない(依存して)別の値が二つ定まることが普通の(笑)、そんな対応関係を表す数式」である。このことから混乱してしまい、関数が、ひいては--あんなに楽しい~!--数学が嫌いになる子供達も多くはないけれど稀ではありませんからね。
蓋し、世界でも稀な「5文型論」を方便にせよ英語教育において堅持するとすれば、この複文の説明においてももう少し筋を通すべきではないか、と。
そう考え、而して、あくまでも教えるためのツールとしてですが、英語センテンスの記号表記の方法を工夫してみました。すなわち、この従属節と主節の関係を整理して、複雑な英文をビジュアルに理解するために「階層構造」と「記号化」の考えを導入し、もって、英文を形式論理的に把握できるように工夫してみたわけです。なんとか最初に英文の骨格のみをあたかも「レントゲン」で透視するが如く見て取る術を英語の初心者に伝えられないか。そう考えたということ。
しかし、自分で言うのもなんですが、以下述べることは「学術的な知見」とは無縁の、ある意味、英語を教える立場にある者の<遊び>にすぎない、鴨。そういう(いい加減な気持ちで考えたものでは誓ってありませんが)スタンスで目を通していただければと思います。また、保守派の英語教育関係者の方は、このアイデアを--どうせ、たいしたもんじゃないし(笑)--自由に使っていただいてかまいません。
尚、「5文型論」に関する私の考えについては下記拙稿を参照いただければ嬉しいです。また、本編内容と直接関係ありませんが、準動詞については下記の表記を私は使用しています。併せてご確認ください。
◎5文型論に関するKABUの理解
・【再出発の英文法】文型
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/44acbe36196ec583d19e6294e26980af
・なぜ日本では5文型論が生き残っているのでしょうか?
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/5b315dd60b6ef715fc92a701ae09bf76
◎準動詞のKABU式表記
・原形不定詞:ba-V
・to不定詞:to-V
・動名詞:Vg-ing
・現在分詞:Vp-ing
・過去分詞:Vpp
●複文の階層秩序と英文の記号表記の試み(1) ―― 階層秩序
複文では、見かけ上は「S→V→~」に見える構造が、文の構成要素の1部としてあたかも主語や目的語、補語や修飾語の役割をはたしている。つまり、複文は「1つの文には1つの主語と唯一の述語動詞しかない」という原則に反する事例のようにも見えるし、また下記の文例のように、従属節が別の従属節の中にChinese boxesよろしく「入れ子」状態になっている場合もあって初級者が英文の骨格を把握する上での難関の1つになっている。
<例>
This has meant that not much importance has been given to logic or reasoning as instruments for reaching mutual understanding in Japan, which becomes more and more difficult, even in the country.
(このことは、相互理解に到達する手段としては論理や推論が、日本であまり重要視されてこなかったことを意味する。相互理解に達するのは、日本でも益々困難になっているのだけれども)
例文のthat以下の節は、文全体(Thisの大文字のTからin the countryの後ろのピリオドまでの文全体)の目的語(O)になっている。さらに、which以下の節は、that以下の部分における修飾語(M)の役割をはたしている。つまり、whichの節はthat以下の節に、that以下の部分は本文全体の入れ子になっている。
例文全体は、主語→述語動詞がThis has meant、そしてthat以下を目的語とする第3文型の文であり、普通、S→V→Oと略記される。またthat以下の節だけに注目すると、主語がnot much importance、述語動詞がhas been given、そして、to logic~ in Japanとwhich以下が修飾語である。ここで、本文の中では目的語の役割を演じているthat以下の名詞節と関係代名詞whichが導くwhich以下の関係節は各々、S→V→M→MとRS→V→C→Mと記号化できる。
尚、RSは関係詞が関係節の中で主語の役割をつとめていることを示している。ゆえに、主節と2つの従属節を階層秩序に注目して記号化すると例文全体は以下の如く記述できる。
すなわち、
S→V→O(that:S→V→M→M(which:RS→V→C→M)’)’
上記の記述例では、that以下の節の「主語」はS’, even in the country はM’’と表現される。ダッシュ(’)の累乗数は、カッコと無縁の外側から数えた場合のカッコの数(外から数えて何番目のカッコの中に入れ子になっているか)に等しく、ダッシュが1個の要素を第1階層、2個のものを第2階層のものと名付ける。この記号法では、主節、すなわち、英文の本当の主語や述語動詞は、第0階層であり記号も通常どおりシンプルにSやVやOやCやMのままでよい。而して、レントゲンで当該の英文の骨格をまず把握するとは、最初は第0階層だけの意味を取るということである。
●複文の階層秩序と英文の記号化の試み(2) ―― 記号化のためのルール
英文の記号化の12個のルールを明記しておく。この記号化のシステムは、
ⅰ)節の入れ子構造をビジュアルに理解する上で便利であり、ⅱ)「重文を除いて、英文には1つの主語と1つの述語動詞しかない」という原則と、複文には、見かけ上は「S→V→~」の構造が複数あるという事実を整合的に理解する上で有効であると思う。
而して、この階層化と記号化は、英文の意味を速く正確に把握できるようになるための補助訓練ツールとして便利ではないか。蓋し、英文に言わばレントゲンを照射し英文の骨格が表す所の大枠の意味を素早く把握し、そして、英文の骨格、つまり、第0階層の部分(主節)に、順に第1階層→第2階層→第3階層→・・・・・と意味内容を肉付けしていけば英文を「速く正確に理解」することが誰にでも可能となろう。この階層化と記号化はその能力開発のための補助器具である。もちろん、階層化も記号化も完全なシステムでは当然ないけれども。以下、システムのディテールを提示する。
<KABUの英文記号化ルール12箇条>
①並んでいる語の順序どおり記号化する
②英文の5つの構成要素、主語・述語動詞・目的語・補語そして修飾語をそれぞれ、S,V,O,C,Mと略記する
③修飾語は原則、状況語的修飾語のみ記号化し、付加語的修飾語の記号化は割愛してよい
④ある文の構成要素と他の構成要素との間には、(「→」の記号)を置き区別する
⑤従属節が全体として主語とか目的語とかの役割をはたすときは、S(S→V→~)やO(S→V→~)の様に記して「S」とか「O」の記号とカッコの間には(→)記号は置かない
⑥従属節はカッコで囲み、カッコの後ろにダッシュ(’)を打つ。尚、節の中の「見かけ上の主語」や「見かけ上の述語動詞」は、S’やV’と表現される。2重に入れ子になっている場合、即ち、第2階層の見かけ上の主語や述語動詞は、S’’やV’’となるわけである
⑦節を導く、接続詞/関係詞/疑問詞はカッコの先頭に明記し、コロン(:)で他の節の要素と区別する。但し、不明確に成らないのであれば、この接続詞は省略してもよい
⑧等位接続詞が導く等位節はカッコで括らず、S→V→C, and S→V→Cのように記す。関係代名詞や関係副詞の非制限用法が、実質的な等位節を導く場合も同様
⑨関係代名詞や関係副詞は、関係節の中で演じている役割によって、RS、RO、RC、RMと略記する。それぞれ、外見上は主語、目的語、補語、修飾語の意味である
⑩関係代名詞が前置詞の目的語になる場合には、(前置詞→RO)または(RO→S→V~→前置詞)と表現する
⑪関係節が、離れた先行詞を修飾する場合(先行詞と関係詞の間に他の語句が挟まっている場合)には、(先行詞⇒関係詞)のように記述して、修飾と被修飾の関係を明示する
⑫疑問代名詞が名詞節を導く場合は、(疑問詞=S→V→~)のように記して、疑問詞が節の中ではたしている役割を明記する(この疑問詞は省略してもよい)
<例1>
Emperor Godaigo moves his court to Yoshino, while Kyoto falls under control of Ashikaga Takauji who establishes the Shougunate at Muromachi, Kyoto.
(後醍醐天皇は朝廷を吉野に移し、その間、京都の室町に幕府を開いた足利尊氏により京都は支配されるに至る)
主節 Emperor Godaigo moves his court to Yoshinoは、第3文型の文。while 以下は、「その時一方では~」を意味する、事象の同時存在性を表す副詞節。S’=Kyoto, V’=falls, M’=under control of Ashikaga Takaujiと把握できる。また、who以下はAshikaga Takaujiを修飾する関係節。これは第2階層の節であり、who=RS’’, establishes=V’’, the Shougunate=O’’と記号化できる。よって例文全体は、
S→V→O→M(while:S→V→M(who:RS→V→O→M)’)’
<例2>
A prime number is any whole number larger than 1 that can be evenly divided only by itself and 1.
(素数とは、1より大きい整数の中で、それ自身と1でしか割り切れない数である)
例2の that 以下は any whole number を修飾する関係節。主節の主語は A prime number であり、述語動詞が is、補語を any whole number、修飾語を larger than 1とする第2文型の文である。that以下で関係代名詞thatは見かけ上の主語の役割をはたしている(RS’)。ゆえに、例2は、
S→V→C→M(C⇒that:RS→V→M)’
尚、C⇒RSは関係代名詞thatが直前のM(larger than 1)ではなく、1つ前のC=any whole numberを修飾していることを示す。
<例3>
At night the candle and fireplace were the chief source of light for Colonial North American people, but their light was poor.
(北米植民地の人々にとって、ろうそくと暖炉が夜の主要な明かりだった。しかし、それらの明かりはごく弱いものだった)
At night ~ for Colonial North American peopleとtheir ~ poor の2つの等位節が等位接続詞 but によって連結されている。前節の主語はthe candle and fireplace、述語動詞はwere、補語はthe chief source of light であり、At night と for Colonial North American people は共に修飾語句である。後者の節では、their lightが主語、wasが述語動詞、poorが補語になっている。尚、2つの節とも第2文型の節である。よって例3の記号化は、
M→S→V→C→M, but S→V→C
<例4>
The dimensions of the cosmos are so large that using familiar units of distance, such as meters or miles, would make little sense.
(宇宙の規模は大変大きいので、メーターとかマイルとかの普通の距離の単位を使うことはあまり意味がない)
例文は、主節The dimensions of the cosmos are so largeと、従属節that using familiar units of distance, such as meters or miles, would make little senseで構成されている。従属節は、程度対照を表す副詞節である。
主節は、主語をThe dimensions of the cosmos、述語動詞が are、そして補語を so large とする第2文型の文であり、S→V→Cと表現される。他方、従属節はusing familiar units of distance, such as meters or miles が第1層の主語であり、would make が第1階層の述語動詞、そしてlittle senseが第1階層の補語である。ゆえに、第1階層の従属節は記号化すると(that:S→V→C)’になる。ゆえに、例4は上記の記号化のルールからは、
S→V→C→M(that:S→V→C)’
<例5>
A group of paintings made about 16.000 years ago in a cave in the Loire River valley in what is now France depicts a number of different animals.
(約16000年前に、今のフランスにあるロアール川の渓谷付近の洞穴に書かれた壁画群には、多くの種類の動物が描き出されている)
例5の主節の主語・述語動詞は、A group of paintings → depicts であり、文末の a number of different animals が主節の目的語。made ~ in the Loire River valley in what is now France は修飾語であるから、主節は、S→M→V→Oと記述できる。修飾語の中にある従属節の what 以下は、関係代名詞 what が関係節の主語(RS’)、is が述語動詞(V’)、Franceが補語(C’)である。よって、例5は、
S→M(what:RS→V→C)’→V→O
<例6>
I don’t know who solved the world’s most famous mathematics problem, Fermat’s last theorem.
(私は世界でも最も有名な数学の問題であるフェルマーの最終定理を誰が解いたかを 知らない)
ルールの⑫により、
S→V→O(who=S→V→O)’
<例7>
Criminal procedure about which I know a little seems a very dull subject.
(刑事訴訟法を私は少しは知っているが、それは実に退屈な科目に思える)
例文の主節は Criminal procedure seems a very dull subject と第3文型であり、主節の中に which の導く関係節 about which I know a littleが挿入されており、関係節は先行詞 Criminal procedure を修飾している。ところで、この関係節は、I know a little about Criminal procedure. と同じ意味であり、関係代名詞 which は前置詞 about の目的語になっていることがわかる。ここで、関係節だけを記号に変換すれば、about→which:RO→S→V→Mとなる。ゆえに、例7全体はルール⑩により、
S(about→which:RO→S→V→M)’→V→C
●複文の階層秩序と英文の記号化の試み(3) ―― 関係節の記号化
KABUが提案する英文の記号化ルールのうち関係詞に関連するものを今1度整理しておく。もっとも、関係節の複雑な現象を完全に記号に還元することは難しく、これももとより完全なものではありえない。要は、試案である。
There is no rule but has some exceptions. ♪
◆関係代名詞や関係副詞は、関係節の中でそれが演じている役割(格)に着目して、RS, RO, RC,RM と略記する。それぞれ関係節の中で、主語、目的語、補語、修飾語として機能していることを示すことになる。
◆関係代名詞が前置詞の目的語になる場合には、(前置詞→RO)または(RO→S→V→~→前置詞)で表現する。尚、関係代名詞thatが前置詞の目的語になる時は、常に、(RO→~→前置詞)の語順でしか用いられない。
◆関係代名詞や関係副詞が制限用法で用いられる場合には、関係節をカッコで括るが、関係代名詞や関係副詞が非制限用法で用いられ、実質、等位節を導く場合には、関係節はカッコで括らず、例えば、S→V→C, RS→V→Cのように記す。
◆関係節が、数語を隔て少し離れた先行詞を修飾する場合(先行詞と関係節の間に語句が挟まっている場合)には、(先行詞⇒関係詞)のように記述して、修飾と被修飾の関係を明示する。
<例>
An isosceles triangle is such a triangle with two sides whose measures are equal.
(2等辺3角形は、2辺の長さが等しい3角形である)
例文の主節は、S→V→C→Mの構文で、( M=with two sides )である。先行詞 two sides の意味を受ける関係代名詞の所有格 whose は関係節の中の主語(S’)measuresを修飾している。ゆえに、例文は、
S→V→C→M(whose:RM→S→V→C)’
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