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海外報道紹介☆北朝鮮で勃発する戦争の相貌(下)

2009年06月12日 14時09分45秒 | 英字新聞と英語の雑誌から(~2010年)



Washington has made clear that it wants to solve this latest flare-up via diplomatic channels. "Our focus is now — and has been and likely will continue to be — on coming up with diplomatic and economic pressures that will persuade the North to abandon its pursuit of nuclear weapons and the platforms to deliver them," Pentagon spokesman Geoff Morrell said June 8.・・・ That suggests neither Washington nor Seoul is going to take pre-emptive military action.

The immediate priority of the U.S. and its allies is to prevent North Korea from spreading its nuclear know-how around the world. And their own lever is China's influence over the hermit regime. "There's a view that if you want to get the Chinese to act on North Korea, you need to signal a willingness to take military action," Scott Snyder, a Korean expert with the Council on Foreign Relations, said last week. "But at the same time, how do you do that —especially in conjunction with allies — without the Chinese feeling that you're trying to manipulate them tactically?"


アメリカ政府は今般の北朝鮮危機の再燃を外交を通して解決したいという意向を明示している。「現在の所、我々の関心の中心は、―― そして、それは今までもそうだったし、おそらく、今後もそうであり続けると思われるのだけれども―― 北朝鮮が核兵器と核兵器を運搬するための手段の開発を断念せざるを得なくなるような経済的と外交的の圧力を見出すことにある」とアメリカ国防総省のジェフ・モレル報道官は6月8日にそう述べている。(中略)蓋し、これらの発言はアメリカも韓国も先制攻撃を仕掛けるつもりがないことを示唆しているものと思われる。

アメリカとその同盟国にとって当面の優先事項は北朝鮮がその核開発の技術を世界中に拡散することを阻止することだ。而して、アメリカとその同盟国が自陣の槓桿として期待しているのは、この世界の孤児に対して支那が持っている影響力である。「支那に対して北朝鮮への働きかけを促そうとするならば、些かも我々は軍事行動を躊躇していないということを行動に表すことが必要であり、このことは満更荒唐無稽な見込みではないと思う」と、外交問題評議会に所属する朝鮮半島問題の専門家スコット・スナイダー氏は先週述べてくれた。「しかし、同時に、我々が支那を巧みに操って火中の栗を拾わせようとしていると支那人に感じさせることなく、―― かつ、同盟国との連携を保ちつつ ―― 北朝鮮に対する軍事制裁を我々が毫も選択肢から外すつもりがないことを支那や北朝鮮にいかに伝えるかは難問ではある」とも。


China's role will be key, according to Larry Wortzel, who served two tours as a U.S. Army military attache in Beijing. "China will not let North Korea collapse," he was told by several top People Liberation Army officials during the Clinton Administration, according to his account in the latest issue of the U.S. Army journal Parameters. Beijing will help Pyongyang survive any sanctions. "There are limits to what the United States and its allies can do," he warns, "unless they want a complete break with, or to invite conflict with, China." China's motives are two-fold: keep North Korean refugees from flooding across the border, as well as to keep a U.S. ally from emerging on China's doorstep.


例えば、アメリカ陸軍の支那駐在武官として二度勤務した経験のあるラリー・ウォーツェル氏によれば、支那が北朝鮮危機解決の鍵になるということだ。クリントン政権時代のことではあるけれど、【支那】人民解放軍の何人もの高官から「支那は北朝鮮の崩壊を黙って見過ごすことはしない」と聞かされたという。【アメリカ陸軍の研究論文誌】U.S. Army journal Parametersの最新号に掲載された報告の中で同氏はそう記している。而して、いかなる制裁措置が取られようとも支那は北朝鮮の生き残りを支援することになる。よって、「アメリカとその同盟国が支那との決定的な衝突や支那との紛争を望んでいるのでない限り」「アメリカとその同盟国にできることには限度がある」と同氏は警告している。畢竟、支那がそこまでして北朝鮮を支える動機は二つある。それは、アメリカの同盟国が国境を隔てて隣接するような事態を回避することに加え、北朝鮮との国境を超えて北朝鮮の難民が大挙して支那になだれ込むことを阻止することである。


If it came to war, however, a key goal of any large North Korean attack would be to launch as many shells and rockets towards Seoul from its artillery tubes and launchers, many self-propelled or on railcars. The goal of U.S. and South Korean forces would be to destroy that artillery capability before too many rounds could be launched. While North Korea would build any attack around its 1.2 million-strong army, the U.S. and South Korea would rely more on their air and naval forces.

The Pentagon has largely refrained from saber-rattling, and is not planning to reinforce the 28,000 U.S. troops now in South Korea, or the 35,000 stationed in Japan. When pressed, U.S. military leaders concede that even their defensive plans will be tougher to implement given the fact that they currently have roughly 175,000 troops deployed in Afghanistan and Iraq. "There would have to be a level of ad hoc conglomeration of forces," General James Conway, the Marine commandant, told a Senate panel June 2. "But in the end, I am convinced we would prevail."


戦争勃発ということになれば、しかし、巨大な北朝鮮軍のすべての部隊にとって可能な限り多くの砲弾とロケットとをソウルに打ち込むことがその獲得目標はになろう。而して、それらミサイルの発射設備の中には自走式のものや軌道車輌に搭載されているものも少なくない。他方、アメリカ軍と韓国軍の戦術目的は、北朝鮮のミサイル発射を可能な限り最少に押さえ込むべく、可及的に速やかに北朝鮮のミサイル発射能力を破壊することになる。北朝鮮の攻撃がその兵員120万人を誇る強力な陸軍を中心に展開される見込みであるのに対して、米韓の攻撃はどちらかと言えばその空軍力と海軍力に基づき行なわれるものと思われる。

アメリカ国防総省は好戦的な言動が外部に漏れるのを基本的には抑えてきており、また、現在、28,000人の在韓米軍と35,000人の在日米軍の増強を行なう計画はない。強いて言わざるを得ない立場に立たされれば、そして、アフガニスタンとイラクに大凡175,000人の部隊を配備している事実を考慮するとき、アメリカ軍の指導部は、現在の防衛計画の実行さえそう容易でないことを渋々認めるだろう。「各部隊から寄せ集めて臨時の部隊を編成せざるを得なくなるかもしれない」。そう、アメリカ海兵隊総司令官ジェームス・コンウェイ大将は、6月2日のアメリカ上院公聴会で証言した。「しかし、最終的には我々が打ち勝つことを私は毫も疑っていない」とも。





■参考報道
●<北朝鮮>追加制裁決議案を正式に安保理に提出 日米など
北朝鮮の2回目の核実験で日米などは11日、先に7カ国で最終合意した追加制裁決議案を正式に国連安全保障理事会に提出した。これを受け安保理は12日午前11時(日本時間13日午前0時)に、公式会合を開き決議案を採決する。非常任理事国も決議案を支持しており、同案は全会一致で採択されるとみられる。

決議案は北朝鮮の核実験(5月25日)を安保理決議違反と認定し、「最も強い言葉で非難」。北朝鮮からの武器輸出を全面禁止し、国連加盟国に、▽北朝鮮を出入りする貨物について禁輸物資が積まれている合理的な根拠がある場合に自国領内での検査▽公海上で船舶が北朝鮮への禁輸物資を積んでいるとする合理的な根拠がある場合に船舶の所属する国の合意の下での検査--などを求めている。(毎日新聞:6月12日11時38分)


●「外交が最優先の選択肢」 対北朝鮮で米特別代表
北朝鮮担当のボズワース米特別代表は11日、上院外交委員会の公聴会で北朝鮮への対応について「真剣で効果的な外交が最優先の選択肢だ」と述べ、引き続き対話路線を維持する考えを示した。「高まる脅威」に対応するため「米国や、同盟国の日本、韓国の安全を守るためには必要な行動を取る」とも述べ、北朝鮮をけん制した。

独自制裁に関しては、北朝鮮の海外口座を標的とした追加的金融制裁を検討していると述べるにとどめた。(共同:6月12日10時00分)


●公海上の北貨物検査、法整備を検討独自制裁強化も 官房長官
河村建夫官房長官は11日午前の記者会見で、国連安全保障理事会で北朝鮮船舶への貨物検査(臨検)を要請する制裁決議案が採択される見通しとなったことに関連し「決議の要請に日本政府としても応えなければならない。新しい国内法としてはどういう形があるのか。今、正に検討に入っている」と述べた。公海上での貨物検査を実施するため、新法制定を含め国内法の整備を行う方針を明らかにした発言だ。今国会中での法整備についても「可能性としては十分ある」と語り、政府として対応を急ぐ考えを明らかにした。

現在、日本が公海上で貨物検査を行う法的根拠となる船舶検査法は「周辺事態」の認定を必要としており、制裁決議の実施には適さないとの指摘が政府・自民党内から出ていた。ただ、貨物検査の実施に向けた法整備には公明党が難色を示しており、調整が難航する可能性もある。

河村氏はまた、日本単独の制裁措置について「輸出と人的往来が議題になってくる」との認識を示した。自民党の拉致問題対策特命委員会は北朝鮮の核実験強行を受け、政府に対し追加制裁措置として、北朝鮮への輸出全面禁止や北朝鮮を訪問した在日外国人の再入国禁止などの追加制裁案を求めている。(産経新聞:6月11日13時05分)


●北朝鮮への独自制裁を検討 米政府
クローリー米国務次官補(広報担当)は5日の記者会見で、北朝鮮に対し、国連安全保障理事会と並行して米国独自の制裁を検討していると語った。北朝鮮を核問題をめぐる6カ国協議に復帰させるための手段として使うとしている。同時に偽ドル札の流通など違法な金融活動を継続している北朝鮮に圧力を強めるねらいもあるようだ。

オバマ米政権内部には、財務省を中心に金融制裁の強化を探る動きがある一方、国務省にはボスワース特別代表(北朝鮮政策担当)をはじめ対話を重視する意見があるが、北朝鮮が核実験実施など強硬姿勢を続けるなか、同政権の北朝鮮政策は圧力を強化する方向に傾きつつあるようだ。(産経新聞:6月6日18時12分)





■参考記事

・国連憲章における安全保障制度の整理(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57964889.html

・<神風>としての北朝鮮ミサイル発射☆「集団的自衛権行使違憲論」の崩壊の予兆
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57476954.html

・護憲派による自殺点☆愛敬浩二『改憲問題』(1)~(8)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/34986878.html

・憲法無効論は不毛ではないが無効である
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57820628.html

・長谷部恭男教授の<憲法9条改正不要論>の検討
 http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-194.html

・憲法改正の秋-長谷部恭男の護憲派最終防御ラインを突破せよ!
 http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-195.html




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