英語と書評 de 海馬之玄関

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Weblogだもの、たまには「Web日記」☆金芽米と生成文法と公教育

2006年03月14日 06時12分13秒 | 徒然日記


昨日の感動。「金芽米」を昨夜始めて食べてみました。あの荒川静香選手がCMに出ているあれです。近所の、サティー☆VIVREで売っていた。我ながら「ミーハーだよな」とは思ったけれど、まあ、荒川さんの金メダルのお祝いに購入(?)、で食べてみた。

美味しかった。

これ以上は説明はいらない、というか土台、自分が感じた美味しさの説明を他者にするのは無理でしょう。一つ言えるのは、昔、上等の天然塩について作家の阿刀田高さんかどなたかがエッセーの中で言っておられた言葉が当てはまると思いました。確かそれは、

「どんなものでも本当に美味しいものは、それを人は「甘い」と感じる。この塩をいただいたとき私は「甘い」と感じた。この塩はだから美味しいのだ」、と。そして、昨夜いただいた金芽米も「甘く」美味しく感じました。


一昨日の日曜日、仕事で藤沢に行った帰り久しぶりに江ノ島にまで足を伸ばしました。風の強さが半端じゃなかった。こんな日にサーフィンをやろうというのは、腕がいいのか命知らずか、何も考えていないのかどれかでしょうね。まあ、せっかくの休日(こちらは仕事だ!)、せっかく片瀬海岸まできたら風が強かろうが雷が鳴っていようがサーフィンしないで帰るのはもったいないという感覚なのでしょうか? だとすれば、外観は、文字通り「サーファー」でも中味はある種典型的な日本人ということかしら(笑)。



江ノ島からの帰途、地元、新百合ヶ丘で求めた新書2冊。町田健『チョムスキー入門 生成文法の謎を解く』(光文社新書・2006年2月)、岡本薫『日本を滅ぼす教育論議』(講談社現代新書・2006年1月)。まだ読んではいませんが(積読になる可能性もあり)、良書だと思います。



生成文法というかチョムスキーの言語学に関して一般向けに書かれた日本語の書籍としては、私は今でも、田中 克彦さんの『チョムスキー』(岩波現代文庫・2000年12月←岩波同時代ライブラリー・1990年7月)が最高で最良のものと思っています。

しかし、田中さんのこの本は、言語学におけるチョムスキーの意義や意図、そのエッセンスをあまりにも見事に突いているので、言語学について予備知識があまりない一般の読者には、逆に、何がチョムスキーの独創的な点でチョムスキーの生成文法にはどんな問題が伏在しているのか今一つ分からないうらみがある。それは中島敦の短編小説、『名人伝』が描いている弓矢の名人の世界に近い。あまりの名人芸になると、他者は(弓矢で射られているはずのその鳥さえもが)その技の凄さが理解できないというあれです。



その点、町田さんの『チョムスキー入門 生成文法の謎を解く』はかなり具体的にチョムスキーの理論の内容やそれがどんな課題を抱えているのか、そして、(少し想像力を働かせるのならば)チョムスキーの生成文法理論が英語教育や教育、異文化コミュニケーションにどんな有益な視点を提供してくれるのかが分かりやすく書かれていると思いました。もちろん、それは田中さんの著書とは違い、エッセンスだけを提示するものではない分、いくらか言語学のテクニカルタームというかジャーゴンは出てきますが(高校程度の英文法の知識さえあれば)きちんと取り組まれれば理解できる一書でしょう。



岡本薫『日本を滅ぼす教育論議』。確か、一昨日の朝日新聞で東京大学の苅谷剛彦さんが、かなりポジティブな書評をしておられたと思います。文部科学省で教育改革に取り組まれていた岡本さんのいわば<憂国の書>でしょうか。タイトルの大仰さに著者の慷慨悲憤ぶりが込められていると感じないではないですが、大仰なタイトルとは異なり内容も主張も中庸をえたものだと思います。

通読していないのでこれ以上のコメントは差し控えますが、私の言葉で言えば、「子供が学校の主人公」「どの子も潜在的にはどの教科でも100点を取る力がある」「子供が十分に能力を開発できない/非行に走るのは家庭や地域や社会に問題があるからだ」と唱える戦後民主主義の教育観も、「現在の日本の問題は、自分の権利ばかり主張して、国や社会のために自分は何をすべきかを教えていない戦後教育に端を発している」と考えるある一部の保守派の教育観も、教育を通して子供達に涵養すべき心のあり方にのみ注力する点では同じと言ってもいい。

ならば、公教育が現在抱える問題は(その先、「大学・大学院への進学→就職」まで射程に入れた)制度改革、特に、公教育におけるマネージメントのパフォーマンスを上げることなくしては現実には解決しない。そして、その制度改革のためには、公教育の目的を再定義することが不可避ではないかという著者の主張には共感しました。

『日本を滅ぼす教育論議』に関連して最後に一言。人気漫画の原作であり、最近、文庫本にもなった室積光『都立水商』(小学館文庫・2006年4月←小学館・2001年11月)は高校卒業後、風俗業界で働きたいと思う生徒のための専門の都立高校のお話し。現在の公教育を考える上で必読の一書だと思います。



公教育は地域のニーズと子供達の進路志望に応える義務があるはずであり、その場合「都立水商」というアイデアは満更荒唐無稽ではないと思うのです。実際、高校にせっかく入学しても中退して、結局、風俗業界で働く生徒が少なくない都立高校は現実に存在する。ならば、そんな都立高校は単純な税金の無駄使いだけでなく子供達の将来に対しても何らの貢献もしていないことは明らかではないでしょうか。『日本を滅ぼす教育論議』と『都立水商』の併読をお薦めします。尚、私の公教育改革に関する基本的な考えについては下記の拙稿をご参照ください。


公教育の分割民営化推進連絡会議★Mixiにコミュニティーを立ち上げました♪ ⬅コミ自体消滅(涙)

郵政民営化の次は都立高校の分割民営化を! 

また、少し古いですが、公教育の機能そのものに関する私の基本的考えについては下記の拙稿をご参照いただければ嬉しいです。

ゆとり教育路線批判 寝言は寝て言え<文部官僚>⬅リンク切れ
 
続・ゆとり教育路線批判 寝言は寝て言え、朝日新聞⬅リンク切れ
 





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (口コミ英会話)
2006-03-31 17:33:17
突然の連絡失礼いたします。



英語を使いこなしたい!

そう思いながら『何をやっていいのか分からない』

『やる時間や予算がない』

という方がたくさんいらっしゃると思います。



そんな人のために、

英語関係の口コミ情報を集めたいと思っています。



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噂の金芽米ですね (kimkimchanjp)
2006-03-26 16:16:00
無洗米専門家のkimchan。

無洗米にしてから、料理をするようになりました。

KABUさん、いかがお過ごしですか?

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